計量経済学I 講義資料 13 – 線形性と関数型 1/ 3
13 線形性と関数型
A. という仮定が、大変きついように思うかもしれない
B. ただ、線形性に留まっても結構いろいろな分析が可能1
13.1 累乗変数と交差項
A. 影響力が逓増する場合、 を応用しx21,iの を用いて表す
yi = α + ˆβ1x1,i+ ˆβ2x2,i+ ˆβ3x21,i+ ˆϵi (13.1) B. x1,iは して、 ˆβ3が負の値を取ればよい
C. 説明変数間の および 動きを表現する がある
D. 説明変数間関係は相関(x1,i−x¯1,i)(x2,i−x¯2,i) だが、次でも本質的には同じ yi = α + ˆβ1x1,i+ ˆβ2x2,i+ ˆβ3x1,ix2,i+ ˆϵi (13.2)
13.2 逆数関数
A. 次のような分数の分子や分母に説明変数があるような関数の推定 y = x
α + βx (13.3)
B. x ̸= 0, y ̸= 0 として次のように変形する y = x
α + βx (13.4)
⇔ 1 y =
α + βx
x ⇔
1
y = β + α
x (13.5)
C. と x1 をx, ˜˜ y で書き換えて、回帰する
13.3 ロジスティ ック関数
A. S 字型の形状をしたロジスティック関数とよばれる関数がある y = exp[α + βx]
1 + exp[α + βx] (13.6)
1なお、誤差項が非常に特殊な形状で作用すると分かっている場合には、ここで述べる変換方法
が適切でないかもしれない。
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計量経済学I 講義資料 13 – 線形性と関数型 2/ 3 B. 新しい電化製品の普及率の関数はこの形状に従う傾向にある
C. 次のように変形するとln[1y
−y
]
を新たな被説明変数として回帰する事が可能 y = exp[α + βx]
1 + exp[α + βx] (13.7)
= 1 + exp[α + βx] − 1
1 + exp[α + βx] = 1 −
1
1 + exp[α + βx] (13.8) 1 − y = 1
1 + exp[α + βx] ⇔ 1
1 − y = 1 + exp[α + βx] (13.9)
⇔ y
1 − y = exp[α + βx] ⇔ ln [ y
1 − y ]
= α + βx (13.10)
13.4 対数関数とその意味
A. 対数を用いた関数は比率でとらえた、さまざまな面白い性質を持った関数
13.4.1 片側対数関数I — 被説明変数が対数 A. 次のような右辺が指数関数を考える
y = exp[α + βx] ⇒ ln y = α + βx (13.11) B. 説明変数で微分して変形すると、片側対数関数の意味が現れる
d
dx(ln y) = dy dx
d
dy(ln y) = dy dx ·
1
y = β (13.12)
dy
dx = βy (13.13)
dy/y
dx/x = βx (13.14)
C. この定式化はx が 1%変化したときの y の変化率 ( ) を示す
D. x の y に対する弾性値が比例変化するような現象を表現したい場合に利用
13.4.2 片側対数関数II — 説明変数が対数 A. 逆に左辺に対数のある関数を考える
exp[y] = αxβ ⇒y = ln α + β ln x (13.15) B. 関数の意味を知るために、説明変数で微分して変形すると次のようになる
dy dx = β ·
1
x (13.16)
dy/y dx/x = β ·
1
y (13.17)
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計量経済学I 講義資料 13 – 線形性と関数型 3/ 3 C. x の y に対する弾力性が y の増加に伴って低下する関数
D. 被説明変数の逆関数ゆえ、厳密な意味で逆の関数ではないことに注意
13.4.3 両対数関数
A. コブダグラス関数などの変数の を掛け合わせた関数を考える
y = αxβ1xγ2 (13.18)
B. 次のように簡単に対数で線形にできるので、 とよぶ
y = αxβ1xγ2 ⇔ln y = ln[αx1βxγ2] ⇔ ln y = ln α + β ln x1+ γ ln x2 (13.19) C. その性質は次のように弾性値が一定の関係で表現できる
d
dx1 (ln y) = β 1
x1 (13.20)
d
dx1 (ln y) = dy dx1
d
dy (ln y) = dy dx1
1
y (13.21)
dy dx1
1 y = β
1 x1 ⇔
dy dx1
x1
y = β ⇔
dy/y
dx1/x1 = β (13.22)
13.4.4 トランスログ関数
A. 関数の一般形として、次のような というのがある
y = α + β11ln x1+ β12ln x2+ β21(ln x1)2+ β22(ln x2)2+ 2β3ln x1ln x2
(13.23) B. 形状がわからないx1 > 0, x2 > 0 である 2 変数関数を で変形
y = f (x1, x2) (13.24)
C. テーラー展開を使っているので、推定する関数は未知の関数を説明変数や被
説明変数の平均で近似したものであり、 から離れるほど精度は落ちる2
D. 対数になっているので説明変数と被説明変数を でとらえている E. トランスログ関数は関数形を限定せず変化を で表現できる関数
F. あまりにもデータの動きが 場合には近似の精度が落ちる
2トランスログ関数で対数を取って線形化した説明変数を疑似説明変数(pseudo-explanatory vari- able) と呼ぶ事もある。
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