ベクトル
ベクトルの意味
ベクトルは変化(違い)を表す
A
B 左図はAからBへの変化を表している.
(例1)位置 A にいた人が B に移動した.
→ この人の位置の変化(=変位)
(例2)A:昨年の身長,体重 B:今年の身長,体重
→ 身長,体重の変化
(例3)A:午前6時の気温 B:正午の気温
→ 気温の変化
ベクトルの表現
ベクトルには,3つの表現がある
(1)矢印 (2)成分 (3)記号
(2,1)
視覚的で
イメージしやすい
具体的で 計算に便利
一般的で
定式化に便利 まずは,矢印でイメージをつかむ.
つぎに,成分で計算練習.
さいごに,記号で性質をまとめる. 学習のコツ
ベクトルの例(矢印)
例:次の変化をベクトルの矢印で表すと?
昨年:身長 1.5 m,体重 60 kg → 前の状態(1.5,60) 今年:身長 1.6 m,体重 55 kg → 後の状態(1.6,55)
A→Bの変化 = AからBへの矢印 重い
高い
(1.5,60)
(1.6,55)
ベクトル
始点 …始状態 終点 …終状態
ベクトルは「向き」と「大きさ」 向き…矢の向き
大きさ…矢の長さ
※「大きさ」だけの量=スカラー
ベクトルの例(成分)
例:次の変化をベクトルの成分で表すと?
昨年:身長 1.5 m,体重 60 kg → 前の状態(1.5,60) 今年:身長 1.6 m,体重 55 kg → 後の状態(1.6,55) 変化 = 後の状態 ー 前の状態
= (1.6,55) ー (1.5,60)
= (0.1,-5)
一般に
A→Bの変化 = Bの状態 ー Aの状態 これを とかく
ベクトル
ベクトルの例(記号)
例:次の変化をベクトルの記号で表すと? 変化 A→B→C→D
それぞれの変化は
=B-A
=C-B
=D-C 全体の変化は A→B→C→D
=(A→B)+(B→C)+(C→D)
=(B-A)+(C-B)+(D-C)
=D-A
=
ベクトル
A→B→C→D = AからDへの変化 始点 と 終点 だけが重要
ベクトルの計算
逆ベクトル
逆ベクトル の逆ベクトルは
あるベクトル
これを成分でかくと
「(2,1) の逆ベクトルは (-2,-1)」
マイナス
符号が変わる
向きが逆
スカラー倍
スカラー倍 の2倍は
あるベクトル
これを成分でかくと
「(2,1) の2倍は (4,2)」
係数が倍率
各成分を2倍
長さが2倍
ベクトルの和
和 の和は
あるベクトル
これを成分でかくと
「(3,1)+(1,2) = (4,3)」
成分ごとの和
継ぎ足し
と
3+1 1+2
ベクトルの差
=
ベクトルの差
は逆ベクトルを足すこれを成分でかくと
「(3,1)-(1,2) = (2,-1)」
成分ごとの差
ー
3-1 1-2
+
=
成分と大きさ
成分分解
=
x 成分と y 成分とに分解
これを矢印でかくと
(3,1) = (3,0)+(0,1)
+
=
ベクトルの大きさ
大きさは三平方の定理から
これを成分でかくと
=
大きさ
=矢の長さ
基本ベクトル
単位ベクトル = 大きさ1のベクトル
例:(2,0) 方向の
単位ベクトル
は (1,0)例1:(1,0)は x 方向を表す単位ベクトル
=x方向の
基本ベクトル
例2:(0,1)は y 方向を表す単位ベクトル
=y方向の
基本ベクトル
方向を表す のに便利
基本ベクトル = 座標軸方向の単位ベクトル
単位ベクトル(任意の方向)
単位ベクトル の方向を表す
単位ベクトルは あるベクトル
これを成分でかくと
「(2,1) 方向の単位ベクトルは 」
大きさで割る
各成分を大きさで割る
向きが同じ 大きさが1
大きさ=√5
ベクトルの内積
ベクトルの内積
スカラー同士の積 = 大きさの積×符号(±)
ベクトル同士の積=大きさの積×向きの情報
なす角 θ
(-3)・2 = 3・2×符号(-) =-6
ベクトルの内積
結果はスカラー(別名:スカラー積) 注意 普通の掛け算
内積:特別な場合
平行なベクトルの内積=大きさの積
なす角 0 垂直なベクトルの内積=ゼロ
なす角 90°
内積:一般的な場合
大きさの積 ×コサイン
の内積
なす角
2
3
3 2
内積と大きさ
自分自身との内積=大きさの2乗
よって
内積:成分による計算
成分ごとの積を足す
=(3,4) ・ (2,5) = 3・2+4・5
=6+20
= 26
の内積
結果はスカラー
内積の利用
「成分 → 内積 → なす角」の計算 成分からなす角が分かる
(1,2)
(3,1)
→ 内積:1・3+2・1=5
大きさ:
→
内積(成分で計算)
平行と垂直
平行なベクトル
平行なベクトル:
平行条件:
成分表示: (2,1)=m(4,2)
定数倍の関係
比でかくと
2:4=1:2
垂直なベクトル
平行なベクトル:
垂直条件:
成分表示: (-1,2)・(4,2)=0
内積ゼロ
計算すると
-1・4+2・2=0
線形結合
平行でないベクトルを組み合わせる
別の向きのベクトルができる
平行なベクトルを組み合わせる
同じ向きのベクトルができる
線形独立 と 線形従属
このとき, は の代用になる. はなくても困らない.
があれば事足りる.
を で表すことが可能なら,
この状況を表すのに以下の用語を使う.
線形従属:他のベクトルで代用できる(無くても平気) 線形独立:他のベクトルで代用できない(無いと困る)
のようにかける.
ある ベクトル
他の ベクトル
が
線形結合
線形従属
ひとつのベクトルが
他のベクトルの定数倍で 表されるとき,すなわち
のとき,線形従属という
2つのベクトルの組 3つのベクトルの組 ひとつのベクトルが
他のベクトルの線形結合で 表されるとき,すなわち
のとき,線形従属という 要するに,平行のとき
または または
線形独立
「線形独立」=「線形従属でないもの」 2つのベクトル:「線形独立」=「平行でない」
3つのベクトル:「線形独立」=「同一平面内にない」
「同一平面内にある」=「線形従属」=「線形独立ではない」 線形独立でない例:
3つが同一平面内にある場合,
ひとつのベクトルを他の2つで表すことができる
「c は a と b で 代用できる」
=「独立でない」
直線
直線の基本
直線を表すのに必要なもの:方向と通る点 方向の表し方:方向ベクトル
通る点の表し方:座標
(2,1)
(0,1),(2,2),(x,y)
(2,2)
(0,1)
(x,y)
(2,1)
方向ベクトル
方向ベクトル:直線上の2点を結ぶベクトル
(無限に存在する) 方向ベクトル(その1)
=(2,2)ー(0,1)
=(2,1)
方向ベクトル(その2)
=(x,y)ー(0,1)
=(x-0,y-1)
(x,y)
(0,1)
(2,2) 平行
直線の式:考え方
直線の式: x と y の関係式 [求め方]
「方向ベクトルは平行」より
→ (2,1) // (x-0,y-1)
→ 2:1 = x-0:y-1
(2,1)
(x,y)
(x-0,y-1)
(0,1)
方向ベクトルの成分
通る点の座標
比を分数式で表す
直線の式:まとめ
必要なもの: 方向ベクトルと通る点
x-y 平面内の直線 空間内の直線 方向ベクトル
通る点(a, b, c) 方向ベクトル
通る点(a, b)
のときは
のときは
,
平面
平面の基本
平面を表すのに必要なもの:方向と通る点 方向の表し方:法線ベクトル
(面の向きを表す)
通る点の表し方:座標
(2,1,1)
(3,4,5),(x,y,z)
(3,4,5)
(2,1,1)
(x,y,z)
面の方向
通る点
法線ベクトル
法線ベクトル:平面に垂直なベクトル
(無限に存在する) 法線ベクトル
=(2,1,1)
平面内のベクトル
=(x,y,z)ー(3,4,5)
=(x-3,y-4 ,z-5 )
垂直
(3,4,5)
(2,1,1)
(x,y,z)
平面の式:考え方
平面の式: x,y,z の関係式 [求め方]
「法線ベクトルは垂直」より
→ (2,1,1) ⊥ (x-3,y-4 ,z-5 )
→ 内積=0
2(x-3)+1(y-4)+ 1(x-5) =0
法線ベクトルの成分
通る点の座標
(3,4,5)
(2,1,1)
(x,y,z)
平面の式:まとめ
必要なもの: 法線ベクトルと通る点 法線ベクトル
通る点