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sot09 最近の更新履歴 城西国際大学_経営情報学部_組織情報論2017

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(1)

組織情報論

第9回 情報システム戦略

1

講師 佐枝三郎

https://sites.google.com/site/jiusaedasoshikiron2017/

企業の活動とは

2

(2)

企業とは何か - 復習

• 企業は、何らかの 社会的価値 を創り出す

– 商品やサービスを生産し、我々消費者へ提供し、消費者はその

価値を認める

– 消費者が認める価値を作り出し提供することは、社会に価値を

創出することになる

• 企業が提供する商品・サービスは、企業の理念や戦略が基

本にある

– 会社理念、目標を実現するために、組織やシステムを作り、商

品やサービスを実現し、販売・提供する

– 商品には企業の理念や戦略が盛り込まれている。

• 企業は消費者への商品・サービスの提供を通じて、自身の

利潤を追求する

– 企業とは知的戦略を通じて価値を提供し、利潤を追求する。

– 利潤 = 売上(商品価格 × 数量) - コスト

• 利潤を高めるには、商品価格、数量を上げるか、コストを下げるか

3

企業が利潤を獲得するプロセス

金融業

製造業

商業

資本 貸付 元本 回収 資本+利潤

資本 仕入 販売 資本+利潤

商品

資本

資本+利潤 購入

販売 商品

雇用 仕入

生産手段 労働力

原材料

4

(3)

価値連鎖=価値創造のプロセス

購買物流 製 造 出荷物流

販売・ マーケ ティング

サービス 全般管理(インフラストラクチャ)

人事・労務管理 技術開発 調 達

マ ージ ン

マイケル・ポーター『競争優位の戦略』

主活動

支援活動

バリューチェーン

5

製造業の業務プロセス

• マイケル・ポーターのバリューチェーンは、製造業の価値創造プロ

セスを定義している

主活動

– 提供する商品・サービスを作って消費者に届ける活動

• 購買物流:原材料や部品を買い、工場に持ち込む活動

• 製造:実際に商品を作る活動

• 出荷物流:商品を小売店などに送り出す活動

• 販売・マーケティング:商品を消費者に売るなどの活動

• サービス:商品を買った消費者へのサービス活動

支援活動

– 主活動を支援し、効率よく商品が提供するための活動

• 調達:原材料や部品などを供給してもらう企業の選択や契約の活動

• 技術開発:市場に提供する新しい商品や製造工程の新技術などを開発する 活動

• 人事・労務管理:企業活動で働く従業員の採用・給与・人事管理など

• 全般管理(インフラストラクチャ):企業全体の活動に必要な支援活動

• これらのすべての活動によって、マージン(利益)が獲得できる

6

(4)

製造業の業務プロセス

• 製造業の生産形態は、受注と生産の関係によって、4種類に分け

られ、それぞれやや異なった業務プロセスとなっている

– 個別受注生産(ETO=Engineer to Order)

• 注文を受けてから設計を始め、部品調達→加工組立→物流と進めて顧客に 納品する

• 船舶や航空機、特殊産業機械などの場合で、この生産形態では在庫は原則 としてない

– 繰り返し受注生産(MTO=Make to Order)

• 設計は事前に決定され、同じ品種のものを、受注に応じて繰り返し製造する

• 部品メーカーに多く、受注してから原材料調達をし、加工組立→物流と進める

• 個別受注生産に比べ、設計をしない分、生産期間が短い、在庫は非常に少 ない

– 受注組み立て生産(ATO=Assemble to Order)

• 部品などを事前に作り、注文を受けた時点で組み立てて出荷する

• 部品や半製品を見込みで生産し、常備品として在庫する

• 注文から出荷までの生産期間はかなり短い。

– 見込み生産(MTS=Make to Stock)

• 家電や自動車、食品など消費者が購入するほとんどの製品がこれに当たる

• 生産期間は最短で、在庫を持つリスクは最大となる

7

製造業の生産形態

設計 部品手配 組み立て 出荷

個別受注生産

(ETO)

繰り返し受注生産

(MTO)

受注組み立て 生産(ATO)

見込み生産

(MTS)

航空機、 産業機械

機械部品、 電子部品

PCなど

(オプション付き 製品)

自動車、家電 一般消費財

注文

注文

注文

注文

(引当品)

常備品

製品在庫

8

(5)

製造業の企業における組織構造

社長

工場長 経理部

受注・生産計画 プロセス

製造準備

プロセス 製造プロセス

検査 プロセス 営業部 製造

技術部

生産

管理部 資材部 製造部

品質 保証部

9

見込み生産(MTS)の業務プロセス

販売計画

生産計画

生産 スケジュール

生産

顧客

在庫 顧客

(倉庫に保管されている製品)

発注

受注

納品

検収 営業部門の計画

製造部門の計画

10

(6)

生産管理の業務プロセス

• 大日程計画

– 新製品情報の収集

– 大日程計画の設定とフォロー

– 生産実施計画の作成

• 内外製の決定

– 内外製決定基準の設定

– 新製品の工場決定

– 内外製の決定

– 内外製工程区分の立案・決定

• 原単位・標準類の管理

– 工程手順表の維持・管理

– 各種マスタの維持・管理

– 作業標準などの標準類の作成・改訂

11

企業の競争力と情報システム

12

(7)

企業の市場戦略

• 企業の市場における戦略とは、競争優位の状態を確保すること

競争優位の源泉

– コスト,品質,顧客サービスのすべての差別化を、バリューチェ-ンの連 結、共同、統合を通して達成する

コスト・

リーダーシップ 差別化

低コスト 差別化

競争優位

「国の競争優位」:1990年 マイケル・ポーター

戦略タの幅 狭い広い

13

コスト集中 差別化集中

ポーターの市場戦略とは 1

• コスト・リーダーシップ戦略

– コストリーダーシップ戦略は、企業がその業界の最低コス

トを実現し、市場価格の決定権を握ること

– 競合他社と価格競争をしても黒字経営を維持できる体質

を確立する

– コストリーダーシップ戦略は、単にコスト削減を目指すの

ではなく、経営資源を大半をコストリーダーになるために

費やす

– コストリーダーシップを取るための一連の手段

• ①大規模な投資で大量生産体制を整備する

• ②消費者に浸透できる低価格で商品のシェアを獲得し、規模の 経済を働かせる

• ③高いシェアにより仕入コストを低減させる

• ④低コストの大量販売で利益を獲得し、さらにコストを下げるため の投資をする

14

(8)

ポーターの市場戦略とは 2

差別化戦略

– 差別化戦略は、企業がその業界で特異性のある価値や競合他社よ りも高い付加価値を提供すること

– 自社の商品の差別化をして、高いマージン(利益)を取る戦略 – 差別化の方法

• ブランドイメージの差別化

• 製品の技術・品質・デザインの差別化

• サービスの差別化

• 販売チャネルの差別化など

集中戦略

– 集中戦略は、特定の顧客層、特定の商品、特定の地域などの限定さ れたセグメント(特定の分野や部分)に経営資源を集中する戦略 – 集中戦略では、業界を特徴に応じて細分化(セグメンテーション)し、

その特定分野で以下の5個の状況を把握し、企業自身の戦略を立案 し、経営資源を集中する

• ①業界内の競合企業

• ②新規参入の脅威

• ③代替品の脅威

• ④売り手の交渉力

• ⑤買い手の交渉力 15

変化に対応する経営の実現

• 経営環境変化の素早い認識

– 情報システムで環境に関する情報を把握する

• 市場ニーズの変化を確実に把握し、ニーズの変化を予測する

• 市場における自社のポジション変化の把握

• 自社のコスト構造、競合他社のコスト構造の比較

• 変化への対応方法の素早い決定

– 情報システムを活用した意思決定のメカニズム

• 様々な分野の経営判断指標の定義

– 安全在庫水準なども、判断指標に含まれる

• 判断指標に基づく行動ルールの明確化

– 人間が経営的な判断をする必要がない、論理的判断でルール化できるもの は、情報システムのプログラムロジックに組み込む

• 環境変化に対応した意志決定ルールの変更

– 情報システムの判断アルゴリズムを、俊敏に改善する

• 市場環境の変化により、異なったデータが必要になる、異なった判断 メカニズムが必要になる場合は、情報システムの仕組みを徹底的に 見直しする

16

(9)

情報システムの効用

スピードアップ

人間が行う作業の効率化だけでなく、意志決定や判断も迅速化する

誤りの防止

様々なエラーチェックの仕組みが情報システムには搭載でき、人間の誤りを 防止する

コスト低減

1960年を100とすると、2000年で、人件費は5倍、コンピュータのレンタル費は 100分の1

企業間の

●連結

●共同

●統合

情報流のスピードアップ

●情報の正確性

前工程は後工程に情報を提供

●情報待ち時間の短縮

情報のJust-In-Time

●情報段取り時間の短縮

-情報の変換・翻訳の削減

企業・企業間の 情報システム 情報資源管理

17

企業間の連結・統合の例サプライ

チェーン

• 供給活動の連鎖構造

– 供給業者(サプライヤー)

– 製造業

– 卸売業

– 小売業

– 消費者(顧客)

• 供給者から顧客までのつながりが サプライチェーン

• サプライチェーンを一連のシステム としてとらえて管理

– サプライチェーン・マネジメント

(SCM)

• サプライチェーンの中のボトルネッ クをなくす管理が重要

18

(10)

サプライチェーン・マネジメント(SCM)

• サプライチェーンの全体経路

– 生産用の原材料確保(原材料、部品の調達)

– 生産活動(部品、半製品、製品の加工・組み立て)

– 物流倉庫(製造業、卸売業などの流通経路)

– 小売店(専門店、スーパーマーケットなど)

• サプライチェーンの全体最適化

– 消費者の手に届くまでのすべての活動についての情報を

収集する

– ボトルネック(全体の足を引っ張る制約条件)を見つけ出

し、ボトルネックを解消する

– あたかも1つの会社のように、サプライ・チェーン全体の

各社を統合する

19

サプライ計画システム(SCP) 基幹系システム(ERP)

サプライチェーンに関連する情報システム

20

受注 処理

在庫 引当て

出荷 処理

在庫 管理

生産 管理

調達 管理

納期確認 納期 回答

請求 処理

顧客 管理

需要 予測

販売 計画 策定

生産 計画 策定

生産 日程 調整

調達 計画 策定

生産 計画 伝達

納期 回答 受取

調達 計画 伝達

部品・原材料メーカ 電子商取引

システム

(EDI) 顧客管理システム

(CRM)

(11)

SCMに使う需要予測の手法

21 前年同期

データなど

季節変動 要因データ

販促 キャンペーン

データ

POSデータ

予測用の データを収集

統計的手法を用い需要予測

・移動平均法

・重回帰分析

・指数平滑化法

・ゴンペルツ曲線

複数手法で需要予測のシュミレーションをする

予測結果を専門家が評価し、 最も適切な予測値を決定する

企業の情報システム戦略

22

(12)

情報システム戦略とは

• 過去の企業における情報システムの役割

– 事務作業や会計処理など、「人間の手作業を代行」という役割

– 情報システムが、企業戦略ではなく、企業活動の道具という位置づけ

• 現在の企業における情報システムの役割

– 企業がビジネスモデルを構築し運営するためのするための手段 – 企業にとって,競争に優位に立つために,経営の観点から情報シス

テムをとらえ,経営戦略をいかに確立するかが重要

• ビジネスモデルは、企業の経営の仕組みであり、顧客にどのよう

な価値あるサービスを提供するか、いかに市場で競争優位を獲得

するか、どの分野に効果的な投資を行うかなどのコンセプトとそれ

を実現した仕組みである

– 優れたビジネスモデルを構築することは,企業が成長を続けていくた めの重要な要素である

• 情報システムを効果的に活用することで,企業経営を効率化し,

品質・コストの面で安定した経営を目指すための目的と方針を確

立することが,企業における情報システム戦略である。

23

情報システム戦略の策定手順

• 企業と周辺環境の現状把握

– 経営戦略・事業戦略の理解と確認

– 業務環境調査と現状分析および変化の予測

– 情報技術・情報システム調査と現状分析及び変化の

予測

• 基本戦略策定

– 今後の業務展開および目標の設定

– 情報システムの対象業務の選定と投資計画

– 「情報システム戦略案」策定

• 「情報システム戦略案」の経営者への説明と承認

24

(13)

化構想 化計画

戦略から個別システムの構想と計画へ

事業環境の分析

・経営方針の確認

・外部・内部環境の分析 事業戦略の策定

・基本構想とアクションプラン の策定

・売上・費用・資金計画策定 事業戦略実行体制の確立

・実現可能性の検証と準備

事業戦略策定

要求(構想)の確認

・経営要求の確認

・経営環境と課題の調査・分析 新ビジネスモデルへの提言

・業界動向の調査・分析

・ビジネスモデル策定への助言 事業戦略の実現シナリオへの提言

・実現可能性の確認

・全社戦略の活動・成果指標の設定

・課題とリスクの洗い出し

・超概算予算の算出

事業戦略把握と策定支援

情報システム(IT)戦略策定・実行推進

基本方針の策定

・現状分析・環境分析

・IT基本方針の策定 IT化計画の策定

・IT中期計画の作成

・IT基盤戦略の策定

・事業部門のIT化計画の作成

・IT基盤計画の作成

・全体計画の策定 IT戦略実行マネジメント

・IT戦略の理解とプログラムの 定義

・プログラム戦略マネジメント

・実行組織の確立

・モニタリング

・アセスメントマネジメント

・プログラムリスクへの対応

・コミュニティマネジメント

化構想 化計画化構想 化計画

エンタープライズ・アーキテクチャー(EA)

• 情報システム戦略を基に、企業はその情報システムの体

系を考える計画、「全体システム化計画」を策定する

• 企業の「全体システム化計画」を策定する手法に、エン

タープライズ・アーキテクチャーがある

– 企業や官庁などの組織の業務手順や情報システムの標準化、

組織の最適化を進め、効率よい組織の運営を図るための方法

– エンタープライズ・アーキテクチャーは、1998年ごろにアメリカ

のJ.ザックマンなどが提唱した

– 導入事例としては、1999年に米国の連邦政府のEAである

「FEAF」(Federal Enterprise Architecture Framework)があり、連

邦政府の情報システムは、これに基づいて構築されている

– わが国の各官庁・県庁も、2003年ごろより「業務システムの最

適化計画」というエンタープライズ・アーキテクチャーに基づく

「全体システム化計画」を策定している

26

(14)

エンタープライズ・アーキテクチャーの背景

• 企業の情報システム構築の歴史

– 1970年から90年頃は、メインフレームと呼ばれる大型コン

ピュータが主流

– 1990年代の半ばから、クライアント/サーバー・システム

やWebシステムが登場し、急速に多様化・複雑化した

– その結果、様々な不都合が生じた

• 過去30年の間、個別業務ごとにシステムを構築したため、同内容 のデータが重複し整合性がとれない

• 時代によって異なった情報技術を用いた情報システムが存在し、 システム間の連携ができない

– 新規に情報システムを構築し、全体最適を実現するため

には、これまで個別最適で構築してきた多くの既存システ

ムを修正する必要が生じる

• 新規システムの構築にもコストや時間がかかる

• 全体システムを通したデータの一貫性確保やセキュリティの維持 が難しい

27

エンタープライズ・アーキテクチャーの背景

• 問題解決の手段として登場したエンタープライ

ズ・アーキテクチャー

– エンタープライズ・アーキテクチャーの策定は、個別

最適化を図ってきた大量の情報システム群を整理し、

全体を見通した問題解決の有効な手段となる

– 同時にエンタープライズ・アーキテクチャーの策定は、

ビジネス戦略と情報システム戦略を結び付け、個別

システムを設計する際に守るべきルールや、「最適な

業務とシステムとの関係」に到達するためのプロセス

を定める

– このプロセスを確実に進むことで、企業の情報システ

ムの「全体最適化」が図られる

28

(15)

エンタープライズ・アーキテクチャーの構成

• エンタープライズ・アーキテクチャーは次の要素から

構成される

– 企業全体の業務とシステムをモデル化したアーキテク

チャー

– アーキテクチャーを管理するための仕組み

– 「現状の業務とシステム」から「将来像とする業務とシステ

ム」への移行計画

– 企業のビジネス戦略と個々のシステムの目的を一致させ

るガバナンスの仕組み

• 四つの中核となるアーキテクチャー

– ビジネス・アーキテクチャー(BA:政策・業務体系)

– アプリケーション・アーキテクチャー(AA:適用処理体系)

– データ・アーキテクチャー(DA:データ体系)

– テクノロジ・アーキテクチャー(TA:技術体系)

29

エンタープライズ・アーキテクチャーの概念図

30

(16)

ビジネス・アーキテクチャーの構築

• ビジネス(業務)のモデル化

– ビジネス戦略と情報システム戦略の整合性を確保するには、ビジネス 自体をモデル化する必要がある

– ビジネスのモデル化がビジネス・アーキテクチャーの構築となる

– ビジネス・アーキテクチャーは、ビジネス戦略と活動指針を実現するた めの手順であり計画である

– ビジネス・アーキテクチャーを基に、次の三つのアーキテクチャが構築 される

モデル化の作業

– ビジネスの実行手順(作業手順)をモデルとして記述する

– それぞれのビジネス活動に必要な情報を体系的に整理し、ビジネス活 動と情報との関係を定義する

– ビジネス活動の実施部門や活動開始のトリガーを定義し、ビジネスの 遂行に必要な組織と情報システム資源を定義する

– これらの作業を対象企業の全業務に対して行うことで、企業のビジネ ス戦略を具体的な計画に展開できる

31

アプリケーション・アーキテクチャー

• アプリケーション・アーキテクチャーは、業務プロセスを支援するシ

ステムの機能と、システムの能力を定義する

– ビジネスを行うために、どのような機能のシステムがどの程度の規模 で必要かを記述する

– システムの役割と機能を業務の視点からまとめたものとなる

• アプリケーション機能モデルの作成

– ビジネス目標の実現に必要なビジネス機能グループを明確化し、そ の組み合わせとしてアプリケーションを定義する

• 例えば、製造業では研究・開発・製造・マーケティング・販売・保守など

– ビジネス機能の境界や区分を整理し、異なるグループ間の関連を明 確化する

• 企業活動を行うために必要で最適なアプリケーションのモデルを構築する

– アプリケーションが、次の条件を満たしているかを分析して最適化し、 アプリケーション間の依存関係も分析する

• あるアプリケーションが対象とするビジネスグループは密接に関連している

• アプリケーション間の境界は明確であり、重複しない

• アプリケーション間のデータの受け渡し方法は明確に定義されている

• 特定のビジネス機能は唯一のアプリケーションが受け持っており、アプリケー ションの重複がない

32

(17)

データ・アーキテクチャー

• データ・アーキテクチャーは、データと属性情報を定義したものである

– データの再利用性やセキュリティ、品質などの様々な性質を記述する – 各データがどこで発生し、どう処理され、いつ消去されるのかを記述する

• データ・アーキテクチャーでは、ビジネス・アーキテクチャで体系化し

た情報モデルを基に、データの特性、利用方法、アクセス方法、管理

方法などによって、ビジネスにかかわるデータのグループ化を行う

– データの特性とはデータのタイプ、容量、保存期間、形式など

• アプリケーションおよびデータに関連するその他の定義作業

– 「配置ガイドライン」の作成

• アプリケーション機能やデータを企業内の情報システム環境に配置する際の基 準を定める

• アプリケーションについては、ビジネス機能、データベース機能、WEB機能などの 配置基準

• データについては、マスターデータ、コピーデータの場所と複製方法などの基準

– 「ユーザー・グループ」の定義

• 類似するアプリケーションやデータへのアクセス要件をもとに、システムのユー ザーをグループ化する

• ユーザーのビジネス上の役割と特性(情報システム経験、地理的な利用場所、 アプリケーションやデータの利用要件など)を組み合わせて検討する

33

テクノロジ・アーキテクチャー

• テクノロジ・アーキテクチャーは、情報システムを将来にわたって

安定的に構築・運用・拡張するために必要なIT基盤を定義したも

のである

– 情報システムに求められる性能やセキュリティ要件、標準化動向、技 術の将来性などから、その企業が採用する「技術標準」を設定する

• 利用するサーバー、PCなどのハードウェア技術

• 利用するネットワーク技術、モバイル技術、セキュリティー技術など

• 利用するデータベース技術、プログラム言語、ソフトウェア開発手法など

– この「技術標準」が、新たに採用する技術や製品が、企業の全体最 適に合致しているかどうかの評価基準となる

– 常に新技術を追跡し、新しいニーズに適応するために新技術を標準 に追加するなど「技術標準」自体は変更され進化していくものである

• エンタープライズ・テクノロジ・フレームワークの作成

– ビジネスを実現するアプリケーションや、ビジネスで利用するデータを 支援するために必要な各種テクノロジ・サービスと機能を定義する – ビジネス目標やビジネス能力の実現に必要な、情報システムの能力

や技術情報に関するデータベースとして活用する。

34

(18)

ギャップ分析と移行計画

• 戦略的ギャップ分析

– ビジネス環境および情報システム環境の「現状」と「将来像」の

ギャップを理解するために「戦略的ギャップ分析」をおこなう

– ギャップの内容を正確に把握し、あるべき姿に到達するための

施策となる項目を洗い出す

– 戦略的ギャップ分析の分析方法

• ビジネスに関する「活動・プロセス ギャップ分析」

• 「情報・ナレッジ ギャップ分析」

• 情報システムに関する「インフラ ギャップ分析」

• ガバナンスに関する「ガバナンス・アセスメント」など

• 移行計画の策定

– ギャップ分析やアセスメントの結果をもとに、「将来像」を実現

するための施策項目のリストを作成する。

– 施策をグルーピングして優先順位を付ける

– 優先順位を基に施策グループを時間軸に展開し、実行計画を

具体化し「移行計画」を策定する。

35

業務のモデリング

36

(19)

情報システム戦略のためのモデリング

• 情報システムを構築するには、企業の業務の仕組みを明らかにし、

その中で情報システムにさせたいことを明確にすることが必要

業務の仕組みとは

– どのような作業があるか

• どのような役割の人がやっているか

• 作業の結果が正しいと誰が判断するか

– 作業はどのような情報(資料)を使い、作業の結果の情報はどうする か

• 顧客や他の部門に渡す

• 資料としてしまう

– 作業の手順はルール化されているか

• 誰がルールを決めるのか

• ルールが適用できない場合はどうするのか

• モデリングは、視点を分けて業務のやり方をとらえ、業務の中で情

報システムにさせたいこと、すなわち「システム要求」を論理的に

導くものである

37

情報システム戦略のためのモデリング

• 業務システムは複雑で、複雑なものをそのまま理解するのは難し

く、着目する視点を分けて単純化し、理解しやすくする。

– そのためには、様々なレベルのモデリング(図で表現すること)が必 要となる

• 道路地図や鉄道路線図などのテーマごとの地図を作成する、地域

全体がみえる地図、縮尺を変えた詳細な地図などがあるのと同様

である。

38

(20)

データフロー図(Data Flow Diagram)

• 業務の整理・可視化に利用されるモデリングツールにデータ

フロー図(DFD)がある。

• データフロー図は業務上のシステムをモデル化する手法の

一つで、流れるデータを中心にして、データと処理の流れを

視覚的にモデル化する。

• データフロー図は、処理とデータストア、データフローなどで

業務を表現する。

• このモデルも記述する規則が定められ、厳密な表現ができる

ので、作成者による表現の差異や、解釈の相違が起こりにく

い。

39

データフロー図の構成要素

• データフロー : 名前付きの矢印で表現

– データフローはデータフロー図の各要素間のデータの 流れを示す。処理(プロセス)間のみでなく、データスト ア及びデータ出力先との間の流れも示す。データフロー の方向は矢印で表現し、名前を付けてデータを明らか にする。

• 処理(プロセス): バブル(まる)で表限

– 処理はデータの処理や変換を示す。処理に入るデータ フローを操作・変換し、変換されたデータを出力データ フローとしてに流す。

• データストア: 2本の直線で表限

– データストアは一時的なデータの格納場所を示す。従 来の書類や台帳、あるいはシステムのファイルやデー タベースなど、データを蓄える場所のことである。

• データ源泉とデータ出力先: 四角形で表現

– システムへ入るデータの源泉と、システムで作成された データの利用先。 ともにシステム外部の組織や、他シ ステムであることが多い。

受注情報

受注登録

受注管理簿

顧客

40

(21)

企業の受注業務にデータフロー図を適用

• 卸売業の販売管理業務にアクティビティ図を適

用する。

• 卸売業の企業の内部には、二つの部門がある

– 営業部門

– 倉庫部門

• 卸売業の外部には、二つの主体がある

– 顧客

– 出荷先(顧客店舗、あるいは顧客の倉庫など)

• 業務の流れとしては、顧客が注文をしてから、商

品が納品されるまでを表現

41

企業の受注業務にデータフロー図を適用

顧客

注文 受注登録

受注管理簿 受注情報

出荷指示 荷捌作業

出荷実績 出荷管理簿 登録

在庫台帳 売掛台帳

倉庫 商品・納

品書梱包 出荷先

出荷予定

出荷指示書 商品

商品・出荷指示書 商品・納品書

納品書

出荷指示書 売掛残高

在庫残高

出荷実績

42

(22)

データフロー図でのデータの動き

顧客

注文 受注登録

受注管理簿 受注情報

出荷指示 荷捌作業

出荷実績 出荷管理簿 登録

在庫台帳 売掛台帳

倉庫 商品・納

品書梱包 出荷先

出荷予定

出荷指示書 商品

商品・出荷指示書 商品・納品書

納品書

出荷指示書 売掛残高

在庫残高

出荷実績

43 Xを100個

指示書 X 100

X 100

X 100

納品書

表現を工夫したデータフロー図

44

(23)

45

46

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