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基礎講座(工学院2016年度) 福川賢治のホームページ

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(1)

基礎講 物理 ( 物理学 2 対応 先進 学部 情報学部対象 )

担当 : 福川賢治 (https://sites.google.com/site/kfukukawa00/kogakuin)

1 回 ニュ トン 法則 (6/13)

1. 運動方程式

2. 要素

3. 様々

2 回 運動方程式 一定 力を け 運動 (6/20)

3 回 仕 エネ (6/27)

4 回 エネ 保存則 (7/4)

5 回 単振動 (7/11)

1

(2)

運動 法則

物体 質点 あ 時 ( 物体 十分 小さく 点 あ 時 )

以 法則 立

第一法則 ( 慣性 法則 )

物体 力 働 い 静 い 物体 静 あ

動い い 物体 一定 速 ( 加速 ) 一直線 を動 続け

( : 物体 運動状態を保 性質を慣性 呼ぶ )

第 法則 ( ニュ トン 運動方程式'

質点 加速 物体 力 比例

質量 m を右 式 定義 �� =

第 法則 ( 作用 反作用 法則 )

質点 A 質点 B 力を及ぼ 時 ( 作用 )

時 質点 B 質点 A 大 さ 逆向 力を及ぼ ( 反作用 )

こ 力 一作用線 あ

2

(3)

質点 い

1. 考え 良い 質量 良い物体

2. 大抵 物体 遠く ば質点 質点を中心 扱う

3. 物体 自転や 建築物等を扱う時 さを考え 必要

質点 扱うこ い 質点 積 重 積分を用い 記述

( 剛体 力学 弾性体力学 流体力学 )

慣性 法則 運動方程式 関係

運動方程式 � = 0 � = 0

一見 慣性 法則 不要 見え

標系自体 加速 運動 い 時 ( 加速 系 ) 慣性 法則 立 い

慣性 法則 立 標系を慣性系 ( 静 系 等加速 運動 系 ) 呼ぶ

運動方程式 慣性系 立 非慣性系 修 必要 あ ( 慣性力 )

慣性 法則 運動を記述 標系を規定

3

(4)

運動方程式 単位

SI 単位 : 力学 用い SI 基本単位 3 ( 全部 7 )

m ( ) kg ( ) s ( )

質量 SI 単位 : [kg]

加速 単位 : ( 加速 )=( 速 変化 )/( 時間 ), () = ( 位置 変化 )/ ( 時間 )

従 単位 [m/s 2 ]

従 力 単位 [kg m/s 2 ] ニュ トン [N] いう別 付い い

1 kg 1 m/s 2 = 1 N (SI 組立単位 )

= �� 微分を用い 書く = �

辺 通常 時間 t 位置 関数 � �, �, �

運動方程式 ( 微分方程式 ) を解く 物体 運動 決定 ( 予言 ) (1)

4

(5)

力 要素

力 要素

1. 2. 3. 作用点 ( 働い 場所 着力点 いう )

力 示 力 矢印 始点 力 作用点 あ

力 合 分解

力 ベ ト 足 算

一 質点 2

� 2

を合力 呼びを求 操作を力 呼ぶ

一方力 質点 い 時 分け こ

を求 操作を力 分解 呼び

を分力 呼ぶ 合 異 分解 方法 無数 あ

5

(6)

重力

重力 ( 電磁気を考え け ば ) 唯一 遠隔力 あ

体 地球 々 間 万有引力 (+ 地球 自転 遠心力 )

自由落 運動を引 起こ 力 あ 重力加速 g = 9.8 m/s 2

万有引力

質量を持 全 物体 間 働く力 2 物体 質量を M [kg], m [kg]

力 大 さ F =

��

万有引力定数 G = 6.67 × 10 -11 N m 2 /kg 2 ( ン力 比べ 非常 弱い力 )

ン力

電荷 ( 電気量 ) を持 全 物体 間 働く力 2 物体 電荷を Q [C], q [C]

力 大 さ F � = �

2 k =9.0 × 10 9 [N m 2 /C 2 ]

重力 比べ比例定数 大 い 電荷 負 電荷 ャン こ 多い

6

(7)

垂直抗力

物体 接触 い 時 接触面 垂直 力

大概 接触面 垂直 方向 対 物体 静 こ 時 接触面 垂直方向 合力 0

物体 作用 合力 0 時 こ 力 合 い 呼ぶ

( : 重力 垂直抗力 別個 作用 反作用 関係 い!

重力 反作用 物体 地球 力 )

摩擦力 (7)

物体 接触 い 時 接触面 平行 働く力

静 摩擦力 ( 物体 静 い ) 動摩擦力 ( 物体 運動 い )

最大静 摩擦力 動 出 直前 働く力を最大静 摩擦力 呼ぶ

静止摩擦係数 μ 最大静 摩擦力 大 さを F, 垂直抗力 大 さを N F= μN

摩擦 法則

1. 摩擦力 垂直抗力 比例

2. 摩擦力 接触面積 接触面 様子

3. 動摩擦力 物体 一定

( 最大静 摩擦力 )>( 動摩擦力 ) F= μ’N < μN μ’ 動摩擦係数

7

(8)

復元力 ( ば 力 )

8

A け伸ば

A

B

|B|=-B け縮

F=-kA(<0)

F=-kB (>0)

ば 力 あい 位置

x x 小さい範

- x 比例 &フッ 法則'

物体を戻 う 力

復元力 呼ば F= - kx

k [N/m] 定数 呼ば

運動方程式

2

�� 2 = - kx 一般解

一般解 角振動数を � =

� � = � �� �� + � � � �� �

こ 等価

� � = � ��� + � −���

� , � , � , � 初期条件

O

張力 糸 物体を引 張 力

う 力 調べ 具体的 状況を調べ 必要 あ

(9)

運動方程式 解 方

STEP1 問題文 状況を 表現

STEP2 注目 物体 働く力を ウント

力 ベ ト ウント 全 力 い ベ ト 和を

STEP3 運動方程式 � � = � を書く ( � STEP 2 考え )

分表示 x z 分 い 式 あ

�� = � , �� = � , �� = �

STEP4 加速 位置 回微分 位置を求 微分方程式を書く

�� 2 2 = � , � �� 2 2 = � , � �� 2 2 = �

STEP5 微分方程式を解く 関数形を決定

時 決 い定数 出 く

STEP6 STEP5 定数を初期条件 ( 初期位置 初速 )

全 時刻 t 位置 速 加速 分

9

(10)

運動エ ル 仕事 関係 (3)

運動方程式

��

�� = � 内積

� = � ( 始め ) � = � ( 終わ ) 積分 実行す

初速 , 終わ 速

�=�

�=�

�� �� ∙ � �� = �=� �=� � ∙ � �� 右辺 仕事 W 表す ( ライ 3 )

�� �� = �

�� � ∙ � = � �� �� ∙ � + � ∙ �� �� = � �� �� ∙ �

( )= �=�

�=�

�� �� �� = �� − ��

� = �� 運動エ 呼ぶ

�� − �� = �

( 物体 運動エ 変化 ) = ( 物体 た仕事 )

(11)

基礎講 物理 ( 物理学 2 対応 先進工学部 情報学部対象 )

担当 : 福川賢治 (https://sites.google.com/site/kfukukawa00/kogakuin)

有用 サイ 武藤さ 講義

(http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft13389/education.html)

1 回 ニュ ン 法則 (6/13)

2 回 運動方程式 一定 力 受け 運動 (6/20)

3 回 仕事 エ ル (6/27)

仕事 定義

運動エ ル 仕事 関係

4 回 エ ル 保存則 (7/4)

5 回 単振動 (7/11)

1

(12)

仕事 定義

一直線 物体 動く

A B 動く

x

� = � , �

∆ = ∆ , 0

( 仕事 Δ )

= ( 動いた距離 ) × ( 方向 掛けた力 )

= � ∆

単位 : [N] × [m]=[N m]=[J] (Joule, )

基本単位 表す [kg m 2 /s 2 ]

x

A � = � , 0 B

� = � , �

区間 Δx → 0 す 極限

A B 間 力 行う仕事 足し合わせ

� =

�=

�= � �� =

�=�

�=�

�� �� ��

= �=� �=� ��

(13)

一般 場合 (1, 2, 6,7)

� = � , � F

軌道 方向 向いた大 微小

2 す角 Θ

( 微小 仕事 Δ )

= ( 動いた距離 ) × ( 方向 掛けた力 )

= ∆ � cos �

= ∆ ∙ � ( 内積 定義 )

= � ∆ + � ∆ + � ∆

Θ

� = � , �

A (x A ,y A )

B (x B ,y B )

A B 動く 仕事 W

∆ → 0 極限 微小区間 仕事 足し いく

す わち � =

�=

�= � ∙ �� = � � + � �

= �=� �=� � � �� + �=� �=� � � �� = �=� �=� � ∙ � ��

赤 積分 線積分

呼ぶ

(14)

仕事率 P (Power) ( 5)

単位時間内 く い 仕事 行わ い 表す物理量

� = �� �� ( 仕事 W 時間微分 表さ )

単位 : [J/s]=[kg m 2 /s 3 ] W (Watt, ワッ ) 表さ

場 概念 (2,4)

場 時間的 空間的 分布し い 物理量

一般 時間 t 位置 (x,y,z) 関数 表さ

例. 重力場 電磁場

(15)

基礎講 物理 ( 物理学 2 対応 先進工学部 情報学部対象 )

担当 : 福川賢治 (https://sites.google.com/site/kfukukawa00/kogakuin)

有用 サイ 武藤さ 講義

(http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft13389/education.html)

進藤さ 講義 ライ

(http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft13245/lecture/2015/Phys2/index.html)

1 回 ニュ ン 法則 (6/13)

2 回 運動方程式 一定 力 受け 運動 (6/20)

3 回 仕事 エ ル (6/27)

4 回 エ ル 保存則 (7/4)

保存力 ポテン ャルエ ル

ポテン ャルエ ル 計算

多次元 ポテン ャルエ ル 偏微分

力学的エ ル 保存則

5 回 単振動 (7/11)

(16)

保存力 ポテン ャルエ ル

A B 点ま 受け 質点 動く時

一般 質点 受け 仕事量 W

1 , W 2 , W 3 経路

し 質点 うけ 仕事 運動経路 い (W

1 = W 2 = W 3 )

質点 動 す力 保存力 呼ぶ

保存力 す 仕事 位置 従

� = � � , , − � � , ,

位置 関数 U(x,y,z) 考え こ

こ 関数 U(x,y,z) ポテン ャル ( エ ル ) 呼ぶ

1. ポテン ャル カラ 関数 扱い 簡単

2. 保存則 運動 情報

A

B

W 1

W 2

W 3

2 1

3

(17)

標 x 点 標 x x 点ま 保存力 動く際 仕事 ΔW

ΔW = F x Δ = U(x) – U( +Δ )

ここ � =

− � +∆ −�

(F x Δ 一定 場合 )

実際 F

x 運動中変わ

Δ → 0� = −

��

-U(x) F x x い 原始関数 = − �

物体 点 A (x A ) B (x B ) ま 動く 物体 さ 仕事

� = � � = −� = � − �

ポテン ャルエ ル 計算 (2, 3 )

物理的 興味 あ ポテン ャルエ ル 差

従 基準 点 人間 勝手 定め こ

( 原点 人間 勝手 ) 簡単 ため 一次元 考え

� = � , 0

(18)

多次元 ポテン ャル エ ル 偏微分 (1)

Θ

� = � , �

(x,y)

( , +Δ )

短い時間 次元 保存力 � = � , � 受け

(x,y) ( +Δ , +Δ ) へ動く物体 微小運動 考え

物体 さ 微小 仕事 ΔW

∆� = � ∆ + � ∆ = � , − � + ∆ , + ∆

Δ = 0 (y 一定 ) した � ∆ = � , − � + ∆ ,

ここ Δ →0 極限 � = −lim ∆ →

� +∆ , −� ,

こ 右辺 limit 以降 U x 偏微分 び � = −

�� ,

記号 用い 表す

� = − �� , , � = − �� , 書く � = − �� , − �� = −∇�

( : ブラ (nabla) 呼ぶ微分 ル演算子 )

� = �= �= � � ∙ ��

(19)

力学的エ ル 保存則 (4)

前回 ライ 最後 式 �� − �� = �

こ 前 力 保存力 場合 成 立 式

� = � , , − � , ,

組 合わせ

�� − �� = � , , − � , ,

�� + � , , = �� + � , , = ( 定数 )

運動エ ル K = ��

ポテン ャルエ ル U K+U=E 一定

こ エ ル 保存則 呼ぶ

(20)

保存力 非保存力

保存力: 重力 万有引力 弾性力 ロン ( 電磁気 )

非保存力 : 摩擦力 垂直効力 抵抗力 人 加え 力 ( 外力 )

保存力 保存さ い 力学的エ ル

実際 化学エ ル 熱エ ル エ ル 原子核エ ル

様々 形態 エ ル 存在し 全エ ル 保存す 考え い

こ う 力学的エ ル 種類 エ ル 転換し い 状態

力学的エ ル 散逸した状態 あ 呼ぶ

. 1. 摩擦力 : 力学的エ ル 分子 熱エ ル 変換さ

2. 核反応エ : 原子核 質量 変換さ

(21)

2Q 「物理学 2 」対応 第 5 回基礎講座 (2016/7/11) 資料  ( 福川 )

1 単振動の公式について

以下では単振動の運動方程式

md

2x(t)

dt2 = −kx(t) (1.1)

を解くことを考える。ここで、k はばね定数である。ばねの運動では、この微分方程式は 全ての時刻 t で成り立っている必要がある (t = 0 秒で成り立っており、t = 100 秒で成り 立っていないとなどということはありえない)。微分方程式 Eq. (1.1) を見ると

d2x(t)

dt2 ∝ x(t) (1.2)

であることが分かる。∝ は比例している (be proportional to) という意味の数学記号で ある。

ここで、微分方程式 Eq. (1.1) を解く前に指数関数 exについて振り返っておこう。e は自 然対数の底でネイピア数と呼ばれている数である。値は e = 2.71828182845904523536 · · · であり、無限に続く、無理数 (更に細かく言えば超越数) という種類の数である。ネイピ ア数は、初めて対数を研究したジョン・ネイピアに因んでいる。e をはじめて見出そうと したのは、17 世紀後半の数学者であるヤコブ・ベルヌーイであると呼ばれる。ベルヌー イによる e の定義は、現在の高校の教科書でも恐らく主流である、

e ≡ limn→∞ (

1 + 1 n

)n

(1.3) である。これは利子の複利計算の関係で導き出された式である。また、≡ は右辺で左辺 を定義する意味の数学記号である。この定義で、1/n = ∆t と書き換えると、

e = lim

∆t→0(1 + ∆t)

∆t1 (1.4)

となる。ここで、両辺を ∆t 乗すると、∆t → 0 の極限で

e = 1 + ∆t (1.5)

ここで、右辺を 1 になるように変形すると、

∆t→0lim

e∆t− 1

∆t = 1 (1.6)

となる。これは、18 世紀の数学者であるオイラーにより発案された定義であり、以下で はこの定義を用いる。

この定義を用いると、 d(et)

dt = lim∆t→0

et+∆t− et

∆t = e

t lim

∆t→0

e∆t− 1

∆t = e

t

1

(22)

から、 d dte

t= et (1.7)

である。つまり、et の t による微分は et となり元に戻ることが容易に分かる。逆に、微 分をして元に戻る関数は指数関数に関係した関数である。従って、Eq. (1.2) が成立する ために、解は

x(t) = eλt (1.8)

という形であると考えられる (他に x(t) = 0 [常に止まっている] という自明な解 (trivial solution)もあるが、ここでは運動する解を考えるので、x(t) ̸= 0 の解を考えよう)。Eq. (1.8) を Eq. (1.1) に代入して、λ を決定する。すると、

d2

dt2x(t) = λ

2eλt

= λ2x(t) であるので、

(mλ2+ k)x(t) = 0 (1.9) が成り立つ。x(t) ̸= 0 の解を考えるので、この式は x(t) で割ることができ、

2+ k = 0 (1.10)

という式を導くことができる。この Eq. (1.10) を微分方程式 Eq. (1.1) の特性方程式と呼 ぶ。m, k がともに正であることに注意すると、λ2 = −k

m は負の数であるので、λ は虚数 を用いて表されることが分かる。すなわち、

i ≡−1 (1.11)

で定義される虚数単位 (imaginary unit) を用いて、

λ = iω, −iω (1.12)

となる。但し、

ω =√ k

m (1.13)

とした。もともと解を Eq. (1.8) のようにおいていたので、Eq. (1.1) には二つの解 x1(t) = eiωt, x2(t) = eiωt (1.14) があることが分かる。

微分方程式 Eq. (1.1) の一般的な解を書くために、微分の線形性についても触れておく 必要がある。微分という操作は関数 f1(t)を新たに d

dtf1(t)とする数学上の操作 (数学用語 を用いて言うと、関数から関数への写像) である。微分という操作が線型であるというこ とは、以下の二つの式を満たすことである。a を定数とし、関数を f1(t), f2(t)とすると、

d

dt(f1(t) + f2(t)) = d dt1(t) +

d

dtf2(t) , d

dt(af1(t)) = a d

dtf1(t) . (1.15) 2

(23)

この二つの式を用いると、一般に定数 a1, a2 と関数 f1(t), f2(t)に対して d

dt(a1f1(t) + a2f2(t)) = a1 d

dtf1(t) + a2 d

dtf2(t) (1.16) が成り立つことが分かる。通常は線型性と書くとこの式をイメージすることが多い。 Eq. (1.16) を再度時間微分し、Eq. (1.16) 自身を繰り返し用いると、

d2

dt2(a1f1(t) + a2f2(t)) = a1 d2

dt2f1(t) + a2 d2

dt2f2(t) (1.17) が成り立つので、一般には n を整数として

dn

dtn(a1f1(t) + a2f2(t)) = a1 dn

dtnf1(t) + a2 dn

dtnf2(t) (1.18) が成り立つ。

微分方程式 Eq. (1.1) の解を書く話に戻る。Eq. (1.14) の解を用いると、微分の線型性 から、

md

2

dt2(a1x1(t) + a2x2(t)) = m (

a1

d2

dt2x1(t) + a2 d2 dt2x2(t)

)

= a1

( md

2

dt2x1(t) )

+ a2

( md

2

dt2x2(t) )

= a1(−kx1(t)) + a2(−kx2(t))

= −k(a1x1(t) + a2x2(t)) (1.19) である。よって、x1(t) と x2(t) の重ね合わせ

x(t) = a1x1(t) + a2x2(t) = a1eiωt+ a2eiωt (a1, a2は定数) (1.20) もまた、微分方程式 Eq. (1.1) の解である。Eq. (1.20) の右辺の形を x1(t), x2(t) の一次 結合と呼ぶ。また解がこのような一次結合で表されることを、解の重ね合わせの原理と 呼ぶ。微分方程式 Eq. (1.1) の解は Eq. (1.20) のような、2 つの定数を持つことが知ら れているので、Eq. (1.20) が Eq. (1.1) の最も一般的な解といえる。従って、Eq. (1.20) は Eq. (1.1) の 一般解と呼ばれ、x1(t), x2(t) は Eq. (1.1) の基本解と呼ばれる。基本解 の選び方は一般には無数に存在するが (座標系の設定の仕方が無限に存在するのと同じ)、 x1(t)/x2(t) ̸= c (c は定数) となっている必要がある(このことを x1(t) と x2(t) が一次 独立であると呼ぶ)。x1(t)/x2(t) = cであると (このことを x1(t) と x2(t) が一次従属であ ると呼ぶ)、x1(t) が x2(t) で書けるので、積分定数一つで解が書けてしまう。

実際には、x(t) は物体の位置を表しているのだから、一般解 Eq. (1.20) は実数である はずである。従って、実数の組み合わせで書けるはずである。その準備として、複素数の 共役ということを見ておこう。複素数は実数 a, b を用いて一般に

z = a + ib (1.21)

と表される。a を実部 (real part), b を虚部 (imaginary part) と呼び、よくそれぞれ Re z, Im z と書く。ここで、z の共役複素数 (complex conjugate) ¯z を虚部の符号を変えた、

z ≡ a − ib¯ (1.22)

3

(24)

で定義する。共役複素数の共役複素数は元の数に戻るので、

¯¯z = z (1.23)

また z が実数であるということは、b = 0 であるので、

z = ¯z (1.24)

であるということである。また、自身の共役複素数との足し算、または掛け算は z + ¯z = (a + ib) + (a − ib) = 2a,

z ¯z = (a + ib)(a − ib) = a2 − iab + iab + i(−i)b2 = a2+ b2 (1.25) となり、これらは実数になる。

一般解 Eq. (1.20) は書けたわけであるが、解が指数が複素数の指数関数 (以下複素指数 関数と呼ぶ) で表されている。複素指数関数は何か?ということが当然問題になる。指数 が実数の場合の指数関数 (以下実指数関数) を拡張して、複素指数関数を定義する。その ために、マクローリン展開を用いる。マクローリン展開とは、以下のようなものである。 関数 f(z) が z について無限回微分可能 (実は変数が複素数の場合、関数が一回微分可能 ならば無限回微分可能である) とすると、f(z) は多項式の和で表されて、

f (z) = f (0) +( df dz(0)

) z + 1

2! ( d2f

dz2(0) )

z2+ · · · + 1 n!

( dnf dzn(0)

)

zn+ · · · (1.26) となる。ここで、複素指数関数と引数が複素数の三角関数を以下で定義する。

ez ≡ 1 + z + 1 2!z

2+ 1

3!z

3+ 1

4!z

4+ · · · cos z ≡ 1 − 1

2!z

2+ 1

4!z

4+ · · ·

sin z ≡ z − 1 3!z

3+ 1

5!z

5− · · ·

(1.27) ここで、z = iθ と置いて、e を実際に計算すると、

e = 1 + iθ + 1 2!(iθ)

2+ +1

3!(iθ)

3+ 1

4!(iθ)

4

= (

1 −2!1θ2+ 4!1θ4+ · · · )

+ i (

θ −3!1θ3+ · · · )

= cos θ + i sin θ となるので、オイラーの公式

e = cos θ + i sin θ (1.28) が成り立つ。この複素共役は、

cos θ − i sin θ = cos(−θ) + i sin(−θ) = e (1.29) 4

(25)

である。オイラーの公式から

ei(α+β)= cos (α + β) + i sin (α + β) であるが、一方、ei(α+β)= ee なので

ei(α+β)= ee = (cos α + i sin α)(cos β + i sin β)

= (cos α cos β − sin α sin β) + i(sin α cos β + cos α sin β) であるから、三角関数の加法定理

cos(α + β) = cos α cos β − sin α sin β

sin(α + β) = sin α cos β + cos α sin β (1.30) が直ちに導ける。

一般解 Eq. (1.20) を書き直す準備が整った。x(t) は実数であるので、Eq. (1.24) を用い ると、常に x(t) = x(t) が成立する。Eq. (1.20) の複素共役をとると、Eq. (1.29) を用い、

x(t) = a1eiωt+ a2eiωt (1.31) となる。どんな t に対しても x(t) = x(t) が成立するためには

a1 = a2, a2 = a1 (1.32) である必要がある。ただし Eq (1.23) から、1 番目の式と 2 番目の式は同じ式を表す。し たがって、a1 と a2 はお互いにもう一方の共役複素数なので、

a1 = 1

2(C1 − iC2), a2 = 1

2(C1+ iC2) (C1, C2は実数) (1.33) とおける。ここで、オイラーの公式 Eqs. (1.28), (1.29) を用いて Eq. (1.20) を書き直すと、

x(t) = a1eiωt+ a2eiωt

= a1(cos (ωt) + i sin (ωt)) + a2(cos (ωt) − i sin (ωt))

= (a1+ a2) cos(ωt) + i(a1− a2) sin (ωt)

x(t) = C1cos (ωt) + C2sin (ωt) (1.34) と書ける。これが通常教科書に載っている公式である。ここでは、減衰振動解も導けるよう なかなり一般的な微分方程式の解法を示したが、もちろん、cos (ωt), sin (ωt) が Eq. (1.1) の一次独立な基本解であることは、代入して微分方程式を満たすことを確認すれば、すぐ に分かるので初めから Eq. (1.34) の形に書いてもちろん良い。

また、Eq. (1.34) から三角関数の合成を行うことも多い。合成は以下のように行う。 x(t) = C1cos (ωt) + C2sin (ωt)

= C12+ C22

( C1

√C12+ C22

cos (ωt) + C2 C12+ C22

sin (ωt) )

= C12+ C22(sin φ cos (ωt) + cos φ sin (ωt))

= A sin (ωt + φ) (1.35)

5

(26)

但し、

A =C12+ C22, φ = tan1C1

C2 (1.36)

である。また、最後の等式では加法定理 Eq. (1.30) を用いた。この Eq. (1.35) は振動の 式である。この A を振幅 (amplitude), ωt + φ を位相 (phase) と呼ぶ。また、t = 0 の時 の位相 φ を初期位相と呼ぶ。時間 t が 1 [s] 経過すると位相は ω 進むので、T =

ω [s] 経過すると位相が 2π 進んで元の状態に戻る。この T を周期 (period) と呼ぶ。また一秒 間に f = 1

T 振動することも分かる。これを振動数 (frequency) と呼ぶ。また、ω = 2πf を角振動数と呼ぶ。

また、Eq. (1.34) の実数 C1, C2 は初期条件を解いて求めることができる。すなわち、 t = 0 の時 x(0) = x0, dx

dt(0) = v0 とすると、Eq. (1.34) から、 dx

dt(t) = −ωC1sin (ωt) + ωC2cos (ωt) (1.37) なので、C1 = x0, ωC2 = v0 であるため、

x(t) = x0cos (ωt) + v0 ω0

sin (ωt) (1.38) となる。また、解として Eq. (1.35) の表式を用いると、

dx

dt(t) = Aω cos (ωt + φ) (1.39) なので、力学的エネルギー E は

E = 1 2m

( dx dt(t)

)2

+1

2k(x(t))

2

= 1

2m(Aω)

2cos2(ωt + φ) + 1

2kA

2sin2(ωt + φ)

= 1 2kA

2(cos2(ωt + φ) + sin2(ωt + φ)) (∵ Eq. (1.13)を代入)

= 1 2kA

2 (1.40)

となり、時間によらず一定になり、力学的エネルギー保存則が成り立つことが分かる。

6

参照

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