第Ⅰ部 本編
序 章 調 査 目 的 と 調 査 概 要
第 1節 調 査 の 目 的
1 .UIJタ ー ン の 促 進 ・ 支 援 と 地 方 の 活 性 化 と い う 政 策 課 題
近 年 、 大 都 市 部 へ の 若 年 者 の 集 中 や 、 そ れ と 表 裏 一 体 の 関 係 に あ る 地 方 圏 か ら の 流 出 が 問 題 視 さ れ 、 地 域 に 若 年 者 が 定 着 ・ 還 流 (UIJタ ー ン1) す る た め の 取 組 み が 国 全 体 の 政 策 課 題 と な っ て い る2。 も っ と も 、 大 都 市 圏 へ の 人 口 移 動 は 近 年 に 始 ま っ た こ と で は な い が 、 高 齢 化 が 進 む 中 で 若 年 者 流 出 に 歯 止 め が か か ら な い こ と で 、 人 口 減 少 が 急 速 に 進 み 、地 域 社 会 の 存 立 危 機 が 目 の 前 の 課 題 と し て 意 識 さ れ る よ う に な っ た と 言 え る だ ろ う 。
地 方 圏 か ら 大 都 市 圏 へ 若 年 者 が 流 出 す る 背 景 と し て 、こ れ ま で 高 等 教 育 機 関( 大 学 等 ) の 地 理 的 偏 在 や 、 雇 用 機 会 の 地 域 間 格 差 が 議 論 さ れ て き た 。 近 年 の 地 域 移 動 は 、 就 職 に 伴 う 移 動 と い う よ り 大 学 等 へ の 進 学 に 伴 う 移 動 と い う 側 面 が 強 い が 、 地 方 圏 で の 若 年 者 の 定 着 ・ 還 流 を 促 す 上 で 、 魅 力 あ る 就 労 の 場 が 地 域 に あ る こ と は 重 要 な 条 件 と 言 え る3。
な お 、 雇 用 情 勢 の 全 国 的 な 改 善 傾 向 が 続 く 今 日 で は 、 地 方 で も 業 種 ・ 職 種 に よ っ て は 人 手 不 足 が 顕 在 化 し て い る 状 況 に あ り 、 雇 用 対 策 に あ た っ て は 、 働 く 者 の 希 望 条 件 に 合 う よ う な 良 質 な 雇 用 機 会 を い か に 創 出 し 、 マ ッ チ ン グ を 図 る か な ど4、 地 域 ご と の 事 情 に 即 し た 対 応 が よ り 求 め ら れ る 状 況 に あ る 。
地 方 で は 、 自 治 体 等 を 中 心 に 、 地 域 活 性 化 やUIJタ ー ン 促 進 の た め の 特 徴 的 な 取 組 み が 数 多 く な さ れ て い る5。こ う し た 地 域 の 取 組 み を 支 援 す る 国 の 地 域 雇 用 対 策 や 、UIJタ ー ン の 促 進 ・ 支 援 策 が 求 め ら れ て い る 。
2 . 関 連 す る 国 の 政 策 ― 雇 用 機 会 の 創 出 、 地 方 就 職 の 促 進 ・ 支 援 ―
国 ( 厚 生 労 働 省 ) に よ る 地 域 雇 用 対 策 で は 、 雇 用 情 勢 が 厳 し い 地 域 に お け る 雇 用 創 造
1 「Uタ ー ン 」 と は 、 生 ま れ 育 っ た 故 郷 か ら 進 学 や 就 職 を 機 に 都 会 へ 移 住 し た 後 、 再 び 生 ま れ 育 っ た 故 郷 に 移 住 す る こ と 。「Iタ ー ン 」 と は 、 生 ま れ 育 っ た 故 郷 か ら 進 学 や 就 職 を 機 に 故 郷 に は な い 要 素 を 求 め て 、 故 郷 と は 別 の 地 域 に 移 住 す る こ と 。「Jタ ー ン 」 と は 、 生 ま れ 育 っ た 故 郷 か ら 進 学 や 就 職 を 機 に 都 会 へ 移 住 し た 後 、 故 郷 に ほ ど 近 い 地 方 都 市 に 移 住 す る こ と 。 一 般 社 団 法 人 移 住 ・ 交 流 推 進 機 構HPを 参 照
(https://www.iju-join.jp/feature/guide/003/02.html)。
2 政 府 の 「 ま ち ・ ひ と ・ し ご と 創 生 総 合 戦 略 」 で は 、 わ が 国 全 体 、 と り わ け 地 方 で 進 行 す る 人 口 減 少 と 、 そ れ に と も な う 地 域 経 済 縮 小 と い う 問 題 が 示 さ れ る 。
3 雇 用 政 策 研 究 会 (2015) で は 、 若 者 が 地 元 (Uタ ー ン を 含 む ) 就 職 を 希 望 し な い 理 由 と し て 、 志 望 す る 企 業 が な い こ と を 挙 げ る 者 が 多 い こ と を 示 し 、 魅 力 あ る 中 小 企 業 等 が 埋 も れ て い る 場 合 に は こ う し た 企 業 の 求 人 開 拓 やPRを し て い く こ と も 重 要 で あ る が 、 こ う し た 取 組 み と あ わ せ て 、 地 域 に 新 た に 良 質 な 雇 用 を 創 出 し て い く 必 要 も あ る と 指 摘 す る 。
4 こ こ で の 「 良 質 な 雇 用 機 会 」 で 意 味 す る こ と は 、 賃 金 や 労 働 時 間 な ど 労 働 条 件 面 を 中 心 と し て 働 く 者 の 希 望 条 件 に 合 う よ う な 雇 用 機 会 の こ と 。 ま た 、「 良 質 な 雇 用 機 会 の 創 出 」 の う ち に は 、 現 に あ る 雇 用 の 質 の 改 善 の 取 組 み が 含 ま れ る 。 労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 (2015a) で も そ う し た 取 組 み に つ い て 考 察 し た 。
5 労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 (2015a) で は 、 こ う し た 地 域 の 雇 用 創 出 、UIタ ー ン 促 進 の 取 組 み に つ い て 、 ヒ ア リ ン グ 調 査 を も と に 検 討 し た 。
の 取 組 み を 支 援 し て き た6。 地 域 が 主 体 と な る 雇 用 対 策 の 代 表 例 は 、2005 年 度 か ら 開 始 さ れ た 地 域 提 案 型 雇 用 創 造 促 進 事 業 ( 旧 パ ッ ケ ー ジ 事 業 ) で あ る 。 事 業 の ス キ ー ム は 、 ま ず 地 域 に お い て 関 係 者 が 協 議 会 を 構 成 し 、 そ の 地 域 の 創 意 ・ 工 夫 に 基 づ い て 策 定 さ れ た 事 業 の 提 案 を コ ン テ ス ト 方 式 で 選 抜 し て 委 託 す る も の で あ る 。 旧 パ ッ ケ ー ジ 事 業 の ス キ ー ム は 、 現 在 の 実 践 型 地 域 雇 用 創 造 事 業 に ま で 受 け 継 が れ7、 地 域 に お け る 雇 用 創 出 や 就 業 支 援 の 面 で 着 実 な 効 果 を 示 し て き た 。 な お 、 現 在 の 同 事 業 は 、 地 域 が 直 面 す る 課 題 に 即 応 す る た め 、「 雇 用 機 会 が 不 足 し て い る 地 域 」 の ほ か 、「 人 口 減 少 に 伴 う 人 材 不 足 や 雇 用 機 会 の 減 少 、 そ れ に 伴 う 地 域 経 済 の 衰 退 が 進 む 構 造 的 な 雇 用 課 題 を 抱 え る 地 域 」 も 支 援 対 象 と な っ て い る8。
地 域 雇 用 創 出 と と も に UIJタ ー ン の 促 進 ・ 支 援 策 も 講 じ ら れ て き た 。 ま ず 、UIJタ ー ン な ど に よ り 地 方 で 働 く こ と を 希 望 す る 人 を 支 援 す る た め 、 ハ ロ ー ワ ー ク の 全 国 ネ ッ ト ワ ー ク を 活 用 し た 職 業 相 談 、 広 域 職 業 紹 介 の ほ か 、 大 都 市 圏 の ハ ロ ー ワ ー ク に 地 方 就 職 支 援 コ ー ナ ー を 設 置 し 、 専 門 の 相 談 員 に よ る 情 報 提 供 や 職 業 相 談 、 広 域 職 業 紹 介 を 行 っ て い る 。こ れ に 加 え 、2015年 7 月 よ り 、地 方 へ の 就 職 を 就 職 活 動 の ひ と つ の 選 択 肢 と し て 普 及 さ せ る と と も に 、地 方 へ の 就 職 を 希 望 す る 学 生 な ど を 支 援 す る た め 、「 地 方 人 材 還 流 促 進 事 業(LO活 プ ロ ジ ェ ク ト )」を 実 施 す る な ど9、地 方 自 治 体 と 連 携 し た 大 都 市 か ら 地 方 へ の 人 材 還 流 も 政 策 的 に 推 進 さ れ て い る 。
3 . 調 査 研 究 の 目 的
こ の よ う に 、 地 域 で は 雇 用 機 会 の 量 ・ 質 と 若 者 流 出 等 に 伴 う 人 口 減 少 に 課 題 を 抱 え 、 地 域 雇 用 対 策 、UIJ タ ー ン の 促 進 ・ 支 援 が 国 全 体 の 政 策 課 題 と な っ て い る 。 今 後 の 政 策 を 効 率 的 ・ 効 果 的 に 推 進 す る た め の 調 査 研 究 で は 、 以 下 の よ う な 観 点 か ら の 実 態 把 握 と
6 地 域 雇 用 開 発 促 進 法 に 基 づ く 支 援 と し て 、 国 は2つ の 地 域 類 型 に 該 当 す る 地 域 に 対 し て 支 援 し て き た 。 ひ と つ は 、 雇 用 開 発 促 進 地 域 ( 雇 用 情 勢 が 特 に 悪 い 地 域 ) へ の 支 援 で あ り 、 地 域 雇 用 開 発 奨 励 金 の 支 給 が な さ れ て い る 。 も う ひ と つ は 、 自 発 雇 用 創 造 地 域 ( 雇 用 創 造 に 向 け た 意 欲 が 高 い 地 域 ) へ の 支 援 で あ り 、 実 践 型 地 域 雇 用 創 造 事 業 が 行 わ れ て い る 。 こ の ほ か 、 雇 用 情 勢 が 厳 し い 都 道 府 県 へ の 支 援 と し て 戦 略 産 業 雇 用 創 造 プ ロ ジ ェ ク ト が 、 悪 化 す る 雇 用 失 業 情 勢 を 踏 ま え た 雇 用 創 出 基 金 に 基 づ く 事 業 が 行 わ れ る な ど 、 地 域 の 雇 用 情 勢 を 踏 ま え た き め 細 か な 対 策 が な さ れ て き た 。
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実 践 型 地 域 雇 用 創 造 事 業 は 、 雇 用 機 会 が 不 足 し て い る 地 域 に お け る 自 発 的 な 雇 用 創 造 の 取 組 み を 支 援 す る 趣 旨 を も つ 。具 体 的 に は 、地 方 公 共 団 体 の 産 業 振 興 施 策 や 各 府 省 の 地 域 再 生 関 連 施 策 等 と の 連 携 の 下 に 、 地 域 の 協 議 会 が 提 案 し た 雇 用 対 策 に 係 る 事 業 構 想 の 中 か ら 、 コ ン テ ス ト 方 式 に よ り 「 雇 用 創 造 効 果 が 高 い と 認 め ら れ る も の 」 や 「 波 及 的 に 地 域 の 雇 用 機 会 を 増 大 さ せ る 効 果 が 高 く 、 地 域 の 産 業 及 び 経 済 の 活 性 化 等 に 資 す る と 認 め ら れ る も の 」 を 選 抜 し 、 当 該 協 議 会 に 対 し 事 業 の 実 施 を 委 託 す る も の で あ る 。
8 実 践 型 地 域 雇 用 創 造 事 業 の 対 象 地 域 は 、 次 の ① ② の い ず れ か に 該 当 す る 地 域 で あ る 。 ① 最 近3年 間 ( 平 均 ) 又 は 最 近1年 間 の 地 域 の 有 効 求 人 倍 率 が 全 国 平 均 (1を 超 え る 場 合 に は1。0.67未 満 で あ る 場 合 に は 0.67) 以 下 で あ る こ と 。 ② 最 近3年 間 又 は1年 間 の 有 効 求 人 倍 率 が1未 満 で あ っ て 、 最 近5年 間 で 人 口 が 全 国 平 均 以 上 に 減 少 し て い る 地 域 。
9 具 体 的 に は 、 東 京 に 設 置 さ れ て い る 「 移 住 ・ 交 流 情 報 ガ ー デ ン 」 や 地 方 自 治 体 な ど か ら 地 方 へ の 移 住 情 報 な ど を 収 集 し 、Webサ イ ト やSNS上 で 提 供 す る 取 組 み 、ま た 、東 京 圏 と 近 畿 圏 の 大 学 の 学 生 な ど に 対 し て 、 セ ミ ナ ー や 個 別 相 談 会 な ど を 行 い 、 地 方 へ の 就 職 を 希 望 す る 人 材 を 掘 り 起 こ し 、 ハ ロ ー ワ ー ク の 全 国 ネ ッ ト ワ ー ク を 活 用 し た 地 方 の 求 人 と の マ ッ チ ン グ に つ な げ て い く 取 組 み を 行 っ て い る 。
分 析 が 求 め ら れ よ う 。
第 1 に 、 地 域 社 会 の 観 点 か ら 、 雇 用 面 、 人 口 面 の 問 題 状 況 を 正 確 に 把 握 す る こ と で あ る 。 地 域 に お い て 何 が 課 題 と さ れ て い る の か 、 課 題 に 対 し て ど の よ う に 取 り 組 ま れ て い る の か の 実 態 を 把 握 ・ 整 理 す る こ と が 求 め ら れ る 。
第 2 に 、 個 人 の 観 点 か ら 地 域 移 動 の 中 身 を 分 析 す る こ と で あ る 。 つ ま り 、 地 域 社 会 の 側 か ら 「 若 年 者 流 出 」 と と ら れ る 問 題 を 、 地 域 移 動 す る 個 人 の 側 か ら 捉 え な お す こ と で あ る 。地 域 移 動 は 多 分 に 個 人 の ラ イ フ コ ー ス や 進 路 選 択 に 基 づ く 。UIJタ ー ン の 効 率 的 ・ 効 果 的 な 推 進 に あ た っ て は 、 移 動 タ イ ミ ン グ や 理 由 な ど 、 個 々 の 地 域 移 動 の 実 態 を 正 確 に 把 握 し 、 政 策 的 支 援 の ニ ー ズ の 所 在 を 明 確 に す る こ と が 求 め ら れ る10。
本 調 査 研 究11で は 、 第 1 の 点 に つ い て は 地 域 ヒ ア リ ン グ 調 査 か ら 、 第 2 の 点 に つ い て は 個 人 対 象 の ア ン ケ ー ト 調 査 か ら 主 に 把 握 す る こ と を 目 指 す 。 こ の 調 査 シ リ ー ズ で は 、 ア ン ケ ー ト 調 査 を 中 心 に 調 査 結 果 を 示 し た い12。ま ず 、若 年 期 の 地 域 移 動 に 関 す る 既 存 調 査 研 究 の 知 見 を 簡 潔 に 紹 介 し 、 ア ン ケ ー ト 調 査 の 目 的 を 提 示 し よ う 。
4 . 既 存 研 究 の 知 見 と ア ン ケ ー ト 調 査 の 目 的
若 年 期 の 地 域 移 動 に 関 し て は 、 様 々 な 学 問 領 域 で 研 究 が な さ れ て き た 。 本 調 査 の 趣 旨 の 範 囲 で 、 そ の 知 見 を 簡 潔 に 紹 介 し た い 。
ま ず 、 地 方 出 身 者 の 地 元 か ら の 転 出 移 動 に 関 し て は 、 進 学 移 動 が 大 き な ウ ェ イ ト を 占 め て い る が 、そ の 背 景 と し て 主 に 大 学 の 地 理 的 偏 在 が 検 討 さ れ て き た13。ま た 、経 済 学 的 研 究 か ら は 、雇 用 機 会 の 地 域 差 も 若 者 の 地 域 移 動 に 関 連 す る こ と が 実 証 さ れ て き た14。さ ら に は 、長 期 時 系 列 的 な 傾 向 と し て 、若 年 者 の 地 元 定 着 傾 向 も 議 論 さ れ る と こ ろ で あ る15。 な お 、 進 学 時 の 地 域 移 動 は 多 大 な 金 銭 的 負 担 を 伴 う も の で あ り 、 地 域 移 動 の 可 否 に は 親
10 以 上2点 の ほ か に も 、 地 域 に 立 地 す る 企 業 の 視 点 か ら の 状 況 把 握 ( 人 材 確 保 や 育 成 の 課 題 ・ 取 組 み ) も 重 要 と 考 え ら れ る が 、 本 調 査 研 究 で は 主 に 上 記2つ の 観 点 か ら ア プ ロ ー チ す る 。
11 JILPTプ ロ ジ ェ ク ト 研 究「 労 働 力 需 給 構 造 の 変 化 と 雇 用 ・ 労 働 プ ロ ジ ェ ク ト 」の 中 に 位 置 す る「 地 域 に お け る 雇 用 機 会 と 就 業 行 動 に 関 す る 研 究 」 を 指 す 。
12 ヒ ア リ ン グ 調 査 に つ い て は 、 本 調 査 シ リ ー ズ で は 「 補 論 」 と し て 結 果 の ま と め と 若 干 の 考 察 を 行 い 、 ヒ ア リ ン グ レ コ ー ド を 掲 載 し た 。 な お 、 地 域 ヒ ア リ ン グ 調 査 の 記 録 と 考 察 に つ い て は 、 労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 (2015a) も 参 照 の こ と 。
13 佐 々 木 (2006) は 、「 学 校 基 本 調 査 」 デ ー タ を 用 い て 大 学 教 育 機 会 の 地 域 間 格 差 を 収 容 力 と 進 学 率 の 二 水 準 で 指 標 化 し て 検 討 し た 。 そ し て 、 制 度 的 な 大 学 教 育 機 会 に 東 京 圏 、 大 阪 圏 ・ 名 古 屋 圏 、 そ の 他 地 域 と い う 地 域 間 格 差 が あ る こ と を 示 す と と も に 、1990年 以 降 、男 女 と も 、全 国 的 な 進 学 率 伸 長 の 割 に 非 三 大 都 市 圏 地 域 の 教 育 機 会 は 拡 大 し て お ら ず 、 地 域 間 格 差 は 拡 大 傾 向 に あ る こ と を 論 じ て い る 。
14 太 田(2007)は 、都 道 府 県 別 に み る と 高 卒 者 の 県 外 就 職 率 と 高 卒 新 卒 有 効 求 人 倍 率 と が き わ め て は っ き り し た 負 の 相 関 関 係 に あ る と し 、 新 卒 労 働 市 場 の 需 給 が 芳 し く な い 地 域 で は 積 極 的 に 県 外 就 職 が 行 わ れ て い る こ と を 示 し た 。 ま た 、 時 系 列 的 に み て も 、 県 外 就 職 率 は 高 卒 求 人 倍 率 が 高 い と き に は 上 昇 し 、 低 い と き に は 低 下 す る と い う 特 性 を も つ こ と を 論 じ る 。
15 太 田 (2010)、 山 口 ・ 荒 井 ・ 江 崎 (2000)、 江 崎 (2006)、 労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 (2015b) な ど 。 例 え ば 、労 働 政 策 研 究・研 修 機 構(2015b)で は 、国 立 社 会 保 障・人 口 問 題 研 究 所「 第7回 人 口 移 動 調 査 」(2011) の 結 果 の 分 析 か ら 、 若 い 世 代 の 男 性 を 中 心 に 、 地 方 か ら 都 市 へ の 移 動 、 特 に 高 卒 層 で の 就 職 時 流 出 、 大 卒 層 で の 進 学 時 流 出 が 減 少 傾 向 に あ る こ と を 示 す 。
の 社 会 経 済 的 地 位 に よ る 格 差 が 存 在 す る こ と も 指 摘 さ れ て き た16。
地 方 出 身 者 の Uタ ー ン 移 動 に 関 し て は 、 時 系 列 的 傾 向 の ほ か 、 移 動 者 の 属 性 や 移 動 タ イ ミ ン グ ・ 理 由 な ど が 研 究 な さ れ て き た 。 ま ず 、 長 期 時 系 列 的 に 見 れ ば 、 若 い 世 代 ほ ど U タ ー ン 率 が 高 ま っ て い る17。 ま た 、 長 子 ほ ど U タ ー ン 率 が 高 い こ と 、U タ ー ン 者 は 親 と の 同 居 率 が 高 い こ と な ど 、U タ ー ン に は 家 庭 の 事 情 が 大 き く 反 映 さ れ る こ と が 指 摘 さ れ る18。 さ ら に は 、 出 身 市 町 村 へ の U タ ー ン 率 に は 地 域 に よ る 違 い も あ り 、 就 業 の 場 が 限 ら れ る 地 域 の 出 身 者 で は U タ ー ン 率 も 低 い19。U タ ー ン の タ イ ミ ン グ に つ い て は 、 多 く の Uタ ー ン は 最 初 の 就 職 後 数 年 以 内 と い っ た 早 期 に 行 わ れ や す い と い う 結 果 が 示 さ れ て い る20。U タ ー ン の 際 の 障 害 に つ い て み る な ら ば 、 自 分 に 合 っ た 職 種 の 不 足 や 収 入 の 低 下 な ど 、 仕 事 に ま つ わ る 様 々 な 難 点 が 大 き な 障 害 と さ れ る21。
な お 、U タ ー ン の 詳 細 な 中 身 ( タ イ ミ ン グ ・ 年 齢 ・ 理 由 等 ) に 関 す る こ れ ま で の 知 見 は 、特 定 地 域 で の 調 査 か ら 主 に 得 ら れ て お り22、他 の 地 域 も 含 め た 検 討 の 余 地 が 残 さ れ て い る 。 ま た 、 行 政 支 援 ニ ー ズ の 所 在 に つ い て も あ ら た め て 把 握 す る 必 要 が あ る 。
大 都 市 出 身 者 の 地 方 移 住(Iタ ー ン )に 関 し て は 、地 方 移 住 者 の 事 例 研 究 や 紹 介 が 数 多 く な さ れ て き た 。 量 的 調 査 で は 、 ど の よ う な 場 合 に 移 住 に 伴 う 賃 金 低 下 を 受 け 入 れ ら れ る か 等 が 検 討 さ れ る も の の23、「 地 方 移 住( 者 )」と は 何 か に つ い て の マ ク ロ 的 な 把 握( 移 住 者 の 属 性 や 移 住 理 由 ・ タ イ ミ ン グ 等 ) は 乏 し く 、 ど こ に 行 政 支 援 の ニ ー ズ が あ る の か も 不 明 瞭 で あ っ た 。 さ ら に は U タ ー ン も 含 め 、 地 方 移 住 を ど う 評 価 す る か に つ い て も 、 当 事 者 の 評 価(UIタ ー ン に よ っ て 仕 事 面 ・ 生 活 面 が ど う 変 化 し た か な ど )を ふ ま え た 考
16 例 え ば 、林(2002)は 、地 方 出 身 者 に お い て 、父 職 別 に 高 等 教 育 進 学 率 と そ れ に 占 め る 就 学 移 動 率 を 検 討 し 、 父 職 が 専 門 ・ 管 理 と い う 上 層 ホ ワ イ ト カ ラ ー に お い て 就 学 移 動 率 お よ び そ れ を 含 め た 高 等 進 学 率 が 高 く な っ て い る こ と を 示 す 。
17 江 崎 (2007)、 労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 (2015b) 等 。
18 前 述 の 林 (2002) で も 、 長 子 の U タ ー ン 率 が 非 長 子 と 比 べ て 高 い こ と 、U タ ー ン 者 の う ち 半 数 近 く が 親 と 同 居 し て い る こ と が 示 さ れ 、「Uタ ー ン 移 動 と は 、機 会 の 相 対 的 不 足 に よ る 出 身 地 か ら 流 出 さ せ る 力 と 、 出 身 家 庭 か ら の 要 請 ( 親 と の 同 居 や 家 業 継 承 ) に よ る 完 全 流 出 を 引 き 止 め る 力 と が 拮 抗 し た 結 果 生 じ た 産 物 と い い う る 」(p.138) と 論 じ ら れ る 。
19 江 崎 (2007) は 、「 第 5回 人 口 移 動 調 査 」 の デ ー タ か ら 、 地 方 圏 各 県 か ら い っ た ん 他 県 に 転 出 し た 者 の う ち 、出 身 市 町 村 に 帰 還 し た 者 の 割 合 を「 出 身 地Uタ ー ン 率 」、他 の 市 町 村 に 帰 還 し た 者 の 割 合 を「Jタ ー ン 率 」 と し 、 出 身 地 類 型 間 で 比 較 し た と こ ろ 、 男 女 と も 「J タ ー ン 率 」 は 出 身 地 域 類 型 間 の 差 が 小 さ い も の の 、「 出 身 地Uタ ー ン 率 」 は 、「 県 庁 所 在 地 」「 一 般 市 」「 町 」 に 比 べ て 「 村 」 が 明 ら か に 低 い 水 準 に な っ て い る こ と を 示 す 。
20 江 崎 ・ 荒 井 ・ 川 口 (2000) は 、「 就 職 後 3年 以 内 に 帰 還 者 数 の ピ ー ク を 持 っ て い る な ど 比 較 的 早 い 段 階 に お け る「Uタ ー ン 」が 大 勢 で あ り 、就 職 後 10年 以 上 が 経 過 し 、ラ イ フ ス テ ー ジ の 進 行 に よ り 世 帯 規 模 が 拡 大 し た 後 の 帰 還 は き わ め て 例 外 的 で あ る 」(p.90) と す る 。 江 崎 ・ 山 口 ・ 松 山 (2007) も 参 照 。
21 江 崎 ・ 荒 井 ・ 川 口 (2000) 参 照 。
22 前 述 の 江 崎 ・ 荒 井 ・ 川 口 (2000) も 、 長 野 県 お よ び 宮 崎 県 出 身 者 の 事 例 と し て 結 果 を 提 示 し て い る 。 こ れ は 、 出 身 者 の 詳 細 な 地 域 移 動 調 査 を 行 う 場 合 に 、 サ ン プ ル 抽 出 の た め 高 校 の 同 窓 会 名 簿 な ど を 活 用 す る 場 合 が 多 い こ と か ら く る 。
23 労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 (2011) は 、 三 大 都 市 圏 か ら 非 三 大 都 市 圏 へ の 引 越 し に 際 し て 、「 引 越 し に よ っ て 住 宅 事 情 が よ く な る と 考 え て い る 者 や 親 族 ・ 友 人 ・ 知 人 が 多 く な る と 考 え る 者 で あ れ ば 、 引 越 し 先 で の 年 収 の 低 さ を 許 容 し た と し て も 効 用 水 準 の 低 下 は 補 償 さ れ る が ゆ え に 希 望 年 収 は 低 め に 設 定 さ れ る 」
(p.24) と し 、 そ の こ と が 仕 事 を み つ か り や す く し 、 移 住 に つ な が り や す い と 述 べ る 。
察 が 十 分 で は な か っ た 。
既 存 研 究 を ふ ま え 、 主 に 以 下 の 事 項 を 把 握 す る 目 的 で 調 査 を 企 画 し た 。 ま ず 、 若 年 期 の 地 域 移 動 ( 転 出 ・U タ ー ン ・ 地 方 移 住 ) の 実 態 を 整 理 す る た め 、 誰 が い つ ど う い う 理 由 ・ き っ か け で ど こ に 移 動 し て い る の か を 正 確 に 把 握 す る こ と で あ る 。 第 2 に 、 行 政 支 援 の ニ ー ズ の 所 在 ・ 中 身 に つ い て 、 誰 の ど う い う 移 動 に お い て ど の よ う な 行 政 支 援 が 必 要 と さ れ る の か を 把 握 す る こ と で あ る 。第 3に 、UIJタ ー ン は ど う 評 価 で き る か で あ り 、 UIJタ ー ン に と も な う 変 化 ( 収 入 変 化 、 生 活 変 化 ) や UIJタ ー ン 者 の 生 活 状 況 を 把 握 す る こ と で 検 討 す る 。
次 節 で は 、 ア ン ケ ー ト 調 査 の 方 法 や 対 象 な ど 、 調 査 の 概 要 を 示 し た い 。
第 2節 調 査 の 概 要 1 . 調 査 名
「 若 年 期 の 地 域 移 動 に 関 す る 調 査 」
2 . ア ン ケ ー ト 調 査 の 方 法
( 1 ) 調 査 方 法 : ウ ェ ブ モ ニ タ ー 調 査 ( ス ク リ ー ニ ン グ 調 査 ・ 本 調 査 )
( 2 ) 調 査 実 施 委 託 : 株 式 会 社 ク ロ ス ・ マ ー ケ テ ィ ン グ
( 3 ) 調 査 対 象 者 : 調 査 会 社 に 登 録 し て い る ウ ェ ブ 調 査 登 録 モ ニ タ ー
( 4 ) 調 査 実 施 時 期 :2016年 1 月
3 . 調 査 対 象
調 査 会 社 に 登 録 し て い る ウ ェ ブ 調 査 登 録 モ ニ タ ー を 対 象 に ス ク リ ー ニ ン グ 調 査 を 実 施 し 、 以 下 の 条 件 に あ て は ま る 者 (4 つ の 割 付 区 分 ) を 抽 出 し た 上 、 各 割 付 区 分 の 回 収 目 標 サ ン プ ル 数 を 回 収 す る よ う 本 調 査 を 実 施 し た 。
本 調 査 は 、 出 身 地24と 現 在 ま で の 地 域 移 動 経 験25、 居 住 地 域 の 区 分 ( 地 方 圏26、 大 都 市 圏 ) に 基 づ い て 割 付 区 分 を 設 定 し た ( 図 表 序 ―1)。 ま ず 、「 出 身 県 定 住 者 」 と は 、 地 方 圏 出 身 で 、 中 学 卒 業 か ら 現 在 ま で 同 一 県 内 に 居 住 す る 者 の こ と を い う 。「 出 身 県 U タ ー ン 者 」 と は 、 地 方 圏 出 身 で 、 中 学 卒 業 以 降 に 県 外 で の 居 住 経 験 を も つ が 、 現 在 は 中 学 卒 業 時 と 同 じ 県 に 居 住 す る 者 の こ と を い う27。「 出 身 県 外 居 住 者 」 と は 、 地 方 圏 出 身 で 、 現 在
24 本 調 査 で は 、 中 学 卒 業 時 の 居 住 地 域 ( 都 道 府 県 ・ 市 区 町 村 ) を も っ て 出 身 地 と し た 。
25 地 域 移 動 経 験 は 、 中 学 卒 業 以 降 、 現 在 ま で に 、 県 を ま た ぐ 移 動 を 経 験 し た か ど う か で 識 別 し た 。 中 学 卒 業 以 前 の 移 動 経 験 は 、 親 の 転 勤 等 、 本 人 以 外 の 理 由 に よ る 地 域 移 動 が 主 と 考 え ら れ る た め 、 こ こ で の 地 域 移 動 経 験 と し て 考 慮 し て い な い 。
26 本 調 査 で 「 地 方 圏 」 と は 、 三 大 都 市 圏 以 外 の 地 域 と す る 。 三 大 都 市 圏 は 、「 東 京 圏 : 埼 玉 県 、 千 葉 県 、 東 京 都 、 神 奈 川 県 」「 近 畿 圏 : 大 阪 府 、 京 都 府 、 兵 庫 県 、 奈 良 県 、 滋 賀 県 」「 中 京 圏 : 愛 知 県 、 三 重 県 、 岐 阜 県 」 と す る 。
27「 出 身 県Uタ ー ン 者 」 の 内 に は 、 現 在 ま で に 出 身 市 町 村 に 戻 っ た 「Uタ ー ン 者 」 と 、 出 身 市 町 村 で は な
の 居 住 県 が 中 学 卒 業 時 の 居 住 県 と 異 な る 者 の こ と を い う 。「 地 方 移 住 者 」 と は 、 東 京 圏 ・ 近 畿 圏 出 身28で 、 現 在 は 地 方 圏 に 居 住 す る 者 (Iタ ー ン 者 ) の こ と を い う 。
な お 、 対 象 者 の 年 齢 は 、 若 年 期 の 地 域 移 動 を 対 象 と す る こ と か ら 、 ① ~ ③ は 25~39 歳 、 ④ は25~44歳 と し た29。 ま た 、 現 在 就 業 し て い る 者 に 対 象 を 限 定 し て い る30。
サ ン プ ル サ イ ズ は 、 ① ~ ③ が 各 2000、 ④ が 1000を 目 標 回 収 数 と し 、 目 標 に 達 す る ま で 回 収 を 行 う 方 法 と し た 。
図 表 序 ― 1 割 付 区 分 の 定 義
4 . 主 な 調 査 項 目
調 査 は 、 ス ク リ ー ニ ン グ 調 査 と 本 調 査 に 分 け ら れ る 。 そ れ ぞ れ の 調 査 で の 主 な 質 問 項 目 は 以 下 の 通 り で あ る31。
( 1 ) ス ク リ ー ニ ン グ 調 査
・ 基 本 属 性 ( 性 別 、 年 齢 、 就 業 有 無 、 配 偶 者 ・ 子 ど も 有 無 、 初 職 前 学 歴 、 転 職 経 験 等 )
・ 様 々 な 時 点 で の 居 住 都 道 府 県 ・ 市 区 町 村 ( 出 生 時 、 中 学 卒 業 時 、 初 職 前 学 校 在 学 時 、 初 職 就 職 時 、 現 在 )
( 2 ) 本 調 査
・ 現 在 の 居 住 地 域 の 特 徴 ・ 生 活 環 境 、 地 域 へ の 愛 着 等
・ 仕 事 ・ 生 活 に 関 す る 価 値 観 、 子 育 て 方 針 等 の 意 識 項 目
・ 現 職 の 内 容 ( 就 業 形 態 、 業 種 、 職 種 、 労 働 時 間 、 通 勤 時 間 、 勤 務 先 所 在 地 等 )
く 出 身 県 内 の 別 の 市 町 村 ( 近 隣 都 市 等 ) に 戻 っ た 「Jタ ー ン 者 」 の 両 方 が 含 ま れ る 。
28 東 京 圏 ・ 近 畿 圏 と し た 理 由 は 、 厚 生 労 働 省 が 行 う 地 方 人 材 還 流 促 進 事 業 「LO 活 プ ロ ジ ェ ク ト 」 の 対 象 者 と の 整 合 を と る た め で あ る 。
29 調 査 会 社 登 録 モ ニ タ ー に お け る 「 地 方 移 住 者 」 の 出 現 率 が 低 い 中 、 一 定 の サ ン プ ル サ イ ズ を 確 保 す る た め 、 当 区 分 の み 対 象 年 齢 の 上 限 を44歳 と し た 。
30 学 生 、 専 業 主 婦 な ど の ほ か 、 休 業 中 ・ 休 職 中 の 者 も 対 象 か ら 除 外 し て い る 。
31 調 査 項 目 の 詳 細 と 設 問 文 に つ い て は 、 資 料 編 に お け る 調 査 票 を 参 照 の こ と 。
・ 初 職 の 内 容 ( 就 業 形 態 、 業 種 、 職 種 、 離 職 理 由 、 勤 続 年 数 等 ) ※ 転 職 経 験 者
・ 学 生 時 代 の 専 門 分 野 、 就 職 活 動 ( 相 談 し た 人 、 重 視 し た 条 件 、 就 職 希 望 地 域 等 )
・ 現 在 の 生 活 ( 配 偶 者 、 兄 弟 、 親 同 近 居 、 父 母 の 仕 事 、 収 入 、 活 動 、 意 識 項 目 等 )
・ 地 域 移 動 経 験 ( 出 身 地 か ら の 転 出 、 現 在 居 住 地 へ の 転 入 の タ イ ミ ン グ ・ 理 由 等 )
第 3節 本 調 査 シ リ ー ズ の 構 成
次 章 以 降 で は 、調 査 結 果 の 概 要 を 示 し た い 。ま ず 、第 1章 で は 、デ ー タ の 特 性 と し て 、 割 付 区 分 ご と の 回 答 者 の 基 本 属 性 を 示 す 。 続 く 第 2 章 で は 、 地 方 出 身 者 の 出 身 地 か ら の 転 出 に 焦 点 を 当 て 、 転 出 の き っ か け ・ 理 由 ・ 転 出 先 に つ い て 検 討 す る 。 第 3 章 で は 地 方 出 身 者 のUタ ー ン に 焦 点 を 当 て 、そ の 中 身 と 支 援 ニ ー ズ に つ い て 検 討 す る 。第4章 で は 、 大 都 市 出 身 の 地 方 移 住 に 焦 点 を 当 て 、 そ の 中 身 と 支 援 ニ ー ズ を 検 討 す る 。 そ し て 、 以 上 の 議 論 を ふ ま え 、 終 章 で 結 論 と 政 策 的 含 意 を 述 べ る 。 な お 、 終 章 の 後 、 補 論 と し て 、 地 域 ヒ ア リ ン グ 調 査 の 結 果 に つ い て 若 干 の 考 察 を 行 っ て い る 。
第 1 章 デ ー タ の 特 性 ( 回 答 者 の 特 徴 )
ま ず 、 本 調 査 デ ー タ の 特 性 を 概 観 す る こ と か ら 始 め た い 。 先 に 述 べ た よ う に 、 本 調 査 は 、 特 定 の 区 分 ご と に 目 標 サ ン プ ル を 割 り 付 け た 調 査 方 法 を と っ て お り 、 そ れ ぞ れ の 割 付 区 分 ご と に 、 回 答 者 の 基 本 属 性 に は 一 定 の 特 徴 が み ら れ る 。 本 章 の 記 述 は 、 第 2 章 以 降 の 議 論 に あ た り 、 各 割 付 区 分 に お け る 回 答 者 の 特 徴 ( 偏 り ) を あ ら か じ め 示 す 趣 旨 で あ り 、 割 付 区 分 間 の 比 較 を 目 的 と す る も の で は な い1。
第 1節 回 答 者 の 性 別 ・ 年 齢 ・ 学 歴
本 調 査 の 基 本 の 集 計 サ ン プ ル 数 ( N ) は 、「 出 身 県 定 住 者 」 =2195、「 出 身 県U タ ー ン 者 」 =2085、「 出 身 県 外 居 住 者 」 =2027、「 地 方 移 住 者 」 =1000 で あ り 、 以 降 の 図 表 で 特 に 記 載 の な い 場 合 、 当 サ ン プ ル 数 に つ い て 集 計 し て い る2。
ま ず 、回 答 者 の 基 本 属 性 で あ る 性 別 ・ 年 齢 ・ 学 歴 か ら 特 徴 を み た い 。図 表1-1を み る と 、 回 答 者 の 性 別 に つ い て は 「 出 身 県 U タ ー ン 者 」「 出 身 県 外 居 住 者 」「 地 方 移 住 者 」 に お い て 男 性 が 6割 を 超 え る 。「 出 身 県 定 住 者 」に つ い て は 男 女 が 約 半 々 の 割 合 と な っ て い る 。
回 答 者 の 平 均 年 齢 に つ い て は 、「 出 身 県 定 住 者 」「 出 身 県 U タ ー ン 者 」「 出 身 県 外 居 住 者 」 で 33~34 歳 で あ る の に 対 し 、「 地 方 移 住 者 」 で は お お よ そ 38 歳 で あ る 。 対 象 年 齢 の 違 い が 反 映 さ れ て い る 結 果 と 言 え る 。
学 歴3を み る と 、「 出 身 県 定 住 者 」 で は 「 中 学 ・ 高 校 」 が 41.3%、「 専 門 ・ 短 大 ・ 高 専 」 が 29.1%と 多 い こ と が 特 徴 で あ り 、「 地 方 移 住 者 」 と 「 出 身 県 外 居 住 者 」 で は 「 大 学 ・ 大 学 院 」 の 割 合 が 高 い と い う 特 徴 が あ る 。
1 ま た 、 調 査 方 法 ( ウ ェ ブ モ ニ タ ー 調 査 ) に 伴 う 調 査 回 答 者 の 偏 り の 可 能 性 も 存 在 し よ う 。 具 体 的 に は 、 ウ ェ ブ 調 査 の 回 答 者 に は 高 学 歴 者 が 相 対 的 に 多 く 含 ま れ る と い う 議 論 が あ り 、 こ う し た 点 に 留 意 し て 結 果 を 読 む 必 要 が あ る 。
2 こ れ は 序 章 で 記 載 し た 目 標 回 収 数 と は 異 な る が 、期 限 ま で に 回 収 で き た 有 効 回 収 サ ン プ ル に つ い て 、( 目 標 回 収 数 を 上 回 っ た 分 を 含 め ) 全 て 集 計 対 象 に 含 め た た め で あ る 。
3 本 調 査 で は 「 最 初 の 仕 事 に 就 く 直 前 に 通 っ た 学 校 」 と し て 把 握 し て お り 、 最 終 学 歴 と 一 致 し な い 場 合 も あ る 。 ま た 、 こ こ で の 集 計 に は 、 卒 業 の ほ か 中 退 も 含 ま れ る ( 在 学 中 は 含 ま な い )。
男性 女性 中学・ 高校 専門・ 短大・ 高専 大学・ 大学院
出 身 県 定 住 者 4 8 .9 % 5 1 .1 % 3 3 .1 4 1 .3 % 2 9 .1 % 2 9 .5 % 出 身 県 U タ ー ン 者 6 2 .8 % 3 7 .2 % 3 4 .0 1 9 .1 % 2 3 .8 % 5 7 .2 % 出 身 県 外 居 住 者 6 0 .5 % 3 9 .5 % 3 3 .5 1 6 .8 % 2 0 .8 % 6 2 .4 % 地 方 移 住 者 6 6 .0 % 3 4 .0 % 3 8 .2 1 7 .4 % 1 6 .8 % 6 5 .8 %
性別
年齢
( 平均)
学歴 図 表 1 - 1 対 象 区 分 ご と の 性 別 ・ 年 齢 ・ 学 歴
第 2節 回 答 者 の 就 業 の 状 況
回 答 者 の 就 業 形 態 を み る と( 図 表 1-2)、「 出 身 県 Uタ ー ン 者 」「 出 身 県 外 居 住 者 」「 地 方 移 住 者 」で は「 正 社 員 」の 割 合 が6割 を 超 え る が 、「 出 身 県 定 住 者 」で は 56.2%と や や 低 い 。ま た 、「 出 身 県 定 住 者 」で は「 パ ー ト ・ア ル バ イ ト・非 常 勤 」が 25.3%と や や 高 く 、
「 出 身 県 U タ ー ン 者 」「 地 方 移 住 者 」 で 「 自 営 業 ・ 自 由 業 」 の 割 合 が や や 高 い こ と も 特 徴 で あ る ( そ れ ぞ れ7.7%、7.4%)。
業 種 構 成 を み る と ( 図 表 1-3)、「 地 方 移 住 者 」 で 製 造 業 の 割 合 が 高 く (24.0%)、「 出 身 県 外 居 住 者 」で 情 報 通 信 業 の 割 合 が 高 い(11.9%)。ま た 、「 出 身 県 定 住 者 」で「 卸 売 ・ 小 売 業 」(16.1%)や「 医 療・福 祉 」(15.1%)、「 出 身 県 U タ ー ン 者 」で「 医 療・福 祉 」(15.4%) が や や 高 い 。
職 種 構 成 を み る と( 図 表 1-4)、「 出 身 県 外 居 住 者 」「 地 方 移 住 者 」で「 専 門 ・技 術 職 」 の 割 合 が 高 い ( そ れ ぞ れ 33.4%、33.3%)。「 地 方 移 住 者 」 で は 「 管 理 職 」 も 相 対 的 に 高 い(7.7%)。「 出 身 県 定 住 者 」で は「 生 産 工 程 ・ 技 能 ・ 労 務 職 」(15.7%)や「 サ ー ビ ス 職 」
(14.9%) の 割 合 が 相 対 的 に 高 い こ と も 特 徴 で あ る 。
正社員
パート・ ア ルバ イト・ 非常勤
契約社員・ 嘱託
派遣社員・ 請負社員
会社経営 者・ 役員
自営業・ 自由業
内職・ 家族従業員 出 身 県 定 住 者 5 6 .2 % 2 5 .3 % 7 .1 % 4 .8 % 0 .5 % 5 .0 % 1 .2 % 出 身 県 U タ ー ン 者 6 3 .3 % 1 6 .6 % 6 .5 % 3 .6 % 1 .2 % 7 .7 % 1 .0 % 出 身 県 外 居 住 者 6 9 .4 % 1 5 .0 % 5 .4 % 4 .5 % 0 .7 % 4 .3 % 0 .7 % 地 方 移 住 者 6 5 .9 % 1 7 .1 % 4 .6 % 3 .0 % 1 .3 % 7 .4 % 0 .7 %
図 表 1 - 2 対 象 区 分 ご と の 就 業 形 態 の 構 成
農・ 林・ 漁 業
鉱業・ 建設業
製造業
情報通信 業
運輸業
金融・保険・ 不動産業
卸売・ 小売業
宿泊・飲食 サー ビス業
医療・ 福 祉
教育・ 学 習支援業
公務 その他
出 身 県 定 住 者 2 .1 % 5 .4 % 1 9 .1 % 5 .5 % 4 .8 % 3 .5 % 1 6 .1 % 7 .7 % 1 5 .1 % 4 .5 % 5 .2 % 1 1 .1 % 出 身 県 U タ ー ン 者 2 .4 % 6 .2 % 1 5 .3 % 6 .7 % 4 .6 % 5 .3 % 1 2 .5 % 7 .1 % 1 5 .4 % 5 .9 % 8 .1 % 1 0 .4 % 出 身 県 外 居 住 者 0 .9 % 4 .0 % 1 9 .1 % 1 1 .9 % 4 .1 % 6 .0 % 1 0 .4 % 6 .4 % 1 2 .3 % 7 .2 % 6 .1 % 1 1 .6 % 地 方 移 住 者 1 .3 % 4 .9 % 2 4 .0 % 4 .6 % 3 .5 % 6 .2 % 1 0 .3 % 6 .3 % 1 1 .7 % 9 .2 % 7 .7 % 1 0 .3 %
図 表 1 - 3 対 象 区 分 ご と の 仕 事 ・ 勤 め先 の 業 種 構 成
専門・ 技術職
管理職 事務職
営業・ 販売職
サービス 職
運輸・ 通 信的職業
保安的職 業
生産工程・技 能・労務職
農林漁業 作業者
その他 出 身 県 定 住 者 1 8 .7 % 1 .2 % 2 8 .9 % 1 1 .8 % 1 4 .9 % 3 .0 % 1 .4 % 1 5 .7 % 1 .4 % 3 .0 % 出 身 県 U タ ー ン 者 2 6 .1 % 3 .5 % 2 7 .3 % 1 2 .9 % 1 3 .0 % 3 .2 % 0 .6 % 1 0 .0 % 1 .7 % 1 .7 % 出 身 県 外 居 住 者 3 3 .4 % 3 .5 % 2 5 .2 % 1 2 .4 % 1 1 .4 % 2 .7 % 1 .8 % 7 .5 % 0 .5 % 1 .6 % 地 方 移 住 者 3 3 .3 % 7 .7 % 2 0 .1 % 1 3 .5 % 9 .7 % 2 .6 % 1 .5 % 9 .2 % 1 .0 % 1 .4 %
図 表 1 - 4 対 象 区 分 ご と の 職 種 構 成
第 2 章 地 方 出 身 者 に お け る 出 身 地 か ら の 転 出
本 章 で は 、 地 方 出 身 者 に お い て 、 出 身 地 か ら の 転 出 が ど の よ う な タ イ ミ ン グ ・ 理 由 で 行 わ れ 、 ど こ に 移 動 し て い る の か を 検 討 し た い 。 分 析 対 象 は 、 地 方 出 身 者 の う ち 「 出 身 県 U タ ー ン 者 」「 出 身 県 外 居 住 者 」と し 、「 出 身 県U タ ー ン 者 」と「 出 身 県 外 居 住 者 」の 傾 向 を 並 べ て 示 す こ と で 検 討 す る1。
第 1節 転 出 の タ イ ミ ン グ と 理 由
ま ず 、 地 方 出 身 者 に お け る 出 身 地 か ら の 転 出 の タ イ ミ ン グ と 理 由 を み よ う 。 転 出 の き っ か け を み る と2( 図 表2-1)、「 出 身 県U タ ー ン 者 」「 出 身 県 外 居 住 者 」 と も 「 大 学 ・ 大 学 院 進 学 」が 約 半 数 を 占 め る( そ れ ぞ れ 49.7%、50.0%)。「 就 職 」が 15% 程 度 、「 専 門 学 校 進 学 」 が 10% 程 度 で こ れ に 次 ぐ 。
次 に 、転 出 年 齢 を み る と( 図 表 2-2)、転 出 年 齢 は 18歳 に 約6 割 が 集 中 し て い る こ と が わ か る 。そ し て 、18~19歳 時 を 過 ぎ る と 転 出 は ほ と ん ど 見 ら れ な い こ と も 特 徴 と い え る3。 こ れ は 、 図 表 2-1 で み た よ う に 、 転 出 の き っ か け に お い て 「 大 学 ・ 大 学 院 進 学 」
1 サ ン プ ル の 割 付 け を 行 っ て い る た め 、 両 者 を 統 合 し て 集 計 す る と 母 集 団 を 想 定 で き な い こ と か ら 、 こ こ で は 並 べ て 掲 載 す る も の で あ る 。 両 者 の 傾 向 を 比 較 す る 趣 旨 で は な い 。
2 地 域 移 動 経 歴 に 関 す る 設 問(Q48~Q60)は 、地 域 や 年 齢 に 関 す る エ ラ ー 回 答 が 少 な く な く 、当 該 設 問 は エ ラ ー を 除 外 し て 集 計 し た た め 、 第 1 章 で 示 し た も の よ り 集 計 サ ン プ ル (N) が 小 さ く な っ て い る 。 次 章 以 降 も 同 様 。
3 例 え ば 、22歳 時 の 転 出 は 少 な い 結 果 と な っ て い る 。 大 学 ま で 地 元 か ら 通 い 、 そ の 後 就 職 の た め に 転 出 す る と い っ た 動 き は 相 対 的 に 少 な い こ と が 、 本 デ ー タ か ら う か が え る 。 な お 、「 住 民 基 本 台 帳 」 の 数 値 を 基 に す れ ば 、 都 道 府 県 間 移 動 は 「20~24 歳 」 時 に 多 く 起 こ る よ う に 見 え る 。 例 え ば 、「 住 民 基 本 台 帳 人 口 移 動
4.0%
49.7% 6.1%
12.2% 14.9% 3.3%
2.3% 2.1% 0.5%
3.5% 2.4%
4.2%
50.0% 4.5%
9.6% 15.3% 4.0%
3.5% 4.7% 0.8%
3.0% 1.7%
0.0% 20.0% 40.0% 60.0%
高校進学 大学・大学院進学 短大・高専進学 専門学校進学 就職 転職 結婚 実家の都合 住宅の都合 転勤・配置転換等 その他
図表2-1 出身市町村を離れたきっかけ(複数回答)
【出身県Uターン者、出身県外居住者】
出身県Uターン者(N=1632) 出身県外居住者(N=1933)
や 「 専 門 学 校 進 学 」 が 大 き な ウ ェ イ ト を 占 め て い る こ と が 関 係 し よ う 。 ま た 、「 就 職 」 に つ い て も 高 卒 就 職 で の 移 動 に メ イ ン が あ る こ と が う か が え る4。
出 身 地 を 離 れ た 理 由 は5( 図 表 2-3)、「 地 元 に は 進 学 を 希 望 す る 学 校 が な か っ た 」が 最 も 多 く ( 出 身 県 U タ ー ン 者 :36.8%、 出 身 県 外 居 住 者 :35.8%)、「 地 元 か ら 通 え る 進 学 先 が 限 ら れ て い た 」と い っ た 進 学 先 が 限 ら れ る 側 面 、「 親 元 を 離 れ て 暮 ら し た か っ た 」「 都 会 で 生 活 し た か っ た 」「 地 元 以 外 の 土 地 で 生 活 し た か っ た 」と い っ た ラ イ フ コ ー ス 選 択 の 側 面 が 重 な り 合 う 結 果 と な っ て い る6。
報 告 平 成27年(2015年 )結 果 」に よ れ ば 、地 方 圏 の 県 に お け る 他 都 道 府 県 へ の 転 出 者 数 は 、「15~19歳 」 よ り も「20~24歳 」の ほ う が 多 い 。本 調 査 結 果 と の 相 違 の 背 景 に は 、進 学 を 機 と し た 転 出 で は 住 民 票 を( 実 家 の 住 所 か ら ) 移 さ な い 場 合 が 多 い こ と が 関 係 し よ う 。 つ ま り 、 住 民 票 の 移 動 と い う 、 自 治 体 が 通 常 把 握 す る 転 出 よ り 前 の 時 点 で 、 実 際 に は 転 出 が 行 わ れ て い る 場 合 が 少 な く な い こ と が 示 唆 さ れ る 。
4 実 際 、 図 表2-1で 示 し た 「 就 職 」 と い う 回 答 に つ い て 、「 初 職 に 就 く 前 に 最 後 に 通 っ た 学 校 」 と の 関 係 を み る と 、「 高 校 」 を 出 た 人 で は 4 割 強 、「 高 専 」 を 出 た 人 で は 約 55% が 「 就 職 」 で の 転 出 に 該 当 す る 一 方 、
「 短 大 」「 大 学 」「 大 学 院 」 を 出 た 人 で は 「 就 職 」 で の 転 出 は 1 割 に 満 た な い 。 こ の 結 果 は 、 就 職 を 機 に 出 身 市 町 村 を 離 れ る こ と は 、 高 卒 就 職 な ど で は 比 較 的 起 こ り う る が 、 大 卒 者 に 関 わ る 流 出 は 、 そ の 多 く が 大 学 進 学 時 に 転 出 し て 卒 業 後 にUタ ー ン し な い こ と で あ る こ と を 示 す 。
5 本 設 問 で は 、「 出 身 市 町 村 を 離 れ た き っ か け 」に 応 じ て 就 業 理 由 の 選 択 肢 を 出 し 分 け て い る 。つ ま り 、「 高 校 進 学 」「 大 学 ・ 大 学 院 進 学 」「 短 大 ・ 高 専 進 学 」「 専 門 学 校 進 学 」 な ど 進 学 を 機 と し た 転 出 者 に は 「 将 来 、 希 望 す る 仕 事 に 就 く た め 」と い う 選 択 肢 を 表 示 し 、「 就 職 」「 転 職 」と い っ た 就 職 を 機 と す る 転 出 者 に は「 希 望 す る 仕 事 に 就 く た め 」 と い う 選 択 肢 を 表 示 し た 。
6 こ れ に 対 し て 、 進 学 転 出 者 に お け る 「 将 来 、 希 望 す る 仕 事 に 就 く た め 」、 就 職 転 出 者 に お け る 「 希 望 す る 仕 事 に 就 く た め 」 と い う 回 答 は 少 な か っ た 。「 初 職 に 就 く 前 に 最 後 に 通 っ た 学 校 」 と の 関 係 を み る と 、「 専 門 学 校 」を 出 た 人 で「 将 来 、希 望 す る 仕 事 に 就 く た め 」と い う 転 出 理 由 が1割 を 超 え る も の の 、「 短 大 」「 大 学 」「 大 学 院 」 で は5% 程 度 で あ っ た 。
0 10 20 30 40 50 60 70
14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36
%
図表2-2 出身市町村を離れた年齢(年齢分布)
【出身県Uターン者、出身県外居住者】
出身県Uターン者(N=1632) 出身県外居住者(N=1932) 年 齢
第 2節 転 出 先 の 地 域
で は 、地 方 出 身 者 は 地 元 を 離 れ て ど こ に 転 出 し て い る の か 。地 域 ブ ロ ッ ク の レ ベ ル で 、 出 身 地 と 転 出 先 の 地 域 を 見 比 べ て み た い ( 図 表2-4)7。ま ず 、「 出 身 県U タ ー ン 者 」 に つ い て 、出 身 地 ブ ロ ッ ク 別 に 転 出 先 の 地 域 ブ ロ ッ ク を み る と 、「 地 域 ブ ロ ッ ク 内 」の 移 動 割 合 が 大 き い の は 、「 九 州 ・ 沖 縄 」(49.4%)、「 東 北 」(42.5%)、「 中 国 」(37.3%)、「 北 海 道 」(32.0%) 出 身 者 で あ る 。 特 に 「 九 州 ・ 沖 縄 」 ブ ロ ッ ク の 地 域 出 身 者 で は 、 転 出 先 の 約 半 数 が 地 域 ブ ロ ッ ク 内 で あ る 。 こ の 結 果 は 、 地 域 ブ ロ ッ ク 内 に 、 福 岡 、 仙 台 、 広 島 、 札 幌 と い う 地 方 中 枢 都 市 を 抱 え る た め 、 そ こ の 人 口 吸 引 力 が 強 い こ と を う か が わ せ る8。
7 本 図 表 に お い て 、そ れ ぞ れ の 地 域 ブ ロ ッ ク に 含 ま れ る 都 道 府 県 は 次 の と お り で あ る 。「 北 海 道 」= 北 海 道 、
「 東 北 」= 青 森 県 、岩 手 県 、秋 田 県 、宮 城 県 、山 形 県 、福 島 県 、「 北 関 東 」= 茨 城 県 、栃 木 県 、群 馬 県 、「 中 部 」= 山 梨 県 、長 野 県 、静 岡 県 、「 北 陸 」= 新 潟 県 、富 山 県 、石 川 県 、福 井 県 、「 中 国 」ブ ロ ッ ク = 鳥 取 県 、 島 根 県 、 岡 山 県 、 広 島 県 、 山 口 県 、「 四 国 」 = 香 川 県 、 愛 媛 県 、 徳 島 県 、 高 知 県 、「 九 州 ・ 沖 縄 」 ブ ロ ッ ク
= 福 岡 県 、 佐 賀 県 、 長 崎 県 、 熊 本 県 、 大 分 県 、 宮 崎 県 、 鹿 児 島 県 、 沖 縄 県 。 転 出 先 に つ い て は 、「 東 京 圏 」
= 東 京 都 、神 奈 川 県 、埼 玉 県 、千 葉 県 、「 近 畿 圏 」= 大 阪 府 、京 都 府 、兵 庫 県 、滋 賀 県 、奈 良 県 、和 歌 山 県 、
「 中 京 圏 」 = 愛 知 県 、 岐 阜 県 、 三 重 県 で あ る 。
8 転 出 先 の 県 別 内 訳 を み る と 、 東 北 地 方 出 身 者 の 転 出 先 で は 宮 城 県 が 約 2 割 、 中 国 地 方 出 身 者 の 転 出 先 で は 広 島 県 が 約15% 、 岡 山 県 が 約11% 、 九 州 地 方 出 身 者 の 転 出 先 で は 福 岡 県 が 約24% を 占 め る 。
21.5%
36.8% 13.0%
7.0% 7.6%
9.4% 6.0% 2.7%
6.5%
17.9% 7.0%
18.9% 21.5% 0.9%
1.8% 1.8%
3.7%
20.8%
35.8% 17.4%
6.5% 7.6%
10.8% 11.0% 5.0%
9.6%
18.1% 8.9%
16.0% 21.5% 0.8%
2.0% 2.5% 2.7%
0.0% 20.0% 40.0%
地元から通える進学先が限られていた 地元には進学を希望する学校がなかった いい大学に進学したかった 地元にいたら専門性を身につけられない 将来、希望する仕事に就くため[進学による転出] 希望する仕事に就くため[就職による転出] 地元には就職口が限られていた 大企業・有名企業に就職したかった 都会で働きたかった 都会で生活してみたかった 都会に出ると自分の将来が開けると思った 地元以外の土地で生活したかった 親元を離れて暮らしたかった 仲の良い友人が地元を離れる 親や親族が勧めた 家族・親族の事情 その他
図表2-3 出身市町村を離れた理由(複数回答)
【出身県Uターン者、出身県外居住者】
出身県Uターン者(N=1632) 出身県外居住者(N=1933)
ま た 、「 北 関 東 」「 中 部 」出 身 者 で は「 東 京 圏 」へ の 移 動 が 5 割 を 超 え る( 北 関 東:67.2%、 中 部 :53.3%)。「 北 海 道 」 出 身 者 も 「 東 京 圏 」 へ の 移 動 割 合 が 高 い (39.2%)。 ま た 、「 四 国 」 出 身 者 で は 「 近 畿 圏 」 へ の 移 動 が 相 対 的 に 多 く 見 ら れ る (27.7%)。
こ の 傾 向 は 、「 出 身 県 外 居 住 者 」 を 対 象 に し た 集 計 で も 基 本 的 に 同 様 で あ る 。「 出 身 県 Uタ ー ン 者 」と の 相 違 点 と し て は 、「 北 海 道 」「 北 陸 」「 中 国 」出 身 者 で 地 域 ブ ロ ッ ク 内 移 動 の ウ ェ イ ト が 小 さ い こ と で あ り 、そ の 分 、「 北 海 道 」出 身 者 は「 そ の 他 」9、「 北 陸 」「 中 国 」 出 身 者 で は 「 東 京 圏 」 に 転 出 す る 割 合 が 高 い と い う 特 徴 が み ら れ る 。
9 「 そ の 他 」 に つ い て 県 別 の 内 訳 を み る と 、 宮 城 県 が 約8% を 占 め る の が 特 徴 で あ る 。 32.0%
42.5% 13.8%
24.3% 9.0%
37.3% 21.8%
49.4%
23.3%
45.6% 16.0%
15.9% 9.7%
29.5% 23.2%
54.4%
39.2% 35.2% 67.2%
35.8% 53.3%
13.2% 14.3%
20.7%
41.4%
32.8% 64.6%
44.5% 54.6%
19.0% 16.7%
17.6%
7.2% 0.4%
2.1% 7.5%
5.2% 21.2% 27.7%
10.1%
6.0%
2.8% 2.3% 9.9%
10.8% 22.4%
21.7%
7.2% 4.1% 1.5%
2.1% 11.6%
10.4% 0.9% 5.9%
4.3%
0.0%
1.3% 0.0% 6.6%
7.6% 1.5% 4.3%
4.5%
17.5% 20.5%
14.8% 20.8% 22.2% 27.4% 30.3%
15.5%
29.3% 17.4% 17.1% 23.1%
17.3% 27.6% 34.1%
16.3%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
▼出身県Uターン者 北海道(N=97) 東北(N=273) 北関東(N=189) 北陸(N=173) 中部(N=212) 中国(N=212) 四国(N=119) 九州・沖縄(N=328)
▼出身県外居住者 北海道(N=133) 東北(N=390) 北関東(N=175) 北陸(N=182) 中部(N=185) 中国(N=268) 四国(N=138) 九州・沖縄(N=443)
図表2-4 転出先の地域
―出身地ブロック別―
【出身県Uターン者、出身県外居住者】
地域ブロック内 東京圏 近畿圏 中京圏 その他
32.0% 42.5% 13.8%
24.3% 9.0%
37.3% 21.8%
49.4%
23.3%
45.6% 16.0%
15.9% 9.7%
29.5% 23.2%
54.4%
39.2% 35.2% 67.2%
35.8% 53.3%
13.2% 14.3%
20.7%
41.4%
32.8% 64.6%
44.5% 54.6%
19.0% 16.7%
17.6%
7.2% 0.4%
2.1% 7.5%
5.2% 21.2% 27.7%
10.1%
6.0%
2.8% 2.3% 9.9%
10.8% 22.4%
21.7%
7.2% 4.1%
1.5% 2.1% 11.6%
10.4% 0.9% 5.9%
4.3%
0.0%
1.3% 0.0% 6.6%
7.6% 1.5% 4.3%
4.5%
17.5% 20.5%
14.8% 20.8% 22.2% 27.4% 30.3%
15.5%
29.3% 17.4% 17.1% 23.1%
17.3% 27.6% 34.1%
16.3%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
▼出身県Uターン者 北海道(N=97) 東北(N=273) 北関東(N=189) 北陸(N=173) 中部(N=212) 中国(N=212) 四国(N=119) 九州・沖縄(N=328)
▼出身県外居住者 北海道(N=133) 東北(N=390) 北関東(N=175) 北陸(N=182) 中部(N=185) 中国(N=268) 四国(N=138) 九州・沖縄(N=443)
地域ブロック内 東京圏 近畿圏 中京圏 その他