この規格のPEMS(箇条14)への適合性は,PEMS開発ライフサイクルを指定して従うことを要求して いるが,特定のPEMS開発ライフサイクルの使用を要求してはいない。しかし,それは,PEMS開発ライ フサイクルがある属性をもつことを要求している。これらの要求事項は,14.4で規定している。
PEMS開発ライフサイクルは,全体的な製品ライフサイクルの一部である。
図H.2は,二つの主要なプロセスにグループ分けしたアクティビティを示すPEMS開発ライフサイクル の見方である。左側は分解プロセスであり,右側は結合プロセスである。
図H.2に次の事項を示した。
- 階層化された設計アクティビティ
- 設計の各層に対する結合及び検証の対応する層
- 検証された部分は,次の上位層を組み立てるために結合
- 問題解決プロセスの相互作用
a) 複雑なシステムの例
b) 比較的単純な実装例
c) 最も単純な実装例 図H.1-PEMS/PESS構造の例 PEMS=PESS
(システム又はデバイス)
電子的 ソフトウェア
電気機械的
+機械的
PEMS
(システム又はデバイス)
電気的
電子的 PESS
電子的 ソフトウェア
電気機械的
+機械的
PEMS
(システム又はデバイス)
サブシステム又は コンポーネント
電気的
電子的 PESS
電子的 ソフトウェア
電気機械的
+機械的
図H.2-PEMS開発ライフサイクルモデル
要求事項から設計を分解するときに,機能的な構成単位,アーキテクチャ及び技術を決定する。設計情 報によってPEMSのコンポーネントを構築できる時期(そのような設計情報の例は,回路図及びソフトウ ェアコードである。)を分解プロセスによって決定する。単体コンポーネントは,一緒に結合する。実装 が要求事項を満たすかどうかを確認するためにコンポーネントを結合し,検証を行う。結合プロセスの終 わりに,PEMSが意図するように機能するかどうかを判断するためにPEMS妥当性確認を行う。
H.3 ソフトウェアプロセス
JIS T 2304は,安全な医療機器ソフトウェアを開発するための,ソフトウェア開発ライフサイクルに含
められるプロセスを規定している。
H.4 設計及び実装
PEMS開発ライフサイクルモデルの適用,設計及び実装には,次の選択を含めることが望ましい。
a) 設計環境,例えば,
- ソフトウェアの開発方法
- コンピュータ支援ソフトウェア開発(CASE)ツール
- プログラム言語
- ハードウェア及びソフトウェア開発のプラットフォーム
- シミュレーションツール
- 設計及びコーディング規約 b) 電子部品
c) 冗長ハードウェア
d) 人間とPEMSとのインタフェース e) エネルギー源
f) 環境条件
g) 第三者ソフトウェア h) ネットワーク構築の選択肢
設計環境のこれらの要素は,概要で特徴づけることができ,かつ,設計及び実装のプロセスにおけるそ れらの使用環境での個別の方法で特徴づけることができる。
H.5 使用しない。
図H.3-使用しない
(対応国際規格で削除された。)
H.6 ITネットワークに組み込むことを意図するPEMS