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超音波方式による粒度分布測定

ドキュメント内 修 士 学 位 論 文 (ページ 42-45)

第 2 章 もみ殻磁性活性炭

2.6 超音波方式による粒度分布測定

RH-MACの粒度分布 (PSD = particle size distribution) 測定を,理工学研究科電気電子 工学専攻渡部研究室が所有する,RUFUTO製の超音波方式粒度分布・ゼータ電位測定装置

DT1200によって行った。

Fig. 2.6.1 粒度分布測定装置RUFUTO DT1200

2.6.1 測定原理

超音波は,懸濁液中を伝搬する際に粒子と超音波の相互作用により音波のエネルギーが 減衰する。その減衰率αは次式で与えられる。

α = 20

𝑓[MHz]𝐿[cm]log 𝐼𝑖𝑛

𝐼𝑜𝑢𝑡 2.6.1

ただし,𝐿は発振子と受振子の距離[cm],𝐼𝑖𝑛は超音波照射エネルギー,𝐼𝑜𝑢𝑡は超音波受振 エネルギーである。超音波エネルギーの減衰は,Table 2.6.1に示す6つの相互作用によっ て起きることが知られている。 [36]

Table 2.6.1 超音波のエネルギー減衰に関する相互作用 [36]

粘性損失 (Viscous Loss)

粒子と溶媒の密度差により粒子が振動し,せん断波が発生し粒子表面から減衰する。柔らかい 粒子の場合,これは非常に小さい。これを解析することでサブミクロン以下の粒子を解析できる。

熱的損失 (Thermal Loss)

柔らかい粒子は,超音波により熱膨張と断熱圧縮が繰り返され,粒子表面近傍で生じる温度勾 配となり減衰する。これを解析することで,エマルションやラテックスの粒子を解析できる。

散乱損失 (Scattering Loss)

粒径が大きい場合,粘性損失以外に粒子表面で超音波が散乱する現象が起きる。これを解析す ることで,数ミクロン以上の粒子を解析できる。

物質固有の損失 (Intrinsic Loss)

粒子以外の液相部分の超音波減衰のことで,粒子や溶媒の物質そのものが音波と相互作用す ることにより超音波が減衰する。

構造損失 (Structure Loss)

全体あるいは部分的に粒子が網目のように繋がったような状態が起きる場合があり,これにより 一部が減衰する。これを考慮して解析することで,より正確な粒度分布を解析できる。

動電気的損失 (Electrokinetic Loss)

電荷を持った粒子に超音波を照射すると,粒子が振動することで一部が電気エネルギーに変換さ れ減衰する。ただし,これは①~④に比べて非常に小さく無視でき,解析時には使用されない。

Fig. 2.6.2 超音波の伝搬と分散粒子の相互作用による音波の減衰 [36]

2.6.2 測定方法

粒度分布の測定方法を以下に示す。

① イオン交換水 (水道水でも可) 130 mLにRH-MACを1 – 40%の割合で添加する。

② 装置,PCの順に電源を入れ,ソフトを起動する。

③ 装置に水を投入し,ポンプを回して洗浄し,排水する。

④ 装置に懸濁液を投入し,ポンプを回して測定を開始する。

2.6.3 測定結果

Fig. 2.6.3にRH-MAC1の粒度分布測定結果を示す。これは,RH-MACの粒径を𝑑 [μm]

としたときに,𝑑の対数 ln(𝑑) が正規分布に従う,すなわち𝑑 が対数正規分布に従うと考え られる。そこで,測定データを𝑥 = ln(𝑑) として次式の正規分布における確率密度関数で近 似した。

𝑓(𝑥) = 1

√2𝜋𝜎2exp {−(𝑥 − 𝜇)2

2𝜎2 } 2.6.2

ただし,𝜇 は母数平均,𝜎 は標準偏差である。この,𝜇,𝜎 に適当な値を代入することで 近似できる。

Fig. 2.6.3 RH-MACの粒度分布

また,Fig. 2.6.4のように𝜇,𝜎により,ある粒径以上の粒子の存在割合を計算できる。測 定データを正規分布に当てはめた結果を,Fig. 2.6.5に示す。これにより,5分間すり潰し

たRH-MACは粒径約10 μmの粒子が多く存在し,約4.6 μm以上の粒子が全体の69%を占

めることを確認できた。また,10分すり潰すと粒径約3.1 μmの粒子が多く存在し,約1.5

μm以上の粒子が全体の69%を占めることを確認できた。

Fig. 2.6.4 正規分布の相対度数に対する平均𝝁と標準偏差𝝈の関係

Fig. 2.6.5 RH-MACの粒度分布における正規分布近似

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