第 4 章 パワー半導体デバイスの高耐圧化
4.5 高抵抗 p-GaN 層を持つ高耐圧 p-n ダイオード
4.5.5 p-GaN 層薄層化 p-n ダイオードの特性評価結果
図4.45に順方向I-V測定時のオン抵抗のp-GaN層薄層化幅依存性を示す。 p-GaN層薄層化の幅0が通常構造p-nダイオードの値である。通常構造p-nダイ オードの値に比べ、p-GaN層薄層化p-n ダイオードは僅かではあるがオン抵抗 が増加しているように見えるが、素子間ばらつきのため明確な傾向はない。
図4.46に耐圧のp-GaN層薄層化幅依存性を示す。通常構造p-nダイオードの
値に比べ、p-GaN 層薄層化 p-n ダイオードは 100~200V 程度耐圧の向上が見 られた。ガードリング構造 p-n ダイオードにおいて耐圧の向上は 200V 程度で あり、本検討の結果は概ね妥当な結果と思われる。なお、p-GaN層薄層化幅80 μmの素子は測定した素子全てで耐圧が3kV以下であった。
図4.47に通常構造p-nダイオードとp-GaN層薄層化p-nダイオードの逆方向 I-V特性評価結果を示す。通常構造p-nダイオードがいわゆる頓死という形で破 壊が発生しているのに対し、p-GaN層薄層化p-nダイオードは破壊が発生しな い素子が多く見られた。通常構造 p-n ダイオードに関しては典型的なアバラン シェ降伏と考えられるが、p-GaN層薄層化p-nダイオードは別のメカニズムが 想定される。そこでp-GaN層薄層化p-nダイオードについて逆方向I-V特性の 温度依存性評価を行った。図4.48 に p-GaN 層薄層化p-n ダイオードの逆方向 I-V特性温度依存性評価結果を示す。温度の上昇と共に耐圧が増加するアバラン シェ降伏の特長を示した [85]。アバランシェ降伏が発生しているのにp-n ダイ オードの破壊が起こらないのは、アバランシェ耐量が向上しているためである と考えられる。4.5.1 項で説明した通りp-GaN 層薄層化 p-n ダイオードではメ
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サ端付近の電界集中が緩和されている事が期待できる。一方p 形電極直下の p-GaN層は元々電界は分散しており、部分的に電界が集中している場所は存在し ないと考えられる。アバランシェ降伏による p-n ダイオードの破壊は、電界が 一部分に集中している時にその場所で起こりやすいと推定され、p-GaN 層薄層 化 p-n ダイオードのように全体的に電界が分散している状況では破壊に至りに くいと思われる。しかし、全ての素子で一律に電界が分散されているわけではな く、初回測定や繰り返し測定を行うことで破壊が生じる素子も相当数存在する ため、層構造やデバイス構造の最適化は必要であると考えられる。
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