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経済学基礎 2016年前期@東大工学部 Fumihiko Suga

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(1)

経済学基礎

-第8回前半 部分均衡分析-

菅 史彦

内閣府 経済社会総合研究所

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 1 / 49

(2)

まず競争市場における生産者の理論を概観した。

競争市場の仮定(=価格受容者の仮定)は無数に企業が存在 し、市場の相場から大きく逸脱した価格設定はできないとい う仮定に読みかえられるが、これは非現実的。

そこで、逆の極端なケースとして独占の理論を勉強し、 次にそれらの中間として寡占の理論を考えることにした。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 2 / 49

(3)

前回までの復習

復習:寡占市場の理論

寡占の場合、他の企業の生産量が問題になる。 すなわち戦略的状況になっている。

なので、ゲーム理論を使う。

囚人のジレンマのように、自明な解が常に存在するとは限ら ない。

一つの安定的な均衡状態としてクールノー・ナッシュ均衡を 考えた。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 3 / 49

(4)

市場の需要曲線がp =abyd、企業iの費用関数がC =cyi2

(cは共通で定数)で与えられるとする。 このとき、企業iの利潤は以下で与えられる:

πi = (ab(y1+y2))yicy2

i

一階の条件は以下で与えられる:

a2byibyj2cyi = 0

これをyiについて解けば、以下のような最適反応関数を得る:

yi = abyj 2(b +c)

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 4 / 49

(5)

前回までの復習

復習:寡占市場の理論

これを図に書くと…

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 5 / 49

(6)

これを図に書くと…

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 5 / 49

(7)

前回までの復習

復習:寡占市場の理論

これを図に書くと…

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 5 / 49

(8)

クールノー・ナッシュ均衡における生産量は、 y1 =y2 = a

3b+ 2c

p= a(b+ 2c) 3b+ 2c

ちなみに、独占市場における生産量は以下で与えられる。 y˜ = a

2b+ 2c

さらにちなみに、競争市場における生産量は以下の通り: y¯ = a

b

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 6 / 49

(9)

前回までの復習

復習:寡占市場の理論

すなわち、市場に供給される財の生産量は、 独占市場 < 寡占市場 < 競争市場 であり、

価格は、

独占市場 > 寡占市場 > 競争市場 となっている。

すなわち、市場がより独占的になるほど、消費者はほしいも のにより多くのお金を払わされ、その財を買うことを諦める 人も増えるということ。

ただし、クールノー・ナッシュ均衡は必ず実現するとは限ら ず、一つの安定的な均衡状態に過ぎない。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 7 / 49

(10)

再び競争市場に戻る。 ここまでの議論で、

(個別)需要曲線はどのようにして導出されたか

(個別)供給曲線はどのようにして導出されたか がわかった。

これまで議論してきたのは、ある特定の財に注目した部分均 衡分析

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 8 / 49

(11)

部分均衡分析

個別・市場需要曲線

消費者の効用最大化問題を解いて導出された個別需要曲線を積み 上げれば、市場の需要曲線になり、

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 9 / 49

(12)

消費者の効用最大化問題を解いて導出された個別需要曲線を積み 上げれば、市場の需要曲線になり、

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 9 / 49

(13)

部分均衡分析

個別・市場需要曲線

消費者の効用最大化問題を解いて導出された個別需要曲線を積み 上げれば、市場の需要曲線になり、

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 9 / 49

(14)

企業の利潤最大化問題を解いて導出された個別供給曲線を積み上 げれば、市場の供給曲線になり、

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 10 / 49

(15)

部分均衡分析

個別・市場供給曲線

企業の利潤最大化問題を解いて導出された個別供給曲線を積み上 げれば、市場の供給曲線になり、

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 10 / 49

(16)

企業の利潤最大化問題を解いて導出された個別供給曲線を積み上 げれば、市場の供給曲線になり、

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 10 / 49

(17)

部分均衡分析

市場均衡

市場の需要曲線と供給曲線の交点で、価格と数量が決まる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 11 / 49

(18)

今では需要と供給で価格が決まるというのは当たり前のように受 け入れられているが、昔はそうではなく、2つの仮説が対立して いた。

費用価値説

価格は生産するのにかかるコストによって決まる。リカードか らマルクスへの流れ。

効用価値説

価格はそれを欲しがる人がどれくらいいるかによって決まる。 ゴッセン、ジェボンズからワルラスにいたる流れ。

これに対し、マーシャルが、価格は需要と供給によって決まると いう説を提唱した。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 12 / 49

(19)

部分均衡分析

市場均衡による価格決定

需要曲線と供給曲線の交点で決まるという点には注意が必要。 例えば、

価格が上がると、供給は増える 供給が増えると、価格は下がる という2つの主張を考える。

どちらも正しいが、矛盾しているような気がする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 13 / 49

(20)

供給曲線に沿った動きと、

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 14 / 49

(21)

部分均衡分析

市場均衡による価格決定

供給曲線に沿った動きと、

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 14 / 49

(22)

供給曲線そのものの動きを区別する必要がある。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 15 / 49

(23)

部分均衡分析

市場均衡による価格決定

供給曲線そのものの動きを区別する必要がある。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 15 / 49

(24)

実際に観察されるのは、交点で決まった価格と数量のみで あり、

需要曲線そのもの、供給曲線そのものは観察できない。 そのため、観察された価格と数量のみから需要曲線・供給曲 線を導出(推定)することはできない。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 16 / 49

(25)

部分均衡分析

需要曲線の推定

うかつな需要曲線の推定:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 17 / 49

(26)

うかつな需要曲線の推定:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 17 / 49

(27)

部分均衡分析

需要曲線の推定

うかつな需要曲線の推定:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 17 / 49

(28)

うかつな需要曲線の推定:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 17 / 49

(29)

部分均衡分析

需要曲線の推定

うかつな需要曲線の推定:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 17 / 49

(30)

うかつな需要曲線の推定:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 17 / 49

(31)

部分均衡分析

需要曲線の推定

うかつな需要曲線の推定:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 17 / 49

(32)

供給曲線のみをシフトさせる要因を見つければ、需要曲線を推定 できる:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 18 / 49

(33)

部分均衡分析

需要曲線の推定

供給曲線のみをシフトさせる要因を見つければ、需要曲線を推定 できる:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 18 / 49

(34)

供給曲線のみをシフトさせる要因を見つければ、需要曲線を推定 できる:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 18 / 49

(35)

部分均衡分析

産業の長期均衡

企業の分析の話をした時には、長期とは労働力以外の生産要 素も動かせるくらい長い期間として定義した。

長期均衡の分析ではさらに、

企業が市場に参入/市場から退出できる どの企業も同一の技術を利用できる 状況を考える。

参入と退出も考えるので、他の産業に参入したら得られる利 潤についても考える必要がある。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 19 / 49

(36)

長期において、「他の産業・市場で生産していられたら得られ たであろう利潤」を正常利潤と呼ぶ。

このとき、以下が成立するとする:

ある産業に参入が起こる ⇐⇒ 売上 − 費用 > 正常利潤 正常利潤は機会費用と見なすことができるので、

ある産業に参入が起こる ⇐⇒ 売上 − 機会費用込の費用 > 0 と書ける。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 20 / 49

(37)

部分均衡分析

産業の長期均衡

参入が起こるための条件は以下で与えられる: 売上 > 機会費用込の費用 これを書き換えると、

価格p >長期の平均費用 を得る。

すなわち、価格が平均費用を上回る限り、新たな企業の参入 が起こり続ける。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 21 / 49

(38)

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 22 / 49

(39)

部分均衡分析

産業の長期均衡

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 22 / 49

(40)

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 22 / 49

(41)

部分均衡分析

産業の長期均衡

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 22 / 49

(42)

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 22 / 49

(43)

部分均衡分析

産業の長期均衡

長期均衡ではp =LAC になるように生産量が決まるので、技術進 歩などがなければ、長期の供給曲線は完全にフラットになる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 23 / 49

(44)

再び中古の教科書の市場を考える。

Buyer Buyer Value Seller Seller Value Charles $ 24 George $ 6

Anand $ 22 Michael $ 8 Sam $ 20 Fred $ 10 Mica $ 18 Thomas $ 12 Todd $ 16 Raphael $ 14 Mark $ 14 Lucas $ 16 Peter $ 12 Jonathan $ 18 Sven $ 10 Alfred $ 20 Amy $ 8 Edward $ 22 全員が一同に会して、同じ価格で取引することにする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 24 / 49

(45)

部分均衡分析

余剰分析

買い手にとっての価値から、需要曲線を導出する。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 25 / 49

(46)

買い手にとっての価値から、需要曲線を導出する。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 25 / 49

(47)

部分均衡分析

余剰分析

売り手にとっての価値から、供給曲線を導出する。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 26 / 49

(48)

売り手にとっての価値から、供給曲線を導出する。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 26 / 49

(49)

部分均衡分析

余剰分析

需要曲線と供給曲線の交点(均衡)で価格と数量が決まる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 27 / 49

(50)

需要曲線と供給曲線の交点(均衡)で価格と数量が決まる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 27 / 49

(51)

部分均衡分析

余剰分析

需要曲線と供給曲線の交点(均衡)で価格と数量が決まる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 27 / 49

(52)

需要曲線と供給曲線の交点(均衡)で価格と数量が決まる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 27 / 49

(53)

部分均衡分析

余剰分析

需要曲線と供給曲線の交点(均衡)で価格と数量が決まる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 27 / 49

(54)

需要曲線と供給曲線の交点(均衡)で価格と数量が決まる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 27 / 49

(55)

部分均衡分析

余剰分析

政府が、pより安い値段で売ってはいけないと決めたとする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 28 / 49

(56)

政府が、pより安い値段で売ってはいけないと決めたとする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 28 / 49

(57)

部分均衡分析

余剰分析

政府が、pより安い値段で売ってはいけないと決めたとする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 28 / 49

(58)

政府が、pより安い値段で売ってはいけないと決めたとする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 28 / 49

(59)

部分均衡分析

余剰分析

政府が、pより高い値段で売ってはいけないと決めたとする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 29 / 49

(60)

政府が、pより高い値段で売ってはいけないと決めたとする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 29 / 49

(61)

部分均衡分析

余剰分析

政府が、pより高い値段で売ってはいけないと決めたとする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 29 / 49

(62)

政府が、pより高い値段で売ってはいけないと決めたとする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 29 / 49

(63)

部分均衡分析

余剰分析

政府が、1冊あたり6ドルの物品税を徴収するとする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 30 / 49

(64)

政府が、1冊あたり6ドルの物品税を徴収するとする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 30 / 49

(65)

部分均衡分析

余剰分析

政府が、1冊あたり6ドルの物品税を徴収するとする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 30 / 49

(66)

政府が、1冊あたり6ドルの物品税を徴収するとする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 30 / 49

(67)

部分均衡分析

余剰分析

政府が、1冊あたり6ドルの物品税を徴収するとする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 30 / 49

(68)

政府が、1冊あたり6ドルの物品税を徴収するとする。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 30 / 49

(69)

部分均衡分析

余剰分析

市場が外に開かれた場合:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 31 / 49

(70)

市場が外に開かれた場合:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 31 / 49

(71)

部分均衡分析

余剰分析

市場が外に開かれた場合:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 31 / 49

(72)

市場が外に開かれた場合:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 31 / 49

(73)

部分均衡分析

余剰分析

市場が外に開かれた場合:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 31 / 49

(74)

市場が外に開かれた場合:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 31 / 49

(75)

部分均衡分析

余剰分析

政府が高値で買い取って、安く売る:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 32 / 49

(76)

政府が高値で買い取って、安く売る:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 32 / 49

(77)

部分均衡分析

余剰分析

政府が高値で買い取って、安く売る:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 32 / 49

(78)

政府が高値で買い取って、安く売る:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 32 / 49

(79)

部分均衡分析

余剰分析

政府が高値で買い取って、安く売る:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 32 / 49

(80)

余剰分析から、以下のことがわかる:

1 市場均衡は、総余剰を最大化する。

2 間接税は非効率性(死荷重)をもたらす。

3 消費量や生産量などの経済活動の水準とは無関係に、固定さ れた金額を徴収する一括固定税を通じた富の分配は、非効率 性(死荷重)をもたらさない

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 33 / 49

(81)

部分均衡分析

余剰分析

ただし、余剰分析については以下の点に留意:

消費者余剰が消費者の効用の総和となるためには、効用関数 に関して強い仮定が必要。

生産者余剰が生産者の利潤の総和となるためには、固定費用 がゼロである必要がある。

すなわち、

余剰分析は市場における消費者・生産者の厚生の増減につい て大まかな目安を与えてくれるに過ぎない。

しかし、どういうタイプの介入がどういう帰結をもたらすか について示唆を与えてくれる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 34 / 49

(82)

TPPでコメの輸入が自由化されることは、日本の消費者・生 産者にとって何を意味するのか?

実際のデータを使って、供給曲線・需要曲線を大雑把に書い てみて、大雑把に厚生分析することはできるはず。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 35 / 49

(83)

部分均衡分析

部分均衡分析の応用:コメの供給曲線

各農家は、1kgあたり一定の費用でコメを作れると仮定。 1kgあたりの費用は、

1 苗・肥料の代金、田植えの手伝いの委託料など、他人に支払う 必要のある費用

2 自分が所有する生産要素(自家労働、自分の農地など)への 対価

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 36 / 49

(84)

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 37 / 49

(85)

部分均衡分析

部分均衡分析の応用:コメの供給曲線

コメの生産費用は、農地の大きさに依存してきまる。

農地の広さごとの1kgあたりの生産費用は農水省が公開し ている。

農水省の統計では、自己所有する生産要素への対価は、

1 自家労働への対価:中小企業(製造業)での賃金

2 自作農地への対価:同様の土地を小作人に貸した時の土地賃 貸料

3 自己資本への対価:年利4% とされている。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 38 / 49

(86)

1 ha 未満だとほとんど割に合わない:

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 39 / 49

(87)

部分均衡分析

部分均衡分析の応用:コメの供給曲線

1 ha 未満だとほとんど割に合わない:

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 39 / 49

(88)

1 ha 未満だとほとんど割に合わない:

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 39 / 49

(89)

部分均衡分析

部分均衡分析の応用:コメの供給曲線

2 ha未満で生産をしているのはどういう農家か?

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 40 / 49

(90)

米作農家全体のほぼ9割を占めるのは、

1 ha(100m×100m)ほどの小規模の水田を持つ。

農業が本業ではなく、休日の労働や引退世代の労働でコメを 作っている。

平均すると年収は日本の中流とほぼ同じであり、農業収入は 年収のごく一部(年間マイナス 10 万円からプラス 50 万円く らい)。

経営主は高齢で、引退世代が年金をもらうかたわら米作して いるところが多い。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 41 / 49

(91)

部分均衡分析

部分均衡分析の応用:コメの供給曲線

コメの供給曲線は以下の条件に合うように設定する:

現在の価格(241 円/ kg)で現在の生産量が生産される。 他人に支払う費用はカバーできる。

零細農家以外は、自家労働や自作のうちへの対価を相当程度 得られる。

供給曲線の最低点が、最も生産性の高い企業の費用よりも 高い。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 42 / 49

(92)

図で見ると…

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 43 / 49

(93)

部分均衡分析

部分均衡分析の応用:コメの供給曲線

図で見ると…

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 43 / 49

(94)

コメ需要の価格弾力性は一定(= 0.13)と仮定して需要曲線 を描く。

現実のコメの生産量は 850 万トン。

この 850 万トンを供給した農家の費用データから供給関数を 推計。

減反政策による調整分を考慮する。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 44 / 49

(95)

部分均衡分析

部分均衡分析の応用:自由化前のコメ市場

これを描いたのが以下のグラフ:

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 45 / 49

(96)

これを描いたのが以下のグラフ:

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 45 / 49

(97)

部分均衡分析

部分均衡分析の応用:自由化前のコメ市場

これを描いたのが以下のグラフ:

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 45 / 49

(98)

これを描いたのが以下のグラフ:

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 45 / 49

(99)

部分均衡分析

部分均衡分析の応用:自由化前のコメ市場

これを描いたのが以下のグラフ:

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 45 / 49

(100)

自由化により、コメの価格が 25 %下落すると仮定:

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 46 / 49

(101)

部分均衡分析

部分均衡分析の応用:自由化後のコメ市場

自由化により、コメの価格が 25 %下落すると仮定:

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 46 / 49

(102)

自由化により、コメの価格が 25 %下落すると仮定:

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 46 / 49

(103)

部分均衡分析

部分均衡分析の応用:自由化後のコメ市場

自由化により、コメの価格が 25 %下落すると仮定:

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 46 / 49

(104)

余剰分析すると…

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 47 / 49

(105)

部分均衡分析

部分均衡分析の応用:コメ市場自由化の厚生分

余剰分析すると…

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 47 / 49

(106)

余剰分析すると…

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 47 / 49

(107)

部分均衡分析

部分均衡分析の応用:コメ市場の自由化

コメの自由化で一番恩恵を受けるのは、おそらく最も貧しい世帯。

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 48 / 49

(108)

ここまでの議論で何がわかるか?

コメの自由化に伴う消費者余剰の増加分は、生産者余剰の減 少分より大きそう。

コメの自由化でコメの生産に打撃を受けるのは、農地の面積 が 2 ha 未満の 104 万世帯。

一方で、コメの自由化で一番恩恵を受けるのは、年収 300 万 円未満の貧困層。

適切に所得補償を行ってやれば、全体の厚生を向上させるこ とは可能なはず。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎 49 / 49

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