■ ZFS 階層内でファイルシステムの場所を移動します。
■ ファイルシステムの名前を変更して、ZFS 階層内で場所を移動します。
rename を実行すると、ファイルシステムおよび子孫のファイルシステム (存在する
場合) をアンマウントして再マウントしようとする処理が行われます。アクティブな ファイルシステムをアンマウントできない場合、rename コマンドは失敗します。こ の問題が発生した場合は、ファイルシステムを強制的にアンマウントする必要があり ます。XREF!!!!
1.
ルートになります。
2.
ZFS ファイルシステムの名前を変更します。
次の例では、rename サブコマンドを使ってファイルシステムの名前を eric から eric_old に変更しています。
例 32 ZFS ファイルシステムの場所を移動する
次の例では、zfs rename を使用してファイルシステムの場所を移動する方法を示し ています。
# zfs rename tank/home/mark tank/ws/mark
この例では、mark ファイルシステムの場所が tank/home から tank/ws に移動しま す。名前の変更を使ってファイルの場所を移動するときは、新しい場所は同じプール の中にする必要があり、新しいファイルシステムを格納するために十分なディスク領 域が存在している必要があります。割り当て制限に達したなどの理由で新しい場所の ディスク容量が不足していると、rename 操作は失敗します。
割り当て制限の詳細については、147 ページの「ZFS の割り当て制限と予約を設定
する」を参照してください。
ZFS のプロパティーの概要
ファイルシステム、ボリューム、スナップショット、およびクローンの動作を制御す るときには、主にプロパティーというメカニズムを使用します。このセクションで定 義されているプロパティーは、ほかに説明のある場合を除いて、すべての種類のデー タセットに適用されます。
■
115 ページの「ZFS の読み取り専用のネイティブプロパティー」
■
116 ページの「設定可能な ZFS ネイティブプロパティー」
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122 ページの「ZFS のユーザープロパティー」
プロパティーは、ネイティブプロパティーとユーザー定義プロパティーの 2 種類に分 けられます。ネイティブプロパティーは、内部の統計情報を提供するか、ZFS ファイ
ZFS のプロパティーの概要
ルシステムの動作を制御します。また、ネイティブプロパティーは設定可能なプロ パティーまたは読み取り専用のプロパティーのどちらかです。ユーザープロパティー は ZFS ファイルシステムの動作には影響しませんが、これらを使用すると、使用環境 内で意味を持つようにデータセットに注釈を付けることができます。ユーザープロパ ティーの詳細については、122 ページの「ZFS のユーザープロパティー」を参照し てください。
設定可能なプロパティーのほとんどは、継承可能なプロパティーでもあります。継承 可能なプロパティーとは、親ファイルシステムに設定されるとそのすべての子孫に伝 達されるプロパティーのことです。
すべての継承可能なプロパティーには、プロパティーがどのように取得されたかを示 すソースが関連付けられています。プロパティーのソースには次の値を使用できま す。
local そのプロパティーが zfs set コマンドを使用して明示的にデータ
セットに設定されたことを示しています。126 ページの「ZFS
プロパティーを設定する」を参照してください。
inherited from
dataset-name そのプロパティーが、指定された祖先から継承されたことを示し
ています。
default そのプロパティーの値が、継承されたのでもローカルで設定さ
れたのでもないことを示しています。このソースは、このプロパ ティーがソース local として設定された祖先が存在しないことを 示しています。
次の表には、ZFS ファイルシステムの読み取り専用のネイティブプロパティーと設 定可能なネイティブプロパティーの両方を示しています。読み取り専用のネイティ ブプロパティーには、そのことを記載しています。この表に示すそれ以外のプロ パティーは、すべて設定可能なプロパティーです。ユーザープロパティーについて は、122 ページの「ZFS のユーザープロパティー」を参照してください。
表 3 ZFS のネイティブプロパティーの説明
プロパティー名 タイプ デフォルト値 説明
aclinherit 文字列 secure ファイルやディレクトリが作成されたときに ACL エ
ントリがどのように継承されるかを制御します。値 は、discard、noallow、secure、および passthrough で す。これらの値については、199 ページの「ACL プロパ ティー」を参照してください。
aclmode 文字列 groupmask chmod 操作中に ACL エントリがどのように変更され
るかを制御します。値は、discard、groupmask、 および passthrough です。これらの値について
は、199 ページの「ACL プロパティー」を参照してくださ い。
atime ブール型 on ファイルが読み取られたときに、そのファイルのアクセス時
間が更新されるかどうかを制御します。このプロパティーを
ZFS のプロパティーの概要
プロパティー名 タイプ デフォルト値 説明
オフに設定すると、ファイルを読み取るときに書き込みトラ フィックが生成されなくなるため、パフォーマンスが大幅に 向上する可能性があります。ただし、メールプログラムなど のユーティリティーが予期しない動作をすることがありま す。
available 数値 N/A プール内でほかのアクティビティーが実行されていない場
合に、ファイルシステムおよびそのすべての子が使用できる ディスク容量を識別する読み取り専用プロパティー。ディス ク容量はプール内で共有されるため、プールの物理サイズ、
割り当て、予約、プール内のほかのデータセットなどのさま ざまな要因によって、利用できる容量が制限されることがあ ります。
このプロパティーの省略名は avail です。
canmount ブール型 on ファイルシステムが zfsmount コマンドを使ってマウントで
きるかどうかを制御します。このプロパティーはどのファイ ルシステムにも設定可能で、プロパティー自体は継承可能で はありません。ただし、このプロパティーを off に設定する とマウントポイントを子孫のファイルシステムに継承できま すが、ファイルシステム自体がマウントされることはありま せん。
noauto オプションを設定すると、ファイルシステムは明示
的なマウントおよびアンマウントのみ可能になります。ファ イルシステムの作成時やインポート時に、ファイルシステ ムが自動的にマウントされることはありません。また、zfs mount-a コマンドでマウントされることや、zfs unmount-a コマンドでアンマウントされることもありません。
詳細は、117 ページの「canmount プロパティー」を参照 してください。
casesensitivity 文字列 mixed このプロパティーは、ファイルシステムで使用するファ
イル名照合アルゴリズムで、大文字と小文字を区別する (casesensitive) か、区別しない (caseinsensitive) か、ま たは両方の照合方式の組み合わせを許可する (mixed) かを指 定します。通常、UNIX および POSIX のファイルシステムで は、ファイル名の大文字と小文字を区別します。
このプロパティーの値が mixed の場合、ファイルシステ ムが要求に応じて大文字と小文字を区別する照合も区別 しない照合もサポートできることを示します。現在、混 合動作をサポートするファイルシステムで大文字と小文字 を区別しない照合が可能なのは、Oracle Solaris SMB サー バー製品に限られています。mixed 値の使用方法について は、117 ページの「casesensitivity プロパティー」を参 照してください。
casesensitivity プロパティー設定には関係なく、ファイ ルシステムは、ファイルを作成するために指定された名前 の大文字または小文字を保持します。このプロパティーは、
ファイルシステムの作成後には変更できません。
checksum 文字列 on データの整合性を検証するために使用されるチェックサム
を制御します。デフォルト値は on で、適切なアルゴリズム (現在は fletcher4) が自動的に選択されます。値は、on、
ZFS のプロパティーの概要
プロパティー名 タイプ デフォルト値 説明
off、fletcher2、fletcher4、sha256、および sha256+mac です。値を off にすると、ユーザーデータの完全性チェック が無効になります。値を off にすることは推奨されていませ ん。
compression 文字列 off データセットに対する圧縮を有効または無効にします。これ
らの値は、on、off、lzjb、lz4、gzip、および gzip-N で す。現時点では、このプロパティーを lzjb、gzip、または gzip-N に設定することは、このプロパティーを on に設定す ることと同じ効果を持ちます。既存のデータを持つファイル システムで compression を有効にした場合は、新しいデータ のみが圧縮されます。既存のデータは圧縮されないままとな ります。
このプロパティーの省略名は compress です。
compressratio 数値 N/A データセットに適用される圧縮率を識別する読み取
り専用プロパティー。乗数で表現されます。zfs set compression=on dataset コマンドを使用すると、圧縮を有効 にできます。
値は、すべてのファイルの論理サイズおよび参照する物理 データの量から計算されます。これには、compression プロ パティーを使用して明示的に圧縮されたデータセットも含ま れます。
copies 数値 1 ファイルシステムごとのユーザーデータのコピー数を設定
します。使用できる値は 1、2、または 3 です。これらのコ ピーは、プールレベルの冗長性を補うものです。ユーザー データの複数のコピーで使用されるディスク領域は、対応す るファイルとデータセットから取られるため、割り当て制限 と予約にとって不利に働きます。また、複数のコピーを有効 にすると、used プロパティーが更新されます。既存のファ イルシステムでこのプロパティーを変更しても新しく書き込 まれたデータにしか影響しないため、このプロパティーの設 定はファイルシステムの作成時に検討します。
creation 文字列 N/A データセットが作成された日付と時間を識別する読み取り専
用プロパティー。
dedup 文字列 off ZFS ファイルシステムの重複したデータを削除する機能を
制御します。設定できる値は、on、 off、verify、および sha256[,verify] です。デフォルトの複製解除のチェック サムは sha256 です。
詳細は、119 ページの「dedup プロパティー」を参照して ください。
defaultgroupquota 文字列 なし デフォルトのグループ割り当て制限を設定します。値は、明
示的なグループ割り当て制限が指定されていないすべての グループに適用されます。デフォルト値は none です。詳細 は、151 ページの「デフォルトのユーザーおよびグループ の割り当て制限を設定する」を参照してください。
defaultuserquota 文字列 なし デフォルトのユーザー割り当て制限を設定します。値は、明
示的なユーザー割り当て制限が指定されていないすべての ユーザーに適用されます。デフォルト値は none です。詳細 は、151 ページの「デフォルトのユーザーおよびグループ の割り当て制限を設定する」を参照してください。