第 3 章 吸着性能の評価
3.5 有害金属イオン吸着
3.5.4 ヒ素
3.5.3.3 投入量依存性の確認
3.5.3.2 吸着時間依存性の確認と同様に投入量依存性について調査した。
鉛溶液に対してRH-MACを10 – 2000 mg L
⁄
の割合で添加し,120分間十分に撹拌する ことで,投入量依存性の確認をした。鉛に対する投入量依存性の結果を,それぞれFig. 3.5.14 に示す。Fig. 3.5.14 RH-MACによる鉛除去率の投入量依存性
Fig. 3.5.14から,RH-MACの添加量が多くなるに従い除去率が上がり,RH-MAC1にお
いて投入量2000 mg L⁄ で98.3%除去率を達成した。
が設定されている。また,排水基準値は0.1 ppmとなっている。
3.5.4.1 吸着等温線の確認
0.5 – 50 ppmのヒ素溶液に対してRH-MACを500 mg L⁄ の割合で添加し,24時間十分 に撹拌することで吸着等温線の確認をした。また3.5.1.1 吸着等温線の確認と同様に,もみ 殻磁性活性炭に含まれるシリカ成分が吸着に与える影響を確認した。1 - 50 ppmのヒ素溶 液に対してシリカ粉末を 500 mg L⁄ の割合で添加し,24 時間十分に撹拌することで吸着等 温線の確認をした。RH-MACとシリカ粉末のヒ素に対する吸着等温線の結果をFig. 3.5.15 に示す。
Fig. 3.5.15 RH-MACとシリカ粉末のヒ素に対する吸着等温線 (右: 両対数グラフ)
Fig. 3.5.15から,磁化の低いRH-MACほどヒ素の吸着能力が高いことを確認した。実験
で得られた最大吸着量はRH-MAC1が2.61 mg g⁄ ,RH-MAC2が1.98 mg g⁄ ,RH-MAC3
が1.70 mg g⁄ であり,50 ppm以上の高濃度範囲では更に高い吸着量が得られると予測でき
る。
Fig. 3.5.15のRH-MAC測定データをLangmuir式3.2.3及びFreundlich式3.2.6に当 てはめた結果をFig. 3.5.16に,吸着定数をTable 3.5.4に示す。
Fig. 3.5.16 RH-MACのヒ素吸着に関する吸着等温式 (左: Langmuir,右: Freundlich)
Table 3.5.4 RH-MACのヒ素吸着に関するLangmuir 及びFreundlichの定数
Fig. 3.5.16から,Langmuir式には平衡濃度約4.7 – 49 ppm,Freundlich式には平衡濃 度約0.9 – 49 ppmの範囲でよく適合した。Langmuir式から得られた最大吸着量はTable 3.5.4から,RH-MAC1が3.97 mg g⁄ ,RH-MAC2が2.78 mg g⁄ ,RH-MAC3が2.04 mg g⁄ であった。
3.5.4.2 吸着時間依存性の確認
浄水処理におけるRH-MACの利用を考えるため,ヒ素に対する吸着性能に関して吸着時 間依存性と投入量依存性について調査した。環境水中のヒ素の濃度は原水によって異なる ため,排水基準値の濃度 (0.1 ppm) からの処理を想定した。
ヒ素溶液に対してRH-MAC を1000 mg L⁄ の割合で添加し,1 – 60分間撹拌することで 吸着時間依存性の確認をした。ヒ素に対する吸着時間依存性の結果をFig. 3.5.17に示す。
W
s[mg/g] α [(mg/g)
-1] K
F[(g/L)
-1] n [-]
RH-MAC1 3.9714 0.0321 0.1960 1.4914 RH-MAC2 2.7755 0.0329 0.1624 1.7538 RH-MAC3 2.0442 0.0361 0.1297 1.7950
Adsorbent Langmuir Freundlich
Fig. 3.5.17 RH-MACによるヒ素除去率の吸着時間依存性
Fig. 3.5.17から,吸着量は40分以内で溶液の濃度が平衡状態になることが確認でき,5
分で飽和吸着量に対して十分な吸着量が得られるといえる。
3.5.4.3 投入量依存性の確認
3.5.4.2 吸着時間依存性の確認と同様に投入量依存性について調査した。
ヒ素溶液に対してRH-MACを10 – 2000 mg L
⁄
の割合で添加し,120分間十分に撹拌す ることで,投入量依存性の確認をした。ヒ素に対する投入量依存性の結果を,それぞれFig.3.5.18に示す。
Fig. 3.5.18 RH-MACによるヒ素除去率の投入量依存性
Fig. 3.5.18から,RH-MACの添加量が多くなるに従い除去率が上がり,RH-MAC1にお いて投入量2000 mg L⁄ で45.8%の除去率を達成した。