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講義ノート(法政2017年度) 福川賢治のホームページ

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Academic year: 2018

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(1)

入門物理学 A ( 旧原子から宇宙まで I) 試験問題解答例・解説

(2017/7/20, 担当 : 福川 )

I (単位 (10 点 = 1 × 6 + 2 × 2))

(1) ∼ (6) の物理量の単位を SI 基本単位 (m, kg, s) の組み合わせで表しなさい。例えば、 密度は kg/m

3

と表される。

(1) 速度 (2) 加速度 (3) 力 (4) 圧力 (5) エネルギー (6) 仕事率 以下の単位換算を行いなさい。

(7) 53 mg = ? kg (8) 10 m2= ? cm2

(解答例)

(1) m/s (2) m/s2 (3) kg·m/s2 (4) kg/m·s2 (5) kg·m2/s2 (6) kg·m2/s3 (7) m は 103, k は 103 を表す接頭語であるので、53 × 10

3 g=? × 103 g が成り立つ。 したがって、10

3

で両辺を割る(10

3

をかけると)、53 × 10

3×103 =? となる。したがっ て、? = 53 × 106 、すなわち 53 mg = 53 ×106 kg となる。

(8) 1 m2 = (100 cm)2 = 1002 cm2 = 10000 cm2 である。したがって、10 m2= 100000 cm2

II. (速度・加速度 (15 点))

A さんと B さんは大学から伸びる直線道路上を 1.8 km 離れたところにある家に住む大 学生の兄弟である。時刻t = 0 [s] の時 A さんは家を出て、秒速 1.5 m の一定の速さで家 から大学に向かって歩き始めた。B さんは A さんの忘れ物に気づき、時刻 t = 600 [s] の 時、家から自転車に乗り、速度 0 から等加速度直線運動をしながら追いかけ始めた。 (1) B さんが追いかけ始めた時、A さんは B さんの何 m 大学側にいたか。

(2) A さんはいつ大学に到着するか。時刻を答えなさい。

(3) A さんが大学に到着するまでに、B さんが A さんに追いつくためには、ある加速度 以上で自転車を走らせる必要がある。その加速度を答えなさい。

(Hint: A さんが大学に到着する時、B さんは A さんを追い抜くか、少なくとも追いつい ていることになる。)

(解答例)

(1) B さんは秒速 1.5 m の速さで 600 秒間進んだから、(距離) = (速さ)×(時間) を用いる と、1.5 [m/s] × 600 [s] =900 [m] 前にいたことが分かる。

(2) 求める時刻を t = T [s] とする。先ほどと同じ時刻を求めると、1.5 [m/s] ×T [s] = 1800 [m] となるので、 T = 1200 . したがって、求める時刻は t = 1200 [s] である。

(2)

(3) A さんは大学に t = 1200 [s] の時に到着するので、B さんが A さんの大学到着まで に追いつくためには1200 [s] − 600 [s] = 600 [s] のうちに 1.8 km を走る必要がある。そ のために必要な加速度を a [m/s

2] とすると、時刻 t = 1200 [s] の時には、初速度 0 から 600 [s] 間加速しているので、速さは 600a [m/s] になっている。したがって、B さんの v-t グラフを書くと、それは (v, t) = (0, 600) と (v, t) = (600a, 1200) を結ぶ直線である。v-t グラフの下の面積が距離であり、それは

1

2×600 × 600a = 180000a [m] である。これが、 1800 [m] 以上であれば良いので、180000a ≥ 1800 である、したがって、a ≥ 0.01 である。 したがって、0.01 [m/s

2] 以上の加速度で車を走らせれば良い。 III. (力学全般 (35 点 = 10+15+10))

次の (1)、(2)と、(3) または (4) から 1 問 選んで説明しなさい。記号は説明の上、各自 自由に設定して用いなさい。

(1) 重力加速度を測定するにはどのようにすれば良いか。

(2) 力学的エネルギー保存則とは何か。運動エネルギー、保存力、ポテンシャルエネルギー という単語を用いて説明しなさい。

(以下選択)

(3) アリは高所から落ちても死なないが何故か。

(4) 味噌汁は冷えると容器の蓋が開かなくなるが、何故か。

(解答例)

(1) 重力加速度を測定するには、様々な方法が考えられるが、ここでは比較的ポピュラー である単振り子を用いる方法について記す。長さ ℓ の糸で単振り子を振らす場合、振り子 の振動周期 T は T = 2π

√ ℓ

g で表される。したがって、糸の長さ ℓ と 周期 T を測定す ると、重力加速度を求めることができる。

(2) ある点 (x1, y1) から別の点 (x2, y2) に移る時、一般に力のする仕事は途中でどのような 経路をとったかによるが、重力など経路によらない場合が存在する。その力のことを保存 力と呼び、仕事W はポテンシャルエネルギー U (x, y) を用いて W = U (x1, y1) − U (x2, y2) と表される。運動エネルギーの変化 ∆K = K2 K1W に等しいので、K2 K1 =

U (x1, y1) − U (x2, y2) である。したがって、力学的エネルギーは運動エネルギーとポテン シャルエネルギーの和で表されるが、それはK1+ U (x1, y1) = K2+ U (x2, y2) となり、運

動の前後で変わらない。

(3) アリが空気中を落下するときには、重力と速度 v と比例する抵抗力 kv を受けながら 落下する。したがって、アリの質量を m, 重力加速度を g、アリの加速度を a とすると、 ma = mg − kv である。したがって、アリが高所から落ちる時、右辺が 0 となる v = mg

k に最終的な速度はほぼ等しくなる(この速度を終端速度と呼ぶ)。アリの場合はこの速度が

(3)

小さいので、高所から落ちても死ぬことはない。

(4) 味噌汁の蓋をした時、味噌汁の容器の中には多量の水蒸気が含まれており、その気圧 は外部の大気圧の大きさに等しい。味噌汁が冷えてくると、その水蒸気の多くが水にな り、それだけ気体状態になっている分子が少ないので、気体の圧力は小さくなり、外部の 大気圧の大きさが優勢になる。したがって、味噌汁の蓋が開かなくなる。

IV (天動説と地動説・総合問題 (45 点))

文章を読んで、以下の問いに答えなさい。人名は特にフルネームで答えなくても良い。 16 ∼ 17 世紀の科学革命が起こるまでは、天文学では太陽系、とりわけ A 惑星の逆行運動 を円運動の組み合わせで表すことが中心的課題の一つ であった。

古代において、この課題に対する解答として提案された説のうち、主要であった説は天 動説であり、天動説は大きく分けると同心天球説と導円・周転円説に別れる。同心天球説 は各惑星について天球を複数配置し、天球の運動の合成運動により、惑星の逆行運動を説 明する模型である。この模型は、紀元前 4 世紀の人物であるエウドクソスによって提案 され、 ア により発展させられた。 ア は、その物質観や運動学を一つの 体系としてまとめ上げ、中世の学問に支配的な影響を及ぼした人物として知られている。

導円・周転円説を唱えた学者の中で最も有名な人物は、 イ である。彼は、「ア ルマゲスト」を著した。導円・周転円説は地球から見た惑星の運動を非常によく説明し、 古代・中世の天文学において主要な説となった。

地動説が復活したのは、16 世紀になってからである。このことは、後年 18∼19 世紀の 哲学者イマヌエル・カントにより、「天球回転論」を著し、地動説を復活させた人物の名 をとり、 ウ 的転回 と呼ばれた。

地動説は初めから支持されていたわけではなかったが、16 世紀末から、17 世紀初頭にか けて二人の天文学者によって大きく推進された。そのうちの一人 エ は望遠鏡で初 めて天体観測を行い、月のクレーターや木星の衛星の観測などを記した オ を刊行 した。また、B その後行われた金星の満ち欠けの観測は の学説の明白な否定 となった。更に、 カ は キ が遺した長年にわたる精密な観測記録をも とに、惑星の運動が円運動ではなく ク 軌道を描くことを発見した。このことは現 在、惑星運動の本質的な理解を与えたものと考えられている。

(1) 空欄 ア、イ、ウ、エ、カ、キに入る人名、空欄 オ に入る著作名、空欄 ク に入る図形 の名前を答えなさい。

下線部 A に関して、

(2) この課題を提唱した、古代ギリシャの哲学者は誰か。

(3) 古代から知られていた惑星を、太陽と月を除きすべてあげなさい。

(4)

(4) 下線部 B はどういうことか。簡潔に説明しなさい。

(5) 地球が太陽の周りを回る公転運動の周期は約 365.25 日 である。簡単のため、地球は 太陽の周りを等速円運動するとしよう。

(a) 公転運動の周期 365.25 日を秒単位に換算しなさい。

(b) 等速円運動の周期と角速度の関係式から、地球の角速度 ω を rad/s 単位で求めなさ い。ただし、円周率はπ = 3.142 とし、ω は有効数字 3 桁で求めなさい。

(c) 地球の公転軌道の半径は R = 1.50 × 1011 m である。地球の公転運動の速さ v と加速 度ベクトルの大きさ a を有効数字 3 桁でそれぞれ求めなさい。

(d) 地球の質量を m, 太陽の質量を M とすると、地球の加速度ベクトルは、太陽と地 球の間の大きさ F =

GM m

R2 の万有引力により生じ、その大きさは運動方程式 ma = F から決まる大きさと概ね等しいと考えられる。(c) で求めた具体的な加速度ベクトルの 大きさ a から、太陽の質量 M を有効数字 3 桁で求めなさい。ただし、万有引力定数は G = 6.67 × 1011 [N・m2/kg2] とする。

(解答例)

(1) ア. アリストテレス . プトレマイオス . コペルニクス エ. ガリレオ・ガリレイ . 星界の報告 . ケプラー

. ティコ・ブラーエ. 楕円

(2) プラトン (3) 水星・金星・火星・木星・土星

(4) プトレマイオス説だと、金星は常に太陽の方角の近くにあり、金星の面が大きく明る く地球に見えることはないが、地動説の立場では、金星と地球が太陽を反対側になり得る ので、月と同様に満ち欠けをする。

(5) (a) 1 年 = 365.25 日 =365.25 × 24 時間 = 365.25 × 24 × 60 分 = 365.25 × 24 × 60

× 60 秒=31557600 秒 = 3.1557600 ×107

(b) (a) で求めた公転周期を T とすると、ωT = 2π なので、角速度 ω は ω = T = 2 × 3.142 [rad]

3.15576 × 107 [s] = 1.99̸ 1 × 107 [rad/s] となる。 (c) 等速円運動の公式に代入する。速さ v は、

v = rω = 1.50×1011[m]×1.99×107[rad/s] = 2.99×104[m/s](秒速 29.9 km) であり、加 速度ベクトルa は、a = rω

2 = 1.50×1011[m]×(1.99×107 [rad/s])2 = 5.94×103 [m/s2] である。

(d) ma = GM m

R2 から M = aR2

G である。a に (c) で求めた値を代入すると、M = aR

2

G = (5.94 × 103) × (1.50 × 1011)2

6.67 × 1011 = 2.00 × 1030 [kg]

(5)

V. (ボーナス問題 (10 点))

講義を受けて、興味を持ったこと、話してほしかったことなどがあれば自由に記しなさい。

参照

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