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……… 第46回関東理科教育研究発表会
1 はじめに
今回の発表は,栃木県総合教育センター平成27年度研究調査事業「高等学校における教科指導充実に関す る調査研究」の協力委員として実践した内容について報告させていただきたいと思う。
本校の生徒は,自ら試行錯誤し答えを導き出すことに消極的な傾向が見られた。そのため,正答が示される までノートに何も書くことなく待っている生徒も多かった。そこで,生徒の様子を観察し,話をよく聞いてみ ると,何をどのように考えれば良いのかそのプロセスがわからず戸惑っていることがわかった。そのことから, 自ら考え答えを導き出すためのプロセスを身につけさせることを目標とした事例を計画し,実践した。
2 実践の概要
実践1 知識の整理とそれらの活用を意識した授業展開 ~「生物の系統」の学習を通して~
○単元「生物の系統」 ○単元の目標
・生物がその系統に基づいて分類できることを理解させる。
・種を基本単位として,生物の類縁性の程度によっていくつかの階層に分けて整理することを理解さ せる。
○展 開
① 生物の分類体系,それに属する生物やその特徴について学ぶ。
② 生物の分類が種の類似性に基づいて行われてきたこと,いくつかの分類基準を組み合わせること で進化の系統が見えてくることを学習する。
③ 次時の実験材料の光合成生物を,それらが生息している様子が分かる写真とそれまでの学習内容 をもとに,複数の視点から分類する。(ワークシート1)
④ 実験「薄層クロマトグラフィーによる光合成色素分離」を行い,各生物の共通性と多様性を光合 成色素の視点から見いだす。ワークシート1と実験結果から「光合成生物と系統」と「光合成生物 と光」について考察する。(ワークシート2)
思考力 を 身に つけ させ るための 工夫
~生物における指導事例~
栃木県立佐野東高等学校
田所 陽子
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千葉大会
実践2 モデルの活用とグループ活動を取り入れた授業展開 ~「遺伝情報の発現」の学習を通して~
○単元「遺伝情報の発現」 ○単元の目標
・DNAの複製や遺伝情報の発現のしくみと遺伝情報の調 節について,分子レベルでとらえ,理解させる。 ・遺伝子を扱った技術について,その原理と 有用性を理解させる。
○展 開
① PCR法における,「半保存的複製」でできる
二本鎖DNAと目的とする二本鎖DNAの違いを明確にし,数学 的な考え方を用いて規則性を見いだす。
②サイクル数と増幅される二本鎖DNAの関係を示した式を導く。
3 思考力を身につけさせるための工夫点
実践1 ① ワークシート1で,与えられた分類の視点及び各自が 設定した視点からそれまでの知識を整理し,生物の分類 を行えるようにした。
② ワークシート2で,ワークシート1で整理した知識と実験結果を活用して考察する過程を設 けた。その中で,「比較」「分類」「関連づけ」という,思考の技術を用いて考察させることを 意識した。
③ グラフや表の読み取りが苦手な傾向を踏まえ,科学的な概念の理解を促すために実験結果に グラフ資料を加えて考察する項目を設けた。
④ 考察は意見交換しやすいようにペアワークにした。
実践2 ① DNAの学習は生徒が実感しにくい分野であるため,簡単なDNAモデルを作成し,自分たち で動かし,かつ答えを出し合いながら規則性を導き出せるようグループワークにした。 ② DNAモデルセットの中にはダミーも入れ,正しいプライマーやDNA鎖を考えて選び出せる
ようにし,知識の確認と定着も促せるようにした。
③ ワークシートに思考の流れを提示し,サイクル数と増幅される二本鎖DNAの関係性を記録 できるようにして,規則性を考察しやすくした。
4 成 果
実践1 ・分類の視点を意図的に設けることで,比較分類しやすくなるだけでなく,自ら視点を見いだそ うとしていた。→自分の意見を持つ
・以前よりも意見交換の場がたくさん見られ,様々な意見があることを知り,再考していた。→ 考えの活性化と深化
実践2 ・モデルを使いながら,各サイクルにおけるDNA鎖の関係性をスムーズに解答していた。 →DNAを実感しながらPCR法によるDNAの増幅の流れを理解。
・グループ内で意見交換しながら規則性を導き出していた。→考えの活性化と深化
5 今後の課題
「視点の明確化→比較→分類→関連づけ」の過程を利用する場面をたくさん作ることや,ペア・グループワー クともに時間が必要なため,内容の厳選と時間の確保が課題である。