第17回 浦安市賢人会議議事録
1.開催日時 平成25年7月22日(水)14時~16時 2.開催場所 都市センターホテル605会議室 3.出席者 神野議長、大日向委員、松崎市長
事務局 市長公室長、市長公室次長、秘書課長、行政経営室2名 4.会議の概要
(開 会)
①市長あいさつ
②議長あいさつ
③委員あいさつ
④議事:これからの自治体経営について
(1) 今後の社会保障制度の改革の方向性と地方自治について
(女性の社会参加促進と支援について)
(閉 会)
●市長あいさつ
市 長: 本日ご出席いただいている神野先生、大日向先生は社会保障制度改革国 民会議(以下:国民会議)の委員ということもあり、一自治体として、何が できるかということをご教示いただきたいと思っている。
震災復興は大方めどが立ち、非常に心配していた税収ですが、平成25年 度当初予算の自主財源比率も78.4%まで回復した。
また、平成23年度決算データが集約された中で、本市の財政力指数は全 国の787の市の中でトップになり、非常に底力のある自治体だと感じている。
そうした中で、7月に「浦安市こども・子育て会議」がスタートして、 会長は大日向先生にお願いをしている。
こどもが本来増えていなければならい自治体ですけれども、少子化もか なり顕著。これから学校統合をしなければいけないという、待ったなしの 状況ですけれども、そういった中で、中身の濃い議論を期待していますの
で、宜しくお願いしたい。
●議長あいさつ
議 長: 参議院選挙が終わり、通常でいくと3年間は国政選挙がないので、日本 の3年間の動きや方向性は決まったと考えていいと思うが、世界経済や自 然環境などの影響により、3年間安定的な状況が続くかどうか。
本日は社会保障・税一体改革を中心にして、特に女性や子どもの政策を 中心にということですので、大日向先生を主としてご意見伺えればと思う。
社会保障・税一体改革といっても、地方自治体が運営主体でない社会保 障は、極端に言えば年金だけで、あとは社会保障改革で国がこうだと決め ても、運営主体となるのは地方自治体。
少し心配しているのは、「子ども・子育て支援新制度」が発足するわけ ですが、「安心こども基金」が今年度で実施期限を迎えるので、新制度ま でつなげない。
このような問題を含めて、浦安市は不交付団体なので心配ないですが、 地方財政全般にかかわることで、地方交付税は2段階ぐらいで引き下げら れていくので、全国的にいうと厳しい。
地方交付税は一般財源を保証するということになっているので、全国的 には少し増えているという状況ですけれども、都道府県で見ると、東京都 と愛知県が突出して一般財源をもらっている。道府県レベルで見ると、他 の自治体は全て減なんですね。
一般財源がないと、独自政策に充てる財源は全くないということですか ら、子育てや環境に力を入れようと思っても、そこへの財源は全く振り向 けられないというような状況になっているので、心配している。
国の財政は、決算上の赤字というのは生じないことになっている。 ところが、地方の場合は、決算を締めてみたらお金が足りない、というこ とが生じるので、この場合のために、財政調整基金というのを積み立てる ことになっている。企業であれば剰余金が出るということは望ましいこと ですが、浦安市は財政調整基金が160億ということなので、そのとき、その ときに必要な公共サービスを出すのが財政の使命。これから大日向先生中
心にご意見を出していただいて、それを政策化できるようなことに結びつ けばということですね。
●委員あいさつ
委 員: 一昨日広島で「女性が働き続けるために」という、大きなフォーラム が開催された。広島県知事が育児休業を取得したということで、男性の育 児休業取得率は、全国でも一番高い。取得率は、2012年度全国平均で2.63% だけれども、広島は4.1%という。
このフォーラムで私も基調講演したのですが、その後、分科会に分かれ て、「ワーキングマザーの子育て」を議論する分科会のコーディネートを 務めた。
パネリストは3人で、日経BPの編集長をしている50代ぐらい女性とパ ン屋の社長をしている40代ぐらい女性は、子育て支援のない時に、左遷さ れたり、休職しながらも、お二人とも柔軟に子育てされていて、元気いっ ぱいなんですね。
3人目のパネリストは、1歳の男の子を子育てしながら、法律事務所で 働いている秘書部長さんで、不安がいっぱいで大変だとおっしゃっていて、 温度差がかなりある。
また、幾つか出た意見の中に、女性が働き続けるための講座を受けて、 育児休業をとれるようになったら、中小企業に10万出すという講座あって、 受講はしたけども、今の雇用環境に不満があると受け取られるととても困 るので、受けたことも報告していないという方もいた。何か、色々な意味 で内向き。
そのような背景も一つの例ですけれども、安倍政権では、女性の活躍・ 促進ということを打ち出しているし、国民会議では神野先生はじめ、大方 皆さんが、4番目に入った少子化対策、こどものことは社会保障の基本だ ということで、全面的にバックアップしてくださっている。起草もおそら く少子化対策分野がトップに入ることになりそうだ。名実ともに、こども のこと、若い人たちのこと、女性のことが社会保障の根幹というふうに位 置づけられる改革案に、いずれなってくれるかなと。
それから、高齢者に対する手厚い介護、手当てというのは、若い世代に とっては、2つの意味のメリットがある。ひとつは自分たちの親世代の介 護や医療に、国が手当てをしてくれることは、若い世代も働き続けること ができるということ。この大前提が、絶対覆してはいけないというように 思う。
こどもや女性のことは大事。しかし、それが前面に出るような社会保障 制度改革というのは、世代間対立をあおることになってしまうのではない かということで、全世代型の社会保障であり、施策だということを、まず 打ち出すことが必要で、これは国も基礎自治体も同じだと思う。
もう一つ、女性の活躍・促進ということをよく言うんですけれども、女 性の中には、これ以上頑張れと言わないでという声もある。こどもが少な いから出産して、労働力が足りないから女性も働いて。育児は、やはり女 性というような、ちぐはぐじゃないですか、という声もある。
広島のワーキングマザーの声ですが、今一番欲しいのは安心して1歳ま では休める制度と、育休明けに入れる保育園、また、小学校1年になった ときに安心して預けることのできる学童保育。あとは、もっと男の人たち に育児に関わってほしいなど、確かに私はそうだと思う。
政府関係の方々はよかれと思って、女性の活躍・促進と言うけれども、 女性手帳と同じで、色々なところでハレーションを起こしている。前面に 打ち出すことは、各論では絶対必要ですけれども、なぜ女性の活躍・促進 を応援するのかというところで、全世代型の社会保障論を打ち出していく ということが必要だと思っている。
最後に女性の働き方のニーズは多様で、出産したら、家庭に入って、小 学校に入学する頃復職したいという方も多く、多様性をきちんと見た上で メッセージを打ち出すということも大事で、ひとくくりで女性の活躍・促 進とは言えない時代に来ていると思う。
●今後の社会保障制度の改革の方向性と地方自治について
(~女性の社会参加促進と支援について~)
議 長 アメリカから「ダイバーシティ」という概念が入ってきた。「ジェンダ
ー」という言葉から「ダイバーシティ」に置きかえようというのはいいの ですが、アメリカでそういうことが出てくる背景には、女性の人権問題を 守っていく法制度ができ上がっていることを前提にしている。それなしに、 労働市場に参加しろと言ってしまうと、逆の問題が起きる。
男性の人権にもかかわってくる。つまり人権を守り、拡大していく方向 で男女共同参画が進まないと、ボトムを目指すような争いにさせられてし まうかなというのが一つ。
もう一つのテーマについて、社会保障というのは、そもそも「家族関係 の社会化」。世代間扶養ということを前提に、人間の命はつながれていく。 つまり、こどもから成人するまでの世代、働く能力を失ってしまった世 代を、働いている世代が扶養していくというのは、動物の種である以上、 やらざるを得ない話。
世代間の闘争ではなくて、連帯のために社会保障があるということを言 わないとだめなのではないかと思う。
また、女性の教育を含めて、一方でディーセントワーク(働きがいのあ る人間らしい仕事)と言いながら、女性が労働市場に出てくと、非人間的 な労働市場しか開かれていないという場合があるので、そうした点も注意 しておく必要があると思う。
市 長 先生が言われた男女同権の確立というは、まさにそういうところか。 議 長 そういうことを含めて。労働権もそうですね。
それから、スウェーデンでは、育児休業というのは欠勤の権利となって いる。その他にも、両親がこどもの教育の状況を見る権利が1年間に12日 間、病気に付き添う権利が60日間。
これらは育児休業というものではなく、欠勤の権利で、親がこどもと一 緒にいるという幸福を得るための権利。スウェーデンでは、こどもと一緒 にいるというのが幸福で、両親の間で育児休業を奪い合う。
育児休業中は、こどもは保育園に行かないので、保育園ではなくオープ ンスクールに行って、友達が必ずいるという場所を市が提供している。 そこには、先生が1人いて、基本的には親たちが、こどもを遊ばせて、教 育のようなことも一緒にやっている。
人と人とが結びついている自然の感情みたいなものを前提に、社会保障 というのは成り立つので、損得勘定でやられると、やりようがなくなって しまうのではないかというのを、最近心配している。
市 長 欠勤の権利というのは、社会保障に哲学を持っている。日本はいつも場 当たり的な対症療法でやっていて、哲学が見えない。スウェーデンの制度 は納得する権利。
委 員 スウェーデンのように男性も育児休業を、欠勤の権利を奪い合うぐらい ということは、逆に仕事の保証が男女ともに対等にあると思う。
そういうことで、欠勤の権利を認められているし、女性の働く権利も認 められている。同時に男性の働く権利も認められている。その全体の哲学 や構造をしっかりと打ち出した後に、今ここが足りないから、女性がもっ と働けるようにという2段階ならいいと思うけれども、それをしないと余 り歓迎されない。
社会保障は「家族関係性の社会化」、みんなで分かち合うこと。そこを 前面に出してくれないと、女性に育休とりなさい、そして働きなさいとい うと、景気の調整弁に使うような言い方なので、そこのところは、別の打 ち出し方をすると、差別化ができると思う。
市 長 女性の社会進出をストップしているのは、配偶者が扶養の対象になって いること。スウェーデンを視察して驚いたのは夫婦分離課税。
議 長 日本は児童手当がなくなると、扶養控除という形をとっているが、もと もと所得税を払っていない人にとっては意味がない。スウェーデンでは、 就学手当金というけども、中学を卒業して、就学手当金を出してもらった ほうが、貧しい人々にとっては優しい。
日本の場合には、税で施策を打とうとして、税収が全然上がらなくなる。 そうすると、社会保障の政策がうまく機能しなくなるという、この悪循環 をずっと続けている。
自動車重量税、自動車取得税の廃止が決まっている。それから法人税関 係の減税要求が非常に強い。また、固定資産税は、土地と建物と償却資産 にかけられるが、償却資産に係る固定資産税については、見直すべきとも 言われている。
したがって、地方消費税が増えても、その部分以上に減税されると、結 局地方自治体はどうすればいいんだと。
委 員 そういう中で、少子化対策は、はっきりと打つ手がない。一つはやはり こども園だと思う。
議 長 消費税引き上げによって確保する約7,000億円の財源が「子ども・子育 て支援新制度」の財源として充てられるはず。
「安心こども基金」は、どこまで保証しているのか。
委 員 「安心こども基金」は、幼稚園が給食施設を整備したり、そちらにはか なり打てる。それから、待機児童対策。
議 長 25年度末までですよね。「子ども・子育て支援新制度」が展開するまで のつなぎをやっておいてくれないと、地方自治体が困ってしまうので申し 入れしている。
委 員 増税しなければ子育て施策は頓挫するので、とんでもないことに。 女性に活躍してほしいと言っておきながら、育児休業3年に、というの はどうなのか。本当に女性を活用しようとしてくれているのか、閉じ込め ようとしているのか。
国民会議でも権丈先生が「子育ての社会化」とおっしゃったら、甘利大 臣が「子育て費用の社会化」だとおっしゃった。子育ての社会化は認めな いと。
市 長 こども園には、どこの自治体も期待していましたが、私立幼稚園協会の 反発で、結局骨抜き。
委 員 ただ、地方の幼稚園はこども園に移りたいと。九州は、3分の1以上が こども園に移る。
この間、ある女性から手紙をもらって、こどもが生まれてから、短時間 や派遣など仕事が変わるたびに幼稚園と保育園を、右往左往していた。
安心してこどもを見てもらえるところ、また、それをコーディネートし てくれるところが欲しかったと。まさに、それはこども園だと思う。こど も園に行けば、在宅で育児をするお母さんも、そこでワンストップ的にこ どもを見てくれる。それを打ち出すのは、お金はそんなにかからないと思 う。ネックなのは給食施設ぐらいですけれども、お弁当もいいではないか
と。
誰が子育てするかという議論を投げかけると、3歳児神話だとか、右だ、 左だとなりますが、どのようにこどもが育つべきかという出し方をすれば、 誰も反対できないし、家庭や親を基盤としつつも、地域の人も、保育の専 門職も、幼児教育の専門職も、みんなでかかわっていこうというところに 落ちつく。
誰が育てるかという問題提起をするから、3歳までは母親でしょう、父 親がもっとかかわるべきでしょうと水掛け論になっていく。どうやって育 てるべきかと問題提起したら、家庭を基盤としながら、一定数の人の愛が 絶対必要で、そこには乳児医療、教育、保育のスペシャリストのサポート も必要。それがないから、言うことを聞かないこどもに赤鬼が代わりに電 話越しでこどもを説得するというようなスマートフォンのしつけアプリが 出てくる。
こども園に行けば、叱り方のアドバイスがもらえるなど、これは、必要 だと思う。
市 長 幼稚園と保育園、両方併設した幼保連携型のこども園にしようとしてい るんですけれども、幼稚園の就園率が低く、県としては新たな幼稚園認可 は行わないとのこと。
委 員 こども園は県が認可するのですか。
市 長 基本的に県です。我々は、当然幼保連携型にしたい。市内の幼稚園が、 定員いっぱいであるなら何の問題もない。
なぜ県に、これを介在させてしまったのかと怒っている。それこそ地方 分権を。
結局、県ということは、幼稚園協会が力を持っているので、簡単に認可 がおりない。特別にということができないのかと聞いたが、内閣府ですら 厳しいという。
地方裁量型だと、全額我々が負担することになり、全く意味がない。 議 長 互換性になっていない。市町村でできることは市町村でいいはずなのに。 市 長 震災の話ですけれども、今回の東日本大震災の時は民主党政権だったか
ら、基礎自治体と国とが直でやりとりできた。それまでは都道府県に申請
していた。
議 長 基本的には災害の権限は、全部都道府県が握っている。 市 長 今回は違った。そういった意味で、すごくやりやすかった。
欠勤の権利というのは、もっと前面に出るようになったら変わってくる と思う。このような哲学が、余りにも表に出てこなさ過ぎている。
委 員 それはぜひ男性に向けて言ってほしい。男性が休んでくれない。
議 長 スウェーデンでは、職務給だからといえば、それまでですけれども、同 じ資格を持っている人が待機していて、誰が休んでも、男性であろうと、 女性であろうとすぐリリーフできる。なので、職場に迷惑をかけることも ない。
日本はそのような制度がないし、年限がいかないと昇進しないというシ ステムが、依然として続いているので、みんな嫌がる。
さらに、出世などを考えなくても休みがとりにくいというのがある。 委 員 浦安市の社会保障の哲学づくりみたいなもので、シンクタンク的な機能
があったらいいなと思う。若い世代、赤ちゃんがいる世代、これから産も うとしている世代は、様々なことで困っている。保育園選び、働き方など をワンストップで相談に乗り、他とつないでくれて。その相談内容は、市 長にも直結し、市の施策を打ち出す一つのデータにもなっていく、このよ うな制度ができたら、すごくいいなと思う。
子育てケアマネージャーさんが、人生相談も受けてらっしゃって、随分 機能するようになりましたが、子育ての悩みに特化している。働き方、育 休のとり方など、とにかく人生に行き詰ったら、そこ行けばいい、そのよ うな場所があればいいと思う。
市 長 80市町村程度が加入している福祉自治体ユニットに、消費者庁の山崎士 郎次長が来てくれた時、北欧の子育て系のケアマネジャー制度を日本で導 入すべきだと言っていた。
議 長 オープンスクールのことかと思う。フィンランドが一番進んでいると紹 介されている。
委 員 オープンスクールはニュージーランドにはプランネット協会、フィンラ ンドはネウボラというのがある。
市 長 要は、妊娠、出産、子育てですよね。山崎次長がこの間も、妊娠から出 産までも含めたケアマネジャーをするんだと言っていた。
委 員 私は思春期や労働施策まで延ばせないと意味がないと思っていて、フィ ンランドのネウボラというのは、国民の規模も違うし、それをすぐという のは、なかなか難しい。
だから、ネウボラ、オープンスクール、プラネット協会など各国にモデ ルとなるのがあるので、それを統合した浦安版はどうか。
今、思春期、フリーター、そういう子どもを抱えている親も苦労してい ますし、様々な世代の人が出入りできるような相談機関がいい。
議 長 北欧の役所の窓口は温かく家庭的で。日本でいえばカウンセラーになっ てしまうけども、心理学的なカウンセラーではなくて、総合的な制度など もわかっていて、相談に乗ってくれる。
もう一度勉強をチャレンジしたい、その人間がどうやって成長していく のかということなど、何でも相談できる。つまり職業紹介所なのか、勉強 相談所なのか、そういう総合システム。
議 長 ネウボラというのは、どのような相談に応じるのか。 委 員 要するに、日本の母子保健事業の一本化みたいなもの。
日本もネウボラのエッセンスみたいなもの、全部やっている。母子保健 事業、13事業で。
市 長 統合してない。
委 員 ばらばらなんです。こんにちは赤ちゃん訪問事業も、出産してから4カ 月の間に保健師や助産師さんが訪問してくれますが、1度だけ。
スウェーデンの事例をテレビで見た限りですが、保健師さんが何度でも 来てくれる。本当にそんな相談で呼ぶの、と思うのですが、呼ばれると来 て、例えば、赤ちゃんのいる部屋を見て、これで大丈夫よって帰っていく。 スウェーデンでは常時やっているようだ。
議 長 立地点サービスという、一定の箇所にいるだけでなく、配達サービス。 委 員 浦安は子育て・家族支援者養成講座2級、3級の認定を受けた方が100
人ともいる。何とか組織をつくって、そこでワンストップ的に応援します というような。
そこで、働き方に携わっている企業関係の人も入ってくれないと、夫の 問題は解決しない。
市 長 今度一度、子育て・家族支援者養成講座2級、3級認定者全員集めて話 をしましょうかね。
委 員 ネウボラやプラネット協会は、ちょっと疲れていたら、お母さん、お昼 寝なさいよ。私、見ているわよとか、そういうきめ細やかなサービスをや っている。
団塊世代の男性は、とてもやる気があるし、男手でなくてはできないも のもある。ブラッシュアップしなければならないですが、そういうところ を登用したら、浦安は一大ネウボラ的なものをできる素地は持っている。 最初から保健師、助産師を登用しようとなるとそれは膨大なお金がかかり ますし、お母さんたちが一番欲しいのはそんなことではなく、ちょっとし た拠点。
カナダはドロップインと言って、コンビニに立ち寄ると、そこに小さな スペースがあって、常駐で遊ばせてくれる人がいる。そのような場所があ るから、本当に気楽にまちに出られる。そういうちょっとした場所を提供 するということは、とても大切になってくるのではないかと思う。
浦安市では、家庭的保育を始めてくださいましたね。子育て・家族支援 者のバックアップ講座の時、一つショックな話を聞いた。初年度は家庭的 保育がとってもいいといって満杯だった。
しかし、今年去年は、応募者が少ないんだそうです。それはなぜかとい うと、家庭的保育に3年預けても、その後の連携園がない。
家庭的保育は市の事業で、新しい待機児対策として打ち出しているのだ から、そこはある程度差別化してもいいのでは。家庭的保育に預けたら、 必ず連携園のウェイティングリストのトップになるとか、そのくらいの優 遇をしてもいいと思う。認証保育園も同じ。
また、子どもの世界が難しいなと思ったのは、例えば、0歳から3歳ま で小規模な認証保育園や無認可保育園などで生活し、その後3歳児4歳児 で集団に入ると、保育園と名前ついていても違うようで、集団性がついて いない。連携園を決めておいて、行事などで行き来させることが必要。
市 長 家庭的保育でも、連携園は決めていて、連携保育園がチェックしに行く。 委 員 普段の出入りのところでもっと行き来をさせる。1カ月に何日間は、行
事などで一緒に保育をさせる。
3歳まで在宅で育ったこどもが、幼稚園に入園する場合も同様。集団に 入ったときにギャップをつくらないためにも、普段から預けられる仕組み をつくる。
議 長 先ほどの話で、スウェーデンでは子育てで働かないというのは、権利が ありますから、その場合には、こどもはオープンスクールに通う。
日本と違って、「家庭内の社会化」をやることが産業になっているので、 保育に携わる人は多い。
日本と違って、就業人口の32%が公務員。日本はわずか6%。
公務員のうち、市町村の公務員は21%で40%がエルダーケア。次はチャイ ルドエデュケーションが25%くらいで、チャイルドケアが21%。市町村の 職員だけで就業人数の2割を超えていますので、そのうちの公務員の80% は女性。
つまり、こどものことをサービス産業化していて、公務サービスと私的 サービスという二大産業になっている。
デンマークの女性の労働大臣が、公務員をつくることが仕事だと言って いるぐらい、どんどん公務員を増やす。
委 員 日本と逆。
議 長 小さな中央政府、大きな地方政府で十分だけれども。つまり、どちらか でやることですよね。家族でやるのか、個人でやるのか、公共部門でやる のかという選択。
委 員 その場合の「家族関係の社会化」って、別の言葉はないですか。 議 長 ない。
委 員 日本で社会化というと、誤解をされないような部分もあるが、社会で共 有するのは当たり前だと思う。
議 長 社会はみんなが仲間だという意識が、まずないんですよね。 市 長 社会化という言葉はだめですか。
委 員 そこにひっかかる方もいる。ひっかかると頓挫することがすごく多い。
でも、それをやってくれないと介護も潰れますし、こどもは育たない。 議 長 昔から暗黙のうちにやっていたこと。みんなでこどもを、その地域社会
が育ててきたわけですね。
委 員 ネウボラというのは、妊娠、出産、子育ての社会化なんです。地域の社 会化システム。
議 長 そうですね。何かはざまがいつも問題になる。
地方公共団体と福祉関係で非常に困っている一つは、スウェーデンの場 合には、障がい者というのは、高齢者とほぼイコール。人間は年をとれば、 みんな障がい者になるという考え方で、余り区別しない。日本の場合には、 介護と障がいが両方当たる場合には介護保険のサービスが優先される。
それで介護保険のサービスが優先されたときには、それで十分なはずだ と言われて、事実上、障がい者支援の方は地方自治体の負担が大きい。単 独でやっていて、えらく苦しくなっている。境界線のところで、いつも苦 労する。
市 長 先生は、自治体のアドバイスを色々とされていますよね。地方からの不 満というのは、どのようなことが多いですか。
議 長 今のところは、福祉、公共事業が多い。それから、公共交通機関。デマ ンドバスというのは都市では機能するが、地方ではうまく機能しない。 市 長 そうでしょうね。
議 長 道が欲しいといっても、基本的には買い物というよりも、いざとなった ときのお年寄りの病院の足。デマンドタクシーでやればいいではないかと いっても、なかなかうまくいかないで、役所の人が運転手をやっている。 そういうことでもしないとうまくいかない。
中央政府がつくった制度のはざまが、うまくいっていない。そこでの苦 労が一番多い。
丸の内だと、公共交通機関がなくても、大企業がお金を出し合って、バ スが走っている。
市 長 三越の前や、髙島屋、ああいうところ通っている。 委 員 それは、地方部で欲しい。
議 長 公共交通機関が乏しい地域のほうが欲しいけれども、充実しているとこ
ろに、むしろできてしまう。23区や何かでも小さいバスを回している。 委 員 コミュニティバス。100円で乗れる。
議 長 あれは、お金取るわけですが会社コミュニティがやっていますよね。 市 長 そうですね。二、三十社協賛して、車の後ろのところに名前が書いてあ
ります。
委 員 浦安市も、高齢化が進んでいらっしゃる。
市 長 はい。市内でも地域により極端で、美浜三丁目では高齢化率36%を超え ました。
議 長 浦安市は病院、医療はどうなっていますか。
市 長 順天堂大学浦安病院が、132床増床する予定ですし、東京ベイ医療セン ターが自治医科大学系列の地域医療振興協会の運営となり、また市川から 療養病床が56床移転してくる。市とすればあります。
あとはリハビリセンターみたいのがあれば完結する。一自治体で、斎場、 墓地公園持っていますので、完結はしている。
議 長 交通でいう足は、皆さん大丈夫ですね。
市 長 お散歩バスという、コミュニティバスが2路線走っている。コミュニテ ィバスの中では、乗車率はトップクラスだと言われていて、完全に定着し た。
議 長 美濃部元都知事の最悪の政策が、都電廃止したことだと思っている。東 京の中の主な道は、全部都電が走っていたし、埼玉には臨時列車も乗り入 れていた。
市 長 都電を廃止したのは、美濃部元都知事ですか。
議 長 美濃部元都知事。あれは最悪の政策だと思います。なぜ廃止したのか。 市 長 それで都バスに変えていったということですか。
議 長 自動車の交通を優先するために、都バスと都営地下鉄にしようとした。 都電ぐらいいいものはなかったですよね。例えば御徒町から東大に行く 場合、本郷三丁目まで行って、すぐ乗りかえることができた。ところが、 今は、地下鉄で御徒町から東大に行こうと思っても、乗り換えるのに15分 位かかる。
議 長 まとめの方に入りたいと思います。
やはり総合行政というのは、市町村がやるしかない。
スウェーデンでは、高齢化率が28%までいってしまったので、ある町が こどもを呼び込む政策を行って、町全体が極端に言うと保育園のような感 じになっている。こどもを育てる施設が全部そろっていて、遊ぶ公園もあ り町全体が保育園のようになっている。つまり、こどもが育つ環境になっ ているということで、浦安市も部分的にエリアを決めてできるはずですよ ね。
日本のまちは、こどもが育つ空間だという発想がないので、よくないと 思う。こどもを育てる拠点となるような空間となるように場所を区切って つくってもいいかなという気はしますね。
それから、スウェーデンだと、小学校があると大体、保育園も同じ敷地 内に棟があって、保育園の時間が終わると、学童保育を受けている。日本 では余り見ない。
委 員 公立の小学校に幼稚園はある。しかし縦割りが厳しいので保育園は別で すね。
議 長 そうですね。だから、地域のほうが弱いという感じがする。
委 員 先生もおっしゃったように、ある地域だけでも、全体が保育園ベースの ような、こども園のようにして、そこへ行ったら、みんなで目をかけてあ げられる。極端に言うと、こども一人でも、夕方でも安心して遊んでいら れるみたいなまちを一区画つくる。そうしたら、こどもを呼び込むことが できますね。
市 長 日の出地区はこのようなエリアになり得る。
委 員 できると思う。子育て・家族支援者さんを活用して、みんなで見守りま すというような。
議 長 そのエリアは自動車乗り入れ禁止にして。こどもが走り回っていても全 然心配いらないと。
委 員 そのくらい思い切ったことをしたら、かなり呼び込むことができる。 議 長 何か日本人は、こどもを大切にしているんだという割には、国全体とし
ては余りお金をかけていない。
委 員 そこでお母さんたちがパートで働けるママカフェをつくって、こどもを
お互いに見ながら、喫茶店やフリーマーケットなど全部運営してもらう。 ベビー用品を売り合って安く買える。あそこへ行けば、全部100円単位で買 えるというような。
市 長 フリーマーケットみたいな形で。
委 員 できないことではない。先日、子育て・まちづくり支援プロデューサー
(以下:まちプロ)の皆さんがあい・ぽーとでやってくれたのですけれども、 企業人なので、経理はできるし、展示もうまいし、とてもよかったんです ね。子育て・家族支援者さんも4人参加していた。
お母さんたちが最初から企画するといっても難しいですが、子育て・家 族支援者さんとまちプロさんがタイアップして、また、男女共同でやって くれたら。それはネウボラよりも、ずっといいと思う。
市 長 真剣に企画してみます。いろいろとありがとうございました。
公 室 長 「家族関係の社会化」など、様々なキーワードをいただきました。また、 検討させていただきたいと思います。
本日は、お忙しい中、貴重なご意見をいただきまして、ありがとうござ いました。これで終了させていただきます。