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第 4 章 酸化鉄ペレットの低温還元過程に発生する膨張応力
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4.2. 膨張応力からき裂面積を導出する基本的な考え方
2 つ以上の異なる材料から構成されるセラミックスの複合材料の一つである球状粒子を 性状の異なる材料中に分散させて製造される粒子分散型複合材料を対象として、熱応力、
歪エネルギーおよびき裂生成量の定量化が可能な応力モデルが提案されている[2]。還元中 の焼結鉱やペレットもヘマタイトとマグネタイトから構成される複合材料とみなすことが できるため、上記応力モデルを適用できる可能性がある。
Davidgeらによると、基質と球状粒子の膨張率が異なる場合、両者の境界に生成する応力,
は式(1)で表される[2]。
𝜎= ∆𝐶
(1 +𝜈ୡ)
2𝐸ୡ + (1−2𝜈୬) 𝐸୬
⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(1)
ここで、 は応力, CLE は線膨張率差、 はポアソン比, E はヤング率, 添え字のc はマ トリックス(基質)、 n は球状粒子である。また、式(1)に示す通り、マトリックスと球体の 境界に生成する応力は、球体の大きさに依存しない。
次に、球状粒子の直径が R の場合、マトリックスおよび球状粒子に生じる歪エネルギー は式(2)で表わされる[2]。
𝑈𝑡=𝜎ଶπ𝑅୬ଷቈ(1 +𝜈ୡ)
𝐸ୡ +2(1−2𝜈୬)
𝐸୬ ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(2)
ここで、Ut は歪エネルギー、R は直径である。歪エネルギーは応力と異なり、球状粒子 の大さに依存する。
基質と球状粒子が共存する領域にき裂が生成する場合、歪みエネルギーは新しい表面を 作るためのエネルギー、すなわち表面エネルギー,へと変換される[2]。このエネルギーの 変換時に生成するき裂面積は式(3)で表わされる。
𝐴𝑐= 𝑈𝑡
2𝛾ୡ=𝜎ଶπ𝑅୬ଷ
2𝛾ୡ ቈ(1 +𝜈ୡ)
𝐸ୡ +2(1−2𝜈୬)
𝐸୬ ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(3)
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式(3)は各結晶相のヤング率E 、ポアソン比、有効表面エネルギーより導出される。そ こで、Fe2O3およびFe3O4の各温度の上記物性値を文献[3]~[8]に基づきTable4-1に整理した。
Fig.4-1~4-3 にヤング率 E、破壊靭性値 KIC、有効表面エネルギーの温度依存性を示す。
は、Griffithの破壊条件式[9]である式(4)より算出した。
𝛾=𝐾ூଶ
2𝐸 ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(4) ここで KIC 破壊靭性値、 E はヤング率、 は表面エネルギーを表す。
高温での破壊靭性値は不明であるが、組成と結晶相が一定の材料の破壊靭性値とヤング 率には正の相関があるという知見に基づき[10]、高温のヤング率から高温の破壊靭性値 KIC
[5]を算出した。一方、ヘマタイトとマグネタイトのポアソン比の温度依存性についても定
量的な報告は見あたらないが、ヤング率や破壊靭性値に比較して、多孔質体のポアソン比 がその剛性に与える影響は小さいとの報告[5]から、本報告では常温での文献値[6]を採用し た。
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Table 4-1 Physical properties of hematite (Fe2O3) and magnetite Fe3O4
Fig.4-1 Temperature dependence of Young's modulus, E of hematite and magnetite Young
modulus E[GPa]33)
Poisson ratio u [-]34)
Fracture toughness KIC [MPa・m1/2]35)
Effective surface energy
[N/m]
Young modulus E[GPa]33)
Poisson ratio u [-]34)
Fracture toughness KIC [MPa・m1/2]35)
Effective surface energy
[N/m]
400 144 0.28 1.93 16.54 119 0.33 1.83 12.87 0.0123
500 142 0.28 1.90 17.23 124 0.33 1.91 12.69 0.0196
550 140 0.28 1.87 17.09 123 0.33 1.89 12.51 0.0296
600 138 0.28 1.84 16.95 122 0.33 1.88 12.33 0.0282
700 133 0.28 1.78 16.67 120 0.33 1.85 11.89 0.0244
oC
Hematite (Fe2O3) Magnetite (Fe3O4)
CLE32) [-]
0 50 100 150 200
0 200 400 600 800 1000
ヤング率, E[GPa]
温度[oC]
Fe2O3 Fe3O4
Temperature [oC]
Young’s modulus,E[GPa] Fe2O3
Fe3O4
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Fig.4-2 Temperature dependence of fracture toughness, KIC of hematite and magnetite
Fig.4-3 Temperature dependence of effective surface energy, of hematite and magnetite
ヘマタイトからマグネタイトに還元される際の膨張率に関してはさまざまな報告がなさ れているが、対象試料が鉄鉱石塊鉱や酸化鉄ペレットまたは試薬酸化鉄によってそれぞれ の値は大きく異なるとともに、熱膨張係数の測定条件にも影響を受ける[11]-[14]。そこで、
ペレットの還元時の膨張率を次の試験により測定した。真空包装を利用した気孔率測定法 0.0
0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
0 200 400 600 800 1000
破壊靭性値, KIC[MPa m1/2]
温度[oC]
Fe2O3 Fe3O4
Temperature [oC]
Fracture toughness,KIC[MPa・m1/2]
Fe2O3 Fe3O4
0 5 10 15 20 25 30
0 200 400 600 800 1000
有効表面エネルギー,[N/m]
温度[oC]
Fe2O3 Fe3O4
Temperature [oC]
Effective surface energy,
[N/m]Fe2O3 Fe3O4
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であるPAC (Pore and Concave) 法[15]により、第2章で使用したペレットA, B, Cの還元前 の体積VHを測定した。次に、マグネタイトで還元平衡となるガス組成で重量変化がなくな るまで還元した。還元後の試料の体積VMを再度 PAC 法により測定し、式(5)によりヘマタ イトからマグネタイトへ還元時の線膨張率[2]と定義した。測定結果をFig.4-4に示す。線膨
張率は0.01~0.03の範囲にあり、550℃で最大となる。
∆𝐶ா =𝑉ெ− 𝑉ு
3𝑉ு ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(5)
Fig.4-4 Temperature dependence of liner expansion ratio, CLE of hematite and magnetite
次節以降、式(1) ~ (3)の未反応核反応、均一反応および両者の中間領域での反応への適用 方法について検証した結果について記述する。
0.000 0.010 0.020 0.030 0.040 0.050
400 500 600 700
線膨張率, ΔCLE[-]
温度[℃]
n=6
Temperature [oC]
Liner expansion ratio,
CLE[-]- 94 -
4.3. 還元過程に生成するき裂生成メカニズムとき裂面積の解析
4.3.1. 未反応核還元反応時に生成するき裂
未反応核反応では、周辺から同心円状に進行する還元反応に伴い同心円状にき裂が生成 する様子が観察される(Fig.4-5)。観察結果に基づき、想定される未反応核反応のき裂生成過 程の模式図Fig.4-6に示す。(a)は還元後試料の表層部、(b)は還元後試料の反応帯を表す。こ こでは、一般的な未反応核モデルと同様[16]-[18]、均質なヘマタイトの周辺からマグネタイ トの生成反応が進行することを仮定する。ここで、前節の Davidge ら式(1)をもとに、生成 したマグネタイトを基質、ヘマタイトを球状粒子として取り扱うと、ヘマタイトとマグネ タイトの境界で生成する応力は式(6)により表される。
𝜎௧= ∆𝐶
(1 +𝜈ெ)
2𝐸ெ + (1−2𝜈ு) 𝐸ு
⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(6)
ここで、M はマグネタイト、H はヘマタイトである。
Fig.4-5 Microstructure of samples after reduction showing topochemical reaction (Pellet B, Case 1) H; hematite, M; magnetite, P; pore, C; crack
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Fig.4-6 Crack generation process in the case of topochemical reaction
ヘマタイトの直径がRHの場合、応力と同様にマグネタイトスとヘマタイトの界面に生じ る歪エネルギー、およびマグネタイト相に生成するき裂面積は式(7)(8)で表わされる。
𝑈𝑡௧ =𝜎௧ଶπ𝑅ுଷቈ(1 +𝜈ெ)
𝐸ெ +2(1−2𝜈ு)
𝐸ு ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(7) 𝐴𝑐௧=𝑈𝑡௧
2𝛾ெ =𝜎௧ଶπ𝑅ଷ
2𝛾ெ ቈ(1 +𝜈ெ)
𝐸ெ +2(1−2𝜈ு)
𝐸ு ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(8)
ここで、未反応核反応では、還元の進行により球状粒子であるヘマタイトの直径RHが変 化する。そこで、マグネタイトの体積割合が0からXMまでき裂面積を積分することで、還 元過程でRHが変化する際のき裂面積を導出した。まず、式(9)で表されるマグネタイトの体 積割合XMと式(10)で表される初期体積Vをそれぞれ導出した。
𝑋ெ= 1−𝑅ெଷ
𝑅ଷ ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(9) 𝑉=4π𝑅ଷ
3 ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(10) 次に、き裂面積Actopo式(8)に式(9)(10)を代入して式(11)を導出した。
Fe
3O
4 : Stress
Fe
2O
3R
H: Radius of Fe
2O
3R
P: Radius of Pellet
Crack
- 96 - 𝐴𝑐௧=3𝜎ଶ𝑉(1− 𝑋ெ)
8𝛾ெ ቈ(1 +𝜈ெ)
𝐸ெ 𝑋ெ+2(1−2𝜈ு)
𝐸ு ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(11)
さらに、式(11)をペレット体積 Vpで除した後に、XMで積分することで、還元反応に伴う 球状粒子径が変化する過程のき裂面積Attopoを式(12)のように導出した。
𝐴𝑡௧=න 𝐴𝑐௧
𝑉
ಾ
𝑑𝑋ெ
=3𝜎ଶ
8𝛾ெቈ−(1 +𝜈ெ)
3𝐸ெ 𝑋ெଷ+1
2ቊ(1 +𝜈ெ)
𝐸ெ −2(1−2𝜈ு)
𝐸ு ቋ 𝑋ெଶ+2(1−2𝜈ு)
𝐸ு 𝑋ெ ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅ (12)
Attopoはヤング率、ポアソン比、有効表面エネルギーなどの機械的特性とマグネタイトの 体積割合XMで表される。以上より、従来、定量的に評価されていない酸化鉄ペレットの未 反応核反応時に生成するき裂面積を定量的に推定する式を構築した。
4.3.2. 均一還元反応時に生成するき裂
第 3章で述べたレインモデル[19][20]では、鉄鉱石塊成鉱は緻密なヘマタイト微粒子の集 合体で構成されており、構成している全ての微粒子においてローカルに未反応核反応が進 行することを仮定している。しかしながら、還元が均一に進行したH2ガス単身還元試験の 反応後試料のミクロ組織を詳細に観察すると(Fig.4-7)、還元初期では、気孔周辺のヘマタイ ト相からのマグネタイト相の析出に伴い放射状にき裂が生成している様子が観察された。
さらに還元後期では、マグネタイト相が成長するとともにさらに周辺にき裂が進展するこ とが観察された。これは、グレインモデルの記述とは異なる反応様式であることを示す。
観察結果に基づき、Fig.4-8 の様に、多孔質なヘマタイト相の気孔を中心にマグネタイトの 球状粒子の生成、および粒成長が進行するモデルを仮定した。マグネタイトの球状粒子は 多孔質なヘマタイト相中に多数存在し、還元進行によりその直径RMが変化することを想定 している。
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Fig.4-7 Microstructure of pellet samples after reduction showing non-topochemical reaction (Pellet A, Case 10) H; hematite, M; magnetite, P; pore, C; crack
Fig.4-8 Crack generation process in the case of non-topochemical reaction Pellet
Fe3O4 Crack Pore
Fe2O3
a) Early stage b) Latter stage
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上述した仮定のもと、次のようにヘマタイトからマグネタイトへ還元反応が均一に進行 する際に生成する応力と歪エネルギーを推算した。まず、前述のDavidge らの式(1)を上記 の均一反応に適用すると、ヘマタイトとマグネタイトの境界に生成する応力n-topoは式(13) で表される。
𝜎ି௧= ∆𝐶ா
(1 +𝜈ு)
2𝐸ு + (1−2𝜈ெ) 𝐸ெ
⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(13)
未反応核反応と異なり、マトリックス をヘマタイトH、分散粒子をマグネタイトMとして 取り扱う。同様にマグネタイト相の径がRMの際のマグネタイト一粒子あたりの歪エネルギ
ーUt n-topoは式(14)、き裂面積Ac n-topoは式(15)で表される。
𝑈𝑡ି௧=𝜎ି௧ଶπ𝑅ெଷቈ(1 +𝜈ு)
𝐸ு +2(1−2𝜈ெ)
𝐸ெ ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(14) 𝐴𝑐ି௧ =𝜎ି௧ଶπ𝑅ெଷ
2𝛾ெ ቈ(1 +𝜈ு)
𝐸ு +2(1−2𝜈ெ)
𝐸ெ ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(15)
また、前述したように多孔質なヘマタイト相中のマグネタイトの球状粒子は多数存在し、
その個数Nは式(16)で表される。
𝑁= 3𝑋ெ
4π𝑅ெଷ ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(16) マグネタイト一粒子あたりのき裂面積Acn-topoとマグネタイトの個数Nの積をとることで Nおよび RMは除去され、さらにXMで積分することで単位体積あたりのき裂面積Atn-topoを 式(17)のように導出した。
𝐴𝑡ି௧=න 𝐴𝑐ି௧
ಾ
𝑁 ∙ 𝑑𝑋ெ = 3𝜎ଶ
16𝛾ெቈ(1 +𝜈ு)
𝐸ு +2(1−2𝜈ெ)
𝐸ெ 𝑋ெଶ ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅(17)
Atn-topoは Attopoと同様にヤング率やポアソン比、有効表面エネルギーなどの機械的特性と
マグネタイトの体積割合XMで表される。以上より、未反応核反応と同様に、均一反応で還 元反応が進行する際のき裂面積を定量的に導出することができる。
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4.3.3. 未反応核反応と均一反応の中間領域に生成するき裂
実際のペレットの還元反応は、未反応核反応と均一反応の中間領域で進行する。このよ うな場合の反応様式を定量的に評価するため、第2章で反応様式を定量的に表す指標とし て導出したRMI (Reaction Mode Index)を用いて、中間領域における単位体積あたりのき裂 面積Atint.の導出を試みた。中間領域におけるき裂面積Atint.は未反応核反応および均一反応 の加重平均が成り立つと仮定すると、Atint.はRMIの関数として式(18)のように表わされる。
𝐴𝑡௧. =𝑠𝑖𝑛ଶ𝜃×𝐴𝑡௧+𝑐𝑜𝑠ଶ𝜃×𝐴𝑡.௧ = 𝑅𝑀𝐼ଶ
1 +𝑅𝑀𝐼ଶ𝐴𝑡௧+ 1
1 +𝑅𝑀𝐼ଶ𝐴𝑡.௧⋅⋅⋅⋅(18)
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4.4. 応力およびき裂面積の解析結果
4.4.1. 未反応核反応および均一反応時に生成するき裂面積
式(12)および式(17)にTable 4-1の550℃におけるヤング率E 、ポアソン比、有効表面 エネルギー の各種物性値を代入して得られた還元過程におけるき裂面積を導出した。
未反応核反応および均一反応のき裂面積と未反応核反応で還元が進行したCase1、および 均一反応で還元が進行したCase 10のRDI値をFig.4-9に示す。還元率の変化に相当する マグネタイトの体積分率XMが増大するとき裂面積とRDIは増大した。XM =1では、均一 反応におけるき裂面積は未反応核反応におけるそれの倍以上となり、RDIの増加傾向と一 致した。また、未反応核反応時のき裂面積と還元率の関係は上に凸の関係を示す一方で、
均一反応時のき裂面積と還元率の関係は下に凸の関係を示した。これらの結果から、均一 反応で還元反応が進行する条件下では、マグネタイトへの還元反応後期でき裂面積が急激 に増大するとともに、生成したき裂が新たな反応界面となり、還元粉化量が増大する可能 性を示唆している。
Fig.4-9 Comparison of calculation results on the total crack area 0.0E+00 1.0E+06 2.0E+06 3.0E+06 4.0E+06 5.0E+06
0 4 8 12 16 20
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
Calcurated total crack area,At(m2/m3)
RDI (mass%)
Mass feaction of Fe3O4, XM(-) Pellet A Case1 Pellet B Case7 topochemical non-topochemical
Pellet C Case 10
Volume fraction of magnetite, XM[-]
RDI [mass%] Calculated total crack area [m2/m3]
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4.4.2. 中間領域に生成するき裂面積
Fig.4-10に還元時間を変化させ、還元率が異なる条件でのRDIとき裂面積の関係を示す。
ここで、き裂面積を導出する際のRMIはXM = 0.8~1.0の値を採用し、試料や還元条件が 一定のとき、RMIはXMの影響を受けないものとして解析した。RDIとき裂面積には良い 相関関係が認められ、RDIは、き裂面積がある閾値以上になると急激に上昇する。この閾 値はペレットの種類によらず一定であった。Fig.4-11にき裂面積がRDIに及ぼす影響の模 式図を示す。き裂面積が閾値以下ではき裂の形成により強度が低下するものの、き裂同士 の連結が少ないため緩やかに強度が低下すると想定される。一方、閾値以上ではき裂同士 が連結し、急激に強度が低下する現象を表すものと推定される。これは高H2雰囲気下で の還元粉化を抑制するためには、き裂生成量を閾値以下に抑えることが重要であることを 示唆する。
Fig.4-10 Relation between calculated total crack area and RDI value