介護支援専門員が認識する対応困難事例の特徴
齋 藤 智 子, 佐 藤 由 美
要 旨 【目 的】 介護支援専門員が認識する対応困難事例の特徴を明らかにすることを目的とした. 【対象と方 法】 N 県内の居宅介護支援事業所に所属し, ケアマネジメントを行っている介護支援専門員 16名を対象に, グループインタビューを実施した.今までのケアマネジメントの中で,対応困難を感じた状況・場面と具体的 な困難内容について聴取し, 質的帰納的に 析した. 【結 果】 介護支援専門員の対応困難は, ケアマネジ メントプロセスの「計画立案」「実施」の段階で多く認識されており,困難内容は,家族内の調整,サービス利 用の説得, 専門的対応を必要とする課題に対する対応等, ケアマネジメントに十 な時間をかけることを必 要とし, また専門的知識や適切な支援者との連携を必要とする内容であった. 【結 論】 介護保険制度下に おけるケアマネジメントの質の向上のために, 介護支援専門員が認識する対応困難の特徴をふまえた支援を 行っていく必要がある.(Kitakanto Med J 2006;56:319∼328) キーワード:介護支援専門員, ケアマネジメント, 対応困難事例 は じ め に 2000年の介護保険制度導入により, 高齢者に対する介 護サービスは契約によって成立するようになり, それま で地方自治体の保 師が主に担ってきた在宅要介護高齢 者に対するケアマネジメントは, 介護支援専門員の役割 として位置付けられた. 介護保険制度が施行されて 5年 以上を経過した現在, 介護支援専門員の行うケアマネジ メントについてさまざまな課題があげられている. 介護 支援専門員への調査によると, モニタリング, 再アセス メント及びサービス担当者会議開催の実施率が低い ことや, 利用者の直面している問題が将来の生活にどの ような支障を与えるかがアセスメントできない, 課題の 整理ができない, 課題に対応するサービスや資源の把握 が十 でない などケアマネジメントの質に関わる課題 が指摘されている. また, 介護支援専門員側からも, 対応 困難事例に関わる相談の受けとめ先がない, 利用者や家 族からの介護保険以外の相談が多く, ケアマネジャーだ けでは対応できない など, 複雑な問題を抱えた事例に 対する対応の困難さが表出されている. さらに, 介護支 援専門員の能力や努力だけでは対応しきれない問題も少 なからず存在しており, 介護保険が市場の理論で成り 立っている限り, そのような問題を持つケースをどこま で引き受けるかは居宅支援事業者にとっては経営戦略の 範疇の問題である という指摘もあり, 対応が困難な事 例に対するケアマネジメントが一般の居宅介護支援事業 者から敬遠されるという事態を招く恐れもあると えら れる. 2006年度には介護保険法の改正により, 包括的・継続 的ケアマネジメント」の支援機能を担う地域包括支援セ ンターが 設された. この地域包括支援センターは, 市 町村における地域ケア支援機関として, 介護支援専門員 への日常的な相談や指導と対応困難事例に関する指導・ 助言を行う役割を持つことになった. つまり, 前述した 介護支援専門員がケアマネジメントを行う上で直面する 対応困難に対して, その解決のための具体的な支援を行 いながら, 介護支援専門員の質の向上を図っていくこと となる. それには, 介護支援専門員が対応困難を生じや すい事例や内容を明らかにすることが不可欠であり, 介 護支援専門員のニーズに った支援を行うことが重要で ある. 介護支援専門員がケアマネジメントを行う中で生じる 1 新潟県上越市新南町240 新潟県立看護大学看護学部看護学科地域生活看護学 2 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学医学 部保 学科地域看護学 平成18年8月17日 受付 論文別刷請求先 〒943-0147 新潟県上越市新南町240 新潟県立看護大学看護学部看護学科地域生活看護学 齋藤智子対応困難に関する先行研究では, 対応困難を生じる利用 者・家族側の要因について明らかにしたもの や, 対応 困難と思う事例について集計したもの がいくつか見ら れるが, いずれも保 師や在宅介護支援センター職員等 が調査対象となっており, 介護支援専門員が認識してい る対応困難の内容について明らかにしたものは少ない. そこで本研究では, 介護支援専門員の立場から, ケア マネジメントを行う上での対応困難事例の特徴を明らか にすることを目的とする. 方 法 対 象 N 県内の居宅介護支援事業所に所属し, 在宅療養者に 対してケアマネジメントを実施している介護支援専門員 16名を調査対象とした. 対象者の選定は, N 県 J地域の居宅介護支援事業推進 協議会理事から対象者の紹介を受けた. なお, 地域性の 違いによる内容の偏りを 慮し, N 県 J地域内の都市部, 農村部, 山間部の地域性の異なる 3地区から対象が選定 されるよう依頼した. 調査地域の概況 N 県は高齢化率 22.5%, 世帯構成は高齢者世帯の割合 が 11.5%と全国よりも高齢化が進行している (平成 15 年度 10月 1日現在). 介護保険の利用状況では, 1号被保 険者に占める要介護認定者の割合は, 13.2%と全国平 (13.9%) とほぼ同様である (平成 14年度末現在). J地域 は N 県の南西部に位置し,山間部,平野部,海岸部と変化 に富んだ地形を有する県内でも有数の豪雪地域となって いる. 高齢化率は 24.2%, 世帯構成は高齢者世帯の割合 が 12.6%と N 県全体と比較してやや高い. J地域は都市 部, 農村平野部, 山間農村部があり, 特に山間農村部では 高齢化の進行, 高齢者世帯の増加が顕著である. 介護保 険の利用状況では, 要介護認定者の割合は 14.1%と全 国・県平 よりもやや高い状況である (平成 14年度末現 在). 調査方法 1グループ 5∼ 6名で構成した 3つのグループに対し, それぞれ 1時間半∼ 2時間のフォーカスグループインタ ビューを実施した. フォーカスグループインタビューは, グループダイナミクスを用いて質的に情報把握を行う科 学的な方法論の 1つ であり, 明らかにしたいテーマに 対する関係者の声を体系的に整理し, テーマの背景にあ る潜在的・顕在的な情報を把握することに適した方法で ある. 本研究では, さまざまな場面で生じる介護支援専 門員の対応困難事例について, 潜在的・顕在的な意見を 引き出して体系的に整理することが目的であるため, 介 護支援専門員間の相互作用を活用したこの方法が最適と えた. フォーカスグループインタビューの内容は, 今まで ケアマネジメントを実施した事例のうち, 対応困難を感 じた状況・場面と具体的な困難内容」とした.また,属性 として対象者の職種, 実務経験, 介護支援専門員として の経験年数を聴取した. インタビューは, 対象者の了解 を得て IC レコーダーに録音し, 逐語録を作成した. フォーカスグループインタビューの進行と調整を行う インタビュアーは第一著者が務め, アシスタント・記録 者として教育・研究経験のある研究者 1名と補助者 2名 を配置した. 調査期間は, 2004年 3月である. 倫 理 対象者には, 研究の趣旨及び方法, 個人のプライバ シーの保護,研究参加に対する利益・不利益,研究参加意 思の自由等を記載した依頼書を事前に送付し, 書面及び 口頭で事前に説明を行い, 同意書によって研究参加の同 意を得た. 対象者の紹介を依頼した居宅介護支援事業推進協議会 理事には, 選定した対象者の氏名を漏らさない旨の誓約 書への署名を依頼した. また, 実際に選定した対象者が 研究参加したかどうかの有無は, 紹介者には伝えないこ ととした. なお, 研究の実施にあたって, 群馬大学医学部疫学研 究に関する倫理審査委員会の承認を得た. 析方法 フォーカスグループインタビューによって得られた データを以下の手順に従って 析した. まず, 逐語録か ら介護支援専門員が語った「対応困難を感じた事例の状 況」と「具体的な対応困難の内容」が含まれる文脈を抽 出した.そして「対応困難を感じた事例の状況」について は, 対応困難の背景という観点から状況・ニーズ別に整 理した.次に, 具体的な対応困難の内容」については,そ の文脈の内容を読み取ってコード化し, 意味内容の類似 性に従って 類してカテゴリー化した. まず, コードの 意味内容が類似したものをまとめ, その 類が表す内容 をサブカテゴリーとして命名した. さらにサブブカテゴ リーを意味内容の類似性に従って統合し, その 類が表 す内容をカテゴリーとして命名した. 各カテゴリーが内 容を的確に示すよう逐語録を確認しつつこの作業を繰り 返し行った. そして, その困難内容のカテゴリーをケア マネジメントのプロセスである『利用者発見・インテー ク』,『情報収集・アセスメント』,『計画』,『実施』,『モニ
タリング・フォローアップ』,『評価・フィードバック』の 6つの段階に当てはめ, 各ケアマネジメントプロセスに おける介護支援専門員の対応困難内容を 析した. 析は, 地域看護学を専門とし質的研究に精通した共 同研究者との協議によって実施し, 信頼性・妥当性の確 保に努めた. 結 果 対象者の属性 対象となった介護支援専門員 16名の属性は, 職種は, 介護福祉士 12名, 看護師・准看護師 3名, 歯科衛生士 1 名であり, それぞれの職種での実務経験の平 年数は 13.9 年, 介護支援専門員の平 経験年数は 2.3年 (最短 5 か月∼最長 4年) であった. グループごとの対象者の属 性を表 1に示した. 介護支援専門員が認識する対応困難 介護支援専門員が対応困難を感じる事例の背景 フォーカスグループインタビューにおいて, 介護支援 専門員から対応困難を感じた事例として語られた事例は 30事例 (事例 a∼ad)であった.介護支援専門員から対応 困難を感じた事例の概要として語られた内容を表 2に示 し, その事例の背景を表 3に整理した. 介護支援専門員の対応困難を生じた事例は, 高齢者 世帯」5事例, 独居・日中独居高齢者」5事例, 虐待 (疑 い)がある事例」5事例, 医療依存度の高い事例」3事例, 表1 対象者の属性 A B C グループ員数 6人 5人 5人 職 種 介護福祉士 4人,看護師 2人 介護福祉士 4人, その他 1人 介護福祉士 4人,看護師 1人 実務経験 平 15.8年 (11年∼22年) 平 10.4年 (8年∼14年) 平 15.4年 (7.8年∼22年) 介護支援専門員の経験年数 平 2.7年 (1年∼4年) 平 1.4年 (1年∼2年 8か月) 平 2.5年 (5か月∼4年) 表2 対応困難として語られた事例の概要 事例 介護支援専門員によって語られた内容 a 高齢者 2人暮らし. 介護者 (妻) にアルコール依存症があり, 他の別居家族の協力も得られなかった事例 b 家族関係が悪く, 利用者と家族にサービス利用への意見の不一致があり, えに歩み寄りが見られなかった事例 c 高齢者 2人暮らし. サービスの導入により生活のペースの乱れ, 気疲れが生じ, サービスの拒否が見られた事例 d 利用者と障害を持った息子との 2人暮らし. 利用者が障害者の息子の世話もしている事例 e 家族に精神障害者がおり,家族が利用者のサービス利用により外部支援者が入ることを拒否しているために,サービス導入ができない事例 f 4人暮らし.利用者は認知症,介護者 (夫)は体調不良があり,介護が十 にできない状態であったが,他の同居家族の介 護協力は得られず, サービス導入にも消極的で, 必要な介護がなされず本人の状態悪化が進んだ事例 g 利用者は初老期認知症.介護者は夫であるが,介護放棄の状態が見られ,本人の状態悪化が進行.サービス利用を開始しても利用料の滞納・不払いが続いた事例 h 利用者は若年の難病患者で, 軽度の知的障害もあった. 高齢の親と同居しているが介護力はなく, 介護保険サービスを利用しても適応できなかった事例 i 家族関係が悪く,家族の介護協力が得られずショートステイなどの介護サービスで在宅生活を維持してきたが,介護度 の改善により, 現状のサービス利用が困難な状況であるが, 家族は他のサービスは一切受け入れなかった事例 j 利用者夫婦と息子の 3人暮らし.必要なサービスを提案しても家族の受け入れが悪く,サービス利用に結びつかなかった事例 k 経済的に余裕のない一人暮らしの利用者. 経済的援助をしている遠方に住む家族と本人のサービス利用に対する希望 に不一致が見られ, 本人の希望するサービスを受けられなかった事例 l 軽度の認知症があり, 日中独居の間に行方不明になったことがあった事例 m 家族による利用者の年金の い込みなど家 内での金銭トラブルがあり, サービス利用料の滞納があった事例 n 家族による利用者の年金の い込みなど家 内での金銭トラブルがあり, サービス利用料の滞納があった事例 o 利用者 (妻) は認知症で夫が介護. 妻の言動が受け入れられず, 暴力などの虐待が繰り返されていた事例 p 介護者の介護負担の増大から, 利用者への身体的虐待が繰り返された事例 q 要介護状態の高齢者 2人暮らし.サービスの受け入れが悪く,必要なサービスの導入が進まなかった.時折,夫から「死 にたい」など死をほのめかす発言があり精神的に不安定であった事例 r 利用者と息子の 2人暮らし. 家族関係も悪く, 息子の経済的問題があり, サービス利用が継続できなくなった事例 s 独居高齢者で,がんのターミナル期にあった事例.本人への告知はなく,在宅生活の希望が強かった事例.病状の進行に 伴いサービス提供者に対応への不安が生じてきた. t IVH を施行し, 医療依存が高い状態で退院になったが, 本人の病状も不安定で家族の精神的負担が大きかった事例 u 急に退院が決まり, 利用者・家族から連絡を受けた事例
在宅ターミナル期の事例」1事例, 認知症のある事例」 5事例, 複数の疾患を合併した事例」2事例, 要介護者・ 介護者双方に疾患をもつ事例」4事例, 家族関係の悪化 した事例」7事例であった. 対応困難の背景という観点で事例の状況やニーズを見 ると, 8項目に 類できた. 高齢者世帯や, 介護者にも疾 患がある・病弱であることなどから生じる「介護力不足 がある」, 嫁姑問題や複雑な家族関係など家族関係の悪 化からくる「家族の介護協力が得られない」,本人と家族 の意向にずれが生じる「家 内の意見の不一致がある」, 本人がサービス利用に抵抗が強い, サービス利用を中断 する, 必要な医療に結びつかないなどの「本人のサービ ス受け入れ拒否がある」, 家族が必要なサービスの受け 入れを拒否する, 必要な手続きをしないなどの「家族の サービス受け入れ拒否がある」, 家 内の金銭トラブル 等によるサービス利用料の滞納・支払い拒否, 必要な サービスを導入するための経済力が乏しいなどの「経済 的問題がある」, 本人の介護度に合わないサービスの内 容・利用量を要求するなど「サービスの過剰要求がある」, 本人の病状悪化, 介護者の 康障害などによる介護状況 の変化など「状態の変動がある」であった. 対応困難事例として語られた事例は, 高齢者世帯で, サービスの受け入れが悪い」(事例 c, q), 認知症の利用 者と病弱な介護者の 2人暮らしで, 要介護者本人にサー ビス利用拒否がある」 (事例 z), 家族に精神障害者がお り, 家族が利用者のサービス利用により外部支援者が入 ることを拒否している」(事例 e), 独居で,がんのターミ ナル期だが在宅療養を希望している」(事例 s), 家族の 介護放棄があり, サービス利用料の滞納もある」(事例 g) など, 複数の問題となる状況が重なることによって, 介 護支援専門員に対応困難を生じさせていた. また, 虐待 (疑い) がある事例」については, 単独の問題であっても 対応困難な事例として語られていた. v 体にあざがあり, 利用者からは身体的虐待を受けているとの訴えがあるも, 介護者は虐待の事実を隠している事例 w 言葉による心理的虐待など, 目に見えない虐待を受けていた事例 x 利用者 (妻) に医療受診・サービス利用の中断・利用拒否が見られ, 夫による介護も十 に行われていなかった. 家 状況の変化により息子が介護をすることになったが, サービスの過剰要求があり, CM とトラブルになった事例 y 日中独居で, 家 内の事故の危険性が高いが, 訪問系サービスへの家族の受け入れが悪く, 必要なサービス利用に結びつかなかった事例 z 高齢者 2人暮らし.利用者は認知症と心疾患を合併し,食事制限なども必要であったが,本人の理解は難しく,夫も病弱 により介護・生活管理ができない状態であった. サービス利用も拒否し, 病状の悪化を招いた事例 aa 独居,親類・縁者との付き合いもない.理解力が低下しており,サービスの受け入れも悪く利用には結びつかないが CM には, 何度も連絡を取ってくる事例 ab 高齢者世帯. 借金があり生活保護対象外となり, サービス利用料金の滞納が続いた. 家族関係も悪く協力が得られなかった事例 ac 認知症もある利用者で経管栄養の状態で退院になった. 介護者も高齢であり, 必要な処置が行えない危険がある事例 ad 食道ろうからの経管栄養を実施. 介護者のペースによる不適切な処置・介護があり, 状態の悪化を招いていた事例 表中の CM とは, 介護支援専門員 (Care Manager) の略 表3 対応困難事例の背景 事例の背景 事例との対応 高齢者世帯 a, c, q, z, ab 独居・日中独居高齢者 k, l, s, y, aa 虐待 (疑い) がある事例 g, o, p, v, w 医療依存度の高い事例 t, ac, ad 事 例 在宅ターミナル期の事例 s 認知症のある事例 f, g, o, p, z 複数の疾患を合併した事例 h, z 要介護者・介護者双方に疾患をもつ事例 a, d, e, f 家族関係の悪化した事例 b, i, j, m, n, r, ab 介護力不足がある d, e, h, l, o, q, s, t, z, aa, ac 家族の介護協力が得られない a, f, g, i, p, ab, ad 家 内の意見の不一致がある b, k 本人のサービス受け入れ拒否がある c, h, x, aa 状況・ニーズ別 家族のサービス受け入れ拒否がある e, f, i, j, q, y 経済的問題がある g, k, m, n, r, t, ab サービスの過剰要求がある i, x 状態の変動がある s, t, x, y, z, ac, ad
介護支援専門員の対応困難の内容 介護支援専門員の対応困難の内容に関する記述は, 36 コードが抽出され, 27のサブカテゴリー, 13のカテゴ リーに 類された. ケアマネジメントプロセスの各段階 では,『情報収集・アセスメント』は 1カテゴリー,『計画』 は 6カテゴリー,『実施』は 3カテゴリー,『モニタリン グ・フォローアップ』は 3カテゴリーであった.『利用者 発見・インテーク』,『評価・フィードバック』に当ては まるものはなかった. 介護支援専門員の対応困難の内容を表 4に示した. 以 下,カテゴリーを >, サブカテゴリーを[ ]で表し, ケアマネジメントプロセスの各段階についてカテゴリー 毎に対応困難の内容と特徴を示す. 情報収集・アセスメントの段階 情報収集・アセスメントの段階では, 対応に必要な支 援機関の探索> の 1カテゴリーが抽出された. これは, まだ疑いの段階で表面化しにくい虐待への対 応をどこに相談したらよいかわからないという[虐待さ れている利用者への対応に必要な支援機関の探索]と, 精神疾患を持つ家族に対するケアが必要と えられる際 にどこに相談したらよいかわからないという[精神疾患 を持つ家族への対応に必要な支援機関の探索]というも のであった. 計画の段階 計画の段階では, 家族内の意見調整>, 利用者に必要 なサービスの受け入れに向けた説得>, 介護保険制度上 の適正なサービス利用に向けた説得>, 介護度軽度の独 居者へのケアプラン立案>, 医療依存度の高い利用者へ の, 介護力と経済力双方に配慮したケアプラン立案>, 退院時の調整> の 6カテゴリーが抽出された. 表4 ケアマネジメントプロセスからみた介護支援専門員の対応困難内容 段 階 カテゴリー サブカテゴリー 情 報 収 集 ・ ア セ ス メ ン ト 対応に必要な支援機関の探 索 虐待されている利用者への対応に必要な支援機関の探索 精神疾患を持つ家族への対応に必要な支援機関の探索 家族内の意見調整 利用者・家族の意見が不一致の際の, 家族内の意見調整 利用者・家族の意見が不一致の際の, 別居家族との意見調整 利用者に必要なサービスの 受け入れに向けた説得 サービス利用拒否がある家族に対する必要なサービス利用に向けた説得 サービス利用拒否がある利用者本人に対する必要なサービス利用に向けた説 得 家族の希望と CM が必要と思うサービスが合わない場合の必要なサービス 利用に向けた家族の説得 介護保 険 制 度 上 の 適 正 な サービス利用に向けた説得 サービスの過剰要求のある家族に対する介護保険制度上の適正なサービス利 用に向けた説得 計 画 介護度軽度の独居者へのケ アプラン立案 介護度軽度の独居者で, サービス利用拒否がある利用者へのケアプラン立案 介護度軽度で, 家 内事故の危険がある日中独居者へのケアプラン立案 医療依存度の高い利用者へ の, 介護力と経済力双方に 配慮したケアプラン立案 医療依存度が高く, 介護に不安がある利用者に対する経済的負担可能な範囲 内でのケアプラン立案 医療依存度が高く, 介護力が低い利用者に対する利用限度額内でのケアプラ ン立案 退院時の調整 急な退院決定によるサービス調整 利用者・家族と医療機関との退院の相談に関わること 退院前の必要な時に医療機関と連絡を取ること 専門的対応が必要な課題に 対する対応 必要な介護を行わない介護者への関わり 精神的疾患を抱えた介護者への対応方法 虐待への対応方法 医療的管理についての説明 実 施 サービス利用料の滞納に対 する対応 利用者・家族のサービス利用料の滞納に対して対応策を えること 医師への説明 利用者の状況変化の際, タイムリーに主治医と連絡を取ること 主治医に利用者の状況・要望を伝えること サービス順応への支援 サービス利用に不慣れな利用者・家族のサービスへの順応を促す関わり モニタリング・ フォローアップ サービスに結びつかない利 用者への対応 繰り返しケアプラン作成のみを求めてくる利用者への対応 利用者に適した既存サービスがない利用者の今後の生活の方向性を えるこ と ニーズの変化時期の判断 虐待への具体的対応が必要な時期の判断 独居利用者の在宅継続が可能な時期の判断 表中の CM とは, 介護支援専門員 (Care Manager) の略
家族内の意見調整>とは,利用者本人は在宅療養を希 望しているが, 同居の家族は施設入所希望があり, 介護 支援専門員が間に入って話し合いをしても意見調整がで きないといった[利用者・家族の意見が不一致の際の家 族内の意見調整]と, 利用者はサービス利用を増やした い希望があるが, 経済的側面で利用者のサービス利用の 決定に影響力を持つ別居家族の意見が不一致で, かつそ の家族が遠方に居住しており連絡が取りにくい場合に, 直接会って話をすることができないために意見調整が難 しいといった[利用者・家族の意見が不一致の際の別居 家族との意見調整]というものであった. 利用者に必要なサービスの受け入れに向けた説得> とは, 家族にサービスの利用拒否があり, 介護支援専門 員が利用者の状態悪化を防ぐために最低限必要なサービ スを提示しても受け入れられないなどの[サービス利用 拒否がある家族に対する必要なサービス利用に向けた説 得]と,利用者本人にサービス利用拒否があり,介護支援 専門員が必要と えるサービスを勧めても受け入れられ ないといった[サービス利用拒否がある利用者本人に対 する必要なサービス利用に向けた説得], 及び介護支援 専門員は日中独居への対応として, 訪問系サービスの利 用も勧めるが, 家族は通所系サービスのみを希望してい るなど,[家族の希望と介護支援専門員が必要と思う サービスが合わない場合の必要なサービス利用に向けた 説得]というものであった. 介護保険制度上の適正なサービス利用に向けた説得> とは, 家にいて欲しくないから毎日デイサービス に 行って欲しいが, サービス利用による経済的負担もした くない など, 家族がサービス利用に対して無理な要求 をしてきた場合や, ヘルパーを毎日希望するだけ入れて 欲しいなど,[サービスの過剰要求のある家族に対する 介護保険制度上の適正なサービス利用に向けた説得]と いうものであった. 介護度軽度の独居者へのケアプラン立案>とは,介護 度が軽度なために利用できる介護保険サービスの量が限 定されるが, 日常生活の見守りが必要でありかつイン フォーマルなサポート体制が乏しい利用者のケアプラン 立案であった. 具体的には, うつ傾向で自殺企図がある 独居高齢者へのケアプランや緊急時の対応といった[介 護度軽度の独居者で, サービス利用に拒否がある利用者 へのケアプラン立案]と, 軽度の認知症で徘徊や家 内 事故の危険があるが日中独居のため周囲の人も家 に踏 み込めない場合の見守り体制作りといった[介護度軽度 で, 家 内事故の危険がある日中独居者へのケアプラン 立案]というものであった. 医療依存度の高い利用者への, 介護力と経済力双方 に配慮したケアプラン立案> は, 医療依存度の高い利用 者について, 家族の対応能力や介護負担と経済的負担を え合わせてケアプランを えることが難しいというも のであった. 具体的には, 家族の介護への不安が大きい が経済的負担も苦しい場合の[医療依存度が高く, 介護 に不安がある利用者に対する経済的負担可能な範囲内で のケアプラン立案]と, 家族の介護力が低いが必要な サービスを入れようとすると利用限度額を超えてしまう 場合の[医療依存度が高く, 介護力が低い利用者に対す る利用限度額内でのケアプラン立案]というものであっ た. 退院時の調整> とは,退院の直前・直後に医療機関や 利用者から連絡が来ることにより, サービス利用開始ま での期間が短く関係機関への調整ができないといった [急な退院決定によるサービス調整]と, 退院時期の調 整に加わり利用者と医療機関との板ばさみになってしま うといった[利用者・家族と医療機関との退院の相談に 関わること], 及び, 円滑な在宅サービス移行に向けて退 院前に医療機関と連絡を取りたいがうまくできないと いった[退院前の必要な時に医療機関と連絡をとること] というものであった. 実施の段階 実施の段階では, 専門的対応が必要な課題に対する 対応>, サービス利用料の滞納に対する対応>, 医師へ の説明> の 3カテゴリーが抽出された. 専門的対応が必要な課題に対する対応>には,[必要 な介護を行わない介護者への関わり],[精神疾患を抱え た介護者への対応方法][虐待への対応方法が],[医療的 管理についての説明]が難しいというものが含まれてい た. [必要な介護を行わない介護者への関わり]は,介護者 に介護放棄があり, サービス利用料の滞納もあるが, 表 面的には やっている と話す介護者に対して, 必要な 介護の実施を促すための関わりが難しいというものや, 利用者と介護者の関係が悪いために介護放棄状態の介護 者に対して, 最低限必要な介護について説明しても理解 されないというものであった.[精神疾患を抱えた介護 者への対応方法]は, 介護者に精神疾患やアルコール依 存症があり, 症状の改善のための関わりが必要と思った が, どのように接したらよいかわからず改善することが できなかったというものであった.[虐待への対応方法] は, 虐待の事実確認方法が難しいというものや, 虐待し ている家族に対してどのように接したらよいかわからな いというものであった.[医療的管理についての説明]は, 必要な医療や生活管理について説明しても利用者や家族 に受け入れられないというものであった. サービス利用料の滞納に対する対応>とは,利用者に
借金問題による経済的困窮があったり, 家族が利用者の 年金を い込んだりして, サービス利用料の滞納がある 場合に, その対応には介護支援専門員が単独で関わるこ とはできない, あるいは単独で関わっても解決に結びつ かないといったものや, サービス利用料の滞納に対して, 家族が話し合いに応じてくれなかったり, 話し合いをし てもそれを守ってくれなかったりした場合に, 次にどの ように対応したらよいかわからないといった[利用者・ 家族のサービス利用料の滞納への対応策を えること] というものもあった. 医師への説明>とは,利用者の状態変化があり医師に 対応を依頼したいがタイムリーに連絡をとることが難し いといった[利用者の状況変化の際, タイムリーに主治 医と連絡をとること]と, 利用者の要望を主治医に説明 しても理解されないなど[主治医に利用者の状況や要望 を説明すること]というものであった. モニタリング・フォローアップの段階 モニタリング・フォローアップの段階では, サービス 順応への支援>, サービスに結びつかない利用者への対 応>, ニーズの変化時期の判断> の 3カテゴリーが抽出 された. サービス順応への支援>とは,高齢者世帯でサービス 導入による生活の変化に順応できずにサービス利用に拒 否的になった利用者に対して, 必要性を説明して受け入 れてもらうまでの関わりといった[サービス利用に不慣 れな利用者・家族のサービスへの順応を促す関わり]と いうものであった. サービス利用に結びつかない利用者への対応>とは, 介護保険サービスの利用には結びつかないが, 介護支援 専門員に関わりを求めて頻回に連絡をしてくる利用者へ の電話対応や訪問に振り回されてしまうなどの[繰り返 しケアプラン作成のみを求めてくる利用者への対応]と いうものや, 50歳代の難病患者で, 軽度の知的障害と精 神障害があるため在宅生活は困難な状態だが, 本人の状 態・ニーズに適応する施設がないなどの[利用者に適し た既存サービスがない利用者の今後の生活の方向性を えること]というものであった. ニーズの変化時期の判断>は,虐待が疑われる事例に 対し, どこまで様子を見るか, どの時点で介入したらよ いかなどの[虐待への具体的対応が必要な時期の判断] というものや, ターミナル期で在宅療養を希望している が, インフォーマルサポートは期待できない場合の[独 居利用者の在宅継続が可能な時期の判断]というもので あった. 察 本研究の調査対象であった介護支援専門員は, 各々の 職種における実務経験は約 8年∼22年と豊富であった が, 介護支援専門員としての経験は, 5か月∼ 4年とばら つきが見られた. そのため, 抽出された内容については, 経験に応じた様々なレベルでの困難内容が抽出されてい ると えられる. 対応困難事例の特徴 先行研究で対応困難事例として挙げられている事例 と, 今回の調査で介護支援専門員が対応困難を生じてい た事例の背景を比較すると, 1999 年に保 師, 在宅介護 支援センター職員に対して行われた調査 で上位に上 がった「虐待のある事例」, 認知症のある事例」, 不安定, 変動の大きい事例」, 医療依存度の高い事例」, ターミ ナル期の事例」や「家 内多問題」, 要介護者が援助に対 し拒否的」, 家族介護力の不足」, 経済困難」などの対象 別, 状況・ニーズ別の事例との共通性が見られた. また, 対応困難事例として相談のあった事例の記録票の内容を 析した調査 や保 師へのグループインタビュー調査 などによって対応困難を生じる利用者本人あるいは家族 のもつ背景・問題として挙げられた「家族に (精神・知的 等の) 疾患がある」, 金銭面の問題がある」, 家族の人間 関係が悪い」, 家族のサービス受け入れ拒否」等の内容 を包含するものであった. 加えて, 本研究では介護支援 専門員の対応困難は, ある問題が単独で生じているので はなく,対象別,状況・ニーズ別の問題が複数重なり合い, 問題が複雑化することによって生じるものと えられ た. 介護支援専門員が認識する対応困難の内容 対応困難に関する先行研究 では,その内容として事 例側の背景・問題を明らかにしているものがほとんどで ある. 本研究で抽出した対応困難のカテゴリーの内容は, そのような背景・問題をもつ事例に対して, 介護支援専 門員がどのような対応困難を認識しているかという内容 に焦点を当ており, 今後の介護支援専門員への支援内容 を具体的に える上で有効であると える. 本研究において, 介護支援専門員の対応困難は, ケア マネジメントプロセスの中の計画, 実施の段階で多く認 識されていた. 計画の段階で抽出された 家族内の意見調整>, 利用者 に必要なサービスの受け入れに向けた説得>, 介護保険 制度上の適正なサービス利用に向けた説得>, 介護度軽 度の独居者へのケアプラン立案>, 医療依存度の高い対 象者への, 介護力と経済力双方に配慮したケアプラン立
案>,実施の段階の サービス順応への支援>は,利用者・ 家族との相談・支援に時間をかけて取り組まなければな らない課題であり, 介護保険内サービスだけでなく, 介 護保険外のサービスやインフォーマルサポートなど様々 な社会資源の導入を検討する必要のあるものであった. しかし, 現在の介護保険制度では一人の事例に時間をか けて関わっても報酬に結びつかないことや, 認定結果に 基づいたサービス利用への制限や枠をはめなければなら ないこと, サービス供給体制の不足などさまざまな介 護保険制度上の制限・構造の不備などにより困難を生じ ていると えた. また, 介護支援専門員のアセスメント の段階でのニーズ 析, 本人・家族の意向の確認の不足 も要因として えられた. また, 困難内容の多くは, 介護支援専門員が事例の問 題を抱え込んでしまうことによって生じる, あるいは, 介護支援専門員の役割を超えた対応を迫られることに よって困難を生じていると えられる内容であった. 医師への説明> や 専門的対応が必要な課題に対す る対応> に含まれていた[医療的管理についての説明] などは, 医療的側面に関する対応であり, 介護支援専門 員のバックグラウンドによって対応に得手不得手があ る ことから,介護支援専門員だけでなく,ケアチームの 中で, 医療的側面についての関わりの持ちやすいメン バーに依頼するなど, 他のチームメンバーとの役割 担, すなわちチームアプローチを強化することによって, 困 難が軽減される可能性がある内容であると えられた. 必要な介護を行わない介護者への対応>, 専門的対 応が必要な課題に対する対応>, サービス利用料の滞納 に対する対応>,モニタリング・フォローアップの段階で の ニーズの変化時期の判断> など個別性の高いニーズ や専門的対応が必要な本人・介護者への関わりへの困難 は, 介護支援専門員単独あるいは, 介護保険制度内の サービス, サービス提供者だけで対応することは難しい 内容である. 行政やその他必要な関係機関, 関係者と相 談・連携しながら対応する必要があるものと えられた. 加えて,情報収集・アセスメントの段階で,精神疾患を もつ家族や虐待が疑われる事例への対応についてどこに 相談したらよいかわからないなど 対応に必要な支援機 関の探索> が困難内容として抽出されたことは, 介護支 援専門員の認識の不足だけでなく, 市町村や保 所等必 要な関係機関の相談窓口の明確化が十 でないことも要 因として えられた. 退院時の調整> や サービスに結びつかない利用者 への対応> は, 介護保険制度における介護支援専門員の 役割を超えている内容であり, 利用者や医療機関等の介 護保険制度, 介護支援専門員の役割に対する理解不足な ども影響していると えられた. 岩下 は,対応困難を「連絡・調整・相談などに多くの 労力を必要とする」という視点から対応困難に陥りやす いケースを想定し, その内容について①介護保険の枠内 での対応困難ケース, ②介護保険によるサービスだけで は対応が難しいケース, ③契約になじまないケースに けて論じている. ①については, 各介護支援専門員のケ アマネジメント能力や社会資源の熟知などにかかってお り, その能力向上が必要である, ②は, 介護支援専門員が 支援に必要な制度や窓口を熟知していることと合わせ て, それらの制度活用に関する教育や相談助言など, 介 護支援専門員に対する 的なサポートの必要性を述べて いる. また, ③については, 行政の積極的な関わりの必要 性を述べている. 本研究の困難内容も, これらの 類に 該当する部 も多く, 各々の介護支援専門員のケアマネ ジメント能力の向上と合わせて, 行政や在宅療養に関わ る支援機関が, 積極的に介護支援専門員をサポートする 体制を構築する必要性があると えられる. 2006年度から 設された地域包括支援センターは, 地 域ケア支援として, 介護支援専門員の日常的個別指導・ 相談や支援困難事例に関する介護支援専門員への指導・ 助言を行う役割を担う. 介護支援専門員のケアマネジメ ントの資質の向上のために介護支援専門員に対するケア マネジメントへの助言指導のほか, 関係機関に働きかけ, 地域包括支援ネットワークを構築し, 介護支援専門員が 他職種・他機関に働きかけやすい体制を作ることなどが 具体的な業務として挙げられている. また, 地域におけ る保 師の活動指針では, 介護保険に関わる保 師の役 割として, 複雑かつ多様な問題を抱える利用者の個別支 援を介護サービス提供者等と協働して行うこと, 介護支 援専門員等に対する研修を企画及び実施し, 介護サービ ス提供者等の資質の向上に努めることなどが示されてい る. 地域包括支援センターは,まだ開設されて間もなく, まだ十 に機能しているとは言えない. 今回明らかにし た介護支援専門員が認識する対応困難の内容をふまえ, 今後, 地域包括支援センターや行政の介護保険担当保 師が連携し, 効果的な介護支援専門員への支援を検討し ていくことが必要である. 本研究の限界として, 調査地域・調査対象者が限定さ れていることにより, 今回の調査結果のみでは介護支援 専門員の対応困難内容を一般化することは難しい. 今後, 他の地域での調査や今回の調査内容を活かした量的調査 などを実施していくことが必要である. 謝 辞 本 研 究 に あ た り, 大 変 お 忙 し い 中 グ ループ イ ン タ ビューに参加してくださいました介護支援専門員の皆様 に御礼申し上げます.
文 献 1. 沖田裕子, 岡本玲子, 村岡枝理子. 介護支援専門員の質 改善のためのケアマネジメント過程の検討. 日本在宅ケ ア学会誌 2002; 5: 54-61. 2. 谷亀光則, 高砂裕子, 青木潤一ほか. 介護支援専門員の 現状と課題. 癌と化学療法 2003; 30: 74-79. 3. 見平 隆. 介護保険制度 5年目の現状と課題. 日老医誌 2004; 41: 198-200. 4. 厚生労働省老 局振興課. ケアプランの重要性と現状 の評価, 介護支援専門員に対する支援および資質の向上 について. 介護支援専門員 2001; 3: 74. 5. 岩下清子. 対応困難事例」のケアマネジメント―ケア マネジャーの能力や努力で対応可能な問題とそれを超え る問題があることについて. 訪問看護と介護 2001; 6: 184-186. 6. 吉江 悟, 高橋 都, 齋藤 民ほか. 同居家族が問題の 主体となる高齢者在宅介護の対応困難事例の現状. 日本 衆衛生雑誌 2004; 51: 522-529. 7 吉澤みどり. 処遇困難ケースの全体像―実態把握表作 成とその集計 析より―. 地域保 2003; 34: 81-89. 8. 大阪 合ケア研究会 : 質の高いケアマネジメントのため に必要な研修内容の検討研究報告書. 2001. 9. 安梅勅江. ヒューマンサービスにおけるグループイン タビュー法―科学的根拠に基づく質的研究法の展開. 東 京 : 医歯薬出版株式会社. 2001. p1. 10. 岡本玲子. 対応困難な事例に学ぶケアマネジメント ―質評価の視点とともに. 東京 : 医学書院. 2003. p2. 11. 増子忠道. 医療系と福祉系ケアマネジャーは不得意 野に気づけ. コミュニティケア 2003; 5: 38-42. 12. 厚生労働省. 地域包括支援センター業務マニュアル. 平 成 18年 1月. http://www.enrin.or.jp/center/event/pdf/manual04.pdf 13. 厚生労働省 康局長. 地域における保 師の保 活動 について. 発第 101003号. 平成 15年 10月 10日.
The Characteristics of Difficult Cases
Recognized by Care M anagers
Tomoko Saitou,
Yumi Satou
1 Niigata College of Nursing
2 Gunma University School of Health Sciences
Background and Aims: This study was to conducted identify the characteristics of difficult cases encountered by a care manager. M aterials and M ethods: Group interviews were taken of 16 care managers involved in care management at home care support offices in N prefecture. The questions were related to the situations,contexts and contents of difficult cases encountered by the care managers. The reported items were qualitatively analyzed. Results: Many of the care managers encountered diffi-culties in the stages of planning and implementation of the care management process. The contents in relation to difficult cases identified were family coordination , persuasion of service utilization , chchallenges requiring professional interventions ,etc,where time,specialized knowledge and appropri-ate collaborations of supporters were essential in care management. Conclusion : It is critical that the characteristics of difficult cases are recognized by care managers for improving the quality of care management under the long-term-care insurance system.(Kitakanto Med J 2006;56:319∼328)