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Sinter A

Sinter B

Pellet A

Pellet B

Pellet C

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2.3.2. 還元に伴うき裂生成挙動と反応様式の観察

  焼結鉱およびペレットの組織観察写真の一例として、CO ガス還元条件である Case1 と H2ガス還元条件のCase10をFig. 2-14 ~ 2-16に示す。図中のR.D.は実験後の還元率を表 す。いずれの試験条件においても、還元後の試料にはき裂の生成が認められるが、ペレッ トに比べて焼結鉱に生成したき裂は直線状のき裂が多く、そのサイズも大きい。また、還 元条件によらず焼結鉱は試料全体から不均一に還元反応が進行する反応様式を示すものの、

CO ガス還元に比べて、H2ガス還元時にき裂の生成が多い傾向がある。一方、ペレットの 還元の場合、反応様式およびき裂生成挙動はガス組成によって変化した。COガス還元では、

還元反応が未反応核に進行する傾向にあり、き裂は同心円状に生成する。一方、H2ガス還 元の反応様式は均一になる傾向にあり、き裂も試料表面から中心部にかけて大小さまざま な放射状のき裂が多く観察された。また、CO2濃度が増加すると、反応様式が未反応核反 応から均一反応に変化した。RDIと反応様式の関係に着目すると、H2ガス還元およびCO2

濃度増加条件下では還元反応が均一に進行し、還元粉化は助長されることが示唆された。

これは、粒子内の還元率分布が異なることで、還元過程の体積膨張に起因する粒子内の応 力分布に差異が生じたことが原因と考えられる。これらの結果は春名[18]らの報告と一致し ている。一般的に、H2の分子拡散係数がCO に比べて大きいこと[19]、また、CO2濃度の 増大により、H2及びCO の還元反応速度が小さくなることが知られている[20]。いずれも 未反応のままペレット中心部まで到達するCOまたはH2ガスが多くなるため、反応が均一 反応に進行しやすくなったと推定される。

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Fig. 2-14 Microstructure of sinter A reduced at 823K for 1.8 ks a) Case 1, 30%CO-70%N2 b) Case 10, 30%H2-70%N2

Fig. 2-15 Microstructure of Pellet A reduced at 823K for 1.8 ks a) Case 1, 30%CO-70%N2 b) Case 10, 30%H2-70%N2

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Fig. 2-16 Microstructure of Pellet C reduced at 823K for 1.8 ks a) Case 1, 30%CO-70%N2 b) Case 10, 30%H2-70%N2

2.3.3. EPMAによる反応様式の定量化

Fig.2-14 ~ 2-16の組織観察を対象としたサンプルのEPMA元素マッピングの結果をFig.

2-17 ~ 2-19に示す。焼結鉱は各元素の濃度範囲が広く、Fe, Ca, Al, Oの濃縮部が確認され

た。高Fe濃度はヘマタイトやマグネタイト、Ca濃度はカルシウムフェライト相であり、還 元前の鉱物の賦存状態を表していると推定される。一方、ペレットの元素マッピングに着 目すると、CO 還元では中心部に高 O 濃度箇所が確認されるが、H2還元では、周辺部と中 心部のO濃度差は小さい。

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Fig.2-17 EPMA elemental mappings of Sinter A reduced at 823K for 1.8 ks (a) Case 1: Reduced with 30%CO-70%N2 (b) Case 10: Reduced with 30%H2-70%N2

Fig.2-18 EPMA elemental mappings of Pellet A reduced at 823K for 1.8 ks (a) Case 1: Reduced with 30%CO-70%N2 (b) Case 10: Reduced with 30%H2-70%N2

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Fig.2-19 EPMA elemental mappings of Pellet C reduced at 823K for 1.8 ks (a) Case 1: Reduced with 30%CO-70%N2 (b) Case 10: Reduced with 30%H2-70%N2

Fig.2-17 ~ 2-19のEPMAの結果から、式(2) ~ (6)により還元後試料の相対半径に対する O/Fe分布を導出した結果をFig. 2-20に示す。ペレットのCO還元条件であるCase1は、

表層部がマグネタイト、中心部がヘマタイトであり、その中間部のヘマタイトとマグネタ イトの混在部は反応帯と定義できる。H2還元条件のCase10 は、試料全体においてヘマタ イトとマグネタイトが混在するため、反応様式は均一的であり、反応帯が試料全体に及ん でいる。一方ペレットと比較して、焼結鉱のO/Feは不均一に観察された。この理由として、

以下の原因が考えられる。 

 焼結鉱は粗大かつ不均一な気孔を有しているため、還元反応が不均一に進行する。

 焼結鉱の主要構成相であるカルシウムフェライトには、O/Feが適用できない。

 焼結鉱が還元前から有している初期のマグネタイトと反応により生成したマグネタイ トを切り分けて判定することができない。

以上より、EPMA元素マッピングによる還元反応の反応様式の定量化手法は、ペレット の評価に適するものと考えられる。

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Fig.2-20 Examples of radial O/Fe distribution of samples 1.2

1.3 1.4 1.5 1.6

-1 -0.5 0 0.5 1

O/Fe (mol/mol)

相対半径=r/R (m/m)

反応帯

1.2 1.3 1.4 1.5 1.6

-1 -0.5 0 0.5 1

O/Fe (mol/mol)

相対半径=r/R (m/m)

反応帯

1.2 1.3 1.4 1.5 1.6

-1 -0.5 0 0.5 1

O/Fe (mol/mol)

相対半径=r/R (m/m)

反応帯

1.2 1.3 1.4 1.5 1.6

-1 -0.5 0 0.5 1

O/Fe (mol/mol)

相対半径=r/R (m/m)

反応帯

1.2 1.3 1.4 1.5 1.6

-1 -0.5 0 0.5 1

O/Fe (mol/mol)

相対半径x=r/R

反応帯

1.2 1.3 1.4 1.5 1.6

-1 -0.5 0 0.5 1

O/Fe (mol/mol)

相対半径=r/R (m/m)

反応帯

Pellet C Pellet A Sinter A

Case 10: 30%H2-70%N2

O/Fe [mol/mol]O/Fe [mol/mol]O/Fe [mol/mol] O/Fe [mol/mol]O/Fe [mol/mol]O/Fe [mol/mol]

Relative radius [m/m]

Relative radius [m/m]

Relative radius [m/m]

Relative radius [m/m]

Relative radius [m/m]

Relative radius [m/m]

Case 1: 30%CO-70%N2

Reaction Zone

Reaction Zone

Reaction Zone

Reaction Zone Reaction Zone

Reaction Zone

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2.3.4. 反応様式に及ぼす還元ガス組成の影響

鉄鉱石塊成鉱であるペレットの還元反応は反応界面がぼやけて厚みをもち、そこでは反 応と拡散が同時に起こる反応帯を形成する。この未反応核反応と均一反応の中間的な反応 様式は中間反応と呼ばれている[24]。反応帯を有する中間反応の反応様式を定量的に評価す るため、次のようにEPMA元素分析の測定結果の解析を試みた。Fig. 2-21に還元後ペレッ トの半径方向のマグネタイトのモル分率分布の一例を示す。ここで、反応様式を定量的に 評価するための指標として、グラフの傾きを反応帯指数 (RMI; Reaction Mode Index) を 導出した。具体的には、550℃で所定のガス組成で還元した試料中心の幅 10mm の元素濃 度をEPMAにより測定し、幅方向の平均組成から式(2)~(6)によりFig.2-21に示す半径方向 のマグネタイトのモル分率分布を導出した。次に縦軸のマグネタイトのモル分率が 0.2 ~ 0.8の範囲を直線近似し、その傾きを RMIとした。例えば、未反応核反応の場合は、グラ フの傾きであるRMI=∞となり、均一反応の場合は、RMI=0となる。すなわち、RMIが大 きいほど未反応核反応に近い反応様式であることを示す。

  Fig. 2-22にペレットの還元ガス組成とRMIの関係を示す。CO還元時のRMIは他の実

験条件のRMIよりも高い値を示した。これは未反応核反応に近い反応様式で還元反応が進 行していることを意味する。一方、H2還元時ではRMIが低い、すなわち均一反応に近い反 応様式で還元反応が進行していた。さらに、CO-H2混合還元時のRMIは、両者の荷重平均 以下の値を示し、CO2濃度の増加により減少する傾向を示す。

Fig. 2-23にペレットのRMIとRDIの関係を示す。RMIはRDIと良い相関関係があり、

ある閾値 (約 3.0) 以下で急激に増大した。この閾値はペレットの種類によらず一定であっ た。これは、高 H2雰囲気におけるペレットの還元粉化の抑制には、反応様式を示す RMI の値を一定値以下に抑えることが重要であることを示している。

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Fig.2-23 Example of evaluation of RMI using magnetite distribution in radius direction obtained from EPMA analysis data.

Fig.2-21 Relationship between gas composition and RMI reduced at 823K for 1.8 ks with Case 1, 2, 4, 5, 7, 8, 10, 11

Magnetite [-]

y = 1.98 x - 1.04

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 Relative radius of pellet [m/m]

RMI

0 1 2 3 4 5 6 7 8

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

RM I ( % )

H

2

/(H

2

+CO) (-)