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SIADH 及び各種浮腫性疾患における安全性の評価

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2.5 臨床に関する概括評価

2.5.5 安全性の概括評価

2.5.5.2 SIADH 及び各種浮腫性疾患における安全性の評価

異所性ADH症候群を対象とした反復経口投与試験(129-C*-001P試験)では,異所性ADH症 候群を対象に塩酸モザバプタン30 mg錠1錠を1日1回反復経口投与した時の安全性を16例で 検討した。中止例があったため,3日投与が2例,7日投与が14例であった。2例が朝食前に,

14例が朝食後に投与された。

SIADH を対象とした反復経口投与試験(129-C*-003P 試験)では,異所性ADH 症候群以外の

SIADHを対象に塩酸モザバプタン30 mg錠1錠を1日1回反復経口投与した時の安全性を12例

で検討した。中止例があったため,2日投与が1例,7日投与が9例,28日投与が2例であった。

全例朝食後に投与された。

各種浮腫性疾患を対象とした単回経口投与試験(129-B*-006P試験及び129-B*-007P試験)では,

15〜100 mgの範囲内で,延べ36例に投与された。反復経口投与試験では,1日1回15〜60 mgの 範囲内で135例に投与された。

2.5.5.2.1 有害事象

(1) SIADHを対象とした臨床試験

異所性ADH症候群では,有害事象は安全性評価対象例16例中11例(68.8%)に35件が発現 した。このうち,関連性を否定できない有害事象は,6例(37.5%)に15件が発現した。

異所性ADH症候群以外のSIADHでは,有害事象は安全性評価対象例12例中9例(75.0%)に 25件が発現した。このうち,関連性を否定できない有害事象は,安全性評価対象例12例中5例

(41.7%)に8件が発現した。

異所性ADH症候群で,最も高頻度にみられた有害事象は口渇であり,5例(31.3%)に発現し た。次いで,血中カリウム増加,ヘマトクリット減少,ヘモグロビン減少,赤血球数減少の各 2 例(12.5%)であった。

異所性 ADH 症候群で,最も高頻度にみられた関連性を否定できない有害事象は口渇であり 5 例(31.3%)に発現した。次いで,血中カリウム増加の2例(12.5%)であった。

異所性ADH症候群以外のSIADHで,高頻度にみられた有害事象はアスパラギン酸アミノトラ ンスフェラーゼ増加,アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加,血中ブドウ糖増加,γ-グルタ ミルトランスフェラーゼ増加の各2例(16.7%)であった。

異所性ADH症候群以外のSIADHでみられた関連性を否定できない有害事象は,すべて各1例 であった。

有害事象の発現時期については,口渇は投与開始初期(1〜3日目)に発現した症例が多かった。

(2) 各種浮腫性疾患を対象とした臨床試験

各種浮腫性疾患の安全性評価対象例延べ171例中115例(67.3%)に329件の有害事象が発現 した。このうち,関連性を否定できない有害事象(副作用)は,82例(48.0%)に148件が発現し た。

有害事象について,各種浮腫性疾患で高頻度にみられた事象は,腹水 16 例(9.4%),血中カ リウム増加16例(9.4%),口渇12例(7.0%),ヘモグロビン減少12例(7.0%),浮腫11例(6.4%),

*:新薬承認情報提供時に置き換えた

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赤血球数減少10例(5.8%),ヘマトクリット減少10例(5.8%),血中尿酸増加10例(5.8%),

血中カルシウム減少9例(5.3%),血中クレアチニン増加9例(5.3%),血中ブドウ糖増加9例

(5.3%),であり,このうち腹水,浮腫,血中クレアチニン増加,血中尿酸増加は,SIADHでの 発現はなかった。

関連性を否定できない有害事象について,各種浮腫性疾患で高頻度にみられた事象は,腹水14 例(8.2%),口渇12例(7.0%),血中カリウム増加11例(6.4%),浮腫10例(5.8%)であっ た。このうち,腹水及び浮腫は,SIADHでの発現はなかった。

なお,発現した腹水及び浮腫については,ともに原疾患の増悪とも考えられるが,腹水で 16 件中14件,浮腫で11件中10件は関連性が否定されなかった。

有害事象の発現時期については,口渇は投与開始初期(1〜3日目)に発現した症例が多かった。

一方,腹水及び浮腫の発現時期は,投与後2〜6日目にほぼ均等に分布していた。

2.5.5.2.1.2 死亡  (臨床概要 2.7.4.2.1.2)

(1) SIADHを対象とした臨床試験

SIADHを対象とした臨床試験において,塩酸モザバプタン投与中の死亡例はなかったが,塩酸

モザバプタン最終投与30日以内の死亡例が異所性ADH症候群を対象とした臨床試験で1例に報 告された。本症例は腫瘍死と判断され,塩酸モザバプタンとの関連性は治験担当医師により否定 された。

(2) 各種浮腫性疾患を対象とした臨床試験

各種浮腫性疾患を対象とした臨床試験において,塩酸モザバプタン投与中の死亡例はなかった が,塩酸モザバプタン最終投与後30日以内の死亡例が5例報告された。いずれも,各種浮腫性疾 患を対象とした反復経口投与試験(129-C*-004P試験)の症例であった。

いずれの死亡例も,原疾患あるいは合併症の増悪によるものであり,塩酸モザバプタンとの関 連性は治験担当医師により否定された。

また,1例が,観察期のプラセボ投与日に肝癌の腹腔内破裂を来たして死亡した。

2.5.5.2.1.3 その他の重篤な有害事象  (臨床概要 2.7.4.2.1.2)

その他の重篤な有害事象は,薬事法施行規則第66条の7に従って分類した。

(1) SIADHを対象とした臨床試験

異所性ADH症候群の安全性評価対象例16例においてはその他の重篤な有害事象は報告されな かった。異所性ADH症候群以外のSIADHの安全性評価対象例12例のうち,1例に2件(傾眠,

食欲減退)のその他の重篤な有害事象が報告された。いずれの事象も塩酸モザバプタンとの関連 性は治験担当医師により否定された。

(2) 各種浮腫性疾患を対象とした臨床試験

各種浮腫性疾患の安全性評価対象例延べ171例中4例に8件(血中尿素増加:2件,血圧低下,

血中クレアチニン増加,てんかん重積状態,尿量減少,腎機能障害,腹膜炎:各1件)のその他

*:新薬承認情報提供時に置き換えた

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の重篤な有害事象が報告された。このうち,腎機能障害,血中クレアチニン増加及び血中尿素増 加発現例と血圧低下,尿量減少及び血中尿素増加発現例の2例は,試験を中止した。いずれの事 象も塩酸モザバプタンとの関連性は治験担当医師により否定された。

2.5.5.2.1.4 その他の重要な有害事象  (臨床概要 2.7.4.2.1.3)

その他の重要な有害事象は,平成8年5月1日 薬審第335号「治験の総括報告書の構成と内容 に関するガイドライン」に準じ,試験の中止に至った有害事象,処置が行われた有害事象,「臨 床検査値の重症度分類」のグレード3に相当する臨床検査値異常変動に該当するものとして分類 した。なお,有害事象により中止した被験者において,中止後に実施した臨床検査で認めた臨床 検査値異常変動についても,中止に至った有害事象に含めその他の重要な有害事象として取り扱 った。

(1) SIADHを対象とした臨床試験

SIADHを対象とした臨床試験において,その他の重要な有害事象に該当する有害事象は,中止

後の臨床検査でみられた臨床検査値異常を含め,異所性ADH症候群の安全性評価対象例16例中 4例に8件,異所性ADH症候群以外のSIADHの安全性評価対象例12例中3例に8件発現した。

有害事象による中止例は,異所性ADH症候群で1例,異所性ADH症候群以外のSIADHで1 例であり,中止後の臨床検査でみられた臨床検査値異常を含め,6 件(食欲減退,夜間頻尿,倦 怠感,口渇,血中尿素増加,口周囲浮腫)の有害事象が発現した。いずれの事象も塩酸モザバプ タンとの関連性は否定されなかった。

処置を要した有害事象は,異所性ADH症候群で2例に2件(血圧低下,単純ヘルペス),異 所性ADH症候群以外のSIADHで3例に7件(γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加,アスパ ラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加,アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加,肝機能異 常,白血球数減少,顆粒球数減少,口周囲浮腫)発現した。このうち,異所性 ADH 症候群以外

のSIADHで発現したγ-グルタミルトランスフェラーゼ増加,アスパラギン酸アミノトランスフ

ェラーゼ増加,アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加,肝機能異常(同一症例)及び口周囲 浮腫は塩酸モザバプタンとの関連性が否定されなかった。

グレード3に相当する臨床検査値異常は,異所性ADH症候群で1例に1件(血清カリウム増 加),異所性ADH症候群以外のSIADHで1例に1件(尿中白血球陽性)が発現した。このうち,

血清カリウム増加は塩酸モザバプタンとの関連性が否定されなかった。

(2) 各種浮腫性疾患を対象とした臨床試験

各種浮腫性疾患を対象とした臨床試験において,その他の重要な有害事象に該当する有害事象 は,中止後の臨床検査でみられた臨床検査値異常を含め,安全性評価対象例延べ171例中45例に 79件発現した。各種浮腫性疾患において発現した事象は,浮腫,腹水,尿量減少,体重増加など,

効果が不十分であったことに起因する原疾患の増悪と考えられる事象が多かった。

2.5.5.2.1.5 用量別の有害事象発現率

SIADHは,全例が30mg投与例であった。

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各種浮腫性疾患で発現した有害事象についてみると,腹水は低用量ほど発現頻度が高く,60mg 以上での発現は1例のみであった。同様に,浮腫についても60mg以上での発現はみられなかっ た。この結果は,低用量では効果が不十分であったため,原疾患の増悪によりこれらの症状が発 現した可能性を示唆した。

一方,口渇は高用量ほど発現頻度が高く,15mg での発現はなかった。また,ヘマトクリット 減少,ヘモグロビン減少及び赤血球数減少についても高用量での発現頻度が高かった。

2.5.5.2.1.6 注射剤による臨床試験での有害事象

塩酸モザバプタンの注射剤による臨床試験として,健康成人男子を対象に4試験,SIADH,異 所性ADH症候群,各種浮腫性疾患及びメニエール病を対象に4試験を実施した。

健康成人男子を対象とした試験における評価対象例延べ62例中,有害事象は32例に52件,関 連性を否定できない有害事象は25例に42件発現した。重篤な有害事象の発現はなかった。

SIADH,異所性 ADH 症候群,各種浮腫性疾患,メニエール病を対象とした試験における評価

対象例延べ126例中,有害事象は62 例に159件,関連性を否定できない有害事象は32例に79 件発現した。

治験期間中に発現した死亡例が,異所性 ADH 症候群を対象とした反復静脈内投与試験

(129-C*-002I試験)の2例で報告された。

1例は,治療期3日目(塩酸モザバプタン投与は治療期2日目まで)の死亡であったが,塩酸 モザバプタンとの関連性は否定された。

他の1例は,治療期5日目(塩酸モザバプタン投与は治療期4日目まで)で中止した翌日(最 終投与2日後)の死亡であり,塩酸モザバプタンとの関連性が否定されなかった。この症例では,

重篤な有害事象として播種性血管内凝固,その他の重要な有害事象として赤血球数減少,白血球 数減少,ヘモグロビン減少,ヘマトクリット減少,血小板数減少,血中尿素増加,血中尿酸増加,

血中クレアチニン増加,血中ナトリウム増加,血中カリウム増加,血中コレステロール減少が発 現した。

この他に重篤な有害事象の発現はなかった。

2.5.5.2.2 臨床検査値の評価

血液学的検査,生化学的検査及び尿検査の各臨床検査項目について,治験担当医師による異常 変動判定とは別に,申請者が定めた臨床検査基準値及び臨床検査値の重症度分類により,臨床検 査値の評価を行った。

異所性 ADH 症候群でみられた血液一般検査及び生化学的検査の変動は,総蛋白低下 4 例

(28.6%),アルブミン低下2例(14.3%),好中球(%)上昇2例(14.3%),BUN上昇2例

(14.3%),血清K上昇2例(14.3%),赤血球数減少2例(13.3%),白血球数減少2例(13.3%),

ヘモグロビン低下2例(13.3%),尿酸低下1例(7.7%),血清Ca低下1例(7.7%),ALT(GPT)

上昇1例(7.1%),血清Na低下1例(7.1%),血清Cl低下1例(7.1%),ヘマトクリット値 低下1例(6.7%)であった。また,尿検査においては,尿pH上昇1例(8.3%),尿潜血悪化1 例(7.1%)がみられた。

異所性ADH症候群以外のSIADHでみられた血液一般検査及び生化学的検査の変動は,赤血球

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