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章 ロボット群におけるフェロモン・コミュニケーションの性質の解明

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章 ロボット群におけるフェロモン・コミュニケーションの性質の解明

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章 ロボット群におけるフェロモン・コミュニケーションの性質の解明

議論

本節の目的は以下の点であった.

計算機シミュレーションを用いて,環境の個体密度を固定したときの集団の挙動を観測する.

計算結果に基づき,個体密度が固定されているときの普遍的な振る舞いを検討する.

この目的のため,各実験フィールドにおけるエージェントの個体密度を固定するために,個体 数は <=あたりに 体とし4 % のように設定し,計算機シミュレーションによっ て環境中の個体密度を固定したときの群れの振る舞いを検討した.計算機シミュレーションの結 果,活動環境サイズが極端に小さくない限り環境中の個体密度が一定であれば,群れは同程度の パフォーマンスを示すことがわかった.この結果は,当然のように考えられるが説明が困難であ る.個体密度が同一のため衝突頻度が同程度発生し,最終的なパフォーマンスが同程度になって いるものと考えられる.個体密度を一定にすることで群れのパフォーマンスを維持できるメカニ ズムの説明のためには,個体の衝突回数をカウントすることで説明が可能であると考える.この 振る舞いのメカニズムの解明にはより詳細なシミュレーションが必要になるだろう.

実際の蟻の研究でも同様の報告が在る.<=# に蟻の採餌面積と個体数の関係が表として 提示されている.9 に蟻の種別のコロニーサイズと採餌面積の関係を示す.縦軸は採餌を 行う面積を示し,横軸はコロニーの個体数を示す.プロットはそれぞれの蟻の種を示す.蟻の活 動エリアは気候などに影響され一定ではなく,個体数もコロニーによって異なるのでエラーバー がある.

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Colony size Fo ra

gi ng a re a

Formica polyctena F. truncorum F. exsecta Lasius niger Camponotus sp.

Formica fusca Effecvite

Effecvite Effecvite

Moderate Poor

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I$QJは動員を効果的に行っていることを示し,I10 Jが中程度であることを示し,

I*Jは動員が行われていないことを示す.9 に示すように,動員が行われているときの環 境中の個体密度はほぼ一定であることがわかる. の動員が中程度であり,

は動員が行われないと報告されている.この種は,動員を有効に行っている種と比べると 広い環境に対して個体数が少ないと言うことができる.つまり,フェロモン・コミュニケーション を行うには個体密度を一定に保つことが有効であると言える.

章 ロボット群におけるフェロモン・コミュニケーションの性質の解明

結論

冒頭で述べたように,本節の目的は 計算機シミュレーションを用いて環境の個体密度を固定 したときの集団の挙動を観測する.計算結果に基づき個体密度が固定されているときの普遍的 な振る舞いを検討することであった.研究目的に従って,シミュレーション条件を4 % の ように設定した.9 に示すように,計算機シミュレーションの結果,活動環境サイズが極 端に小さくない限り環境中の個体密度が一定であれば群れは同程度のパフォーマンスを示すこと がわかった.この結果は,蟻が集団採餌を行う上でも同じことが報告されている9

まとめ

本章では,これまでに得られた計算機シミュレーションと実機実験の結果をまとめ,フェロモ ン・コミュニケーションの実現性と応用可能性について論じる.

議論

本論文では,ロボット群とフェロモン・コミュニケーションに関して論じてきた.ここで,フェ ロモン・コミュニケーションが万能なコミュニケーション手法であると論じるつもりはない.本節 では,フェロモン・コミュニケーションの適用範囲について論じる.

フェロモン・コミュニケーションは, 節の9 に示すように,「環境に情報を残す」と いう既存の通信技術とは異なる手法で他個体とコミュニケーションを図る.情報は,送信者から 受信者へと直接伝達されるわけではないので,通信の確実性は生物が行っている機械的コミュニ ケーション,光学的コミュニケーションと比べて低い.また,工学的な手法である無線通信とは 比較にならないぐらいコミュニケーションの成功可能性は低い.このようなコミュニケーション 手法が蟻や白蟻などの社会性昆虫で用いられ,コミュニケーションが成立しているのは,社会性 昆虫が常に多数の個体が集まって群れているからである.フェロモン・コミュニケーションが有効 に働くと考えられる条件を以下に示す.

活動する空間に適切な数の個体が存在すること

フェロモンが適切な揮発時間であること

9 に示すように,活動環境内に適切な数の個体が存在しないと多くのフェロモン・コミュ ニケーションは期待することができない.また,9 に示すように,活動環境のサイズを大 きくして環境内の個体密度を下げても多くのフェロモン・コミュニケーションは期待できない.こ のことから,特定の空間内に活動する空間内に適切な数の個体が存在することはフェロモン・コ ミュニケーションにとって必要不可欠な要素であることは明白である.環境中の個体密度を一定 に保つと群れのパフォーマンスは維持される結果が上述の推論を裏付ける9

また,9 に示すように,フェロモンが高濃度のとき,つまり,フェロモン・トレイルの 持続時間が短い場合は敷設・強化回数が逆転する.節では,フェロモンとしてエタノールを 用いていたため, K以上の揮発性を得ることはできなかった.しかし,9 の傾向が示 すように,より揮発性の高い化学物質を用いたとき,フェロモン・トレイルは存在しないも同然 になり, Kのフェロモンを用いた場合と同じ結果になることが予想できる.このように,フェロ モン・コミュニケーションを行う上で,フェロモンが適切な揮発時間であることが重要であろう.

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