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STEM による内部構造観察及び EDS による元素マッピング

ドキュメント内 修 士 学 位 論 文 (ページ 36-40)

第 2 章 もみ殻磁性活性炭

2.4 STEM による内部構造観察及び EDS による元素マッピング

ピング

RH-MACの内部構造観察及び元素マッピングを,JEOL製のTEM JEM-3200FSにより 行った。

Fig. 2.4.1 TEM JEOL JEM-3200FS

2.4.1 STEM の測定原理

STEM (Scanning Transmission Electron Microscope,走査透過電子顕微鏡) は,SEM と同様に電子ビームを走査し,試料を透過した電子を検出して像を形成する顕微鏡である。

観察できる像はTEM (Transmission Electron Microscope,透過電子顕微鏡) と同様のもの であるが,STEM には厚い試料の観察が可能であることや,高いコントラストで像を観察 できるなどの利点がある。

Fig. 2.4.2にSTEMの基本構成を示す。試料は対物レンズのギャップ内に装着される。細

く絞った一次電子ビームで試料上を走査し,試料を透過した電子を明視野と暗視野の検出 器で検出して像を形成する。 [33]

Fig. 2.4.2 STEMの基本構成 [33]

2.4.2 EDS の測定原理

EDS (Energy Dispersive x-ray Spectroscopy,エネルギー分散型X線分光法,EDX) と は,観察領域から放出される特性X線のエネルギーを測定して,元素の同定や組成分析を 行う方法である。

電子ビームを試料中の原子に照射すると,ビーム中のいくつかの電子は試料原子のもつ 電子核中の電子をはじき出し,エネルギーを失う。このとき,はじき出された内殻電子の位 置は空孔になり,外側の軌道から電子が落ち込んでくる。その際に余分なエネルギーが特性 X線として放出されるが (Fig. 2.4.3のKα,Kβ,Lαなど) ,この特性X線はそれぞれの元素 により特定のエネルギー値を示すため,これを測定することで元素が同定できる。 [34]

Fig. 2.4.3 電子ビームが原子に照射した際に放出される電子及びX線の模式図 [34]

2.4.3 測定方法

水簸法によるSTEMの測定サンプル作製方法を以下に示す。

① 測定試料が粒径5 μm以上の場合,10分程度すり鉢で粉砕を行う。

② 使用する器具をアルコールで洗浄する。

③ イオン交換水50 mLに試料を2 mg程度投入し,ガラス棒で撹拌する。

④ 10分程度ビーカーを静置して,懸濁した試料をある程度沈殿させる。

⑤ ピペットで懸濁液を吸い上げ,銅メッシュの面に一滴おとす。この際,銅メッシュの 裏表に注意する。

⑥ 作製した試料を恒温槽にて40 ℃,24時間乾燥させる。

⑦ 光学顕微鏡で観察し,銅メッシュ上に試料がなければ,再度懸濁液を一滴おとす。

⑧ 作製した試料を恒温槽にて 40 ℃,24 時間乾燥させ,試料中の水分を完全に飛ばす。

使用する試料は十分に細かくする必要がある。これは,厚い試料では試料中を電子が透過 できず,像が潰れてしまうためである。また,SEMサンプル作製時以上に埃やゴミなどの 侵入に注意しなくてはならない。

Fig. 2.4.4 TEM測定試料

2.4.4 測定結果

Fig. 2.4.5,Fig. 2.4.6にRH-MAC3のTEM画像及び元素マッピングを示す。TEM画像 の灰色部分にCが広く分布しており,この部分は活性炭の炭素であることがわかる。また,

TEM 画像の黒い部分にはFeとOが密に重なり分布していることから,この部分は鉄と酸素 の化合物であるマグネタイトFe3O4であると推定した。さらに,一部SiとOの重なりも分布し ており,この部分にはもみ殻の成分であるシリカ (SiO2) が残留していると考えられる。

これにより,活性炭内部に数十 nmのマグネタイトがある程度均一に分散しており,これに

よりRH-MACに磁性が付与されたと考えられる。

Fig. 2.4.5 RH-MACのTEM画像

Fig. 2.4.6 RH-MACの元素マッピング

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