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TiN 自己整合形成 Cu 配線の特性

ドキュメント内 星野 和弘 (ページ 70-74)

第 6 章 次世代 CMOS センサ向けの Cu 配線

6.4 TiN 自己整合形成 Cu 配線の特性

純Cuの抵抗に近い値を示すことが分かる。Ti濃度が13%のサンプルにおいては窒化 後の抵抗値が高くなるが、これはCu-Ti膜中に窒化後も過剰なTiが残留するためと考 えられる。

本プロセスにおいて形成されたCu膜上の表面TiNの酸化耐性を調べるために、窒 化後、大気中で450℃、30 分の熱処理を行い膜表面を観察した。図 6-7(a)はTi 濃度 6%、(b)はTi濃度10%のサンプルの表面SEM像である。Ti濃度が低い(a)のサンプル は表面に斑点状に酸化物が形成された。これは窒化処理により形成される TiN の Ti 濃度が少ないために十分な膜厚に成長できず酸化したものと考えられる。(b)のサンプ ルでは酸化は見られず、表面のTiNがCuの酸化を防いでいることが確認された。

図6-7 酸化アニール後の膜表面 (a)Ti濃度6%、(b)Ti濃度10%

に、イオンビームエッチング法(i)でシリコン酸化膜をマスクとして加工を行う。Cuは 通常のドライエッチング法ではエッチングが困難な材料であり、本実験ではイオンビ ームエッチング法を適用した。図 6-8 は 800℃窒化後の Cu-10%Ti 配線の断面 SEM 像である。Cu配線表面は約50nmの厚さのTiNによって完全にカバーされている。

本プロセスにより配線に加工したTiN被覆 Cu配線と純Cu配線のエレクトロマイ グレーション特性を図6-9に比較した。エレクトロマイグレーション試験の加速条件 は電流密度5.0×106 A/cm2、温

度250℃とした。図より明らか

なように、窒化によりTiNを表 面に形成した配線のエレクト ロマイグレーション耐性は、純 Cu 配線のエレクトロマイグレ ーション耐性に比べて二桁高 い値を示した。

図6-8 TiN保護膜が表面に形成されたCu配線の断面像

500nm

図6-9 TiN被覆Cu配線と純Cu配線の エレクトロマイグレーション耐性

100

Time (Hours)

101 102 103

1 10 50 90

○ TiN 被覆 Cu 配線(提案法)

● Cu 配線(従来法)

Failure Rate (%)

エレクトロマイグレーション耐性の差を説明するために結晶粒を TEM にて観察し た。図6-10はTEMにて観察した純CuとTiN 被覆Cu膜の結晶粒である。TiN被覆 Cu配線の結晶粒は200nm程度であり、純Cu配線の結晶粒に比べて微細であること から、結晶サイズの違いによりエレクトロマイグレーション耐性の差を説明すること はできない。X線マイクロアナライザー(EDX)による元素解析を行った結果、TiN 被覆配線のCu層からは微量のTiが検出された。このCu膜中に窒化後も残存するTi がCu配線のエレクトロマイグレーション耐性を向上させている可能性があると考え、

次に、故意にCuにTiを微量混入させたサンプルのエレクトロマイグレーション特性 を調べた[5]。

図6-10 TiN被覆Cu配線と純Cu配線の結晶粒 (a) TiN被覆Cu、(b) 純Cu

図6‐11はCu中に添加したTi濃度とそのエレクトロマイグレーション耐性の変化 の関係を表したグラフである。図より明らかなように、約0.4%のTi の添加はCu配 線のエレクトロマイグレーション耐性を飛躍的に高めることが分かる。また、過剰に Ti を混入させるとエレクトロマイグレーション耐性が低下する。次に Ti 濃度により EM耐性が変化する理由について考察する。

Cu膜中のTiの固溶度は450℃で約0.5%である。熱処理を行うことにより、固溶し ている Ti は雰囲気中の微量の酸素もしくは窒素と結合して膜表面に酸化チタンもし

500nm 500nm

くは窒化チタンを形成する。この表面膜は、エレクトロマイグレーション試験におい て表面拡散を抑制しEM耐性を向上させる。

一方、Ti濃度を更に増加させると配線の抵抗が上昇することは図6-6に示した。固

溶しないTiはCu-Tiの化合物を形成し、膜における散乱が顕著になり、ジュール熱が

上昇する。その結果、エレクトロマイグレーションを加速させ、寿命が低下するもの と考えられる。

本プロセスにより形成したTiN被覆 Cu配線はCu配線の課題であった表面の酸化 を防ぐことができるとともに、純Cu配線に比べて二桁高いエレクトロマイグレーシ ョン耐性を有することから、次世代の CMOS センサの配線の材料として大いなる可 能性を持っている。

図6‐11 Cu膜中のTi濃度とエレクトロマイグレーション特性の関係

1 10 100 1000 10000

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

Ti Concentration (wt%)

MTF (hours)

ドキュメント内 星野 和弘 (ページ 70-74)

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