IEC 会議参加の⼿続き
【質問 62】
IEC国内審議団体ですがTCと傘下のSCのO-メンバーです。IECへの対応⼒向上のため、
次回のTC/SC会議にオブザーバー参加を検討中ですが、参加経験が無く、国内外でど のような参加⼿続きが必要なのかを教えてください。
【答え】
TC/SC会議の開催予定は、IECのWebサイトから確認することができます。
http://www.iec.ch/dyn/www/f?p=103:49:0
会議の議題案や審議⽂書もこのサイトから参照することができます。(IDとPWは JISCから団体に配布されているID、PWを使うことができます。ID、PWが不明な場 合は、IEC-APC事務局([email protected])にお問い合わせください。)
会議への参加登録はIECのMeeting Registration System(http://meetings.iec.ch/)
を使って⾏います。このサイトから登録するには、参加者個々のIDとPWが必要です。
(ID、PWを持っていない場合には、Expert登録が必要です。所定の書式に記⼊して IEC-APC事務局([email protected])に登録を依頼してください。書式につい て不明な場合にはIEC-APC事務局にお問い合わせください。)
IECのMeeting Registration Systemに⼊ると左側のパネルに会議の⼀覧が表⽰され ますので、そこから参加したい会議を選択し、登録を進めます。
参加者の基本情報から、どの会議やイベントに参加するか、VISAの要否等を⼊⼒・
チェックして登録してください。VISAが必要な場合には、チェックを⼊れておくと Invitation letterが⾃動的に発⾏・送付されてきます。宿泊情報も⾒ることができま すので指⽰に従って⼿配してください(取りまとめて⼿配してくれる場合もあれば、
個々⼈で⼿配しなくてはいけない場合もありますのでよくご確認ください)。
参加に際しては、JISCへの⼿続きは不要です。
会議では、O-メンバーは投票権がありませんが、意⾒の表明ができます。従って、
事前に会議資料を国内審議委員会で検討し、意⾒を準備して参加すれば、単に傍聴す る以上の有意義な会議になるでしょう。会議⽂書はIECコラボレーション・ツールに アップされます。
O-メンバーからP-メンバーへの切り替えは、JISCからIEC中央事務局へ通知するだけ で、切り替えが可能です。経済産業省国際電気標準課の担当官に所定の書式で申請し てください。(書式はISO/IEC 事務処理要領(国内審議団体等の⼿続き編)参照の こと)
国際会議に参加する際の留意点
【質問 63】
P-メンバーとして初めて国際会議に参加しますが、どのようなことに留意すべきでし ょうか?
【答え】
ISO/IECの国際会議はその内容に応じて留意点は異なると思いますが、⼀般的な事項 を以下に述べてみます。IECのWebサイトに参加者向けのIEC code of conduct for delegates and expertsとSecrets of effective participationというパンフレットが ありますので参考にしてください。
(http://www.iec.ch/about/brochures/tools.htm)(いずれ対訳版をJSAのサイ トにアップする予定)
ISO/IECの国際会議は、TC/SCの会議とWGやProjectの会議で様⼦が異なります。
WGやProjectの会議は各国から派遣された専⾨家が技術的⽴場で討議し、規格案を取 りまとめていく技術的な会議ですが、TC/SC会議は各国の代表が国益を背負って調整 を進め、運営の⽅針や下部組織の改編、責任者(議⻑・コンビーナなど)の任命、規 格案を次段階へ進める決定、定期⾒直し規格の扱いなど、そのTC/SCの運営に関る重 要な事項を決める政策的な会議です。
ISO/IEC DirectivesではWGやProjectに参加する専⾨家には純粋に技術的⽴場で討 議に参加することを原則的に求めていますが、その⼀⽅で、⾃国の利害関係者の意向 を把握してそれを規格に反映することにより、世界の利害関係者の意向が盛り込まれ れていくことを期待しています。⼀⽅、TC/SC会議に参加する代表の間では、政策的 側⾯での各国の駆け引きが⾏われます。
国際会議は通常、限られた時間で、多くに事項を審議しますし、審議案件に関る⽂書 は事前に配布されていて、参加者は予め内容を検討して、⾃国の意⾒を持って参加し ている前提で進められます。会議ではお国訛りの英語が⾶び交いますので、議論が熱 くなると、議論に付いていくのは⼤変です。これに対処するには、事前に配布された
⽂書を⼗分に検討し、課題と論点を整理し、想定できる討議内容を予め考えておくと よいでしょう。予想した範囲内であれば、会議の議論にも付いていきやすくなります。
従って、WGやProjectに参加するエキスパートは審議する規格案について技術専⾨家 の⽴場から⾃らの考えをまとめると同時に、国内審議委員会の意向を把握して討議に 望むこと、また、TC/SC会議に参加する国の代表は、審議される事項が我が国にどの ような影響を及ぼすかについて、国内審議委員会などを通して把握した上で、会議に 参加することが不可⽋です。
会議への参加の⼼構えと準備については、次の質疑【質問 64】を参照ください。
国際会議に参加する⼼構えと準備
【質問 64】
国際会議に参加しましたが、付いて⾏くのがやっとでした。会議への⼼構えと準備の 仕⽅について教えてください。
【答え】
国際会議は、国益を背負って参加する会議です。その視点では、国際会議を「スポー ツの国際試合」に置き換えて考えるてみると、そこに臨む⼼構えが⾒えてきます。そ こで両者に共通する⼼構えを、回答者の独断で、以下にまとめてみました。
《ルールを知らないと試合にならない》
サッカーなどではルールを知らないと、いかに⾝体能⼒が⾼くとも、勝負になりませ んし、ピッチに⽴つこともできません。国際会議ではピッチには⽴てますが、勝負に はなりません。ISO/IECの委員会運営と規格⽂書の審議はルールブックである ISO/IEC Directives, Part 1とIECのSupplementsに従って進められます。欧州から の参加者は多くの場合、⻑年の経験者で、ルールを熟知している⼈が国の代表者の中
⼼に座っています。このような国に対抗するためには、関係する⼿続き等のルールを 事前に⼗分把握し、⼗分な準備をし、作戦を⽴て会議に臨むよう勧めます。
【国際標準化会議への参加は、国際のゲームに臨む⼼構えで】
◆ ルールを知らないと試合にならない
・ ルールを⼗分理解し、対等な⽴場でピッチに⽴とう
・ 相⼿は百戦錬磨 - 反則を⾒逃すな;⼩さなミスを恐れるな
◆ 相⼿を知らないと戦略が⽴たない
・ 相⼿の⽴場を知り、会議資料を吟味して、対抗・説得の戦略を⽴てよう
◆ ⾃分を知らないと戦術が⽴たない
・ ⾃らを知り、得意を⽣かして、対抗・説得の戦術を⽴てよう
【対等に戦うために、⼗分に準備し、積極的に攻めよう】
◆ ⾔葉の劣勢は事前の準備でカバーしよう
・ 共通語は、お国訛りのブロークン英語、お国訛りはお互いさま:気迫で伝えよ
・ 主張は、配布資料に語らせろ(配布・説明には幹事の了解を)
・ 会議では、予想される議論への対処を予め考えておこう
(⾶び交う英語の議論についていく準備を)
◆ 仲間つくりに努め、尊敬を勝ち得よう
・ 会議等では流儀に従い、礼儀をつくそう
・ 会議場外では外国代表と積極的に交流しよう
・ ⾃らの意⾒と⽴場を明快に表現しよう
《相⼿を知らないと戦略が⽴たない》
《⾃分を知らないと戦術が⽴たない》
孫⼦の兵法「敵を知り、⼰を知れば、百選危うからず」です。会議で⽇本から提案し、
他国の提案に修正を求める際に相⼿に競り勝つには、相⼿の⽴場や背景で発⾔をして いるかを瞬時に判断して、討議(Debate)に加わることが求められます。そのため、
欧州各国の意⾒の微妙な違いなど相⼿を知る努⼒をし、仲間の国つくりを進めるなど の、相⼿に打ち勝つ戦略を⽴ることが肝⼼です。
会議ではコンセンサスの形成へ向けて討議を進めますが、場合によっては多数決で決 めていきます。そこで、参加者の共感を得て有利に議論を展開するには、⾃らの優れ た点を強調し、理解を得ることが不可⽋でしょう。そのためには⾃分の実⼒を冷静に 解析し、⾃らの利点を⽣かす臨機応変の対応が出来るように、議論の展開を予想し、
対抗する戦術を予め机上で検討をするよう勧めます。
《⾔葉の劣勢は事前の準備でカバーしよう》
ISO/IEC 国際会議では英語が使われます。わが国の参加者には、⾔葉を理由に、初 めから腰が引け気味になる⼈がいますが、国際会議の共通語はお国訛りのBroken Englishで、決してNaitive Englishではありません。英語を公⽤語とするオーストラ リアなどでも強い訛りがありますし、⽶国や英国でも強い地域訛りがあります。従っ て、⽇本語訛りの英語も⽴派な国際会議での共通語なのです。
また、⾔葉は流暢でも伝えようとする気持ちが薄いと相⼿に伝わりにくいものです。
逆に、伝えようとする強い意思があれば、⾝振り⼿振りでも意思は伝わっていきます。
従って、会議では気迫と⾃信をもって、発⾔することが肝⼼です。
とは⾔え、⽇本⼈にとって英語のハンディは否めません。それをカバーするためには、
先に述べた戦略・戦術の検討と共に、相⼿に伝えるための⼿段の準備が⽋かせません。
その代表的なものは、表明したい内容を予め端的にまとめた⽂書を作成し、会議の参 加者に配布するように図ること、可能なら簡潔なパワーポイントなどで要点を会議場 で述べるようにすることも、限られた時間で理解を得る有効な⼿段でしょう。会議⽤
⽂書は会議の6週間前までにTC/SC国際幹事から配布してもらう必要があります。
《仲間づくりに努め、尊敬を勝ち得よう》
国際会議の議事次第はAgendaモデルが⽰されていますが【IEC Form-Agenda】、
個々の事項の扱いや進め⽅はTC/SCにまかされており、TC/SCの伝統的なやり⽅で⾏