著作権と審議⽤⽂書の配布
【質問 34】
【ISO/IEC Directives, Part 1:2014】には全ての規格原案、国際規格及びその他の 発⾏物の著作権は、ISO⼜はIEC(該当するいずれか)に所属し、中央事務局が代表 するとしています。「その他の発⾏物」とはどの範囲を指すのでしょうか。また、規 格の審議に際して参照する必要がある規格類は購⼊しなければならないのでしょう か。
【答え】
「その他の発⾏物」とは、IECが作成したIECのweb-siteに掲載されている⽂書全て、
即ち、Web site上の諸々のガイド⽂書、IEC eTech newsなどの機関紙、Directives など全ての⽂書を指します。JSAがホームページに掲載している和英対訳の⾊々な資 料は全てIEC COの翻訳・公開の了解を得ています。
規格案を含む全ての規格類、WD, CD, CDV, FDIS等の審議⽂書及びIS, TS, TR及び PASの出版物は、配布に当たって、著作権の制約を受けます。
ただし、IECは規格開発の過程で、規格審議を⽬的にこれらの⽂書を使う場合に限り、
無料での配布を認めています。審議⽂書の配布に当っては、⽬的を明確にし、規格策 定に携わる専⾨家に限って配布する必要があります。
IECはNCが、審議⽤などの⽬的で無償配布する場合には、ウオーターマーク(⽬的限 定配布でることが明⽩になるように⽂書の各ページに付けるマーク)を付けるよう求 めています。
著作権に関する事前了解や質問についてのIECの窓⼝については下記リンクをたど ってください。
http://www.iec.ch/about/copyright/
対象⽂書、使⽤⽬的、公開の範囲等を明記して、e-mailで問い合わせることを勧めま す。
Corrigendum の⼊⼿⽅法
【質問 35】
Corrigendum2件が発⾏されました。JSAのホームページには,未だアップロードさ れていませんので,IECのホームページから無料でダウンロードする⽅法がありまし たら,教えください。
【答え】
IECのWeb Storeから無料でダウンロードできます。JSAのホームページからは、誰 でも無料でCorrigendumをダウンロードできますが、少々時間差があります。
特許の取り扱い
【質問 36】
標準化に際して不可避な特許が存在する場合に、出願済みで未公開の特許についても、
公表すべきですか。また、サンプル提供などにより、標準化を進める過程(ラウンド ロビンテストなど)で新たな特許出願がされる場合、その特許は、どう扱われますか
(単独、共願、特許化しないなど)。更に、⼀般に⾏われる守秘契約、共同開発契約 などに似た契約、概念はありますか。
【答え】
特許の取り扱いは、代表的な国際標準化機関であるIEC、ISO及びITU(WSC: World Standards Cooperation の構成団体)の間で、その政策の統⼀が図られました。
その⾻⼦は次の通りです。
・NPの提案者は、関連特許の存在を調べ、必要な情報を提供すること。
・関連特許とは、特許そのもの、実⽤新案(Utility models)及び発明に基づく公的 権利を指し、公開済のほか、未公開の出願 (pending patent application)を含む。
・NP成⽴後、特許権者は「無償ないし、妥当で⾮差別的 (Reasonable And Non-discriminatory: RAND) 条件でライセンスするか否か」について、所定の 声明書(Declaration Form)をIEC COに提出すること。ライセンスの意思がない
場合には、その特許番号と当該規格と関連する請求内容についての説明を求めて いる。
・特許権者が保有する複数の特許で、⼜は複数の請求事項で異なる選択をする場合に は、それぞれ別の声明書とすることが望ましい。
・ライセンスの同意がない場合は、規格にはその特許に関る仕様は含めてはならない。
・規格の最終承認は、同意の声明書の提出を確認の上で⾏われる。しかし、発⾏後に 特許の存在が明らかになった場合は、特許権者に声明書の提出を求め、ライセン スの同意が得られない場合には、当該特許の請求内容が影響する仕様を規格から 削除するか、規格を廃⽌する。
・特許権の保有者と規格使⽤者との間のライセンス交渉には国際標準化機関は関与 しない。
・上記の⼿続きは、規格策定中、⼜は成⽴後に存在に気が付いた関連特許にも適⽤さ れ、委員会メンバーは、その旨を⽂書で委員会幹事に通知し、所定の⼿続きを促 すこと。
・規格の策定と使⽤を⽀援するため、中央事務局は特許情報データベースを設ける。
上記の⾻⼦を踏まえて、ご質問にお答えします:
お尋ねの出願済みの未公開特許は審査済の特許と同様に対象になり、公表が求められ ます。また、上記のように、規格の検討を進めている途中で、関連特許が明らかにな ったり、出願されたりする場合も、直ちにTC/SC国際幹事とIEC COに通知し、所定 の⼿続きに⼊ることを求めています。
IEC規格開発中にTC/SC委員会の活動の中から特許権が⽣じるような発明・発⾒が ある場合、その権利は、発明者個⼈とその議論に加わっていた専⾨家が共同発明者と して保持するものと認められると思われます。出願⼿続きは、発明者が帰属する企 業・団体を通じてなされることになるでしょう。その場合の、共同発明者の特定、費
⽤の分担については当事者の協議によるものとなるでしょう。
作成中の規格番号の変更
【質問 37】
規格の番号を変えることはできるでしょうか?
【答え】
⼀般に、⼀度アサインされた規格の番号を変えることはできません。他の規格とマー ジして新たな規格を開発する場合でも、マージする前のどちらかの番号を選択するよ う指⽰されます。
作成中の規格のパート分け
【質問 38】
現在開発中の規格をパート分けするにはどうしたらよいでしょうか?
【答え】
WGもしくはProject Team内の議論でパート分けすることが合意されたら、TC/SC の幹事・議⻑の判断で、パート分けすることが可能です。IECのデータベースを更新 する必要がありますので、その旨、TC/SCの総会で報告して決議に⼊れるか、INF⽂
書を発⾏してNCに周知するのがよいでしょう。この⽂書を元にIEC COがデータベー スを更新します。また、パート分けした審議⽂書をNCに回覧する場合には、Formの 表紙のIntroductory Noteにパート分けした旨を記載しておくのがよいでしょう。
なお、既存規格の改訂においてパート分けを⾏う場合、Edition番号が1.0にリセット されますのでご注意ください。
WD/CD/CDV/FDIS の審議⽂書の配布と回答
【質問 39】
TC/SCにはP/Oメンバー、リエゾンメンバーと、TC/SCに所属しないNC(ノンメン バー)がいますが、審議の過程でWD,CD,CDV及びFDISはこれらのメンバーにどの ように配布され、審議されるのでしょうか。 回答の仕⽅に違いがあるのでしょうか。
【答え】
ISO/IECの合意形成の過程は、規格案の完成度に応じて利害関係者の範囲を次第に拡
⼤し、最終的には全NCの合意が成⽴した規格を発⾏する仕組みになっています。先 ず、新規項⽬(NWI)をPメンバーが指名した専⾨家(エキスパート)がWGで練り
(作成段階)、WGで合意に達した案をTC/SC委員会に挙げます。この段階では、検 討に参加する範囲を委員会メンバー(TC/SCのP/Oメンバーとリエゾンメンバー)に 広げて審議し、委員会での合意形成を図ります(委員会段階)。
委員会のPメンバーの合意が形成されると、次の照会段階(CDV)へ移⾏し、全正会 員(DirectivesではISO/IECの共通⽤語としてNational body、IECではNational Committee-NCという)が審議に参加します。
照会段階で合意形成の条件(Pメンバーの有効投票の2/3以上の賛成と有効全投票の 1/4以下の反対)を満たし、TC/SCの議⻑が最終案にふさわしいと判断すると、次の 承認段階(Approval stage : FDIS)へ移⾏し、最終案を全メンバーで確認(承認条 件は照会段階に同じ)して、発⾏となります。
作成及び委員会段階はWD/CDのTC/SC傘下での検討・審議ですので、TC/SCのメン バー国宛に審議⽂書の配布が⾏われますが、照会及び承認段階はISO/IEC全メンバー の合意形成が⽬的のため、全NCに審議⽂書(CDV・FDIS)を配布し、投票を受け取る 仕組みになっています。 従って、作成・委員会段階でのTC/SCのP/Oメンバーとは TC/SCに登録しているメンバーを指しますが、照会・承認投票でのメンバーは、
TC/SCに未登録メンバー(ノンメンバー)を含む全メンバーを指します。
IECでの⽂書配布先のルールの図解は【ISO/IEC Directives, IEC Supplement (第9 版2015)附属書SF(規定)】をご覧ください。審議⽂書の配布に当たっては、著作権へ の配慮が求められます(【質問 34】著作権と審議⽤⽂書の配布 参照)。
IECでの審議⽂書の配付と回答の仕⽅の概要は以下の通りです。WDの配布はe-mail で⾏うか、IECコラボレーション・ツール上で⾏うかは、TC/SC、WGあるいはプロ ジェクトチームの選択で⾏われています。WGのエキスパート数が少ない場合には e-mailでの配布がむしろ⼿軽かもしれません。IECにはメーリングリストのサービス がありますが、IEC COはその使⽤よりもコラボレーション・ツールの利⽤を推奨し ています。
WDに対する回答は、原則として、WGのコンビーナにe-mailまたはコラボレーショ ン・ツール上で⾏います。
CD以降の⽂書の配布と投票はIECの⽂書サーバ上で⾏われています。CD以降の⽂書 はIECではTC/SC国際幹事がIEC COのオフィサーまたはそのアシスタント宛に送付 し、IEC COが⽂書サーバにアップします。
⽂書が掲載されると、NCの事務局がダウンロードして国内委員会(Mirror
committee)メンバーに配布し、審議します。審議結果はNCの事務局担当者がサーバ ー上で回答します。