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ティ製ボリューム・マネージャ、ファイル・システムおよびクラス タウェア・プラットフォームの必要性を排除するため、管理を簡 素化、自動化し、コストとオーバーヘッドを削減します。Oracle ASMには、次の2つの主要な機能があります。これらはSAPを実 行する上で重要です。

• Oracle Cluster Repository(OCR)と投票ファイルをOracle ASMに保存できます。

• Oracle Database HomeをOracleの新しいクラスタ・ファイル・

システムACFSに保存できます。

これにより、Oracle ASMは、Oracle Real Application Clusters 上で稼動するSAPやシングル・インスタンスのOracle Database 上で稼動するSAPシステムに最適なストレージ・プラットフォーム になります(Oracle ASMの詳細は、次を参照してください。

SAP Note 1550133

Oracle Database 11g Release 2は、今まで以上のメリットをもた らします。ディスク領域の節約でハードウェア・コストをさらに低減 しながらも、より高速なパフォーマンス、より強固なセキュリティ、

より容易な管理性、卓越した生産性を提供します。次のリストは、

現在のSAP顧客が使用できる重要な機能ですが、これらの多くは Oracleに固有の機能です。

索引圧縮

Oracle Databaseは、効率的な方法で標準の索引を保存するため の非常に効果的なテクノロジを提供します。パフォーマンスおよ びスループット上の理由から、Oracle Database内のSAPデータ へのアクセスは、ほぼすべて索引を経由します。したがって、デー タベース内の索引は、SAPシステムのスループットに大きな影 響を与えます。データベースに保存されている索引の効率が高 ければ高いほど、SAPアプリケーションは効率的に動作します。

Oracle Databaseの索引圧縮を使用することで、SAPアプリケー ションのパフォーマンスは改善されます。圧縮索引を使用すると、

問合せが3倍から4倍加速する場合があります。索引圧縮により、

Oracle Database用の合計ディスク領域は最大20%削減されます。

SAPアプリケーション用のOracle Databaseでの索引圧縮の使用 については、

SAPサポート・ノート1109743

で説明しています。索 引圧縮は、SAPのBR*Spaceユーティリティに完全に統合されてい ます。

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索引構成表の圧縮

Oracle Databaseは、もう1つの重要かつ理想的なテクノロジを SAPアプリケーションに提供します。SAPアプリケーションが使 用する多数の表には、単一の一意索引(プライマリ・キー)のみ があります。単一の一意索引を持つ、これらの表は、索引構成表

(IOT)の圧縮を使用すると、より効率的にOracle Databaseに 保存できます。IOT圧縮を使用することにより、問合せが最大5 倍高速で実行されます。IOT圧縮に対する挿入/削除操作は、

最大2倍高速で実行されます。索引圧縮の使用により、Oracle Database用の合計ディスク領域は最大25%削減されます。IOT 圧縮の実装により提供されるのは、単一の索引の表を完全に、ま たはほとんど完全にメモリー内に保持し、ディスクI/Oを回避する ことでOracle Database内のデータにきわめて高速でアクセスで きる機能です。

SAPアプリケーション用のOracle DatabaseでのIOT圧縮の使用 については、

SAPサポート・ノート1856270

で詳細に説明してい ます。

OLTP表圧縮

Oracle Database 11gでは、OLTP表圧縮という新機能が導入さ れました。この機能を使用すると、INSERTやUPDATEなど従来 のDMLを含むあらゆる種類のデータ操作中にもデータを圧縮 できます。また、OLTP表圧縮は書込み操作に関連する圧縮オー バーヘッドを低減するため、トランザクションまたはOLTP環境に も適しています。このため、OLTP表圧縮は、すべてのアプリケー ション・ワークロードで圧縮によるメリットがあります。

オラクルのOLTP表圧縮はAdvanced Compressionの一部です。

独自の圧縮アルゴリズムを使用しているため、データベース・ブ ロック内の複数の列間で重複する値もポインタに変換します。圧 縮されたブロックには、シンボル表と呼ばれる構造が含まれ、圧 縮メタ・データはここに保持されます。ブロックが圧縮されるとき に、重複する値の単一コピーをシンボル表に追加し、重複する値 をポインタに変換します。グローバルなデータベースのシンボル 表を保持する競合他社の圧縮アルゴリズムと比較すると、オラク ル独自の手法では、圧縮されたデータへのアクセスで追加のI/O が発生しないため、大幅にパフォーマンスが向上します。

OLTP表圧縮の利点は、ディスク上のストレージ領域の節約にと どまりません。圧縮されたブロックを解凍せずに直接読み取るこ とができることも、その大きな利点の1つです。

この利点によって、圧縮データへのアクセス・パフォーマンスに ほとんど低下は見られません。Oracle Databaseの場合、アクセ スするブロック数が少ないためI/Oが減少し、パフォーマンス が向上したケースが実際に多数報告されています。さらに、バッ ファ・キャッシュの効率が向上したため、メモリーの増設なしで より多くのデータを格納できます。Oracle Databaseバージョン 10.2.0.2から、SAPは索引のディスク領域を節約しデータベース 全体のサイズを削減するために、索引圧縮の使用について認定 を開始しました。全データベースの再編成を実行した後でも索 引圧縮を使用すると、さらにディスク領域の合計の20%が削減さ れることを顧客の経験が実証しています。

SecureFileデータ圧縮

Oracle Database 11gの新機能であるSecureFilesは、完全に再 設計したラージ・オブジェクト(LOB)のデータ型を導入すること で、パフォーマンス、管理のしやすさ、アプリケーション開発の容 易性を飛躍的に向上させました。SecureFilesのデータは、業界 標準の圧縮アルゴリズムを使用して圧縮されています。

圧縮によってストレージを大幅に節約できるだけでなく、I/

O、バッファ・キャッシュ要件、REDO生成および暗号化による オーバーヘッドが減少するため、パフォーマンスも向上します。

SecureFile圧縮により、インラインおよびアウトラインLOBデー タのストレージや操作が大きく向上します。SAPアプリケーショ ンでは、LOBデータがますます重要性を増し、SAP CRM、SAP XI、SAP NetWeaver PortalおよびSAP ERPなどに広く使用され ています。

SAP ERPのほとんどの非クラスタ表は、Oracle Databaseに固有 のアウトラインLOBを使用します。

RMANバックアップ圧縮

肥大し続ける企業データベースは、データベース管理者にとっ て大きな問題です。データベース・バックアップのストレージ要 件とバックアップ手順のパフォーマンスには、データベース・サイ ズそのものが影響しますが、Oracle Advanced Compressionに 組み込まれた圧縮テクノロジが、バックアップ・データのストレー ジ要件を大幅に軽減します。RMANはOracle Databaseと密接に 統合されているため、RMANバックアップ・データはディスクまた はテープに書き込まれる前に圧縮され、リカバリ前に解凍する必 要がありません。これにより、ストレージのコストを大幅に削減で きます。RMANバックアップは多くのSAP顧客が使用しています。

Oracle Database 11g Release 2 for SAP

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Data Pump圧縮

Data Pumpジョブに関連付けられたメタ・データの圧縮は、Oracle Database 10g Release 2で初めてサポートされました。この圧縮 機能は、Oracle Database 11gで拡張され、表データをエクスポー トと同時に圧縮できるようになりました。Data Pump圧縮はイン ライン・オペレーションです。ダンプ・ファイルのサイズを削減し てディスク領域を大幅に節約します。オペレーティング・システム またはファイル・システムの圧縮ユーティリティとは異なり、Data Pump圧縮の操作は、インポート側でも完全にインラインである ため、ダンプ・ファイルをインポート前に解凍する必要はありませ ん。圧縮されたダンプ・ファイル・セットは、データベース管理者の 操作なしで自動的にインポート中に解凍されます。

Data Guardネットワーク圧縮

Data Guardは、スタンバイ・データベースを管理、監視、自動化 するソフトウェア・インフラを提供します。1つまたは複数のスタ ンバイ・データベースを作成、管理および監視して、企業データ を故障、障害、エラー、破損などから保護します。Data Guardは、

REDOデータ(トランザクションのリカバリに必要な情報)を使用 し、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースを同期 させます。プライマリ・データベースでトランザクションが発生す ると、REDOデータが生成されローカルREDOログ・ファイルに書 き込まれます。REDOデータは、Data Guard REDO転送サービス を使用してスタンバイ側に転送されます。

Oracle Advanced Compressionを使用すると、REDOデータは 圧縮された形式で転送されるため、使用するネットワーク帯域 幅を効率よく軽減できます。つまり、REDO転送圧縮の役割は、

REDOギャップ解消時のREDOデータ圧縮だけではありません。

転送先の圧縮が有効になっていると、その転送先に送信される すべてのREDOデータが圧縮されます。

非同期セグメントの作成

Oracle Database 11g Release 2から、ローカル管理表領域に 表を作成する場合、表セグメント作成は最初の行が挿入される まで同期されません。また、セグメントの作成は、表のすべての LOB行、表作成の一部として暗黙的に作成した索引、および表で 引き続き明示的に作成した索引とは同期しません。

Oracle DatabaseでSAPアプリケーションを実行する場合、この 領域割当て方法には、次のような利点があります。

• 空のデータベース・オブジェクトはディスク領域を消費しません。

• SAPインストールのすべての表、LOB、索引およびパーティ ションの60~70%は空であるため、SAP環境できわめて重要 です。

• 空の表、LOBおよび索引の作成が劇的に高速になるため、SAP 用のデータベース・インストール作業にかかる時間が大幅に 短縮されます。

• Oracleデータ・ディクショナリ領域のクエリーが、実質的に高速 に実行されます。

列追加機能の強化

DEFAULT値およびNOT NULL制約を持つ新しい列を追加する 場合、Oracle Database 11g以前のバージョンでは、表を排他的 にロックしデフォルト値をすべての既存のレコードに格納する必 要がありました。

Oracle Database 11gから、データベースはこの操作に対するリ ソース使用率とストレージ要件を最適化し、列のデフォルト値は NOT NULLとして指定されたデータ・ディクショナリ内の列で保 持されます。DEFAULT値とNOT NULL制約を持つ新しい列を追 加する場合、すべての既存レコードにデフォルト値を格納する以 前の処理は必要ありません。

これにより、スキーマ変更が1秒以下で実行できるだけでなく、

既存のデータ・ボリュームにも左右されず領域も消費しません。

特に大きな表の場合、列の更新に必要な実行時間が短縮され、

領域を節約できます。

SAP BWアプリケーションやSAPアップグレードでは、列の追加 は頻繁におこなう作業です。そのため列追加機能の拡張には、次 のようなメリットがあります。

• SAP BWにおいて、列追加プロセスでパフォーマンスが改善さ れます。

Oracle Database 10gと比較すると、リストに記載したOracle Database 11gは、大量のディスク領域を節約し、次のようになり ます。

圧縮なし 圧縮および

他の領域最適化あり 領域の節約 データベース

(完全に再編成 されている場合)

SAP ECC 6.0 SAP BW 7,0 SAP CRM 7.0

RMANバックアップ

(圧縮されたデータ ベースの場合)

Data Pumpの エクスポート

4,782 GB 1,413 GB 950 GB

2,817 GB

973 GB

1,976 GB 543 GB 334 GB

667 GB 156 GB

59%

62%

64%

76%

84%