2016年度 基礎ゼミナール
マンキュー入門経済学 第 1 部イントロダクション
第 1 章「経済学の十大原理」
この講義メモはテキストの各章で議論されている内容を質問文の形式でまとめ上げたもの である。各質問に答える形で授業を進めていくが、アルファベットで書いてあるサブトピ ックは時間に余裕が無いときは省略することもある。
<考察>はテキストには書いていない事項であり、各トピックについて学生に自分で考え てもらうことを目的としている。
1. 第1章では何を議論しているか?それを議論する目的は何だろうか? 1. 人々はどのように意思決定するか (p.5~)
2. 第1原理「トレードオフ」とは何か?
3. どうして世の中にはトレードオフがあるのだろう? 4. 「効率性」と「公平性」のトレードオフとは何か?
A. 「トレードオフ」の存在を認識することのメリットは何か?
5. 第2原理「機会費用」とは何か?
6. <考察>あなたが大学に進学したことの機会費用は何だろうか?
7. 第3原理「限界便益と限界費用」とは何か?
8. <考察>喫茶店でコーヒーを飲む時の限界便益と限界費用を考えてみよう。 B. 「合理的な人々」とはどのような人だろうか?
9. 第4原理「インセンティブ」とは何か?
10. <考察>自分の子どもが宿題をしないとする。あなたならどうする?
C. <考察>インセンティブを人に与えた・または人から与えられた経験を思い出してみよう。 D. <考察>一般的に言って大学教員と違って高校教員は生徒の成績を上げるのに熱心であり、
大学生と違って高校生は勉強熱心である。どんなインセンティブの違いがあるだろうか? 11. <考察>ある大学教員Sが、220人収容の教室で初回の講義(月曜2限)をしたところ、約300 人の出席者がいた。普通なら教室変更をするが、あいにく全ての大教室が他の講義で使用され ているため、教室変更は不可能である。そこで、この教員Sは学生の出席のインセンティブを 下げる措置を取ることで、出席者を220人以下に抑えることに成功した。一体どのような措置 を取ったのだろうか?
12. 人々のインセンティブを考慮しないで政策が行われると、最悪どうなるだろうか?
2016年度 基礎ゼミナール
2. 人々はどのように影響しあうのか (p.14~)
13. 貿易(取引)を行なっているせいでアメリカの自動車企業は日本企業との競争に晒されている。 貿易を廃止すればアメリカ企業は競争相手がいなくなり、もっと儲かるかもしれない。それな のに第5原理「取引は全ての人々を豊かにする」のだろうか?
14. <考察>人々が供給している財・サービスの種類と、需要している財・サービスの種類はどち らが多いだろうか?(例えば漁師を考えてみよう)
E. <考察>海外の安い農産物が輸入されると日本の農家が大打撃を受けるので、貿易の自由 化に反対する人達がいる。では日本政府が農産物の輸入を全面ストップすれば、本当に日本の 農家は得をするのだろうか?
15. 第6原理「市場による価格決定(市場経済)は良策」とはどういうことか? F. 市場経済の反対は何だろうか?
16. <考察>市場による価格決定が行われている/行われていない財サービスに分類してみよう:
①コンビニのアイス、②プロ野球の観戦チケット、③病院でもらう処方薬
G. <考察>国が価格決定(または上限・下限を規制)している財・サービスを挙げてみよう。
17. 市場経済では、一人ひとりの売り手と買い手が利己的に行動するにも関わらず、社会主義より も国全体として経済活動が活発になった。どうして市場経済は上手く機能したのだろう? H. 政府が価格に介入し過ぎると、一体どのようなことが起きるだろう?
18. 第7原理「経済に政府介入したほうが良い場合もある」のは何故か?
19. 「所有権」や「財産権」は経済活動を行なう上で何故大切なのだろうか?
20. 「市場の失敗」とは何か?
I. どのようなときに市場の失敗が生じるのか?
21. 社会主義と比べて、市場経済は「公平性」と「効率性」のどちらを重視したシステムか? J. <考察>アメリカ経済を10人からなる小さな村だとして、村民全員の所得の合計を計算し たとしよう。さて、この村の中で最も給与が高い人の所得シェア(=その人の所得/村民全員 の所得合計)は何パーセントだろうか?
K. テキストpp.19-20にはアダム・スミス「国富論」の文章が記載されている。どこが「イン センティブ」「市場の価格メカニズム」に関する文章だろうか?
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3. 経済は全体としてどのように動いているか(p.21~)
22. アメリカとナイジェリアでどのくらいの経済格差があるか?
L. <考察>「所得の成長率は2%であった。この成長率では、平均所得は35年で約2倍にな る」を数式で表すとどのような式になるだろうか?
M. <考察>次の文章は、一体どこの国に関する文章だろうか?「この国の出生時点での平均 寿命は50年を下回り、1歳になるまでに10人に1人は死亡してしまう。90%以上の家庭には 電気が無く、もちろん冷蔵庫も電話も自動車も無い。教育面では、高校を卒業する成人は10% にも満たない…」
N. <考察>一国の経済規模を表す国内総生産(名目GDP)で日本は世界第何位だろうか? 23. 「生産性」とは何か?
24. 第8原理「国ごとの生産性の違いが経済格差を生む」理由は何か? 25. <考察>なぜ発展途上国の生産性は先進国に比べて低いのだろうか?
O. <考察>生産性を上げる政策にどのようなものがあるだろうか?
26. 「インフレーション」とは何か?
P. <考察>急激なインフレーションはどのような問題を引き起こすのだろうか? 27. 第9原理「紙幣を刷り過ぎるとインフレになる」のは何故か?
Q. <考察>紙幣を刷り過ぎるとインフレになるのは長期的な話であり、短期的にはそうでな い可能性が高い。それは何故だろうか?
28. 世の中の貨幣供給量が増えると、どうして雇用が増えるのだろうか? 29. 第10原理「インフレ率と失業率は短期的には逆に動く」のは何故か?
R. リーマンショック後にアメリカ政府は貨幣供給量を増やすことで失業率を下げようとした。 このときに出た懸念は何だったのか?
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以上、入門レベルのミクロ・マクロ経済学で学ぶ十大原理について概観してきた。ここからは、 それを踏まえて「経済学」という学問を一緒に掘り下げていこう。(以下はテキストには無いオリジ ナルのトピック)
4. 経済学では何を学ぶのか?
31. <考察>あなたが「経済学」に対して抱いていたイメージ(大学入学前)に近いものを、以下 の文章の中から選んで下さい(複数選択可)。
A) 株価や為替の値動きを研究する、お金儲けのための学問
B) 世の中の経済ニュースで流れる用語(TPP、マイナス金利、アベノミクス…)の意味につ いて学ぶ学問
C) テレビニュースに出ている経済評論家達のように、日本政府の経済政策の問題点を論じる 学問
D) これから日本の景気はどうなるか?という未来予測をする学問
E) 東京オリンピックの経済効果はいくらか?のように世の中のイベントの経済効果を測定 する学問
32. <考察>自分が思い描いていた経済学のイメージと、大学の講義で受ける経済学(特にミクロ 経済学)はどう違っただろうか?
33 <考察>高校までの政治経済と大学での経済学はどう違うだろうか?
次回予告(4 月 26 日、第 2 章 pp.33-76)
※講義開始時に担当の章決めアンケートを回収します。提出が無い場合、こちらで担当箇所を自動的 に決定します。(担当箇所は27日にmoodleで発表します)
なぜ経済学を学ぶのだろうか?学ぶメリットは何だろうか?
経済学はある意味で「科学」とはどういうことか?
「理論モデル」とは何か?それを使う意味は?
どうして経済学者の意見は必ずしも一致しないのか?