第 3 章 パワー半導体デバイスプロセス
3.4 コンタクトホール加工のドライエッチング化
前述の通りより高い特性目標を掲げるにあたり、これまで顕在化していなか ったp-nダイオード作製プロセスの問題点が明らかになってきた。以下の項に て従来プロセスでの問題点の改善に関する検討結果を述べる。
問題点の一つ目は、コンタクトホール加工後のSOGとSiO2の形状である。
SOGとSiO2はHFに対するエッチングレートが異なりSOGの方がSiO2より エッチングレートが速いため、コンタクトホール加工後のエッチング形状は、
図3.3(a)に示すように、SiO2に比べSOGのサイドエッチング量が大きくな る。このような形状のコンタクトホール上に電極金属をEB蒸着法で蒸着する と、図3.3(b)に示すように、電極金属に段切れが発生することが懸念され る。段切れによりp形電極とFP電極が絶縁された場合、FP電極によるメサ 端の電界集中緩和効果は失われ、耐圧劣化の原因となり得る。そこでコンタク トホール加工方法として、SOGとSiO2のエッチングレートが等しいドライエ ッチング法の適用を検討した。またドライエッチング法を適用した場合、 p-GaN層上に直接SOGが形成されているとSOGドライエッチング時p-GaN層 が直接ドライエッチングに晒されるため、p-GaN層にドライエッチングダメー ジが発生する。ドライエッチングダメージからp-GaN層を保護するため、保 護層を兼ねたp形オーミック電極の先行作製プロセスも併せて検討した [71]。
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図3.4に作製プロセスフローを示す。図3.2(a)に示したメサ形成プロセス と同様にメサを形成した後(図3.4(a))、表面保護膜形成前にp形オーミック 電極(Pd/Ni)をリフトオフ法で形成した(図3.4(b))。PdはSiO2やSOG との接着性が低いため、Pd上に直接SOGを形成するとPd上のSOGが剥が れたり、クラックが発生したりすることが懸念される。そこでp形オーミック 電極は、後に形成するSOGとの接着性向上のため、Pd上にNiを蒸着した2 層構造とした。
次に、全面に表面保護膜であるSOGとSiO2を形成した(図3.4(c))。SOG とSiO2の形成方法は前述の通りである。
次に、SOGとSiO2の加工用マスクパターンを形成し、ドライエッチング法 でSOGとSiO2の加工を行った(図3.4(d))。加工用のマスクパターンは、日 立化成製感光性ポリイミドHD8820を用いた。形成条件は、塗布後120℃ 5 分間のベークを行い、露光現像後、150℃ 5分間、200℃ 30分間のベークを 行った。ドライエッチングはICP-RIE法を用い、エッチング条件は前述の通 りである。
ドライエッチング後、マスクであるポリイミドを同じくICP-RIE法を用いて 除去した。反応ガスはO2を用い、コイル出力は400W、RF出力はポリイミド 以外の膜が極力エッチングされないように0とした。
以下のプロセスは従来プロセスと同様である(図3.4(e))。
図3.5に従来のウエットエッチング法によるコンタクト加工プロセスおよ び、本研究で検討したドライエッチング法によるコンタクト加工プロセス後の 断面形状観察結果を示す。ウエットエッチング法により加工を行った場合、本 試料においては金属の段切れは観察されなかったが、金属の浮き上がりが観ら れ、不安定な接触になっていると考えられる。それに対し、ドライエッチング 法により加工を行った場合、良好なテーパ形状となり、良好な金属の被覆性が 観察された。
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