• 検索結果がありません。

舟木 讓藤原 康洋

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "舟木 讓藤原 康洋"

Copied!
21
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)
(2)

学院キャンパスで一生の友と出会う

 正門を入ると、うつむきかげんに座る少年像があります。1933年、海で溺 れた従兄弟を助けるために自らの命を投げ出した白木真寿夫さん。「友の ために自分の命を捨てること、これより大きな愛はない」という聖書の言葉 に生きた関西学院中学部の先輩です。

 仲間や隣人を心から大切に思うこと。キリスト教に基づくこの精神こそが、

その人自身を真に生かしめ、豊かな人生の礎となると考えています。緑豊か なキャンパスで一生の友と出会い、切磋琢磨し、共に成長していくフィール ド。それが関西学院です。

関西学院の歴史と共に歩む誇りを胸に

 関西学院創立時(1889年9月28日)に開校した普通学部を前身とする中 学部は、関西学院130年の歴史と共に今日までその豊かな歩みを続けてい ます。普通学部のシンボルであった「新月」は、90年前の上ケ原キャンパス 移転時にC.J.L.ベーツ第4代院長によって制定されたエンブレムにも刻ま れ、現在は関西学院の校章として時計台から日々キャンパスで学ぶ人々を 見守っています。「新月」がやがて豊かな光を放つ「満月」へと変化するよ うに、豊かな成長への無限の可能性を秘めた中学生時代、関西学院の歴 史を自らが紡いでいるという誇りを胸に、多くの出会いと学びの中で良き 歩みを続けられることを心より祈っております。

院長・中学部長メッセージ

With a thankful heart and prayer to achieve Mastery for Service

関西学院 院長

関西学院 中学部長

舟木 讓

藤原 康洋

関西学院の校章 S c h o o l E m b l e m

 1894(明治27)年に制定された、三日月の校章。この校章は、「今は不完全な私

たちですが、新月がやがて満月となっていくように絶えず向上していきたい」という

願いを表しています。また、月は自ら光を放つのではなく、太陽の光を受けて暗い

夜を照らしています。「私たちも神の恵みを受けて、世の中を明るく照らしていきた

い」。そんな願いも込められています。

(3)

関西学院とは K w a n s e i G a k u i n

他者のために、社会のために

“Mastery for Service” を体現する人材を育成

アジアやアフリカ、南米、シベリアにいたるまで自ら赴き、

「世界の奉仕者」として生きた宣教師W.R.ランバスによって約130年前の 1889(明治22)年に関西学院は設立されました。

1910(明治43)年にカナダ・メソヂスト教会から派遣され、

後に第4代院長になった宣教師C.J.L.ベーツが、創設者ランバスの精神を

“Mastery for Service”という言葉で表現して以来、

これが関西学院のスクールモットーになっています。

関西学院は“Mastery for Service” (奉仕のための練達)のもと キリスト教主義教育を通して勉学に励み、知識・技能を身につけ、それを用いて

隣人・社会・世界のために奉仕する人を育成し続けています。

 アメリカ人宣教師W.R.ランバスは上海で生まれ、祖国アメリカで医学と神学を修めた後、

中国で医療活動と布教活動に従事。1886年に伝道の責任者として来日し、1889年、キリスト 教主義教育による人間教育を実践するために神戸・原田の森に関西学院を創設しました。そ の後も医療宣教師として、世界中の人々を救うために国境や民族の壁を超えて働き、世界市民

(World Citizen)として一生を送りました。

 カナダ・メソヂスト教会が関西学院の共同経営に参与した1910年、C.J.L.ベーツは関西学 院に赴任し、1920年に第4代院長に就任。「私達が主たらんと欲する真の意味は、自分の一 個の富を求めるだけではなくて、それによって世に仕えるためなのである」として、学生たちに

“Mastery for Service”(奉仕のための練達)を提唱しました。これが多くの共感を得て、

現在も学院全体のスクールモットーとして受け継がれています。

 1947年、戦後の学制改革による新制中学部発足に際し矢内正一が初代部長となり、以後 18年間部長として現在の中学部の礎を築きました。イギリスのパブリック・スクールに教育の 理想を求め、中学部を学問のみならず精神や身体を自己鍛錬する場とするため、キャンプによ る共同生活、「師弟同行」の駆け足、読書教育などさまざまな取り組みを実践しました。その 理念は今でも「教育の5本柱」として、中学部教育の支柱となっています。

Lambuth, Walter Russell (1854-1921)

Bates, Cornelius John Lighthall (1877-1963)

Masaichi Yanai (1900-1984) 学院創立者

第4代院長

新制中学部初代部長

W. R. ランバス

C. J. L. ベーツ

矢内 正一

(4)

 中学部では、高等部、大学、大学院・専門職 大学院まで続く一貫教育の根幹をつくるため、

"Mastery for Service" というスクールモットーのも と、「キリスト教」「読書」「英語」「体育」「芸術」

の 5 本を柱に教育を行っています。この独自の教 育を通して「自分はいかに生きるべきか」を考え るとともに、豊富な知識も習得し、探究心、他者 への愛を育みます。さらに国際的感覚と外国語運 用能力、たくましい身体と精神力、創造力と豊か な感性を自らのものにします。自分で課題を見つ け、自分で考え、自分で調べて研究する自学自習

・ 自主独立の姿勢を身につけることを目的にしてい ます。

 中学部から高等部への進学は推薦制を とっています。一定の学業成績を収め、

人物・態度が推薦に値すると判断されれ ば全員が進学できます。そのため、高校 受験にしばられることなく、社会で活躍 するためのさまざまな能力を身につけ、

豊かな感性を養い、人間性を磨く教育を 実践しています。

 「師弟同行」は中学部創設以来の伝統で す。毎日の駆け足やマラソン大会、キャ ンプでは教員が生徒と一緒に汗を流しま す。相談を受けた教員は生徒と一緒に考 え、目標を達成するまで見守ります。一 人も見落とさない。一人も見放さない。

常に生徒とともに歩む姿勢で生徒に接し ています。

 高等部への推薦条件はおよそ以下の通 りに定められています。

出席日数が 3 分の 2 以上である。

1 学期、2 学期、3 学期成績の総平均点 が 65 点以上(100 点中)である。

1 学期、2 学期、3 学期成績の各教科の 平均点が 55 点以上(100 点中)である。

自分のやりたいことを見つけて挑戦する そんな姿勢を身につける教育を推進しています

「5 本柱」で独自の教育を実践

受験勉強にしばられない「人間教育」

「師弟同行」をモットーとする

関西学院高等部への推薦制

キリスト教 英語 芸術 読書 体育

P.6 ~

詳細は

P.8 ~

詳細は

P.10 ~

詳細は

P.12 ~

詳細は

P.14 ~

詳細は

関西学院中学部・学びの特徴 F e a t u r e s o f L e a r n i n g

90

(2018年度)

高等部 推薦入学率

以上

 高等部への進学だけでなく、高等部から大学への進学も推薦制をとってい ます。高等部には大学の教授による授業があるほか、一部科目において大学 の授業を受けることができるプログラムがあります。また、キャンプや部活動 では、中学部・高等部を卒業した大学生が指導を支援し、関西学院の精神を 伝えます。

成長段階に応じた教育内容で、大学まで推薦によって進学できます。

「一貫教育」だからできる連携・進路

初等部 中学部 高等部 大 学

※関西学院高等部および関西学院千里国際高等部への推薦率

(5)

キリスト教

教育の5本柱 ①

C h r i s t i a n E d u c a t i o n

 中学部のキリスト教主義教育の根幹をなすもの。

毎朝、全校生徒と教員が参加して行います。キリス トの教え、神の愛を学び、「いかに生きるか」を自ら に問いかけ、現実から逃げることなく勇気と希望を 持って生きる者としての成長を促します。

 「人を愛し、人のために尽くす」精神は、関西学院 で長年にわたり受け継がれてきたもの。礼拝や宗教 運動の話に触発された生徒たちが、インドの農村に 井戸や教科書を贈る運動を始め、さまざまなボラン ティア活動を行っています。

 イースター(復活祭)礼拝、母の日礼拝、花の日 礼拝などの特別な礼拝を行っています。中でも聖歌 隊の合唱と共にろうそくの灯のみで行うクリスマス 燭火賛美礼拝は、年間の中学部の宗教行事のハイラ イトと言えるものです。

 年 2 回、春と秋に開催されます。ゴスペル歌手、

原爆の語り部、大学の先生などを講師に招いて礼拝 を実施。テーマをめぐる話し合いをしたり、感想文 を書いたりして理解を深めます。

 「聖書」を通して、いのち・人権・平和などのテー マについて学びます。愛し合い、共に生きる意味を 考えます。

神の愛と人間の尊さを学び

「いかに生きるか」をさぐる

毎朝の礼拝 さまざまな礼拝 ボランティア

宗教運動

聖書科の授業

600回 700人

キリスト教

を基盤とした

人格形成

3年間毎朝 全校礼拝

以上 参加人数 以上

神と隣人への愛

感謝の心

勇気と希望

不屈の努力 奉仕の精神

 J.H.C.(Junior Holy Club、宗教部)の部員として毎日の礼 拝の運営に携わり、クラスの宗教委員も務めています。宗教 委員になると礼拝でたくさんの生徒を前に話をする機会があ ります。礼拝で話すことで、自身の経験をたくさんの人と「共 有」できることを嬉しく思いました。「喜ぶ人と共に喜び、泣 く人と共に泣きなさい」。僕の好きな聖句です。一人ではなく、

仲間がいる。礼拝の時間は、僕にそのことを伝えてくれる大 切な時間です。

「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」

関西学院中学部 2018年度 2年生

小田 悠貴

福島 礼拝の時間は学校生活の中でどのような 意味がありますか。

能勢 礼拝で先生方やゲストの方々の講話を聴 いて、相手のことを知ることができます。先生 方と生徒との架け橋になる時間だと思います。

福島 我が校の根幹を成している「キリスト教」

についてどう思いますか。

能勢 礼拝などの学校生活、街頭募金などの奉 仕活動の基盤となっている、重要な教えです。

私たちが自分自身の思想や宗教観を形成するた めの、良いきっかけにもなっていると思います。

福島 聖書の中で、生活に結びついている、活

かしていると思う言葉は何ですか。

能勢 マタイによる福音書 6 章 34 節です。「だ から、明日のことまで思い悩むな。明日のこと は明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その 日だけで十分である」。この言葉で肩の力が抜 けて、楽になったことが何度もありました。

福島 礼拝の講話で、印象に残っていることは 何ですか。

能勢 祖母を認知症で亡くされた先生の話で す。私もおばあちゃん子なので、もし祖母から 名前を忘れられたら耐えられるかなと色々考え て、祖母を大事にしたいなと思いました。

関西学院中学部宗教主事 関西学院中学部

2017年度3年生

JHC(宗教部)主務

福島   旭 能勢 実祈

学校生活の基盤となる、建学の精神

(6)

読書

教育の5本柱 ②

R e a d i n g & W r i t i n g

 読書科は、50年以上も続く中学部伝統の授業です。

読書の習慣づけはもちろん、探究の方法・技術を体系 的に習得します。1年生ではメディアが集まる図書館の 活用を、2年生では知識・情報の獲得・整理・活用の方 法を、3年生では集大成として卒業レポートの作成を学 びます。これらは各教科や校外学習や修学旅行などの 行事と連携して、立体的な学びとなります。

●発表に対して質問する

●質問に対して回答する

●議論によって、新たな問いへ

●概要(先行調査・研究)を知る

●テーマを定める

●ポスター、新聞、レポートなどでまとめる

●レジュメやスライドショーをつくる

●周囲に発表する

●参考資料を探し、評価する

●仮説と論理を立てる

●情報を集めて、整理する

●現場におもむいて確かめる

 どのような本を読み、どのようなことを知り、どのよう に考えたのか。読書カードに書いて、読書の習慣化を はかります。3年間書きためた読書カードは、自らの成 長の記録でもあります。

 読書科の授業などで培った言語能力を試すため に、言語活動に関するさまざまなコンクールに参加し ます。必要に応じて先生の指導も受けることができま す。毎年多くのコンクールで入賞しており、絵本の原作 が優秀と認められ、出版された生徒もいます。

これからの社会を豊かに生きる 自らが学ぶ力をつける

週1~2回の読書科の授業

読書カードで読書の習慣化 さまざまなコンクールに出品

学びのサイクル

読 む 力 書 く 力 考える力

問う

伝える 答える

(調べる)

10の外部コンクールで のべ32人が受賞(2018年度)

20,000

中学部図書館

年間貸出冊数 冊以上

 充実した図書館がある学校に通いたい。私が関西学院中 学部を志望した一番の理由です。中学専用の図書館には、約 60,000冊の本、漫画やDVD、インターネット環境も整っていま す。リクエスト制度もあります。読書科の授業でウェブ情報の活 用方法、わかりやすく伝えるテクニック、文章の書き方などを学 べます。1年かけて作成する卒業レポートは、中学3年間の学び を結集したものです。「読書」の授業で学んだことは、高校、

大学、そして社会に出ても力になるものだと信じています。

高校、大学、社会でも力になる「読書」

関西学院中学部 2018年度 3年生

上田 しのぶ

河野 入学して、中学部図書館のことをどう思 いましたか。

矢野 広いなぁ、本が多いなぁと感じました。

わくわくしましたね。

河野 どれくらい中学部図書館を利用していま すか。

矢野 毎日利用しています。中学生にコミット した資料や施設が提供されています。僕にとっ て当たり前の生活場所ですね。

河野 読書の授業はどうですか。

矢野 1 年生では図書館について学びました。2 年生では情報カードやタブレットを活用して、

グループでまとめることを繰り返しました。3 年生では先生にアドバイスをもらいながら卒業 レポートを書きました。今は「なぜグラバーは 長崎に来たのか」の発表準備をしています。

河野 入学してくる後輩に向けて一言。

矢野 中学部の図書館はリクエスト制度が充実 しています。また、生徒による新着 POP や展示 物など、まさに「生徒の図書館」です。でも先 生や司書さんもいろんなことを教えてくれます。

中学部の「読書」は、目先の勉強だけじゃなく、

僕たちの将来まで考えてくれているプログラム だと思いますよ。

関西学院中学部司書教諭 関西学院中学部

2017年度3年生

図書部部長

河野 隆一 矢野 悠真

まさに「生徒の図書館」です

(7)

 冬休みには多くの生徒が英語の弁論原稿執筆に挑戦 します。優秀と認められた生徒は、その内容を英語弁 論大会で発表します。このほか学外の弁論大会や兵庫 県の暗唱大会に学年を問わず生徒が参加しています。

 海外の学校の生徒と文通をして互いの国について 調べて、その内容を元にプレゼンテーションを行い ます。自分の英語が通じるかどうかを確認するとと もに、同世代との交流を持つ機会になっています。

 最終目標は、一般生徒は 3 年生で英検 2 級もしく は準 2 級、帰国生は英検 1 級相当の実力を身につけ ることです。自分の実力を明確にするために実用英 語検定試験の受験を推奨、希望者を対象に模擬面接 など試験対策の支援も行っています。

2018 年度 実用英語検定試験合格者数実績 1年生 2年生 3年生

 3級 46 82 71

準2級 17 40 79

 2級 5 8 18

準1級 0 3 1

(2018 年度在籍生徒の合格実績)

 2 年生は「英語で書くこと」に慣れるため、3 年生 は「論理的に文章を組み立て、説得力のある英文」

を書く訓練として、毎週英文のレポートを書き、提 出します。エッセイや論文などさまざまなスタイル の英文を書くことができるように指導します。

 日本人教員とネイティブ・スピーカーの教員が協 力して指導する「ティーム・ティーチング」を導入。

これにより、「英語を母語とする人の特有の表現」を 学ぶとともに「日本人がつまずきやすい点」の克服 を図ります。

英語で考え、発信する力を鍛え 異文化理解を深める

英語弁論大会

諸外国・地域との 交流活動

実用英語検定試験の 英文レポート作成と サポート

日々の「多読」

ティーム・ティーチング 授業を実施

英語

教育の5本柱 ③

E n g l i s h

1.5倍 50冊

英語授業数 公立の

英語多読 1年間1人あたり

(週6時間) 以上読破

コミュニケーション能力 異文化理解 資格の取得

 私は中学 3 年間を通して高円宮杯全日本中学校英語弁論大 会に挑戦し、3 年目で全国大会に出場して、優秀賞を受賞し ました。大会出場のメリットは、英語のスキルアップに加え、

他の出場者のスピーチから新たな知識を得て視野が広げられ ること。英語のスピーチ力が上がったのは学内の英語弁論大 会で仲間と切磋琢磨したおかげです。2020 年の東京五輪では 通訳ボランティアに、将来は国際的に活躍する医師になりた いです。

英語弁論の全国大会に出場し、視野が広がりました

関西学院中学部 2016年度 3年生

福留 舞

塚本 中学部に入って、英語の授業を受けて最 初はどのように感じましたか。

伊藤 入学当初は、初等部出身の生徒の英語力 の高さに驚きました。でも、こつこつ努力をす ることで追いつけたと感じています。

塚本 英語の授業の楽しいところ、しんどいと ころを教えてください。

伊藤 英語Ⅰの授業は文法や単語を学習します が、そこで学んだことに基づいて英語で発表を するのが楽しいです。しんどいと思うのは英語

Ⅱの授業の中で、英語でエッセイを書くことで す。難しくてたいへんですが、エッセイを書く

ことで自分の考えをまとめるのは大切なことだ と思います。英語の4技能(話す、書く、聞く、

読む)をバランスよく習得するのは難しいです が、中学部の英語の授業では、それぞれの側面 から英語力を育ててくれていると思います。

塚本 英語を学んで、どのように活かしたいと 考えていますか。

伊藤 私は国連職員を目指しています。英語 はツール(道具)です。英語力だけでなく、国 際情勢を理解して橋渡しするための力も必要で す。どの教科の学びも大切に、成長していきた いです。

関西学院中学部

2017年度3年生

英語部部長

伊藤 彩貴 塚本 真理

英語の4技能をバランスよく習得

関西学院中学部英語科教諭

(8)

 総合的な体づくりのために、陸上競技・器械体操・

球技・武道・水泳などさまざまな種目のスポーツを 行います。これらを通してスポーツマンシップやフェ アプレー、チームプレーを学びます。

 日ごろの駆け足運動の成果を発揮するのがマラソ ン大会です。毎冬に武庫川の河川敷で開催します。「30 位入賞を狙う」「完走をめざす」など、生徒一人ひと りが自分の目標を決めて参加します。

 体育大会の準備は 2・3 年生が担当。学年を越えた 1 ~ 3 年生でチームを組み、さまざまな種目で競いま す。激しくぶつかりあう競技もありますが、フェアプ レーの精神と安全管理のもとで実施しています。

 水・土曜日を除く平日の 7 時間目に、毎日 3km 以上 を目標にした駆け足を全員参加で行っています。当初 は 1km、2km しか走れなかった生徒も、次第に持久力 と体力が向上し、走れる距離が伸びていきます。

 青島キャンプで行います。最初は数メートルしか泳 げなかった生徒でも、日ごろの訓練により泳ぎ切れる ようになり、自信へとつながります。コースに教員・大 学生リーダーを配置するなど安全にも留意しています。

フェアプレーの心を育み

「できる」自信を獲得する

体育の授業

マラソン大会

体育大会

週 4 日の駆け足 遠泳

体育

教育の5本柱 ④

P h y s i c a l E d u c a t i o n

900km

3年間

1人平均 男子:10km

女子: 7km

1000m

体力・持久力 自 信 フェアプレー精神

 野球部の先輩が「駆け足努力賞」を受賞したことをきっか けに、自分も賞を取りたいと思うようになりました。友人た ちと競い合いながら走った結果、次第に走るスピードが増し て、距離が伸びました。また、3 年生になった時は、最高学 年として 1・2 年生を引っ張っていかなければという意識を 持って駆け足に臨みました。3 年間の駆け足のおかげで体が 大きくなっただけでなく、忍耐力や根気強さが身につきまし た。

3年間の駆け足で忍耐力や根気強さが養われました

関西学院中学部 2015年度 3年生

川下 敦史

山道 学期ごとに週3回・3種目の授業をおこ ないましたが、どのように感じていましたか?

江田 曜日によって種目が変わるおかげで、苦 手な種目もいつも新鮮な気持ちで取り組めてい ました。逆に、好きな種目が何種類もできる学 期はとても嬉しかったです。サッカー・ソフト ボール・卓球の時は最高でした!

山道 施設については、どのような印象ですか?

江田 室内プールは雨風関係なく授業ができ、

とても快適でした。人工芝のグラウンドでは、

雨の翌日でも泥を気にせず、思いっきり走るこ とができました。

山道 体育の授業で一番嬉しかったこと、また 授業を通して得られたことを教えてください。

江田 サッカーで友達と息が合ってプレイが成 功したときや、苦手な鉄棒やマット運動でも練 習を重ねて課題の技を成功させることができた ときは嬉しかったです。何事も逃げずに努力す ることの大切さを学びました。

山道 体育の授業で得た経験を、今後どのよう に生かしていきたいですか?

江田 大人になってもスポーツを続け、健康に 生活していきたいです。後輩たちにも、体育の 授業を思いっきり楽しんでほしいと思います!

関西学院中学部

保健体育科教諭 関西学院中学部

2017年度3年生

陸上競技部主将

山道 修平 江田 政紀

体育を思いっきり楽しんでほしい!

(9)

 文化祭の最初に高中部礼拝堂にて行われる、各学 年クラス対抗の音楽コンクール。指揮者、伴奏者、パー トリーダーの生徒を中心に、音楽の授業以外の時間 にもクラスごとに練習を繰り返します。本番では美 しい合唱を披露します。一生懸命に取り組むことの 大切さを実感し、クラスの絆を深めます。

 文化祭ではクラス対抗の演劇コンクールも実施さ れます。演劇の経験がない生徒のために事前に劇の つくり方をまとめた冊子を配付しますが、脚本の執 筆から配役、使用する音楽、照明などの効果のすべ てを生徒たちが自主的に決め、自分たちで行います。

演劇は美術・音楽なども含んだ総合芸術であること から、一つの劇を作り上げる過程で自分の得意なこ とを見つける機会にもなっています。

 文化祭の美術展では、生徒全員の作品を展示しま す。長い時間をかけて取り組んできた成果を、多く の方に見てもらう貴重な場です。友人や先輩、後輩 の作品を鑑賞し、感想を聞き、生徒は美術展を通し て新たな目標を発見します。3年生制作の最優秀ポ スターは文化祭パンフレットの表紙になります。

自分を表現できる喜びと 感動できる心を育む

音楽コンクール

演劇コンクール

美術展

芸術

教育の5本柱 ⑤

A r t s

個と協働 創 造 力 表 現 力

小堀 最優秀演技賞受賞おめでとう。練習の時 から順調だったのですか。

前田 いえ。脚本ができるまでが大変でした。

先生の脚本へのダメ出しが厳しくて…。でも、

その時の悔しさがクラスのみんなに火をつけた と思います。

小堀 個性的な演技だったけど、自分で考えた のですか。

前田 総監督や演技指導のクラスメイトが、歩 き方やちょっとした仕草まで案を出してくれま した。裏方のクラスメイトの支えがあったから、

僕は演技を楽しめました。

小堀 道具、衣装、照明、音響も演劇には欠か せません。一人ではできないことをみんなで作 り上げることで、「Mastery for Service」の精神 を体感できますね。僕はそれをきっかけに役者 になったけど、将来、どんな仕事に就いてもこ の経験は役に立つでしょうね。

前田 はい。いい経験になりました。

小堀 これからも後輩たちがどんな演劇を作り 上げるのか楽しみにしています。

 中学部の入学式で高等部グリークラブの演奏に感動し、グ リークラブに入部しました。最初は声量もなく、音もうまく 取れなかったのですが、クラブ活動の時間に集中して練習す るようにしました。関西学院中学部では、毎日の礼拝の時に も賛美歌を歌います。これらの機会のおかげで、次第に大き な声が出せるようになりました。歌を歌うことによって自信 がついて、人前でも大きな声で話すことができるようになり ました。

大きな声で歌うことで、人前で話す自信もつきました

関西学院中学部 2015年度 3年生

関西学院中学部

2017年度3年生

演劇コンクール最優秀演技賞 俳優・

2004年関西学院中学部卒

連続テレビ小説『べっぴんさん』『マッサン』

画『』『 Light up

the NEW world』などに出演

坂本 櫻

前田 龍一 小堀 正博

 さまざまな芸術にふれる機会として、年に一度芸 術鑑賞会を行っています。学校で演奏や伝統芸能を 鑑賞したり、校外の劇場やホールに見に行くことも あります。プロの芸術や生の表現から得られる感動 は、中学生にとって貴重なものです。その感動は、

生徒自身の表現活動へとつながっていきます。

芸術鑑賞会

一人ではできないことを、みんなで作り上げる

(10)

 月曜日から土曜日までの必修授業では、一般的な授業とともに、生徒が主体となる探究型学習が多くの教科におい て実践されています。教科や単元の特性や生徒の成長段階に応じて、何を伝えるのか、何で伝えるのか、どう伝える のかをデザインしています。全教室に電子黒板が設置され、図書館を中心に 200 台以上の PC・タブレット端末が整 備されるなど、自律的な学習者を育てる学習環境も整っています。

学力の向上と定着を図るため 独自の教育を推進

カリキュラム C u r r i c u l u m

■ カリキュラム

1年生 2年生 3年生

国語 4 5 5

社会 4 4 4

数学 5 4 5

理科 4 4 4

音楽 2 1 1

美術 1 2 1

保健体育 3 3 3

技術家庭 2 1 1

英語 6 6 6

読書 1 2 2

聖書 1 1 1

HR 1 1 1

計 34 34 34

*数字は平常授業における週当たりの時間数(適宜、特別授業あり)

■ 校内生活時間表

月・火・木・金 水 土

出席点呼 8:20

授業開始 8:25

1~3時限 ※1

昼休み 授業終了 11:30

4~6時限

7時限終了 15:30 ※2 15:50

下校完了 2月~10月 18:00

11月~1月 17:30

17:00

※1 1時限と2時限の間に礼拝を行います。

※2 月・火・木・金曜日の7時限目は、3キロ以上を走る全校駆け足の時間としています。

 中学部専用の図書館には、60,000 冊を超える本、20 タイトル以上の雑誌、1,000 枚を超える CD、DVD などの資料があります。また Web に接続できるデスクトップ パソコン 50 台とタブレット端末 50 枚を用意。学校が契約している様々なデータベースも活用することができます。この恵まれた環境を活用した授業が、読書科を中 心に展開されています。図書館以外でも、英語や数学の授業で iPad を活用しています。

2 年生理科:天気の変化、とくに雲の発生に ついて。生徒それぞれが事前に撮影した雲に ついて、気象庁発表の情報で詳細に分析。

3 年生読書科:卒業レポートの作成。資料を 読み込む生徒、データベースを活用する生徒、

方法や進度は生徒それぞれ。「個」の学習に、

図書館や ICT の環境は欠かせません。

1 年生読書科:グループごとに奈良県明日香 地方を自由に探索する校外学習。その事前・

事後学習としてポスターを作成。

2 年生数学科:単元「場合の数」には解法が 複数あります。問いをタブレット端末で共有 し、各自で解法を他人に説明できるようにま とめて、互いに発表しあいます。

1 年生技術科:データベースの基礎を学習し たあと、タブレット端末のクイズアプリを併 用して、習得した機能をどこまで活用できる かを確認。

2 年生読書科:情報メディアとしての新聞の 特性を学んだあと、実際にペアで新聞を作成。

その新聞を活用した発表を相互評価します。

1 年生社会科:地理的分野。世界の諸地域の 特徴を、教科書をベースにして、図書館資料 を活用してより発展的なことがらを個別に探 究。

3 年生英語科:タブレット端末で英語の本を 読み、その内容を音声でも聴き取り、テスト に挑戦。英語のタイピングや、スピーチの録 音など、さまざまなことに活用しています。

 2年生の技術科では、班ごとにロボットを自由に設計・製作して競技をする、ア クティブラーニング型授業を実施しています。生徒に渡されるのは、ロボットの部 品と競技ルールだけ。設計図はありません。

・この材料はどのように加工すればよいのか?

・モーターの回転運動を変換してアームを動かす方法は?

・前後左右に走行するにはどんな電気回路が必要か?

 授業を通じて様々な技能を身につけながら、生徒だけで問題解決のために創意工 夫と試行錯誤を繰り返します。

 各クラスから代表チームを選び「創造アイデアロボットコンテスト」

の近畿大会にも出場。関西学院中学部は7年連続で入賞し、全国大会 へ進出しています。

 競技ルールは毎年変更されるため、昨年のロボットを真似しても、インターネットで 必勝法を検索しても、その年のルールにおいて強いロボットを作ることはできません。

どんなロボットが最強なのか、先生も知りません。検索しても答えが見つからない問題に、

あなたも挑戦してみませんか?

図書館・ICTを活用した授業

アクティブラーニング型授業

授業例1

授業例2

(11)

 関西学院は「読書」に力を入れています。図書 館での「読書」という授業もあります。「読書」には、

「書(本)を読む」という意味に加え、「読み書き」

→「基本的な力をつける」という意味も。言語能力、

論理的思考力、情報活用能力をつけます。その場 となるのが中学校専用の図書館です。60,000 冊の 本のほか、雑誌、新聞、CD、DVD などのメディ ア。Web はもちろん、さまざまなデータベースも 使えるPC やタブレットが 100 台。図書館を基盤に、

いろんな学びを総合して 10,000 字を超える卒業レ ポートに取り組みます。「21 世紀型能力」を体得 しましょう。

読 書 科 読んで、書いて、考える 高度情報化社会での

自立した学習者に

河野 隆一 

教諭  1 年生では関西学院の歴史や建学の精神を中心

にこの学校で学ぶ喜びを探ります。関西学院の土 台であり、生命線であるキリスト教について学び ます。2 年生では旧約聖書、3 年生では新約聖書 の物語やたとえ話を取り上げ、私たちがこの世に なぜ生きているのか、何を目的に生きていけばい いのかを共に考えます。いのちや平和、いじめや 戦争などをテーマとしてグループで対話する授業 も展開し、共に生き、愛と思いやりをもって世界 に仕える者として生きていく意味を考えます。

聖 書 科 愛と正義の意味を探り

いかに生きていくかを 楽しく真剣に考えます

福島 旭 

教諭

 中学部では、高校・大学での学習に備え、語彙 や文法の徹底的な反復練習を通して、英語を認知 的・学術的に操作する基礎力を身につけることを 目標としています。また、ICT を使ったリーディ ングやリスニング、ネイティヴスピーカーの指導 によるライティングやスピーキングの活動を行い、

英語の 4 技能を鍛えます。3 年次には、各自が設 定したテーマについてのリサーチやプレゼンテー ション、自身の主張を述べる英語弁論など、思考 を組み立て英語で発信する活動を通して、英語の 運用能力をさらに高めます。

英 語 科 英語の4技能を鍛え

自分の考えを英語で 発信する力を培います

山田 雄一郎 

教諭

 1年中泳げる室内プール、広い体育館、全天候 型陸上競技場、人工芝グラウンド……など充実し た施設の中で、思いっきり身体を動かしてみませ んか。きっと爽快な気分になるはずです。授業で は各種目専門の教員や講師による指導の下、いろ いろな運動・実習が行われ、日々美しくたくまし い心と身体が育まれていきます。運動部には男子 11 種目、女子 8 種目のクラブがあり、卒業生や大 学生による支援体制があるのも本校独自の魅力で す。本校の恵まれた環境の中で、思いっきり身体 を動かす楽しさを一緒に体感しましょう!

保健体育科 思いっきり

身体を動かして  楽しさ・喜びを実感

山道 修平 

教諭  何を美しいと思い、何に感動するのか知ること

は、私たちの心を育み、豊かな人間性を育てるこ とにつながります。美術の活動を通してこれらを 探求し、自分が好きなものは何かを探すことがで きます。授業では作品をつくる活動だけではなく、

作品をみる活動にも力を入れています。自分はど んな作品づくりが好きで、どんな作品に感動する のか。友達は何に感動し、どんな作品をつくるのか。

3 年間のみる活動、つくる活動を通して生徒一人 ひとりにとっての「美」を探します。

美 術 科

みる、つくるを通して 自分の「美」を探す

矢形 信子 

教諭

教科・教員紹介

S u b j e c t s a n d T e a c h e r s

 「音楽には感情を増幅させる働きがある。映画 や演劇等、見せ場に効果的な音楽を挟むことによ り感動と涙を誘う」と言われますが、柔軟な精神、

身体であるからこそ受ける感動がよりおおきくな ります。人間の感受性は勉学だけでは養われず、

さまざまな物を体感し、怒って泣いて笑って……

一生懸命生きて養われるものと思います。中学部 では日々の礼拝と授業を通してたくさん歌い、普 段聴く機会のない、より多くの音楽に触れ、学ん でいきます。自分の周りにある音や色彩に常に気 付ける感受性豊かな人に成長して欲しいと思って います。

音 楽 科 豊かな感受性は豊かな心から たくさんの音に触れ 感じる心を育てよう

金地 りょう子 

教諭  私たちが生きていく社会はとても変化が激しく、

私たちは日々新しい未知の課題に対応する力が問 われます。そのためには、その基礎となる確かな 知識を得ること、また自ら考え、判断し、表現す る力が必要です。現在につながる人々の歩みを紐 解く歴史分野、多様な人々の文化の違いや生き方 を知る地理的分野、現代社会のしくみを知り課題 を見つける公民的分野。三つの分野を通して、今 後私たちが出会う社会の見え方が、誰かがつくっ た社会から、自分たちでつくりあげる社会に変わっ ていくことが最大の願いです。

社 会 科 変化の激しい世の中で

生きていくための 知識と力を身につけよう

谷口 勲 

教諭

 子どものときに理科が嫌いではないのに、大人 になったら嫌いになる人が多い。なぜでしょうか。

理科が「おもしろく」なくなったからなのでしょ うか。それは、まわりの大人が理科をおもしろい ものだと教えてくれなかったからなのです。中学 部には理科専用の教室が4つもあって、たくさん の実験を見たり、行ったりすることができます。

卒業生は口をそろえて言います。「難しかったけど、

たくさん実験があっておもしろかった」。そんな風 に感じられる理科の世界を一緒にのぞいていきま しょう。

理 科 たくさんの実験を通して 科学の「おもしろさ」を伝え

知的好奇心を育みます

寺田 新 

教諭

 中学校からの数学ではxやyの文字を使って機 械的に問題を解いていきます。算数に比べて退屈 なようですが、この考え方に慣れてくると、小学 生時代には想像もできなかった世界がはっきりと 見えるようになってきます。基本的に“受験勉強”

のない中学部の数学科では、計算力や論理的思考 力を伸ばすとともに、この抽象的思考力を養うた めに、授業中に工作や実験をしたり、時にはとて も難しい問題に挑戦したりしています。先を急が ずゆっくり、たまには回り道をして数学の景色を 楽しみながら一緒に勉強していきましょう。

数 学 科 考え方について

考える時間を 大切にしています

 私たちは常に「ことば」と関わりながら生きて います。よく、読む・聞く・話すと言われますが、

そのすべてに「ことば」があります。そして、この「こ とば」と最も関係が深い教科が国語科です。その ため国語の学習はすべての学習の基礎となると言 えるでしょう。文章を読んだり、聞いたりして理 解し、話したり書いたりして表現する。自分を高 めるためには多くの学びが必要ですが、あわせて

「ことば」を磨くことも大切です。「ことば」があ なたの人生を左右する、そう言っても過言ではな いからです。

国 語 科 読む・聞く・話す力を育て 自らを表現するための

「ことば」の力を磨きます

宮川 裕隆 

教諭

 技術・家庭科は私たちの日常生活(衣・食・住)

や職業について学ぶための教科です。材料を加工 しての「ものづくり」、電気などのエネルギーの利 用、植物の栽培、情報機器の活用、家族との関わり、

食生活、衣服の手入れ、住居の整理、環境への配 慮…。「技術・家庭」ではこれらに関する知識や 技能を、実習をまじえて習得していきます。ロボッ トコンテスト全国大会出場、自作ゲームのプログ ラミング、日常生活やキャンプでの調理、文化祭 で使う衣装の製作など、生徒はさまざまな場面で これらの知識と技能を活用しています。

技術・家庭科 ロボットづくりや

無人島での野外炊さん 実習を通じて学びます

大藤 泰生 

教諭

(12)

 中学部教育における大きな特徴の一つがキャンプです。助け合いの気持ちと自立心、困難に立ち向かう精神力など を養います。1 年生は入学式直後に行われる新入生オリエンテーションキャンプ、2 年生は夏休みに青島キャンプに参 加します。ともに学ぶ仲間と非日常の環境の中で生活することによって、普段の生活がいかに恵まれているものかを 知るとともに、みんなのために汗を流すことの尊さを体験します。

野外での共同生活を通して

「勇気」と「献身」を体験する

キャンプ C a m p

 1年生は中学生活の第一歩として新入生オリエンテーションキャンプに参加しま す。場所は三田市の関西学院千刈キャンプ場、2 泊 3 日の日程で、同じ中学に入学 した新しい仲間たちと共同生活を行います。キャンプには新3年生と大学生のリー ダーが同行し、新入生は先輩の姿を間近に見ながら関西学院精神を学びます。この キャンプのハイライトが泥まみれになりながらラグビーをする「メチャビー」。泥を かぶりながらゴールをめざす「勇気」や、ボールを持った仲間をサポートする「献身」

を体験します。

 2年生が体験する青島キャンプは「中学部の成人式」と呼ばれています。電気も ガスも水道もない瀬戸内海の無人島・青島で、仲間とともにテントの設営から火起こ し、食事づくり、草刈り、トイレの清掃、生ごみの処理まですべて生徒たち自身が 行います。キャンプという不便な生活のなかで日々の生活の豊かさに感謝し、自ら進 んで行動することの大切さや集団で生活することの意味などを学び、失敗を恐れず 挑戦する姿勢が育まれます。キャンプが終わり、家に帰る頃には身も心もたくましく 成長していることでしょう。

入学式直後に実施

新しい友人とともに共同生活

無人島で自分たちの力で過ごす 4泊5日の「中学部の成人式」

千刈キャンプ

(新入生オリエンテーションキャンプ)

青島キャンプ

1年生 2年生

1日目

1日目 2日目 3日目 2日目 3日目 4日目 5日目

千刈キャンプ

(新入生オリエンテーションキャンプ)

青島キャンプ

テント設営島内めぐり

晩祷ホームルームキャンプ場内散策旗揚げ開会礼拝 旗下げ閉会礼拝(キャンプ場内の片付け)キャンプデューティークラス旗作成

キャンドルライトサービス野外炊さんメチャビー朝拝 班別自由活動遠泳(1㎞)班別自由活動

全体ワーク(島の開拓) カウンシルファイヤー班別自由活動 (島内を自然の状態に戻す)キャンプデューティー

 青島キャンプは、ルールの中で各人が自由を享受 する「横のつながり」と、先輩方から受け継いだ伝 統に自分たちの色を重ねる「縦のつながり」を学ぶ 場です。今でも当時の友と話す時に、青島の話題は 尽きません。僕が得た一生の友達、一生の経験です。

卒業後もキャンプリーダーとして、後輩たちに思い を伝える場を与えられたことに感謝しています。将 来は教員として、青島での体験を元に社会に貢献し たいと考えています。

 千刈キャンプの野外炊さんで何もできずにいた私 でしたが、3年生の班付きリーダーが「自分で考え て行動しなさい」と声をかけてくださり、自ら行動 する勇気がわきました。料理は少し失敗したけれど、

班員と一緒に考えて行動したことで、たくさんの友 だちができました。一人では苦しいことでも、仲間 がいれば楽しめるということを学びました。3年生 になったら、私も後輩のためにすばらしい学びの場 を作るリーダーになりたいです。

後輩たちに思いを伝えられることに感謝 学びの場を作るリーダーになりたい

関西学院大学教育学部3回生/青島キャンプリーダー

関西学院中学部 2017年度 1年生

辻 宏介

園部 苺子

(13)

 日本とは違う国・地域の文化や歴史、人、社会を理解し、偏見を持つことなくお互いを尊重する姿勢を育むため、

中学部では国際交流に力を入れています。具体的にはインドへの親善訪問旅行や英語圏への研修旅行を実施。英語の 上達だけでなく、生徒の視野を世界に広げる機会になっています。これからの時代に欠かせないグローバルな精神を 養い、将来、世界のために貢献することができる資質を身に付けます。

世界に視野を広げ、

世界のために貢献できる資質を養う

国際交流

I n t e r n a t i o n a l P r o g r a m s

 1983 年から毎年夏休みにインド親善訪問旅行を行っています。これは 3 年生の 中から参加希望者を募って行うもの。当初は生活基盤の援助活動を目的にしていま したが、現在は農村部や都市部の訪問、「マザー・テレサの家」の見学、現地の子 供たちとの交流やホームステイなどを通して異文化に触れ、交流を深めることを目 的にしています。インドでは経済発展が著しく富裕層が続々と生まれる一方、飢餓 や病気に苦しむ貧困層も多くいます。現実の状況に触れ、世界で何が起きているの か、どのような課題があるのかを考える機会になっています。

 語学力の向上と異文化理解を図るため、英語圏の国・地域を訪問する研修旅行 を毎年開催しています。これも 3 年生を対象に希望者を募り、夏休み期間中に行う ものです。2014 年度からはニュージーランド・クライストチャーチ市にあるミドル トン・グレンジ校への訪問を続けています。日本文化を英語で紹介するプレゼンテー ション、授業への参加やホームステイ、寮生活、現地での農業体験などを通して、

現地の子どもたちや住民の方々と多様な交流を図っています。

長い歴史を持つインド親善訪問 世界の課題を考える機会に

英語力の向上と異文化理解を目的に 英語圏の国・地域の生活を体験

インド親善訪問旅行 オセアニア英語研修旅行

3年生 3年生

インド親善訪問旅行

英語圏への研修旅行

 乾季になると水が手に入らない貧しい村々に井戸 を掘る運動を起こした私たちに、関西学院中学部の 生徒全員が献金をささげてくれたことが交流のきっ かけでした。以来、中学部とは 38 年にわたり友好 関係を築いてきました。中学部の生徒は貧しい村々 を訪問し、スポーツ・音楽・ダンスなどを通じて村 の生徒たちと交流しています。若い生徒たちが異な る文化・伝統・言葉といった壁を乗り越え、素晴ら しい未来を築いてくれるよう願っています。

 日本とは違う文化・社会の国の人と会いたいと考 え、インド親善訪問旅行に参加しました。現地の子 どもたちとサッカーをしたり、おもちゃで一緒に遊 んだりした時、楽しいと感じる気持ちは誰でも同じ なのだと気づきました。言葉や文化、生活水準に違 いがあっても「人間は本質的に同じなんだ」と実感 することができました。これからの人生で多くの国 や地域の人と出会うと思いますが、先入観を持たず に接したいと思います。

言葉の壁を乗り越え、素晴らしい未来へ 人間の本質は同じだと感じました

Ecumenical Development Centre of India 責任者

関西学院中学部 2014年度 3年生

サンデッシュ ラムテーケ

(写真中央)

津村 圭祐

(14)

 中学部には「宗教総部」「文化総部」「運動総部」の 3 種類のクラブ活動があり、多くの生徒がク ラブ活動に参加しています。中学部を卒業した大学生がコーチとして指導することが多く、技術面 はもちろん、世代が異なる人とのコミュニケーションやマナーを学ぶ機会になっています。さらに 人工芝グラウンドや室内プール、全天候型の陸上競技場など、関西学院が所有する整備された施設・

設備を利用できることも大きな魅力です。

※部員数は 2018 年度のものです。

自分のやりたいことに

チャレンジできる環境を整備

クラブ活動

C l u b A c t i v i t i e s

 私たちのチームは人数、スキル面において足りない部 分だらけのスタートでした。しかし、厳しい状況の中で も、皆が同じ目標を共有し、努力を重ねたことで、互い に何でも言い合える理想のチームを創ることができまし た。私自身も主将として、気づいたことを自らチームメ イトに発信できるようになりました。これからも、集団 の先頭に立って指揮できるような存在になり、何事にも 積極的にチャレンジする姿勢を持ち続けていきます。

 吹奏楽部は女子生徒の入学と共に創部され、今年で 6 年目とまだまだ歴史の浅い部です。創部当初は楽器も何 もない状態だったそうですが、たくさんの方々に支えら れてコンクールや文化祭等で演奏しています。時に厳し く、時に優しくと、私たちを指導し、クラブの基礎を作っ て下さった先生、そして部員みんなのおかげで、ひとつ の方向に向かって突き進んでいくことの楽しさを知り、

仲間を思いやることの大切さに気づきました。

チャレンジ精神で理想のチームを実現 みんなとつながる楽しさ

関西学院中学部 2017年度 3年生 タッチフットボール部 主将 関西学院中学部 2017年度 3年生 吹奏楽部 部長

巽 章太郎 中西 美緑

タッチフットボール部

  (男子:63人)

2018:第7回 マリンボウル(東西中学校交流戦)優勝(日本一)

2016:第4回 日本中学生アメリカンフットボール選手権 優勝/第5回 マ リンボウル 優勝 ※ 2016 年度は春秋シーズン共に日本一 2014:パナソニック杯 第 69 回毎日甲子園ボウル 中学招待試合 優勝

サッカー部

  (男子:57人)

2018:総合体育大会 西宮市大会優勝/西宮市中学生サッカー選手権大会 優勝 2017:新人戦 西宮市大会優勝/西宮市中学生サッカー選手権大会優勝 2016:総合体育大会 西宮市大会準優勝 阪神大会準優勝 兵庫県大会ベスト8 2015:新人戦 西宮市大会準優勝 阪神大会準優勝 兵庫県大会準優勝

96

(2018年度)

クラブ活動参加率

全国大会 優勝

兵庫県大会優勝

吹奏楽部

  (男子:4人 女子:44人)

2018:兵庫県吹奏楽コンクール西阪神地区大会 中学校S部門 金賞/兵庫 県吹奏楽コンクール 中学校S部門 銀賞/兵庫県アンサンブルコン テスト西阪神地区大会 中学校部門 トロンボーン3重奏金賞 クラリ ネット3重奏銀賞

2017:兵庫県吹奏楽コンクール西阪神地区大会 中学校 A 部門 銀賞

野球部

  (男子:58人)

2018:新人大会 西宮市大会優勝 阪神大会優勝 兵庫県大会三位 2017:総合体育大会 西宮市大会準優勝 阪神大会優勝

2016:総合体育大会 西宮市大会優勝 阪神大会優勝 兵庫県大会優勝 近畿 大会ベスト8

2015:自治労カップ全日本少年軟式野球大会 兵庫県予選会 優勝/全日本 少年軟式野球大会 近畿ブロック予選会 優勝/全日本少年軟式野球 大会 全国ベスト8

2014:総合体育大会 西宮市大会優勝 阪神大会三位

兵庫県大会優勝 全国大会出場 兵庫県大会

銀賞

KWANSEI GAKUIN JUNIOR HIGH SCHOOL 25 24 KWANSEI GAKUIN JUNIOR HIGH SCHOOL

(15)

クラブ活動

C l u b A c t i v i t i e s

J.H.C.(宗教部)

  (男子:4人 女子:8人)

日常の活動として毎日の礼拝の準備および入退場曲の放送、週 1 回の早天 礼拝の運営、週報の発行。文化祭では演劇を上演しています。

美術部

  (男子:0人 女子:5人)

毎年私学連合美術展に出品。定期的に美術館見学を実施。

理科部

  (男子:23人 女子:4人)

2018:青少年のための科学の祭典 2018 ひょうご神戸会場出展 奨励賞/

科学の祭典 2018 出展/創造アイデアロボットコンテスト 近畿大 会審査員特別賞、全国大会出場

2017:青少年のための科学の祭典 2017 ひょうご神戸会場出展 奨励賞/

科学の祭典 2017 出展/創造アイデアロボットコンテスト 近畿大 会優勝、全国大会出場

英語部

  (男子:1人 女子:9人)

2018:兵庫県私立中学校 第 14 回英語レシテーションコンテスト入賞(三位)/第6 回百合学院杯中学生英語暗唱大会出場/第 39 回関西女子英語暗唱大会出場/

大阪英語村での体験学習、海外オンライン英会話学習、人形劇公演など。

2017:兵庫県私立中学校 第 13 回英語レシテーションコンテスト入賞(二位)

2014:兵庫県私立中学校 第 10 回英語レシテーションコンテスト入賞(二位、三位)

図書部

  (男子:16人 女子:32人)

2018:図書館を使った調べる学習コンクール 佳作 2017:図書館を使った調べる学習コンクール 奨励賞 2016:図書館を使った調べる学習コンクール 佳作 2015:図書館を使った調べる学習コンクール 佳作 学校図書館の運営をサポート。学校図書館を基盤に調査・研究。

ラグビー部

  (男子:17人 女子:0人)

2018:兵庫県ラグビーフットボール大会三位 2017:兵庫県ラグビーフットボール大会優勝 近畿大会出場 2016:兵庫県ラグビーフットボール大会優勝 近畿大会出場 2015:兵庫県ラグビーフットボール大会準優勝

ダンス部

  (男子:0人 女子:27人)

2018:第6回全日本小中学生ダンスコンクール 西日本大会 銀賞、全国大 会 銅賞

2017:第5回全日本小中学生ダンスコンクール 西日本大会 銀賞 2016:第4回全日本小中学生ダンスコンクール 西日本大会 銀賞 2015:第3回全日本小中学生ダンスコンクール 西日本大会 銀賞

テニス部

  (男子:34人 女子:25人)

2018:総合体育大会 兵庫県大会 女子団体三位/全国選抜兵庫県予選 女子団体三位/兵庫県私学大会 男子団体二位、女子団体三位/兵 庫県新人テニス選手権 男子ダブルス三位/西宮市民体育大会 女子 ダブルス優勝

2017:総合体育大会 兵庫県大会 女子団体三位/全国選抜兵庫県予選 女子団体三位/兵庫県私学大会 女子団体二位

グリークラブ

  (男子:3人 女子:12人)

毎年、兵庫県合唱祭、関西学院グリークラブフェスティバル、クリスマス音 楽礼拝(シンフォニーホール)に出演

2015:兵庫県合唱コンクール(高等学校 A グループ)銀賞

2014:兵庫県合唱コンクール(中学混声の部)銀賞/ MBS こども音楽コ ンクール 優秀賞

 ダンスの楽しさを伝えたい! そんな思いを胸に、選曲、

振り付け、衣装、構成など全てを自分たちの手で創り上 げてきました。予定通りにいかない時も、チーム一丸と なって乗り越えられました。この経験を通じて、お互い の力を信じて取り組めば、できないことはないと実感し ました。初心を忘れずに、今後もダンスを続けて、自分 も見に来て下さる方も笑顔にできるようなダンスを創っ ていきます。

 「団結」と聞くと団体競技が連想されますが、どのよう な分野・活動も皆が団結して助け合わなければ何も成し 遂げられないことを学びました。文化祭に向けて、部員 から出た様々な意見・案を皆で話し合った結果、大切な ことは全てを実現させることではなく、熟慮してベスト な方法をとることだと気づきました。文化祭当日、自分 達が作った展示物や、実演した実験でお客さんの笑顔を 見られたことが嬉しかったです。

見に来て下さる方を笑顔にしたい 大切なことは、団結して熟慮すること

関西学院中学部 2017年度 3年生 理科部 部長 関西学院中学部 2017年度 3年生 ダンス部 主将

杉本 智哉

中野 紗羽

兵庫県大会優勝 近畿大会出場

近畿大会優勝 全国大会出場

剣道部

  (男子:12人 女子:4人)

2015:兵庫県私学大会 女子団体戦三位

2014:新人戦 兵庫県大会女子団体戦ベスト 16 /兵庫県私学大会女子団 体戦三位

バレーボール部

  (女子:13人)

挨拶・礼儀を大切に活動しています。バレーボールの本質に触れ、阪神大 会上位入賞を目標に練習に励んでいます。

水泳部

  (男子:17人 女子:15人)

2018:総合体育大会 西宮市大会 男子総合優勝 2017:総合体育大会 西宮市大会 男子総合優勝

2016:総合体育大会 西宮市大会 男子総合優勝、女子総合優勝 近畿大会出場 2015:西宮市新人大会 男子総合優勝、女子総合優勝 近畿大会出場全国大

会出場

バスケットボール部

  (男子:40人 女子:39人)

男子チーム・女子チームともに市内大会ベスト 4、阪神大会出場をめざして 日々熱心に基礎練習を重ね、公式戦でも勝利を重ねています。

卓球部

  (男子:33人 女子:26人)

2018:新人戦 西宮市大会 男子団体三位/総合体育大会 西宮市大会 女子

陸上競技部

  (男子:22人 女子:29人)

2012 ~ 2018:総合体育大会 兵庫県大会出場(100m、400m、110m ハー ドル、800m、男子リレー、女子リレー)

2009 ~ 2011:全国中学校総合体育大会出場(男子 100m、200m)

西宮市大会 優勝

西宮市大会 優勝

西宮市大会

優勝 全国大会

出場

参照

関連したドキュメント

Introduction to Japanese Literature ② Introduction to Japanese Culture ② Changing Images of Women② Contemporary Korean Studies B ② The Chinese in Modern Japan ②

私たちのミッションは、生徒たちを、 「知識と思いやりを持ち、創造力を駆使して世界に貢献す る個人(”Informed, caring, creative individuals contributing to a

23)学校は国内の進路先に関する情報についての豊富な情報を収集・公開・提供している。The school is collecting and making available a wealth of information

関西学院は Kwansei Grand Challenge 2039

“FedEx Express International Trade Challenge 2021”に2名が、大阪大学大 学院主催の“Future Global Leaders Camp 2021 Online”に1名が、AFS主催 の

山本 雅代(関西学院大学国際学部教授/手話言語研究センター長)

● 生徒のキリスト教に関する理解の向上を目的とした活動を今年度も引き続き

The school is collecting and making available a wealth of information related to domestic  universities, colleges, vocational schools, etc. and support