2.5 臨床に関する概括評価
2.5.4 有効性の概括評価
2.5.4.2 有効性評価に関する考察
2.5 臨床に関する概括評価 29
2.5 臨床に関する概括評価 30
2.5.4.2.2 部分集団における結果の比較
異所性ADH症候群を対象とした反復経口投与試験(129-C*-001P試験)の有効性評価対象例16 例について,主要評価項目である血清ナトリウム濃度及び臨床症状に関する部分集団における結 果の比較として,男女別,高齢・非高齢別,血清ナトリウム濃度の投与前値別,摂取水分量別の 各部分集団における結果を比較検討した。
血清ナトリウム濃度に関しては,男女別,高齢・非高齢別,摂取水分量別の各部分集団におけ る結果に差異はみられなかったが,血清ナトリウム濃度の投与前値別において,投与前値が 125
mEq/L未満の集団では,125 mEq/L以上の集団に比べて投与前からの変化が大きいという結果で
あった。
一方,臨床症状の改善(消失又は軽快)の頻度については,投与前に症状を認めた症例が少な かったため,部分集団による差異は明らかにならなかった
2.5.4.2.3 観察された効果の大きさの臨床的意義
SIADHの重症度は,血清ナトリウム濃度に基づき,重症(114 mEq/L以下),中等症(115 mEq/L
以上124 mEq/L以下),軽症(125 mEq/L以上134 mEq/L以下)及び正常(135 mEq/L以上)に 分類される5。異所性ADH症候群を対象とした反復経口投与試験(129-C*-001P試験)の有効性 評価対象16例の治療期1日目0時間,治療期4日目0時間及び後観察1日目0時間の重症度の推 移を図 2.5.4-1に示した。
有効性評価対象例16例中12例で投与終了時(7日間投与例では後観察1日目0時間,3日間投 与例では治療期4日目0時間)に1段階以上の改善がみられ,このうち8例が正常へと改善して いた。塩酸モザバプタン投与開始前に中等症以上であった10例のうち,8例が軽症又は正常へと 改善し,このうち5例は正常へと改善していた。治療期1日目0時間に比べ,投与終了時に改善 していなかった症例は,軽症のままであった3例及び中等症のままであった1例のみであった。
図 2.5.4-1 血清ナトリウム濃度による重症度分類の推移(129-C*-001P試験)
注)症例番号:0016*の治療期5日目0時間を含む
<資料番号5.3.5.2-01:付録Ⅱ-15より作成>
重 症 2例
中等症 8例
軽 症 6例
正 常 0例 治療期1日目0時間
重 症 0例
中等症 2例
軽 症 7例
正 常 7例注)
治療期4日目0時間
重 症 0例
中等症 2例
軽 症 6例
正 常 6例 後観察1日目0時間
投与終了 又は中止 重 症
2例
中等症 8例
軽 症 6例
正 常 0例 治療期1日目0時間
重 症 2例
中等症 8例
軽 症 6例
正 常 0例 重 症
2例
中等症 8例
軽 症 6例
正 常 0例 治療期1日目0時間
重 症 0例
中等症 2例
軽 症 7例
正 常 7例注)
治療期4日目0時間
重 症 0例
中等症 2例
軽 症 7例
正 常 7例注)
重 症 0例
中等症 2例
軽 症 7例
正 常 7例注)
治療期4日目0時間
重 症 0例
中等症 2例
軽 症 6例
正 常 6例 後観察1日目0時間
重 症 0例
中等症 2例
軽 症 6例
正 常 6例 重 症
0例
中等症 2例
軽 症 6例
正 常 6例 後観察1日目0時間
投与終了 又は中止
*:新薬承認情報提供時に置き換えた
2.5 臨床に関する概括評価 31
また,低ナトリウム血症に随伴する臨床症状の改善も認められ,塩酸モザバプタン投与前に何 らかの臨床症状を認めた8例中3例ですべての症状が消失し,4例でいずれかの症状が消失ある いは改善していた。これら7例の臨床症状の消失又は軽快は,治療期1日目あるいは2日目にみ られた。
各臨床症状の改善がみられた症例の血清ナトリウム濃度による重症度分類の改善をみると,食 欲低下の消失あるいは軽快がみられた5例,嘔気・嘔吐の消失がみられた5例,頭痛の消失がみ られた5例及び中枢神経性症状の消失がみられた4例はいずれも血清ナトリウム濃度による重症 度分類が一段階以上改善した症例であった。
以上のように,SIADHの重症度の改善がみられ,これを反映し臨床症状の改善も認められたこ とから,観察された効果は臨床的に意義があるものと考えた。
2.5 臨床に関する概括評価 32