S 2
S 2 S S 2 2
Phase 1 Phase 2 Phase 3
Back
Stop Recovery
Agent A
Agent B New
pheromone trail S 2
S 2
S 3 S 3
Old
pheromone trail
S 3 S 3
S 3
S 3
Recovery
第 章 群行動アルゴリズムとシミュレーション・モデル
シミュレーション・モデル
本節では,エージェント・モデルとフェロモン・モデルの設計を行う. 節で示したように,
エージェントは群れの必要条件として,同一のセンサ構成,アクチュエータ,コミュニケーション・
プロトコルの共有を行う.先ず,エージェント・モデルの設計を行う.エージェント・モデルはロ ボット群の開発に無理の無い条件とする.
次に,フェロモン・モデルの構築を行う.現実のロボット群を運用するため,フェロモンは蟻の フェロモンを用いる訳にはいかない.そのため,本研究では,蟻のフェロモンの代用にエタノー ルを用いる.フェロモン・モデルは,エタノールの蒸発を事前に試験したデータから構築する.
エージェント・モデル
エージェントの外形は円柱型であり,直径は <=,最大速度は <L=とした4 %. 実際のロボット・システムにおいて,フェロモンの代用にエタノールを用いるのでシミュレーショ ンではその特性を考慮する.エタノールは,初期状態 のエージェントにとってフェロモンと して知覚標識となる.そして,エタノールセンサは,フェロモン・トレイルの追従のために用い られる.
4 % ? 0
$ % &
# 0
- <=
#0 <L=
-
フェロモン・モデル
エージェント群は,有界な平面フィールドで活動するものとする.フィールドは <= <=
の計算格子グリッドで分けられ,フェロモンの蒸発・拡散現象は中道らの提案する離散方程式<=
を基に蒸発・拡散現象をモデル化する.フェロモンの蒸発は以下の式によって計算される.
:
MN
ここで, は,ある時刻のときのグリッド でのフェロモン量であり,は蒸発 係数である.第項のN
はフェロモン添加量であり,以下の式で定義される.
実ロボットとの比較の結果,フェロモンは水平方向へほとんど拡散しないことが分かったので,本論文では蒸発の みをモデル化している
第 章 群行動アルゴリズムとシミュレーション・モデル
N
:
2!
0>;
ただし,は実際のフェロモン添加量である.
エージェントのフェロモン・センサの取り付け角は進行方向からに搭載されている.そし て,フェロモン・センサは,センサ位置 の現在時間のフェロモン量
を検出する.
フェロモン・トレイルの敷設と追従のメカニズム エージェントは,
誘引のときにフェロモン・トレイルを敷設する.誘引状態
のエージェ ントは,方向を検出し,方向に向かって移動しながらフェロモン式における
を分泌する.
追従のメカニズムは実際の蟻の行動を模倣する.蟻は,フェロモン・トレイルを左右のつの触 角で検知する.左右の触角がフェロモン・トレイルを検知すると左右方へ移動する <=.こ の行動を模倣するため,フェロモン・センサをエージェントの底面につ搭載されていると設定 している.9 に示すように,取り付け角は進行方向からに搭載されている.エージェ ントの進行方向右左側のセンサがフェロモンを検知すると左右車輪を駆動させる.そして,
エージェントは右左へ移動する.この行動アルゴリズムをエージェントに実装した.この行動 は,常に方向を参照しながら行われ,方向にフェロモン・トレイルを追従することは ない.
Pheromone trail of alcohol
Robot
Driven wheel
π /6
第
章
ロボット群の開発
本章では,章で設計した群行動アルゴリズムを実装するロボットの構成に ついて述べる.先ず, 節で,知覚標識を実現するためのセンサー構成につい て述べる.センサは, 節で定義した知覚標識を環境から抽出するために,
フェロモン・センサ,センサ,受光素子・接触センサを設ける.また,同様 に 節で定義した作用標識を実現するために駆動モータと車輪,マイクロ・
ポンプを搭載する.
節では,フェロモン放出機構について説明する.フェロモンエタノール を環境に放出するために,ロボットには液体用タンクとマイクロポンプを搭載 する.マイクロポンプには,圧力抵抗を設けて求められる排出量を実現する.
最後に,節で,開発したロボットの全体構成を説明する.システムの構成 には,*(マイコンを用いる.*(マイコンは2(で接続され,センサ群と 情報交換する.
第 章 ロボット群の開発
センサ構成
本節ではロボットに搭載するセンサについて説明する.ロボットには,フェロモン・コミュニ ケーションを行うためのフェロモン・センサ,帰巣のためのセンサ,接触対象を判別するた めの受光素子・接触センサが搭載されている.
フェロモン・センサ
本研究ではフェロモンの代用として,化学的に性質の近い「エタノール(A3」を用いる.し たがって,本研究ではエタノールをフェロモンと呼ぶ.エタノールは高い揮発性を有するため,生 物のフェロモンと同等の特性を発揮すると考えられる.ヒドロキシル基3Aは,酸素原子の電 気陰性度が大きいため強く分極している.この分極によって,水素原子は部分的に陽電荷を持ち,
酸素原子は部分的に負電荷を持つ.したがって,部分的に陽電荷をもつ水素原子が他の酸素原子 に引きつけられ,結合を形成する.これを水素結合という<=.水もまた水素結合をした極性溶 媒である.その水分子の つを低分子量のアルコール分子で置き換えることは容易である.そし て,アルコール分子は水分子とも水素結合を形成するため,揮発性を抑制することが可能になる.
本研究ではエタノールを検出するセンサとして,日本セラミック社製のアルコールセンサ「67
, 」を用いる.ここで,アルコール検出の原理について説明する.一般にアルコールセンサの材 料には,酸化スズ3
や酸化鉛O3などの型半導体が用いられる.空気中におかれた半 導体の表面には酸素が吸着する.この吸着酸素は半導体から電子を引き抜き負電荷となって吸着 をしているため,n型半導体の表面には電子空乏層電子濃度が周囲より小さくなっている層が 形成され,電気抵抗が高い状態になる.しかし,センサ部にアルコールが接近すると吸着酸素と アルコールの間で酸化還元反応が起こる.これにより,吸着酸素が減少し,それに伴って電子空 乏層も減少するため,電気抵抗が低下する.したがって,センサ部の電気抵抗値の増減を計測す ることで,アルコール検出が可能になる.
-1 0 1 2 3 4 5
0 10 20 30 40 50
Time[s]
Vo lta ge [V ] stimulus duration
9 ? .#0 ! 67,
センサ特性を検証するため,実験フィールドにエタノールを塗布し,塗布から 秒後にセンサ を速度 <L=で通過させる予備実験を行った.9 は,予備実験で得られたセンサの応答 電圧線図である.9 から,このセンサは立ち上がりが良好なのに対し,立下りが悪いこと がわかる.これはセンサ部の吸着酸素の量が急激に低下し,新たな酸素が流入するのに時間を要
第 章 ロボット群の開発
するのが原因だと考えられる.したがって,応答電圧に対して閾値を設定した場合,応答電圧が 閾値以上になるのは短時間なのに対し,閾値以下になるには時間を要する.その結果,閾値を越 えた状態飽和状態が続き,連続的な検出が行えないという問題が生じる.また,応答電圧はエ タノール水溶液の濃度が高くなるにつれて上昇する.これは,高濃度ではエタノールの分子数が 多いため,吸着酸素とエタノールの間で酸化還元反応が活発に行われるからである.それに対し,
低濃度ではエタノールの分子数が少ないため,応答電圧は高濃度に比べ低い.したがって,濃度 に対する検出可能範囲が閾値設定に大きく依存してしまう.また,応答電圧値はノイズを含んで いるため,閾値付近で誤検出を招く可能性がある.この特性は,現実の蟻の触角の特性に酷似し ている9 .
1 sec -1 mV
stimulus duration
9 ? .#0 ! 8
本研究では次式を用いることによりこのセンサ特性に対処する.
:
式 のは微小時間におけるセンサの応答電圧の微分係数を表す.
は現在の応答電圧値,は ステップ前の応答電圧値を表す.本研究では微小時間
を予備実験から <=に設定した.微小時間毎に算出される微分係数に閾値を設けることに より,L判定が可能になる.また,微分係数の変化に着目しているため,濃度による応答 電圧の差異に依存しない検知が可能になる.これにより,飽和状態やノイズの影響が低減される.
センサ
第章で設計したアルゴリズムを実装する上で,ロボットは方向を知覚する必要がある.フェ ロモントレイルの敷設・追従,物体運搬の際,ロボットは方向を知覚することで進行方向を 決定することができる.また,ロボットは正確に進行方向を決定する必要はない.正確な位置や 方向が要求されるタスクではないので,ロボットは方向を大まかに知ることができれば十分 である.
本研究では,の代用として東芝製の赤外線電球「2. L + F.」を用いる.赤外線 電球を用いることで,可視光環境下においても実験が可能になる.したがって,から発せられ る赤外線を検出することで,ロボットは方向を知覚する.本研究では,赤外線を検出する素