三火会報告
開催日時 2012/01/17 話題提供 村田禅氏
題名 資源ナショナリズム 内容
資源ナショナリズムの定義、歴史、最近の動向などについて、データを示しながら概観した。 資源保有国が先進国に支配されてきた資源を自らの手に奪い返し、それを武器として自国の利 益をはかろうとする動きであり、1960-70年代のOPECの動きがその典型的なものである。資源 の国有化を行い、資源の供給を政治的な意図を実現する手段として用いたものである。政治的な 意図が先行するために、経済合理性に反するものもあった。中国の希少金属の供給制限、サウジ の石化製品の製造販売、米国によるメキシコ湾における石油開発、米国のトウモロコシを用いた バイオエタノール生産など、いろいろな目的・手法が用いられた。このような動きを背景として、 1962年には国連において「天然資源に対する恒久主権の権利」宣言、1971年のリマ憲章(全て の国家が、自国の経済発展と福祉のために、自国の天然資源を自由に処分する権利を有する)な どが確定し、認知されるようになった。また、1960-70年代には、石油、銅、天然ゴム、ボーキ サイト、バナナ、水銀、木材、鉄鉱石などについて、資源輸出国連合が設立されるに至った。 1970年代には石油資源の国有化が続いた。
資源を保有国に帰属させようとする第一次資源ナショナリズムの時代から、資源を政治的外向 的手段として利用しようとする第二次資源ナショナリズムの時代に入った。ロシアは隣国のウク ライナの親西欧路線への干渉策として天然ガスの供給価格を引き上げた。また、サハリン2の開発 に際してはかなり露骨な干渉を行い、最終的には当初資本比率が0であったガスプロムが50%+1 株を保有するに至った。
村田氏の説明に続いて、資源小国とされる日本がどのように対応すると良いのかという設問が あり、対応策としては、技術力の向上、代替品技術、外貨蓄積などの努力が必要であろうという ことになった。石油・天然ガスについての対応策としては備蓄しかないこと、などが話された。 また、原油価格が上がっても少し遅れて輸出品の価格が上昇するのでバランスが取れて何とか やっていくことができるなどの議論があった。さらに、水資源の世界的な供給不足についても石 油の例と同様な問題を生じることになるかどうかは不明である、などが話された。(文責:林し ん治)