研究報告 『説文解字』データベースソフトについ
て
著者
高橋 由利子
雑誌名
中国文化 : 研究と教育
巻
69
ページ
( 27) - ( 39)
発行年
2011- 06- 25
研究報告『説文解字』データベース
ソフトについて
( 1)一I i ' 説文解字』データベース化の準備段階
1.1. 説文会と f説文解字』
Eコ
向
橋
由利子
お 茶 の 水 女 子 大 学 で 中 国 文 学 を 学 ん だ 卒 業 生 の 有 志 か ら 成 る 説 文 会(2 ) は、 当 時 間 大 学 の 教 官 で あ っ た 頼 唯 勤 先 生 の 指 導 の 下 に 、 段 玉 裁 の 『 説 文 解 字 段
の読審会を行ってきた。
そ れ は 、 漢 字 研 究 の た め の 基 礎 文 献 で あ る 『 説 文 解 字A ( 以下『説文
s
と略 称) について、より深く学ぶためであったが、同時に、漢字の形と音について、より有効な研究を行うために f説文』収録漢字についての番号付けを行った。 その理自は f説文約一万字を縦横無尽に組み換え、分類考察するには、これ を番号イとして機械にいれることが能率的であろうど3 ) と考えたためである。
そ の 成 果 と し て 「 加 番J ( 番号を加える) シリーズとも言える以下の 3 冊を 刊行した。
上 旬
o
番設文解字音均表A ( 1985) ( 4) 2. l i ' 加番説文解字A ( 1991) ( 5)3. 'li.y工況説文解字音均表致正A (1994) ( 6)
当時はすでにコンピュータがあり、それにデータを入れ処理を行うに法番号 をつけることが最適と考えられ、これがその後すべての作業の出発点となった。
その後の1 T 技術と環境の進歩により、現高は色々な方法でのデータペース 化が可能であるが、我々の作業は、すべてζ の番号を基礎とするものである。
1. 2. l i ' 説文解字』データベース化の開始
頼{ 栓勤先生が 1 9 8 7 年iこ定年退官後、J 説 文 会 法 上 記 2 婦の刊行と補正に加え、
後任の藤山和子教官を中心として、段ま裁の f説文解字段詑
s
についても加番 作業を続け、また同時に F説文』についての多くのデータを蓄積した。いにも1 9 9 5 年に文部科学省研究費のう交付を得ノてーデ」タペースソアトの
を作り、データ入力の本格作業を始めることができた。これは1. 1 . に挙げ
ヲ セエ{ U ZNセ Q}
『i説文解字段主主』のデータを一つのソフトに組み込んだものであった。( 7 ) これに色々な改変とデータを加えたものが、今
1
m
報告するソフトである。( 品)><'
E主
種 淘 阪 駅 軍 四 割 酒 官 官 - - 時 前 由 甲 何Fーーー
2. のf加番説文解字』
ニ! i ' 説文解字』データベースソフトのデータについて
2.1 . 何がデータとして入っているか
前章で述べたように、基本となるデータは、『説文解字s 纂一行本・時免文 解字音均表s • セ
以下に、一字の漢字ごとに、どの本のどんなデータが入っているかを示す。 一行本: 親字( 小築) : コード番号、
t
j
皆書イヒ画像。説明( 説解) : 字音と字形の部分( 六書パターン) 。意味は含まず。 注釈( 徐舘) : 字音に関するもの: ( 亙盟) 。
追加( 説文会) : 反切の所属( 産量、墾笠)9 ( 広韻・厳学霧( 9) )
段注本: 親字: コード番号。
注釈( 段玉裁) ; 古音に関するもの。( 皮切、古音十七部) 音均表: 親字: ヨード番号。段玉; 裁に基づく古音十七部。
このソフトは『説文解字』の全文を載せたものではなく、音に関する情報を ごとにまとめたものである。上記の下線を引いたものが主なデータである。 詳細は2. 2. 以下で実際の商前に基づき、述べることとする。
2
.2
.
漢字情報I !liiliii
1} ↓2 1:3 ↓4 15 ↓6
以下、矢印で示された館所を
i
脳部の下に向けて見てゆくこととする。2
.3
.
親字い : こ の 下 に は 塗 主 笠 之 主 乙jこがある。説文解字の親字には小築が使われて いるが、それを括審イヒした中華害賠の『説文解字. n ( 一家一行本) の巻末 索引の字をイメージスキャナで取り込み、その字をフォント作成ソフトで
ブオントイヒし、番号とリンクさせた。( 10)
番号だけでなく、部蓄や爾数からも親字を呼び出せるよう、巻末の部首 索引、総画索引をソフトに組み込んだ。
2. 4 . 文字番号( コード番号)
↓
2
: 漢字の横のえ- : ; ; 0)重量が説文会の加番した番号である。上から)11買に、一行本・段注本・音均表の同じ「亙j という漢字の番号で、 それぞれ0004
,
D0 0 0 4,
0 0 2 2 BOOである。字の配列は一行本と段控本は部首別であり、最初の方の字の番号は、配
列に違いがないので一致しているが、後のガでは、段五裁が字を増減した り 、 字 の 配 列 を 変 え た り し て 、 違 う 番 号 と な る 。 そ の た め 先 頭 にD をつ けて区別し、一行本番号を0004、段注本番号をD0 0 0 4とした。
]セ QW
類 し た 説 に 基 づ き 、 そ の 部 に 所 属 す る 漢 字 を 部 ご と に 第 ] 部 か ら 第17 部 まで)11真に並び変えた審物である。部のヰ! の漢字の配ダI j は漢: 字の諮符で ある。
最初の4ケタの数字が同種類の諮声符に付けた番号、次のアルファベッ トは諮声符が向じ部分の字体を含んで発展していくものに付けた
多く発展していけば、 A . B・C ・D .
…
…
ι
増えていく。例 え ば 字 は 「 不j か ら 始 ま る 「 不j 系統の 2 番目の諮声符: であ る。「不」系統の諮声符は0022、 最 初 の 諮 符 で あ る 「 不J という字の 番号は0022全00となり、 2番目の諮声符の町三」は0022
_
e
OOとなり、3番 目 の 諮 声 符 の は0022QOOとなる。
また「不j、 、 「 否J は 諮 声 符 と し て 、 同 議 声 符 字 の 先 頭 字 ( 初 文) であるので最後の 2 ケタの番号はいずれも00とした。
こ の よ う に 加 番 し て い く と 、 例 え ば と い う 諮 声 符 を 持 つ 字 の
5
番目の字である「駁」字は0022B04となる。
2. 5.部 首 、 総 画 、 古 音17部番号、巻数
漢字のフォントと3つ の 番 号 の 下 に は 以 下 の ボ ッ ク ス が あ る :
一段目: 1Z9角号鶴( 未入力) のボックス、] 1: 字でない場合のチェックボック ス( 非正字) 、異体字・別字( 重文) がある場合のチェックボックス。 二 段 目 : rr説 文 解 字 』 の 部 首 番 号 ( 全540部の通し番号) 、経麗数。
三 段 目 : 横 ボ ッ ク ス : 段 玉 裁 の 古 音17部 の 番 号 : 捜 数 部 に 所 属 す る 字 が あ るため3つ作った。その右には段玉裁が部の前に
r
在j を付けたも ののチェックボックス、また段玉裁が論説を展開している場合のチ ェックボックスを作った。縦ボックス: 吾均表の部の番号、複数部所属字のため3つある。 ただし、現段階では、段三五裁の部には、音均表の部を加番番号から自動入 力した。いずれは段詮を調べて違う箆所があれば訂正する予定である。 四段目: 登委主と葉数。上から) 1僚に、一行本・段註本( 葉数は未入力) 。
2
.6
.
文 字 の 構 成 要 素セS@ : 説解の字体・ に関わるデー夕、( し1わゆる こ の と い う と し て に 「 不J を 持 つ が 、 説 文 解 字 の 記 述 通 り 「人ん汗ミ磐J と入力。
2
.7
.
構 成 要 素 の パ タ ー ン 、 議 若↓ .4 : この六苦手の入力には i MA J 、i A 費 J などのよ工芝ニと( Jj ) を 作 り 、 ま ず パ タ ー ン を 選 ん で か ら 、 そ のA に実際の漢字を一世行本番号で入力するとい
う 方 法 を 取 っ た 。 当 然 の こ と な が ら 、 ブ オ ン ト は 親 字 と 同 じ で あ る 。 ここでは使用したパターンを表示し、ここからデータのす多正ができるよ うにした。複数のパターンを持つ字があるため、
8
1
留のボックスを作った。 ま た 、 パ タ ー ン 表 示 の 上 の チ ェ ッ ク ボ ッ ク ス は 説 解 の 六 書 の 叙 述 が 不 完 全 な 場 合 や 段 玉 裁 が 修 正 を 加 え て い る こ と を 示 す た め の も の で あ る 。こ れ ら の 下 に は 護 室 音 に 使 わ れ て い る 漢 字 を 一 行 本 番 号 で 入 力 す る た め の ボ ッ ク ス を 作 っ た が 、 ま だ 入 力 途 中 で あ る 。 被 数 の 護 室 を 持 つ 親 字 が あ る た め 、 3
つ の ボ ッ クス を 作り 、意味 による使い 分けが ある場合の豆控室チェックボックス を 作 っ た 。 ま た 、 段 玉 裁 が 修 正 ・ 増 減 , 論 説 を 加 え て い る こ と の 有 無 を 示 す 、 段重・法主主・昆虫
1
. 良謹チェックボックスを一番下に作った。2
.8
.
反切データ↓ 5 : 一行本( 大徐) の反切についてのボックス。
一一段目: 反切が無い場合、複数の反切がある場合、段玉裁が修正してい る 場 合 、 直 音 の 場 合 、 複 数 の 直 音 の 場 合 の チ ェ ッ ク ボ ッ ク ス 。 二 段 目 : 皮 切 の 詳 細 で 、 上 字 ・ 下 字 の 漢 字 を 一 行 本 番 号 で 入 力 。
説 文 解 字 に 無 い 字 は 作 字 し 、 別 番 号 を 付 け た 。 正 字 以 外 の も の は 、 作 字 し 、 も と の 番 号 の 前 にCやEを 付 け て 正 字 と の 関 係 を 示 し た 。 例 え ば 「 於j はC 2 3 8 4となる。
ま た 、 す べ て の 反 坊 の ボ ッ ク ス で 、 右 側 に 一 行 本 の 番 号 を 入 れ れ ば 漢 字 の フ ォ ン ト に 変 換 さ れ て 番 号 の 左 側 に 出 て く る 。 三段目: 厳学審( i 主9を参照) が分類した反切の所属。聾類と韻類。 四 段 目 : そ れ を 『 広 韻
s
の分類に読み替えたもの。五 段
i
ヨ
;
w iセjこの下のjf有国・等佼・間合も『広韻望号系』に拠って入力了づえ
こ れ か ら 下 の2段は、 2つ以内j二 の 皮 切 が あ る 時 に そ の 反 切 を 入 力 す る ボ ッ ク ス と 、 意 味 に よ る 違 い が あ る 場 合 の 別 義 チ ェ ッ ク ボ ッ ク ス 。
最 後 の 段 は 、 反 切 が 無 く 政 官 や 又 が あ るj揚 合 の 、 そ の 字 と 所 属 こ れ ら の 反 切 の デ ー タ は 、 未 入 力 の も の も あ り 、 検 討1+1であるの
2
.9
.
その{也↓ 6 : 各自のログイン履歴がけ
i
る 。 デ ー タ を 変 更 し た 場 合 、 最 終 変 更 の 記 録 を 残すためである。そ の 下 の 各 本 の30rtボ ッ ク ス は す べ て の 本 の デ ー タ 入 力 後 の た め の も のQ
その1て は ソ フ ト の フ ォ ン ト フ ァ イ ル の i勢FJ f で、三子のフォントは,J I S 漢
字の火字に貼り付けられていることを示す。( 2 )
こ の 漢 字 情 報
i
画 面 の 最 下 段 に は 各 自 が コ メ ン ト を 書 き 入 れ る こ と が で き る。2. 10. デ ー タ の 修 正 ・ 更 新
デ ー タ の 修 正 や 車 新 は 、 各 ボ ッ ク ス を ク リ ッ ク す る と ポ ッ プ ア ッ プ さ れ る 車
H a aセ I ゥ
2. 11.デ ー タ 更 新 繭 爾
三 w説 文 解 字 』 デ ー タ ベ ー ス ソ フ ト の 検 索 に つ い て
3
.
1 . 何が検索できるか。どのようなデータが入っているかについて述べた。これらのデータ すべてについて、いろいろな条件を設定し、検索することができる。
一つのデータについて検安することもできるし、データ問の
and
検索とo
r
検索がl可能である。
3
.2
.
漢字検索断面2. 2 の漢字情報耐街のよらとよ 6 の間に、検索条件入力というタブがある。 ここをクリックすると、以下の漢字検索前面に切り替わりここから検索を行う。
臨灘讃潤輯態態態聾穣聾盟輔輯轄轟轟輔醸聾輯輯鱒蝉鱒麟騨鶴鱒雛鱒雛輯臨輯鱒雛雛麟鱒欝輯麓語翻趨i
時 ex
空欄になっているボックスの検索したい部分にデータを入れて、左上虫眼鏡 マークをクリックすると検察結果が出る。
デ←タの入力は数字または文字番号で行う。チェックボックスはそこにチェ ックを入れて行う。
蘭商下のボックスは、文字番号によって漢字を検索するヲールで、ここで漢 と番号を出しておいてから、検索したいボックスにカーソ玲をあわせ、もう
一 度 そ の 番 号 を ク リ ッ ク す る と 、 そ の ボ ッ ク ス に デ ー タ が 入 る 。
an. d条 件 検 索 は 、 同 じ 耐 の 複 数 の ボ ッ ク ス に デ ー タ を 入 れ て 検 案 す る 。
PQ ■ャj hwヲNjセ ッイ Z
力! J をクリックすると、次の
i
面的i
が現れ、 2/ 2と な る 。 そ こ に 検 索 デ ー タ を 追 加 していく。J lI
1i 次迫力1 ] が終わったら最後に虫限鋭マークをクワックして検索するc以 下 に 最 も 単 純 な 検 索 を 行 い 、 ザJIとする。
3
. 3
.
i又 切J を 持 つ 親 字 の 検 索文 解 字 』 一 行 本 に は 各 親 字 に 大 徐 に よ る 反 切 が 付 し1て い る が 、 そ の
B
Z
切 が2つ以上のものがある。「又A13 lJJJ
と書かれているので、「又切」と三う。こ こ で は 、 そ の
i X
切j の チ ェ ッ ク ボ ッ ク ス に チ ェ ッ ク を 入 れ 、 一 行 本 の 字 で 「 又 切J を 持 つ 字 す べ て を 検 索 し 、 出 し て い く 。3
. 4. 又切検索結果帳票磁語51 6↓ 7↓
↓
↓
↓
1
1
り
心
円
。
4→
以 下 に 、 そ れ ぞ れ の 矢 部 に 従 っ て 詳 細 を 述 べ る 。
検 索 の 結 の 全 て の デ ー タ をIjl長票( 月IJにソフトの中に組み込まれている) の 形 で … 覧 表 と し て 出 す と い う モ ー ド で あ る こ と を 示 すQ
2 → : 本 の 絵 の 右1J11Jの ペ ー ジ を ク リ ッ ク し た り 、 そ の 下 の イ ン ジ ケ ー タ を お に したり、この
i
両面では切れているが、わ討品の送るV マ ー ク を ス ク ロ ー ル ダ ウ ン す る と 、 次 の 検 索 結 果l
I
l N : 禁が順次出てくる。セS Z@ JレコードJ と 警 か れ た 下 の タ ブ に
ia
_ J と出ている。これは左線でマー ク さ れ て い る の が 全 デ ー タ の3番目の「詰」であること
4 → : i該当件数_J J 107_J は説文解字の1:ドに「又切J を 持 つ 綴 字 が107 字ある ことを示す。なお、その下にある「合計_ J
J 9698
_ J は、全部で9698
の親 に つ い て チ ェ ッ ク し た と い う こ と を 示 す 。 こ の ソ フ ト に は 前 章2. 8. で 述 べ た よ う に 、 反 切 を 表 示 す る た め に f説 文 』 に 無 い 字 を 作 字 し 、 そ れ もYTセS ] 字よりも
多い。
↓ ら: 親字のフォント、そのおに一行本番号と段主主本番号、務均表番号( 複数 の 部 に 属 す る の で2 つ番号がある) 。
↓ 6 : ぢ音17 部 の 所 属 、 最 初 の 字 は 8 部と 9 部 に 所 属 し て い る 。 そ の 右 に 反 ・下字のデータ。
↓ 7 : 構成要素。
3. 5. 又 切 検 索 結 果 漢 字 情 報 鱒 顕
セQTN ゥ A ェ Q
ュ ー で 「 漢 字 情 報J に変えると、 がでる。
し た 「 検 索 結 果J をプルダウンメニ ような一文字ずつの漢字情報倒的
i
HQ NTN iーャセ ゥ R
ー タ 等 の ス ク ロ ー ル ダ ウ ン 機 能 を 使 う と 次 の 文 字 の 漢 字 情 報 j斜面が1
1
:
1て、各文 字 の よ り 詳 し い 情 報 を 見 る こ と が で き るQ( 13)以 上 、 ご く 簡 単 な デ ー タ の 検 索 を 例 に と っ て 、 検 索 の 概 要 を 述 べ た 。
ヲG ゥャ・m。ォ ェ jセij QQ QI
ア ッ プ さ れ た 文 字 の 順 番 を 検 索 し た い デ ー タ の 憾 に 政 べ 替 え る こ と が で き る 。 以下に画面に従って詳細を示す。
3
.6
.
レコードのソートi
画面3
.3
.
又 切 検 索 結 果 帳 票i
閣部の6
↓ と7
1
の110討のとi
当日タスクパーに「レコード( R) J と い う 項 目 が あ る 。 こ こ を ク リ ッ ク し 、 レ コ ー ド の ソ ー ト を 選 ぶ と 、 以 下の
i
額 面 が 出 る 。 ソ ー ト 優 先 順 位 を 「 部J に 変 え る と 「 部 」 の)11買に変わる。AA ヲーセ
という字が6番目から3番目に変わっており、その他の字も入れ替わって い る 。 こ れ は 、 前 の 両 面 で は 一 行 本 の 番 号)1援であったデータ一覧表が、 17部 のJII真 に ソ { ト さ れ て い る の で あ る ( こ こ で は1部から2部 の 字 が 示 さ れ て い る) 。このように、ソート機能を使って、より有効で、晃やすい検索結果を得 ることもできる。
以
i
二、このデ日夕ベースソフトの検索機能について述べた。もちろん、この ような鮪単なものだけでなく、もっと複雑な検索を各人の興味に応じてするこ とができる。また、今まで検証されてきた結果を再確認することもできるし、 新しいものを発見することができるかもしれない。サセij
17音1>と聾母,韻母、反切上字・下字との関係、議若の原音と讃若音、吉音17
部との関係等々。( 14)
このデータベースソフトは、まだまだ未完成で九不備な点も多いが、色々な 使用方法を試しながら、これからも、より有効立ものにLていくために協力し、 努力していく所存である。
注
(1) 本1誌は以下の2つの まとめたものである。
1. W説 文 解 字 』 デ ー タ ベ ー ス ソ フ ト に つ い て ; 2008. 1. 26( 1臨欝大学言語研究センタ
一第36問 研 究 セ ミ ナ ー )
2. w説 文j持 字 』 デ ー タ ベ ー ス ソ フ ト 改 訂 版1に つ い て : RPQPNVNRVH iセセ
2010年 度 大 会 )
( 2) 説 文 読 書 会 と い う こ と も あ る 。 筆 者 が そ れ に 参 加 し た の は お 茶 の 水 女 子 大 学 大 学
院 に 進 学 し た1971年からである。その後ち多数の参加者が! Jj入 り し 、 デ ー タ カ ー
ドの作成や方11番作業に加わった。現時点で、の参加者は、 j 泰j 山手lI子 ・ 南 谷 葉 子 ・ 高 橋
由 利 子 ・ 臼 悶 真 性 子 , 根 岸 政 子 ・i均山長]1セ ェ W
ニアの牧野英夫氏が賛助会員として参加、本会の活動を支えている。
( 3) セエj ゥ W} ( 1994)の頼堆勤序文。
HTI R Zセ MヲZヲ ャセ
塁塁待)1 演に分類力]1番 し た も の 。 第 二 部 分 は f説文解字』
ごとにまとめて加番したもの。一字ごとではない。
の 収 録 字 を 諮
( 5 ) セ Q} ェ HTI
分がその基礎である。中華議; 局影印本( 1963..:lt京) が底本。 P. 28の磁{象参照。
( 6 ) 江読の f説 文 解 字 寄 均 表 』 のj収録字に方j ] 番し、一字ごとに『方j ] 番説文解字』の番
号 を 加 え た も の 。 桟 ( 劫 で 言 う 第 一 部 分 が そ の 慕 礎 と な ヮ て い る 。 後 興 課 局 影 印 本
(19 7 2,台北)が底本。
( 7 ) 平 成7 年 度 "- ' 8 年 度 科 学 研 究 費 補 助 金 ( 慕 盤 研 究 く お > く 2>) 、
の た め の Z説 文 解 字3 のデータベースイヒとそれを利用しての慕礎的研究( 研究代表
者 : 藤 山 和 子 お 茶 の 水 女 子 犬 学 文 教 育 学 部 教 授 、 研 究 分 担 者 : 高 禰 由 利 子 上 智 大 学
比 較 文 化 学 部 助 教 授 ( 所 属 等 は い ず れ も1995年当時) 、研究成果報告謬( 全3冊) :
f説 文 解 字 』 デ ー タ ベ ー ス 化 の た め の 検 索 シ ス テ ム コ 一
同番号表立段誌本篇、同番号表直段枝本篇。
( 8) 最 初 の 頃 の デ ー タ の 入 力 に は マ イ ク ロ ソ フ ト のAccess を 使 用 じ た 。 現 在 は 磁 留
の レ イ ア ウ ト や 検 索 条 件 の 設 定 が 容 易 なFi l eMakerを使用しているの
( 9) 厳 学 審 が 「 大 徐 本 説 文 反 切 的 音 系J ( 留学季刊第6- 1民 爵25 pp45- 143) で大徐
の反切に使用されている最多字を分類項目にしたもの。
( 10) 段 注 本 や 音 均 表 に は 段 玉 裁 や 江 況 が f説 文 解 字 』 の 収 録 字 を 削 っ た り 加 え た り し て い る 。 加 増 し た 字 に つ い て は 別 に フ ォ シ ト を 作 り ソ フ ト に 入 れ た 。 こ れ ら
は 一 行 本 の 番 号 は 無 く 、 段 校 本 の 番 号 や 斎 均 表 の 番 号 だ け が あ る 。 ま た 、 そ の 他 の
反切などの情報は入っていない。日ilJ ったものについては
.;h
:
本 の 番 号 は あ る が 、 段 注本・音均表の番号は無い。( 11 ) その{ 也、色々なパターンがあり、ソフトではプルダウンメニューで選べるよラに
なっている。
( 12) RNXN イ[サセサwj
ン ト に 変 換 さ れ て 番 号 の 左 側 に 出 て く る 」 の は 、 そ の 番 号 か らJ I S漢字とフォント
ファイル名を取得し、その,
ns
漢 字 を そ の フ ォ ン ト で 表 示 す る と 、 罰 的 と す る F説文』の字が表示できるためである。
(1:3) なお、 f又切J の 詳 し い デ ー タ は ま だ 未 入 力 の も の が 多 い が 、 先 に こ の よ う に 該
当字をすべて出してから、点検・入力することができ、より効率的である。また、
データ入力の誤りも、同様にして発見・訂正できる。
( 14) w江 託 説 文 解 字 音 均 表 孜 j Fs (] 994) の 頼 堆 勤 序 文 で は 、 以 下 の よ う な こ と も 述 べ
られている:
大徐の番号とを対照させている。そこで発生した問題
は 、 金 大 徐 と 段 氏 と の 違 い 、 ② 段 氏 自 身 の 学 説 の 変 化 ( 分 類 の ゆ ら ぎ ) 、 江 氏 自 身
の 分 類 の ゆ ら ぎ 、 以 上 の 三 者 に そ れ ぞ れ に 由 来 す る も の が あ る 。 こ の 点 は 将 来 会 員
によって考察が加えられて行くであろう。
また根本に遡って、ぉ: 託( 本来は段支裁) のように諸声符によって文字を吉韻ご
とに分類しきることができるかどうかということも、本書によって始めて実質的に
輪読されることとなるに違いなL。、
そ の 際 、 金 聾 類 { 顕 子 音 ) の 共 通 性 に よ る 議 声 符 、 ② 正 字 と 蓑 文 と の 間 で 諮 声 符
所! 議カ嚢うとき、 というような項騒が前もって考えられるしi