UNIX では、NetBackup は syslogd を使用して、ロボットエラー、ネットワークエラー、ロ
ボットで制御されたドライブの状態変更を記録します。HP-UX では、sysdiag ツールを 使用して、ハードウェアのエラーに関する追加情報を入手できる場合があります。
この追加のログ記録を有効にするには、次のいずれかの方法を使用します。
■ デバイス管理プロセスを起動する ltid コマンドと -v オプションを使用します。この オプションを指定すると、ロボットデーモンおよび vmd が詳細モードで起動されます。
■ 特定のデーモンを起動するコマンドと -v オプションを使用します (例: acsd -v)。
エラーは LOG_ERR、警告は LOG_WARNING、デバッグ情報は LOG_NOTICE と記録されま す。facility の形式は[daemon]です。
Windows のイベントビューアのログオプション
Windows のイベントビューアのアプリケーションイベントログに、ログアプリケーションと診
断メッセージを書き込むように、NetBackup Windows マスターサーバーを構成すること もできます。
vxlogcfg について詳しくは、『NetBackup コマンドリファレンスガイド』を参照してくださ い。
第 1 章 ログの使用 49 クライアントのログの保持制限の設定
オリジネータの Windows イベントビューアに統合ログメッセージを書き込むには
1
vxlogcfg コマンドを使用して、オリジネータの LogToOslog の値を true に設定します。
次に例を示します。
# vxlogcfg -a -o nbrb -p NB -s "LogToOslog=true"
2
NetBackup サービスを再起動します。Windows イベントビューアにレガシーログメッセージを書き込むには
1
NetBackup マスターサーバー上に eventlog ファイルを作成します。install_path¥NetBackup¥db¥config¥eventlog
2
必要に応じて、eventlog ファイルにエントリを追加します。次に例を示します。56 255
「56」を指定すると、重大度が警告 (Warning)、エラー (Error)、重要 (Critical) のメッ セージを記載したログを生成します (56 = 8 + 16 + 32)。「255」を指定すると、すべ ての種類のメッセージがあるログを生成します (255 = 1 + 2 + 4 + 8 + 16 + 32 + 64 +128)。
3
NetBackup サービスを再起動します。イベントログのパラメータ
eventlog のパラメータは重大度と種類を表します。どちらのパラメータも 10 進数で指 定され、次の値を表すビットマップと等価です。
1 = 不明 2 = デバッグ 4 = 情報 8 = 警告 16 = エラー 32 = 重要
■ 1 番目のパラメータとして表示されます。
■ NetBackup がアプリケーションログに書き込むメッセージを制御します。
■ ファイルが空の場合、デフォルトの重大度はエラー (16) です。
■ ファイルにパラメータが 1 つしか含まれない場合、そのパラメータは重大度の レベルとして使用されます。
重大度 (Severity)
1 = 不明 2 = 一般 4 = バックアップ 8 = アーカイブ 16 = 検索 32 = セキュリティ 64 = バックアップ状態 128 = メディアデバイス
■ 2 番目のパラメータとして表示されます。
■ NetBackup がアプリケーションログに書き込むメッセージの種類を制御しま
す。
■ ファイルが空の場合、デフォルトの種類はバックアップ状態 (64) です。
形式
ログ内のメッセージの形式は次のとおりです。
<Severity> <Job type> <Job ID> <Job group ID> <Server> <Client> <Process> <Text>
次に例を示します。
16 4 10797 1 cacao bush nbpem backup of client bush exited with status 71
第 1 章 ログの使用 51 Windows のイベントビューアのログオプション
バックアッププロセスおよび ログ記録
この章では以下の項目について説明しています。
■ バックアップ処理
■ NetBackup プロセスの説明
■ バックアップログについて
■ テクニカルサポートへのバックアップログの送信
バックアップ処理
図 2-1は、スケジュールバックアップ時のバックアップ手順とプロセスフローを示していま す。
2
図 2-1 バックアッププロセスの基本フロー
テープのみ
(1)nbpem
(3)bprd
(2)bpdbm nbproxy NetBackup
データ ベース
(4)nbjm (6)nbrb (7)nbemm
(5)bpjobd ジョブ データベース
EMM データベース (8)
bpcompatd
(9)bpcd
(10)bpbrm
(13)bptm
(11)bpcd (12)bpbkar/
アクティブ なクライ
アント のデータ
(14)ltid (15)txxd/
(16)txxcd
テープまた はディスク
外部接続/
通信パス PBX
vnetd
マスター サーバー
メディア サーバー
クライアント サーバー Enterprise Media Manager
サーバー
バックアップの基本手順
1
(1) NetBackup Policy Execution Manager (nbpem) は、ジョブの期限になるとバッ クアップを開始します。ジョブの期限を判断するため、nbpem はプロキシサービス nbproxy を使用して (2) NetBackup Database Manager (bpdbm) からバックアッ プポリシー情報を取得します。ユーザーが開始するバックアップの場合、nbpem が (3) NetBackup Request デー
モン (bprd) から要求を受信したときにバックアップが開始されます。
2
ジョブが期限になると、nbpem は (4) NetBackup Job Manager (nbjm) にバックアッ プの送信と jobid の取得を要求します。3
nbjm サービスは (5) bpjobd と通信し、ジョブデータベースのジョブリストにジョブが追加されます。ジョブはキューへ投入済みとなり、アクティビティモニターに表示され ます。
4
ジョブがジョブデータベースに追加されると、nbjm は (6) NetBackup Resource Broker (nbrb) を通してリソースをチェックします。5
nbrb プロセスは (7) Enterprise Media Manager (nbemm) から必須リソースを確保 し、リソースが割り当て済みであることを nbjm に伝えます。第 2 章 バックアッププロセスおよびログ記録 53 バックアップ処理
6
リソースが割り当てられると、nbjmはイメージデータベースを呼び出して一時的な場 所にイメージファイルを作成します。バックアップヘッダーテーブルの必須エントリも 同時に作成されます。ジョブはアクティビティモニターで[アクティブ (Active)]として 表示されます。7
ジョブを実行すると、nbjm は (8) bpcompatd を使用して (9) メディアサーバーのク ライアントサービス (bpcd) への接続を開きます。bpcompatd サービスは構内交換 機 (PBX) および NetBackup レガシーネットワークサービス (vnetd) を通して接続を 作成します。8
bpcd サービスは (10) NetBackup バックアップおよびリストアマネージャ (bpbrm) を開始します。9
bpbrm サービスは (11) クライアントサーバーの bpcd(PBX および vnetd 経由) と 通信し、(12) Backup Archive Manager (bpbkar) を開始します。bpbrm は (13) テープ管理プロセス (bptm) も開始します。10
テープバックアップの場合、bptm はドライブを予約し、(14) 論理テープインター フェースデーモン (ltid) にマウント要求を発行します。ltidサービスは (15) ロボッ トドライブデーモン (txxd、xx は使用するロボットの種類によって異なります) を呼び 出します。txxdデーモンは (16) メディアをマウントするロボット制御デーモン (txxcd) へのマウント要求と通信します。ディスクバックアップの場合、bptm はディスクと直接通信します。
11
bpbkar サービスは、メディアストレージまたはディスクストレージに書き込まれる bptm を通してバックアップデータを送信します。12
バックアップが完了すると nbjmに伝達され、bpjobd にメッセージが送信されます。ジョブはアクティビティモニターで[完了 (Done)]として表示されます。nbjm サービ スは次の予定時刻を再計算する nbpem にジョブの終了状態をレポートします。
バックアップに関係するプロセスごとにログファイルがあります。これらのログはバックアッ プで発生した問題の診断に使用できます。
バックアッププロセスフローには含まれませんが、バックアップの問題の解決に有用な追 加のログには、bpbackup、reqlib、daemon、robots、acsssi などがあります。