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ドキュメント内 未利用材による紙の利用研究 (ページ 52-74)

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取っ手、補助板E、留め金を取り付ける.それぞれの位置に気 をつける。留め金はDの板の中心下段に、補助板Eは、メイン の漉き枠の留め金をさけるようにCの板に取り付ける。

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ステップ3で作った枠を、ステップ2で作ったメインの枠に取り 付ければ完成。

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この漉き枠の特徴は、流し漉きにも溜め漉きにも使えるという ことである。用途に応じて枠の使い方を変えていただければ、

様々な紙を漉くことができるだろう。

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■流し漉き用 ■溜め漉き用

■実際に行った実験の紹介

 以下は、紙漉き実験の際同時に行った、しおりと、おわん型の紙作 りの記録である。なお、実際に児童に作ってもらったデータというわ けではないので、あくまで参考として見ていただきたい。

実験の目的

 教材として栽培し終えた、ヘチマの茎を使用してしおりやおわんの 紙を作ることで、廃品利用と紙作りを学ぶ。また、紙を作るというこ

とを通して、目ごろ身近にある紙の価値を見直す。

実験道具

・家庭用ミキサー ・ステンレス鍋 ・ガスコンロ ・ソーダ灰(炭酸 ナトリウム・灰汁での代用も可) ・電子計り ・軽量カップ ・漉き 枠(お菓子作りのクッキー型) ・衣装ケース ・ざる ・木綿布 ・ ベニヤ板 ・ネリ(ポリエチレンオキサイト) ・木槌

実験期間12月3日 学内木工室にて        (図1)

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(図2)

今回は、しおりを漉くための漉き沸くとし て、クッキー等のお菓子の型を利用した。

パルプの作成は前章二節参考。

枠の下にさらし布を引き、さらにその下に 巻き賛をおく。巻き巣のしたには衣装ケー スなどの水受けを用意するといいだろう。

もちろん、そのまま排水してもかまわない が、1度溜めおいて、ネリ材の粘度がなく なってから排水した方がいいだろう。

(図3)

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(図4)

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 (図5)

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(図6)

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ヘチマのパルプと、ネリを加えた溶液をミ キサーにかける。割合は作る量による が、今回は5gのパルプに溶液400m皇で 行った。拡販時間はおよそ10分。

溶液を、お菓子枠に流し込んだところ。5 分ほど置いてから、枠を取り外す。

ハートの型を取り外したところのアップ。

枠をはずしてすぐの厚さ。本来はもっと薄 いぼうがいいだろう。

(図7)

(図8)

(図9)

(図10)

ローラーの下に雑巾をいて、水分を取り 除く。ハガキほど水分を含んでいないの で、圧搾の必要はない。

ローラーで水分を抜いて平らにしたもの。

ここまで平らになる。

下に引いたさらし布をさかさまにし、乾燥 用の平らな板に紙を移す。この際もローラ ーを使い、しっかり板に密着させる。その 後、さらし布を取り外し、一晩乾燥させる。

適当な位置に穴あけポンチで穴を開け、

リボンを通して完成。

(図11)

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(図12)

(図13)

(図14)

これは比較的形に鋭角の少ないモミの木 の型。

鋭角の多い星型。鋭角の多い型は、その 先まで上手くパルプが回りにくいので、失 敗しやすい。鋭角の型を使うときは、楊枝 などを用意して、パルプの量を均等にな るように調節した方がいい。

こちらは紙のおわん作成の写真。衣装ケ ースにネリの混ざった溶液はり、そこに半 分水につけたざるを置く。その上からパル プ溶液を流しいれる。

手ですばやくかき混ぜ、パルプが均等に 広がるようにする。

(図15)

(図16)

均等に広がった段階ですくい上げ、この ままの状態で乾燥させる。

れば、使用するパルプの量を増やせばよ

い。

■実験のまとめ

 実験では4種類の枠を使用した。どこの家庭にもあるようなお菓子 の型を使用したのだが、型を画用紙などで自作してみても面白いだろ

う。その場合、漉き枠が軽いので、パルプを注ぐ際に、したから溢れ ないように注意する。また、今回は非常に厚みのあるものに仕上がっ たが、本来のしおりとしての用途としてはあまり好ましくない。実際 には、パルプの量を方少し減らして行ったほうがいいだろう。

 ざるを使用したおわん作りも、家庭にある目用品の利用ということ

でより、身近に紙漉きを感じて理解してもらえると考える。このほか にも、網状で下に水分が抜けるものであれば、様々なものが型として 利用できるだろう。

 実験の応用としては、このヘチマ紙を使った手芸なども面白いだろ う。素材に強度があるので、ペンケースや、ブックカバー、ランプシ ェードなどの加工ができるだろう。

 このような実験を通して、児童に物を廃棄するということについて、

考えるきっかけになればと考えている。同時に、植物や紙に対する意 識の変化や、環境に対する視点をはぐくむことができると考える。

 今回のこのヘチマ紙の例は、学校現場のほんの一例でしかない。ヘ チマの他にも、このように価値を見出されないまま、ゴミとして捨て られてしまうものがあるのではないだろうか。そのようなものでも、

視点を変えることによって、新たな教材へと生まれ変わることができ るのである。また、ケナフのような外来種をわざわざ利用せずとも、

身近な植物から紙が漉けるのだということを学ぶ方が、より良い意義 があるのではないだろうか。

 このように本来の用途とは違う視点で、未利用な素材を見直してみ る必要があるだろう。

おわりに

 本論文では『紙』の利用研究を、黒豆、ヘチマ、ヒシという3種類 の植物に搾って、さらに『未利用材』としての視点にしぼって研究を 進めてきた。

 紙にっいての資料を集め、読み込んでいくにしたがい、これほど 我々の生活に密着しているはずの紙について、本当に何も知らなかっ たのだということを痛感した。これまでも何度か調ぺ、製紙もしてき たので、紙のことについて詳しいつもりでいた自分が、とても恥ずか

しく思うばかりである。

 身近であるというのは、それだけ『考える隙を与えさせない』とい うことを強く感じた。だからこそ、我々はあまり紙についてとくに考 えもせず、消費してしまっている。

 本論文では紙漉きの実験を3種類の植物それぞれに行い、結果とし て2種類の植物から紙を漉くことができた。この3種に絞るのも、そ れぞれの植物の持つ外因的特性を考慮することで、なんとか絞ること ができたので、この3種の他にも、当然未利用にされて放置されてい る植物はあるはずだ。それらを発見するために、様々な視点で、もう 1度身の回りを見直す必要があるだろう。

 また、この実験は植物、つまり自然が相手となるため、データ取り に非常に困難を極めた。特に黒豆等はその収穫の時期が冬季になるた め、茎を入手するのが遅れ、実験がかなりずれこんだ。このように、

自然を相手にした論文では、今回のように2年という研究期問は非常 に少ないものだと言えるだろう。今回の実験は一応この論文という形 でまとまるが、その中身についてはこれからも引き続き研究していく 必要がある。特に黒豆紙については、黒豆の館をはじめ、非常に興味

を持ってくださる方が多いので、何らかの形で続けていきたい。また、

篠山市の篠山農業改良普及センターの樋本氏から、「黒豆のさやを使 った紙は漉けないのか」と指摘をいただいたので、今後の研究課題と

して取り上げていきたい。

 実験では、材料のカビに悩まされたこともあった。カビが生えると、

繊維に黒い色がっき、綺麗に芯から表皮がはがれない等の害が生じた。

また、ヒシの実験でヒシを採集に行った池は、底がヘドロになってお り、採集したヒシの茎からもこの異臭がしたため、もし仮に漉くこと ができたとしても、紙に匂いが残ってしまうのではと思われた。これ

らも、自然を相手にしているということで、十分に注意を払わねぱな

らなかった。

 実験の後、漉きあがった紙を使用した試作をいくつか作成した。黒 豆、ヘチマそれぞれの風合いは、ランプシェードやカーテンなどの光 との組み合わせが合うのではと感じた。また、黒豆はその平滑な性質 から印宇にも適し、本論文の表紙の紙としても使用した。これらを商 業的な視点でみるのだが、それにはやはりまだまだ超えねばならない 壁がいくっも横たわっている。その際たるものが、時間によるコスト である。表皮を剥く作業と言うのは、思いのほか時間がかかってしま う。今回のように、個人で楽しむ分には問題ないのだろうが、商業的 利用で考えると、見過ごせない点と言えるだろう。この時間の壁を破 らない限り、商業的利用の実現は難しいと言える。だが、そのまず第 一歩として、有意義な提案ができたのではないかと思っている。現に、

篠山農業改良普及センターからの、さやの利用についての提案が出さ れているのが、何よりの証拠と言えるだろう。

 また、ヘチマは肌触りの良さやその強度に優れた性質から、ペンケ ースなどの利用も考えられた。特にヘチマに関しては、当初私が予想 していた以上の結果をもたらした。実験を行う前は、先行研究にある ように上手く繊維がからまない蔓植物として紹介する羽目になるの ではと言う不安があった。というのも、茎の木化が見られなかったた め、繊維の取り出しに不安を感じていたからだ。だが、出来上がった 紙は、確かに平滑性にはかけるものの、その繊維の大小のばらつきが、

非常に独特な美しい紙へと変化を遂げた。特にその繊維の強さには驚 かされた。叩解の作業中などは、ミキサーが壊れてしまうのではと思 えるほどだった。紙をカいっぱい引っ張っても破けることもなく、引 き裂きにも耐えるカを持っていた。加工の仕方を工夫すれば、筆記用 としても使えるのではないだろうか。しかし、それよりもあの風合い や強さを活かす方向で考えたほうがいいだろう。例えばもっと大きな 紙を漉いて、紙製のカーテンなどはどうだろうか。紙の繊維からもれ る太陽の光は、とても綺麗な影を落とすのではないかと考えられる。

 こうして、様々な日用品等を作ってみて、改めて我々の日常がどれ ほど紙を必要としているかを感じる。この印刷されていく論文も紙媒 体であるし、本論文で参考とした様々なものも、紙媒体が圧倒的であ る。もちろん、web技術の向上により、インターネット等の電子情報 によるものも増えてはきているが、それが全て紙に変わることは、お そらくないであろう。もし、そんな時代が来るとすれば、我々の生活 自体が大きく変わっていると言わざるを得ない。それほど、身近であ

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