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7nakawa 中和渚 ザンビア基礎学校における数学授業の学習・指導の特徴と改善に関する考察

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−  −

ザンビア基礎学校における数学授業の

学習・指導の特徴と改善に関する考察

中和 渚

(広島大学大学院国際協力研究科・日本学術振興会特別研究員)

はじめに

サブサハラ・アフリカ(以下、アフリカ)諸国の教育開発研究において学習指 導過程の詳細な分析を行った研究は少なく、ブラックボックス化している(澤村 2007)。ザンビア共和国(以下、ザンビア)でも、数学の低い学習達成度(Ministry of Education in Zambia 1996)が報告され、生徒がシラバスの標準的な内容を達成で きておらず、学習指導に問題があると指摘される(Examinations Council of Zambia 2008)も、学習指導の内実についての議論はなされていない。

そこで学習指導過程の内実を捉え、授業に内在する具体的な課題を明らかにするこ とが教育の質向上へ繋がる第一歩となりえる、という立場から、本稿ではザンビアの 第6学年の数学授業を事例として学習や指導の実態や改善点、問題点を解明する。学 習や指導の特徴を同定する手段として、ザンビア国内における数学学習に関する研究 事例が少ないことを鑑み、アフリカ諸国における数学授業を扱った先行研究と照合し て、本稿の事例の特徴を浮かび上がらせる。本稿では、授業に関する先行研究を整理 した上で、アフリカ諸国における数学授業の学習と指導の特徴と改善を記述する。次 に、本研究の事例と先行研究の結果を照合・比較することを通して、本稿の実践事例 における学習指導の特徴や、教授的改善点と課題点について論じる。

1

.アフリカ地域における授業分析研究

アフリカ諸国の授業に関する研究は少ないながらも注目に値するものも幾つか存在 する。例えば、Hardman et al. (2008) は先行研究を精査することで授業に焦点を当て て研究を行う必要性を論じている。Hardman et al. (2008) はアフリカをはじめとする 開発途上国における子供の学習の質は、家庭や社会などの学校外の要因よりも学校に よる影響を受けやすい(Scheerens 2000; Verspoor 2003)とし、教育の質は教室の教 授学的過程を通して最終的に保障されることを鑑み、学校や教室レベルにおける介入 や研究が必要である(Craig et al. 1998; Verspoor 2003)と主張した。

同様に、教室で何が起こっているのかを無視して、生徒の学習参加促進や学習改善 のための方策を政策段階で行うことは意味を為さない(O-saki & Agu 2002)という 見解もある。その他、授業の内実を見る際に、学習リソースや教師教育の量・質の確 保が難しい開発途上国の文脈において、学習指導の質向上を目指した相互作用の質の 質を確保することが重要で、その前段階として授業の現状を明らかにする研究が必要 である(Carron & Chau 1996)と指摘されている。

3B࢔ࣇࣜ࢝ᩍ⫱◊✲SGI 

(2)

−  −

そしてアフリカ諸国における授業に関する先行研究は、教授言語に関する研究やプ ロトコルを用いたディスコース研究が多い。対象地域はボツワナ(Rowell & Prophet 1990; Fuller & Snyder 1991; Arthur 1996)やケニア(Cleghorn et al. 1989; Bunyi 1997; Ackers & Hardman 2001; Pontefract & Hardman 2005)、タンザニア(O-saki & Agu 2002)、ナイジェリア(Hardman et al. 2008)、レソト(Moloi et al. 2008)が挙げられる。 言語に焦点を当てた先行研究で教授言語の問題を扱ったProphet (1995) は、ボツワ ナの中等段階コミュニティスクールにおいて、英語によるカリキュラム実施状況を検 証するために学習と指導に関する考察を行った。その結果、授業では全体指導と教師 による一方的な説明が大部分で、生徒は黙って学習したことを明らかにした。また、 教師と個別生徒の関わりや誤答した生徒に対する改善指導が皆無であると言及した。

言語と相互作用に関する研究を精力的に行っているHardman et al. (2008)は、ナイ ジェリアの初等学校において教室の相互作用に焦点を当ててディスコース分析を行っ た。42の授業分析の結果において生徒の理解を無視した教師の説明、暗証、暗記学習、 反復学習が行われていた。Prophet (1995) と同様、Hardman et al. (2008)が扱った授 業では教師の個別生徒との関わりは稀であった。この特徴は他でも同様に議論されて いる(Claghorn et al. 1989; Bunyi 1997; O-saki & Agu 2002)。

ザンビアにおける授業に関する研究は上述のアフリカ諸国のものに比べても少な い。池谷(2009)は基礎学校の数学授業の言語活動に焦点を当てて、教師・生徒への アンケートと授業プロトコルによる分析を行った。その結果、授業の傾向は教師の発 話中に閉じた質問が多く、生徒は一言で解答する形式の教師中心であることが示され た。

これらを踏まえるとアフリカ諸国における授業の特徴は教師中心であり、生徒と教 師の相互作用が少ないといえる。この教師中心、相互作用やコードスイッチングとい う観点をもとに、筆者とザンビア人教師が行った授業実践を振り返り、授業の特徴や 改善事項を以下で議論する。

2

.授業実践に関して

2.1.

調査枠組みと分析手法

調査枠組みはアクション・リサーチ(Ball 2000; Feldman & Minstrell 2000; 秋田・ 市川2001; Herr & Anderson 2005; 秋田・能智2008)を援用した。現地教師と筆者が

「授業計画・授業実施・授業反省・改善・次の授業計画」サイクルを23回繰り返した。 そこでは現地教師と筆者が共に授業計画と評価に関する議論を行い、教師が授業を実 施した1

2009年1月から2009年2月にかけて首都ルサカの公立のL基礎学校において授 業が実施された。本調査対象校は首都の中心部近郊に位置する、生徒・教師数が最も 多い学校で、授業の対象は第6学年2の1クラス34名であった。授業ではWittmann &

Muller (2000)が開発した教材を用いることで四則計算の練習と推論・探究・議論といっ

た数学的応用力の育成を目指した3

3B࢔ࣇࣜ࢝ᩍ⫱◊✲SGI 

(3)

−  −

さて先行研究における授業分析の手法は、プロトコルから発話分析を行い、授業の 傾向を量的に求める方法と、焦点づける内容に絞ってフィールドノーツを用いて観察 結果を質的に述べる方法の2種類に大別され、それらは研究の目的によって単独で用 いられたり、組み合わせられたりしていた。

本稿では、生徒と教師の相互作用過程の詳細を多面的に捉えるために、双方の手法 を採用した。質的分析はビデオやプロトコルにもとづき教師、生徒、教材の観点から 数学的な話し合いに注目した。量的分析は池谷(2009)の枠組みを援用して開かれた 質問・閉じられた質問・説明・一言による解答等の分類などの発話コードを用いて、 授業全体の発話分析を行い、生徒と教師の相互作用の傾向を調べた。この量的・質的 な分析方法は他の先行研究でも用いられた手法で(参考:Prophet 1995; Hardman et al. 2008; Moloi et al. 2008)、ゆえに先行研究の結果は本研究の事例結果を議論する際 に参考になると判断した。無論、対象国が異なれば文脈や背景も異なることは当然で ある。それでも先行研究が殆どないザンビアの現状を考える上でこの作業によって授 業の傾向や改善点や課題点が相対的に明らかになると考えた。

2.2.

量的分析における授業の全体的傾向 

表1、表2に授業における教師と生徒の発話コードの平均割合を示した。

教師の発話コードでは「閉じた質問(CQ)」(23.02%)の割合が最も高く、次いで

「指示(Inst)」(16.20%)、「確認(Cmf)」(15.87%)、「説明(Xpl)」(14.72%)の割 合が高かった。「閉じた質問」では計算の答えを生徒に尋ねる質問が主要であった。「指 示」は生徒へ問題への取り組み方を導くものや、前に出て説明しようとする生徒に対 して発表の仕方を指示する場合が挙げられる。「確認」は問題を解いた際に「彼(彼女) は正しいですか?」「答えは正しいですか?」と正誤を聞く場合が主であった。

表 1 教師の発話コードの平均割合(%) 表 2 生徒の発話コードの平均割合(%)

1ᤵᴗᖹᆒ๭ྜ䠄%䠅

CQ 㛢䛨䛯㉁ၥ 23.02

Inst ᣦ♧ 16.20

Cmf ☜ㄆ 15.87

Xpl ㄝ᫂ 14.72

Agr ྠព 6.93

OQ 㛤䛔䛯㉁ၥ 5.72

Po ⏕ᚐ䛾ᣦྡ 5.40

Enc ㈹㈶䜔ບ䜎䛧 3.45

Jst ⏕ᚐ䛾Ⓨゝ䜈䛾ᢈุ䜔ṇᙜ໬ 3.42

Oth 䛭䛾௚ 3.10

Cl ᢿᡭ䜔ḷ 1.80

Imp ⪺䛝ྲྀ䜚୙⬟ 0.35

䝁䞊䝗 1ᤵᴗᖹᆒ๭ྜ䠄%䠅

Num-T ༢⣧䛺ᛂ⟅2䠄ᩘ䜔༢ㄒ䠅ᩍᖌ䛻ᑐ䛧䛶 35.56 Yn-T ༢⣧䛺ᛂ⟅1䠄䛿䛔䞉䛔䛔䛘䠅ᩍᖌ䛻ᑐ䛧䛶 32.72 Num-S ༢⣧䛺ᛂ⟅2䠄ᩘ䜔༢ㄒ䠅⏕ᚐ䛻ᑐ䛧䛶 6.58

Qst-S ⏕ᚐ䛻ᑐ䛩䜛㉁ၥ 5.55

Wri-T ᩍᖌ䛾ၥ䛔䜔ᣦ♧䛻ᑐ䛩䜛グ㏙䜔䝆䜵䝇䝏䝱䞊 4.62

Op-T ᩍᖌ䛻ᑐ䛩䜛ពぢ 4.29

Rd ཯᚟䜔ㄞ䜏 2.59

Na-T ᩍᖌ䛻ᑐ䛩䜛ỿ㯲 2.40

Cl ᢿᡭ䛸ḷ 2.14

Oth 䛭䛾௚ 1.33

Imp ⪺䛝ྲྀ䜚୙⬟ 0.81

Op-S ⏕ᚐ䛻ᑐ䛩䜛ពぢ 0.55

Inc ୙᏶඲䛺ゎ⟅ 0.44

Qst-T ᩍᖌ䛻ᑐ䛩䜛㉁ၥ 0.33

Na-S ⏕ᚐ䛻ᑐ䛩䜛ỿ㯲 0.04

Po ⏕ᚐ䛾ᣦྡ 0.04

Yn-S ༢⣧䛺ᛂ⟅1䠄䛿䛔䞉䛔䛔䛘䠅⏕ᚐ䛻ᑐ䛧䛶 0.00 Writ-S ⏕ᚐ䛾ၥ䛔䜔ᣦ♧䛻ᑐ䛩䜛グ㏙䜔䝆䜵䝇䝏䝱䞊 0.00

䝁䞊䝗

(注)これらの発話コードは池谷(2009)をも とに、本研究の事例に合わせて細かく 分けて設定し直したものである。

(出所)筆者作成 (注)表1に同じ。(出所)筆者作成

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(4)

−  −

生徒の発話コードで際立って高い割合であったカテゴリーは「教師に対する数や単 語への返答(Num-T)」(35.56%)と「教師に対する「はい」「いいえ」の返答(Yn-T)」

(32.72%)の2つであった。Num-Tは教師の発話タイプの「閉じた質問(CQ)」に対 する返答で、Yn-Tは教師の「確認」「指示」「同意」などに対して返される返答であった。 対照的に「生徒に対する沈黙(Na-S)」(0.04%)、「生徒への指名(Po)」(0.04%)、「生 徒の質問に対する「はい」「いいえ」の応答(Yn-S)」(0.00%)、「生徒の意見に対するジェ スチャーや記述(Wri-S)」(0.00%)といった生徒同士の相互作用はほとんど、もしく は全く見られなかった。

高い割合と低い割合のコードの比較から、全体的に生徒同士より生徒と教師の相互 作用が大部分を占めていた。一方で3、4番目に高割合であったコードは「生徒に対 する数や単語の応答(Num-S)」(6.58%)「生徒に対する質問(Qst-S)」(5.55%)に 当たり、Na-S、Po、Yn-Sと比べれば高割合であった。Num-SやQst-Sは、発表する 生徒が計算式を読み上げ(Qst-T)、それに残りの大部分の生徒が答える(Num-S)形 式で、両者は対の関係であった。その内容に注目すると教師と生徒による「閉じた質問」 と「数や単語の単純な応答」のやり取りと同じであった。

この結果と、池谷(2009)の授業分析結果を比較すれば、教師の閉じた質問と生徒 の単語・数字で答える割合が高かったことが類似点である。授業の特徴として数式の 答えを片言で答える数学的なやり取りが、授業で最も頻繁に行われていた。

相違点は「開いた質問(OQ)」は池谷(2009)において全ての授業で0.0%であっ た一方、本事例では5.72 %であった。これを頻度に換算すれば1授業で教師は答え が1つに定まらない質問を約9回生徒に投げかけていたことになる。また、生徒同士 の質問や解答(Num-S、 Qst-S)に関しては池谷ではほとんどなく、本事例では生徒の 2大発話コードに次ぐコードであった。つまり生徒同士の相互作用は一問一答中心だっ たことは否めないが、学びの様式が池谷(2009)とは異なっていたといえる。

これらの授業分析から以下の諸点が明らかになった。まず、授業の全体的な傾向と して教師が一問一答方式で答えを尋ね、生徒が数や単語で答える単純な相互作用が授 業において主要であった。第二に、生徒同士の相互作用や教師の開いた質問など授業 の発話種類に若干の多様性があった。そこで第二の点に関して次の質的分析でさらに 細かく見ていく。

2.3.

質的分析における授業の考察

授業を内容別に3つに分けて指導と学習についてプロトコルやインタビュー結果を 用いながら述べる。

1)前期授業について(第1時限から第4時限)

前期授業では生徒が問題の意味を把握して正確な計算を行うことが目標であった。 教師はルールを生徒から引き出そうと質問したものの、表3のように教師の説明に対 して生徒は沈黙し、教師の問いかけに「はい」と応答する授業が展開された。

3B࢔ࣇࣜ࢝ᩍ⫱◊✲SGI 

(5)

−  −

表 3 教材の足し算のルールを確認する場面での教師と生徒のやり取り(第2 時限)

表 4 Mose が足し算を解く場面(第 4 時限)

また、生徒からの発言数は少なく、教師と会話した生徒全員が成績上位で、英語を 話すことができた。教師はこの状況を「生徒の反応を待つ必要がある」(2回目インタ ビュー)と反省し「シラバスの内容が生徒に理解されていない場合は時間をかける必 要がある」(2回目)と振り返った。英語に困難を抱える生徒たちに対しても「コード

T 15 . ?

Ss 4

T 4. 2

Ss (

T 6

Ss T Ss

T ( :

( :

Ss

(出所)筆者作成

T Mose

T Mose

Ss ( 7 )

T

Ss T Ss T Ss T Mose 95

T Ss

T 75

Ss T Mose 5 + 5

T Mose 10

T

Mose 7 + 1 Ss (

T Mose 8

T 1

Mose 10 Ss

T Ss (

(出所)筆者作成

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(6)

−  −

スイッチングを積極的に用いる必要がある」(3回目)と改善を示唆した。

生徒の授業参加を目指し、教師はコードスイッチングを用いて、生徒たちが黒板で 説明を行う指導を行った。成績中位のMoseが黒板で15+75を行う場面(表4)では、 15+75を計算した際に他の生徒が「間違っている」と言い、教師はMoseに計算の 過程を説明させた。Moseの説明は数式・数を片言で話し、大部分の生徒は「はい」「い いえ」による応答で授業に参加した。それに対して教師は生徒が躓いた計算の過程を 重要視して、生徒自身に説明させ、それらを支援する態度で接した。また、他の生徒 が発表者を揶揄する場面では教師が生徒達を制止する場面もあった。

表 5 生徒が数列を見つけて説明を行う場面(第 11 時限)

T

Ss ( 10

T Tika

Tika 2,2, T

Tika 2,2 2

T

Tika 2,2,2,2,2

T (

Tika 2,2,2,2

T Tika

Ss

T 2 2 2 2 (

Ss 1,1,1

T

( 2,2

Nori 3 + 5 = 8 Ss (

T Ss

T Mose

Nori 3 + 5 = 8, T

Nori 8 + 5 = 13 T

Nori 13 + 5 = 18 T

Ss ( T Ss

T 3 5

T, Ss 8, 13,18. T

Ss 5

T 5

(出所)筆者作成

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−  −

2)中期授業について(第5時限から第10時限)

中期において教師は生徒に積極的発言を促した。「協同学習を行うことができるか もしれない。よくできる生徒が、できない生徒を教えるような場面」(4回目インタ ビュー)を計画した。実際には「反復して理解できる生徒と、非常に理解が早い生徒と、 概念理解に時間を要する生徒がいる」(6回目インタビュー)と指導の難しさを実感し ながらも、コードスイッチングを多用し、グループやペアワークを取り入れた授業を 展開した。すると次第に、成績下位の生徒たちも積極的に発言を行うようになった。

表5は教材の構造の中に隠れていた数列を探す発見学習(答えは1つではなく発見 によって数多く正解がある問題)場面である。成績が下位の生徒Tikaが「2、 2、 2、 2」 を不適切な場所から見つけ、誤答した。教師はコードスイッチングを使いながらTika に問題の意図を理解させようと、正しい位置の数列を探すように支援した。次に指名 されたNoriは、教材に埋め込まれていた別の数列の規則(足す5)を含み解答した。 TikaやNoriが数字、数式、ジェスチャーを用いた発言を行い、教師が間に入り補 足することで、他の生徒へその意味を伝えようとした。その他、教師は生徒が問題を 解く過程で「素晴らしい」と支援し、他生徒の揶揄についても注意した。

表 6 個別指導の場面(第 13 時限)

T T S T T

T Medy

T Banister 10 88

T (Assin T Ss Ss Ss T T T

T Eliza 18 +19=

T Ss T

T (Lydyia

T (

T 1 2 3 4

Mose T Mose&Shu

T 4

( Goodson

Mose

T (

(出所)筆者作成

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(8)

−  −

表6は生徒が演習問題を問いている際に、転入してきた生徒や学習遅滞児に対して 教師が助言した場面である。他にも、早く終わった成績上位の生徒達のノートを回収 する際に、解答の過程を説明させる場面もあった。

初期からの変化として、中期では教師は生徒への個別指導を行ったり、個々の生徒 の学習に目が行き届くようになった。

3)後期授業について(第11時限から第14時限)

後期では教師は引き続き生徒の学習参加を促しながら、主体的な学習の展開を目指 した。しかし「かけ算」の内容では生徒の計算能力が低く、教師が説明する場面が目立っ た。また、中期に行われていた教師と生徒の相互作用も減り、全員で答えや方法を復 唱する場面が目立つようになった。例えば問題を解く前に教師が生徒に問いかけてい る部分で、表7では教師が生徒に問題や単語を反復させた。3桁×1桁の問題を解く 中で8×4をたずねる場面(表8)では、この内容が第2学年の既習内容に関わらず 生徒は何度も誤答した。

このようにシラバスでは既知の内容であっても生徒が理解していない問題を扱う場 合、主体的に問題を解くことや相互作用が難しくなった。

2.4.

授業進行と指導・学習の変化

以上の授業観察から教師と生徒の相互作用、コードスイッチング、生徒の授業参加 に関して先行研究と照らし合わせて考察する。

1)教師と生徒の相互作用について

表1から表8より、教師が話す頻度が生徒のそれに比べて高かったといえる。教師 は「わかっていますか?」と確認して生徒が「はい」と答える「確認―応答」や、生 徒が繰り返し復唱する頻度が高かった。生徒による「はい」の応答は理解の有無に関 わらず、教師や黒板を見ない機械的なものであった。同様に後期の例のように答えや 用語、英単語の復唱も多かった。

この点は量的分析の結果とも合わせて、先行研究が述べていた教師が中心の授業や、 全体指導が多い授業(O-saki & Agu 2000; Prophet 1995)と類似した傾向であった。 ケニアでも教師が授業で長く話した後、生徒に質問するという授業が多く、生徒の学 習は質問への応答、復習や復唱であった(Bunyi 1997)。Hardman et al. (2008) は復唱 を、生徒の学習参加を促すが認知的・言語的発達をどれだけ促進する学習指導なのか 疑問視した。  

それに対しこの特徴は伝統や権威に対するアフリカ独特の尊敬の表れで、文化的な 振る舞いである(Prophet & Rowell 1993; Cleghorn et al. 1989)とみなしたり、特にサ ブサハラ・アフリカ地域では特徴的である(Hardman et al. 2008)とみなす見解もある。 しかし、その理由は分析されていない。

一方で先行研究の結果とは異なる点が2点観察された。第一に授業中期から後期に かけて教師と生徒の相互作用が盛んに行われた。教師は「どんなふうにやった?」「な ぜそうなるのですか?」「何をしているのか説明して下さい」といった理由や手順を

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(9)

−  −

尋ねる質問を取り入れて、生徒が意見や考えを言うような機会を与えた。また、授業 中期の例のように誤答の場合でも、その誤答の過程や計算の過程を生徒の理解に合わ せて授業で取り扱う場面もあった。つまりこの点は、事実や命題などの知識を確認す る点が強調される授業(Hardman et al. 2008)とは異なり、生徒の数学学習過程や学 習進度をより重視した授業であったといえる。

表 7 問題を解く場面(第 22 時限)

表 8 かけ算を解く場面(第 22 時限)

T 384

Ss 3

T ?

Ss 3

T (horizontal) Horizontal

Ss Horizontal T ( Horizontal Ss

T vertically Vertically

Ss Vertically

T 384×3

( Ss

T

Ss Vertically

T Vertical vertically Ss

T Ss

(出所)筆者作成

T (2ᅇ┠䜢ᣦ䛧䛶䠅䠄⌧ᆅㄒ䠖ḟ䛿䠅We do 288 by? Ss 4

T 288 by? Ss 4

T 䜟䛛䜚䜎䛧䛯䚹䛭䜜䛷䛿䚸4 × 8䛿䠛 Ss 䠄ỿ㯲䠅

T 4 × 8䠛䛿䛔

S 8

Ss 䛘䞊

Ss 䠄ᣲᡭ䠅 T 䛿䛔䚸Zodu Zodu 24

T 8×4…஑஑⾲䚸䛭䛣䛻䛒䜚䜎䛩䛛䠛䠄⪺䛝ྲྀ䜚୙ྍ䠅8 㽢 4䠛 䛿䛔䚸Shupi Shupi 28

T 28,䚷ᮏᙜ䛻䛭䛖䛷䛩䛛䠛 8 × 4䠛 䛿䛔

S 31

T 䛒䜜䚸㈗᪉㐩䚸୍䛴䛪䛴ᩘ䛘䛶䜛䛾䛷䛿䛺䛔䛷䛩䛛䠛

S 䛿䛔

T ୍䛴䛪䛴ᩘ䛘䛶䛔䜛䜣䛷䛧䜗䛖䚹Annie Annie 32

T 32, 8 × 4䛿䠛 Ss 32

䠄ᩥ⬦䛻㛵ಀ䛺䛟ᣲᡭ䜢䛧䛶䛔䜛⏕ᚐ䜢ไṆ䛩䜛ሙ㠃䠅

䠄⏕ᚐ䛾㢼⣖䜢ὀព䛩䜛ሙ㠃䠅

(出所)筆者作成

3B࢔ࣇࣜ࢝ᩍ⫱◊✲SGI 

(10)

−  −

この相互作用は、授業を作り上げる上で筆者と教師が常に意識していたことで、振 り返り時の教師のインタビュー「もし、教師が沢山話しすぎてしまうと、生徒からの 発言は限定されてしまう。」「生徒の授業参加度も高まっている。」(7回目インタビュー)

「2、3人しか今日は理解できていなかった」(12回目インタビュー)「授業参加が今日 は昨日よりよかった」(13回目インタビュー)から、生徒がどのように授業に参加し ているのか、生徒の理解が促進されているのかを教師自身が反省的に捉えることが影 響したと考えられる。

第二に個別指導の実施を指摘する。授業初期において「各生徒の学力差が大きい」 ことが筆者と教師の間で共有され、教師自身が個別指導の必要性を自覚するように なった。当初はMoloi et al. (2008) と同様、練習問題を出した際に教師が椅子に座り、 生徒が問題を解くのを待つ様子が観察された。しかし中期では「Richardには個別指 導が必要だ」(8回目インタビュー)と振り返った後、常に生徒の学習活動を確認し、 躓く生徒に関して個別指導を行うようになった。

この改善点に対して教師は最終インタビューで「私は、当初はどんなふうに生徒が 考えるのかを気にしていなかった。それが、研究者との話し合いを積み重ねていくう ちに、反省的にもなり、生徒の反応を待つことが必要だと思えるようになったのです」

(24回目インタビュー)と述べた。また、「生徒に話す機会を与えてあげることで、彼 らが手順を示したり、説明したりすることができるということが分かった。私はそれ を頭ではわかっていたつもりだったけれども、実際はわかっていなかったということ がわかった」(24回目インタビュー)と述べている。

これらのことから、教師自身の考え方が授業実践や研究者との話し合いによって 徐々に変化していき、その変化が教師の指導の態度や指導法の改善に繋がったと考え られる。この教員の変化や支援的態度に関しては、これまでの授業分析の研究では述 べられていなかった点である。このような教師の反省的思考は教師教育分野において 授業改善のための重要な布石になると捉えられており(参考:ショーン2001)、途上 国の文脈においても研究の余地があると考えられる。

2)コードスイッチング

他の教授言語に関する研究(Bunyi 1997; Kasule & Mapolelo 2005; Hardman et al. 2008)と同様、教師はコードスイッチングを多用した。教師は「低学力の子どもが指 導内容を理解できないのはなぜなのか?」ということを考え、「生徒の現状に合わせる」

(2回目インタビュー)ことを意図してコードスイッチングを行った。教師は確認のた めに英語と同内容の現地語で復唱する場合と、生徒を励ます、冗談を言う、叱るといっ た感情を表現する場合に現地語を使用した。英語と現地語による復唱は教師が全体で 説明する際になされた。その他にも英語の会話ができない個別の生徒が指名された場 合に教師は現地語で応答した。

教師は、「現地語による指導は生徒の学習参加の促進と言語能力を考慮して行われ るべきである」と信じていた。その理由に生徒の現状を理解する必要がある点を強調 した。「恥ずかしがっている生徒の心を開いてやるために、彼らの言語で表現するこ

3B࢔ࣇࣜ࢝ᩍ⫱◊✲SGI 

(11)

−  −

とを私が励ましていく必要がある。だから、彼らが少なくとも授業中に何か言うこと を許可するように教師である私が(使用する言語に関して)柔軟でなくてはならない」

(12回目インタビュー)と述べた。

そして実際に教師が現地語を使うことで消極的な生徒や発言を控える生徒が発言を する際の一助となり、現地語で話すことを躊躇しなくなる様子が観察された。英語で コミュニケーションができる積極的な生徒達も、理由を説明する際には英語ではなく 現地語を使用した。

この点を踏まえれば数学的に説明する、話し合うといった応用力を育成する際に子 どもの発言を促すコードスイッチングは効果的な方法とみなされる。これはザンビア の教授言語に関するインタビュー調査結果である「初等学校で指導する教師達は、認 知的発達を促すためには現地語による教授が有効であると考えており、低学年の学習 指導は現地語で行っていた」(Nkosha 1999)点と一致している。先行研究ではナイジェ リアの初等学校におけるアンケート調査において、教師の自己申告よりも多い全体の 授業の4分の3で現地語が使用されていた4(Hardman et al. 2008)と明らかにされた。

Arthur (2001) のボツワナとタンザニアの調査においても、教師がコードスイッチング

を使用すると述べた頻度よりも多く現地語を使用していたことを指摘した。Dembele

(2003) は現地語と旧宗主国の言語の双方の使用は、文化的背景や知識の重要性を認め、

積極的な生徒の学習参加を促し、ひいてはアフリカ諸国の教育の質を改善するための 重要な役割を果たすと述べた。これらよりコードスイッチングが授業方法として頻繁 に使用され、また学習効果が学習参加を促す方法だとしている。

一方で、ケニアの初等学校の母語、公用語のスワヒリ語、英語を用いた授業やコー ドスイッチングを行った授業を観察したBunyi (1997) は、教授言語は変化したものの 授業の形態は変化しなかったと述べた。つまり言語に関わらず教師が中心の知識伝達 型の学習指導が行われたのである。

本稿で扱った授業においてコードスイッチングは生徒の授業参加を促進したり学習 への障害を取り去る意味で有効である点は間違いない。しかしそれ以上に重要な点は、 生徒が理解しやすい言語の使用と共に、内容をどう教えるかという点を考慮すること であろう。さらに、常にコードスイッチングを行うのではなく、コードスイッチング を学習の足場作りと捉えれば、次の段階としてその足場を段階的に取り去るような戦 略的使用が必要であろう。

総じて内容の反復や冗談、励まし、叱咤やコードスイッチングは学習改善へと繋が る鍵となる生徒の学習参加を促進し、情意面を育成する1つの有効な方法である。し かしむやみにそれらの方法を用いるのではなく、生徒が学習内容をより理解しやすい ことを念頭に、コードスイッチングや生徒を励ます方法が戦略的に使用され、内容を より充実させる必要がある。本事例においてもコードスイッチングの指導が生徒に とって有効であることは共有されたものの、コードスイッチングを方法として捉え、 どのような数学的な語りかけをすべきか、という内容面については議論が深まらな かった点が問題であった。

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3)生徒の授業参加

初期と後期での生徒の様子を比べると、教師と生徒の相互作用やコードスイッチン グにより、生徒達は積極的に授業参加するようになった。生徒が授業中に気軽に話す ことができる環境を教師が創りだした点や、成績下位の生徒が黒板で説明を行うよう になった状況は「生徒と教師のやりとりが極めて少なく、生徒は黙って作業を行う場 合が多い」という先行研究の結果とは異なった(Moloi et al. 2008; Prophet 1995)。確 かに生徒の発言頻度は教師と比較すると低かった。しかし、やり取りの中で英語を話 すことができない子供は現地語やジェスチャーといった非言語コミュニケーションを 行っており、一概に話す分量のみで生徒の授業参加の度合いを決めることはできな かった。

池谷(2009)は発言の頻度が低い生徒に注目して生徒の授業参加度が低い理由を分 析したところ、生徒達が発問を受けた際に単語や数字、「はい」「いいえ」の反復を行い、 最後に誤答や沈黙が繰り返されると述べた。その後、生徒が沈黙したり発言行為が乱 れた場合、他の生徒が中傷したり教師が罰を与えたりすることで誤答への不安が生ま れ、消極的な授業参加に繋がってくることを指摘した。しかし、本事例では生徒の揶 揄を教師が注意することで、生徒同士が誤答を尊重できる環境作りを行った。この試 みの背景には、授業反省時に抽象的な授業評価から教師が個別生徒の評価を具体的に 述べるように変わったとともに、個別生徒を支援する介入を行った点も関わってきた と考えられる。実際、教師が「R(筆者)が生徒達の名前を最初から覚えていたのに対 して、自分は全く覚えていなくて恥ずかしかった」(12回目インタビュー)と述べて いた。これらの気づきや指導の試行錯誤の結果、成績が下位の生徒や英語を上手く話 すことができない生徒達も、少しずつ発言を行うようになった。

その上でさらなる問題として学力が低い生徒達は出題された問題を理解せず文脈と 関係のない操作を行ったり、教師や他の生徒が文脈や意図を捉えることができない発 言を行ったりした点を挙げたい。教師が生徒の学習に寄り添う支援や学習参加を生み 出す指導の工夫は、逆に授業の統制が難しい状況を生み出すことにもなった。さらに 積極的な授業参加によって生徒達の数学に対する情意的側面は改善されたものの、生 徒達の数学的・認知的変容に大きく影響を与えたかどうかについては教科教育の視点 から別稿にて議論する必要がある。

おわりに

筆者と現地教師が行ったザンビアでの数学授業を事例として、授業における教師と 生徒の相互作用や学習学習の特徴を改善点とともに議論した。その結果、本事例にお いて先行研究で指摘された教師中心型の授業、コードスイッチングの多用といった特 徴と合致した。他方で、先行研究では見られなかった相互作用を行った指導や教師の 反省的視点が授業改善サイクルの繰り返しによって改善した形で現れた。

先行研究では受け身な生徒の学習が描きだされ、本事例でも同様の傾向があったも

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のの、質的な分析により積極的な生徒の授業参加や数学的に深まりを持つ話し合いの 場面が浮かび上がった。

課題として、コードスイッチングや生徒の学習参加を促すような指導の質を高める 学習指導の事例を積み上げる必要があるといえる。そのために、個々の事例ベースで 教科で重要な意味を持つ相互作用の内実を描き出す研究を、現地教師と共に地道に行 う必要があるだろう。そのような研究が蓄積されることで、途上国の授業が豊かなも のになると考える。

謝辞

本調査は2009年1月から2月にかけてザンビア大学教育学部インターンシップ中 に実施されたもので、かつザンビア教育省認可の下実施された。ザンビア大学のタバ カムラム氏をはじめとする講師の方々には研究に対するご助言を賜った。また、共同 で研究に参加して下さった基礎学校の先生と参加してくれた生徒たちに感謝の意を表 したい。本論文は日本学術振興会特別研究員DC2「国際協力分野の数学教育開発にお ける途上国での内発的授業開発研究」(課題番号21−6986)の研究成果の一部である。

1 介入事項は反省時に教師が具体性を持った反省ができるように生徒個人の学習の様子を話 し、数学内容に関する議論を反省時に提案し、教師と話し合った。授業において教師が 質問してきた数回を除き介入しなかった。

2 予備調査と現地教師との話し合いによって、学年を決定した。郡の教員センター長の推 薦により教師を選出した。学校は2007年度における第7学年国家試験の平均合格率が 34.2%(全国平均60.3%、ルサカ州平均55.4%)で平均以下であった。本研究では長期調 査を受け入れてくれる学校と協力教師を探しており、研究の意図と選定は合致した。 3 ザンビアのシラバスと対応している内容を選んだ。 

4 教師へのアンケートでは、23%がコードスイッチングを使用すると言ったが、授業では 全体の4分の3の分量がコードスイッチングを行っていたことが判明した。

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参照

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