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ノイズのモデル化

ドキュメント内 星野 和弘 (ページ 79-82)

第 7 章 CCD イメージセンサにおける雑音と温度特性

7.4 ノイズのモデル化

固定パターンノイズの主な要因である暗電流は、Shockley-Read-Hall (SRH)モデル によると以下の式で示される。

2 )

2

exp(

T K T Eg

f

b

= ・

(7.1)

式7.1において、fは暗電流発生率、Egはバンドギャップ、Kbはボルツマン定数、T は絶対温度である。

図7-4のヒストグラムの標準偏差をノイズ信号の標準偏差と定義し、ノイズ信号の 標準偏差と温度の関係を図7-5に示した。図7-5において、黒補正有りと黒補正無し のそれぞれにおいて実験結果と上記モデルによる理論値はほぼ一致していることか ら、上記モデルの妥当性が確認された。温度 32℃で黒補正有の残留ノイズ成分に関 しては、黒補正無しの場合と同様に温度に対して相関関係が見られることから、温度 に依存したランダムノイズと考えられる。

7.5 SRHモデルに基づいたノイズシミュレーション

式7.1で仮定したノイズモデルの正当性を検証するために、MATLABを用いてノイ 図7-5 CCDの温度とノイズ信号の標準偏差

1 10 100

0 10 20 30 40

CCDパッケージ温度(℃)

ノイズ信号の標準偏差

黒補正無し 黒補正有 理論曲線(黒補正有)

理論曲線(黒補正無し)

フにプロットした結果を図7-6に示す。図7-6の計算結果から各温度における暗電流 発生確率をシミュレーションに用いた。ノイズの標準偏差と温度の関係における指数 特性がそれぞれの画素の暗電流の違いで発生していると考え、各画素にガウス分布の 熱雑音を与えた。その上で32℃において54.2の標準偏差となるように、ガウス分布 の中心値を調整した。MATLABの処理ブロック図を図7-7に示す。画像サイズを1,220

×5,000として、ガウス分布を考慮した画素値を与える。次に、設定温度における暗

電流発生確率をガウス分布の熱雑音に乗じて各画素値に加算する。その後に、画像を 表示し画素値のヒストグラムから標準偏差を求めた。

図7-7 MATLABシミュレーションブロック図

図7-6 温度と暗電流発生確率

Build image 1220×5000

Add pixel value (Gauss

distribution)

f value calc.

increase rate by SRH

model

Multiplied intensity

value

Standard deviation

calc.

Graph plot Build image

1220×5000

Add pixel value (Gauss

distribution)

f value calc.

increase rate by SRH

model

Multiplied intensity

value

Standard deviation

calc.

Graph plot Build image

1,220×5,000

0 0.00005 0.0001 0.00015 0.0002 0.00025

-20 -10 0 10 20 30 40 50 60 70

Temperature (℃)

Dark current incidence

10 20 30 40 50 60 70

-10 0 -20

Temperature (℃)

5 10 15 20 25

-5Dark Current Incidence (×10) 0

図7-6に示した温度と暗電流発生確率との関係において、温度の上昇に伴い指数関 数で暗電流発生確率は上昇しているが、温度 10℃以下では非常に低いレベルにある ことが確認される。 図 7-8 に実験値とシミュレーション値を同一グラフにプロット した。 黒補正有りの場合、シミュレーションと傾向はほぼ一致している。このこと は、固定パターンノイズの SRH モデルに基づいた固定パターンノイズの温度依存性 と考えられる。一方黒補正なしの場合、高温になるほど、理論値との差が増大してい く。その理由としては、温度の上昇によりランダムノイズの増加する分が固定パター ンノイズの増分に加算されるためと考察される。

図7-8 温度とノイズの標準偏差における実測値と理論値

:黒補正有(実測値)、:黒補正無(実測値)、 破線:SRH モデル理論値

0 .1 1 1 0 1 0 0 1 0 0 0

- 2 0 - 1 0 0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0

温度 (℃)

ノイズの標準偏差

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