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3) 適用する値は,上記の 1)及び 2)に従って得られた値の最高値とする。

14.8 の g)~n)

アーキテクチャの仕様の中に考慮することが望ましいアイテムのリストが存在する。これらのアイテム がアーキテクチャの選択に影響を与え得る可能性があるので,このリストを選択した。

14.9 設計及び実装

選択した技術的解決法には,定義することが必要になる。これは,PEMSをサブシステムに分解するこ とは,たいていの場合適切である。図H.1は,分解量の異なるPEMS/PESSの構造例を共に示す。PEMS を分解する理由を,次に示す。

管理可能なサブシステムの複雑さの維持

システムを複雑にしないことが,理解を容易にさせることになり,結果として設計及びそれを維持する ことが容易となる。結果として作成する設計は,正しく,容易に試験ができるであろう。コード規約は,

複雑さの限度を明確にすることが望ましい。

アーキテクチャ

システムアーキテクチャは,システムの分離を論理的に実施できるようにする。例えば,多様なシステ ムを必要とする場合,それらは明確にサブシステムとして取り扱うことが望ましい。

モジュール方式

モジュール方式は,異なるシステムオプションの提供,既に確認済みのサブシステムの再利用及びシス テムの機能性の拡張を容易にできる。

物理的なコンポーネント

物理的サブシステムをよく考えた分割は,ハードウェアの故障の診断及び修理に役立つ。

異なる技法

しばしば,ハードウェア及びソフトウェアの設計を何人かの異なる技術者で行うことがある。このよう な場合,それぞれを分離したサブシステムとして指定することによって,それぞれを独立して実施するこ とが可能になる。

全体のシステムは,それを構成するサブシステムのそれぞれが十分に特定できる場合にだけ機能する。

このことは,各サブシステムの設計仕様を要求事項として導くことになる。サブシステムのための設計仕 様には,一般的に詳細なインタフェースの仕様を含み,また,例えば,アルゴリズムのような実装の詳細 も含めることができる。

各サブシステムは,設計仕様が正しく実装さてたかどうかを確認するために試験することが望ましい。

このことは,各サブシステムの試験仕様に対する要求事項を導くことになる。

設計及び試験の仕様は,実用的ないかなる形式においても文書化することができる。例えば,それらは,

分割された文書でもよく,又は大きな文書にまとめてもよい。各サブシステムのための設計仕様及び試験 仕様は,識別可能とすることが望ましい。

設計環境の要素の例は,H.4 a)に記載してある。そのような要素は,設計の品質及び正しさに影響する こともある。一部の要素が,適切に確認されたツール及び手順として識別されることがある(14.6.2参照)。 設計環境を考慮した記述式データは,適切に確認ツール及び手順を用いた検証を容易にする。

14.10 検証

4.2 は,リスクコントロール手段の検証を要求している。PEMS に対しては,追加の要求事項が存在す る。これらを次に示す。

- 基本性能を検証する。

- 検証計画

基本性能は,PEMSがその機能を管理するのにPESSを使用していることから,PEMSに対して重要で ある。基本性能は,しばしば正しく実施しているPEMSの機能に依存することがある。

検証計画は,箇条14をどのように達成するかということを製造業者に任せている。このことは,PEMS をどのように検証するかを箇条 14 の中で規定するよりも優れており,また,より柔軟なアプローチとな っている。製造業者は,検証の立案に対して責任があるために,十分に徹底評価してから,計画を実施す るのである。

検証の完全性に影響し,かつ,計画する必要のあるアクティビティをリスト化することが要求されてい る。

14.11 PEMS妥当性確認

PEMS開発ライフサイクルモデルの最終段階は,PEMS妥当性確認である。PEMS妥当性確認は,製品 が正しい製品が製造されていることの保証を意図している。妥当性確認は,妥当性確認によってだけで発 見されるような予期しない相互作用が機能間で起こる可能性があるので,PEMSに対して重要である。

PEMS妥当性確認には,大量のデータに対する試験,重い負荷又はストレス,人的要因,セキュリティ,

性能,構成の両立性,故障試験,文書化及び安全性を含めることができる。

利害関係の衝突を避け,かつ,設計者の憶測がPEMS妥当性確認の範囲を制限又は影響しないことが望 ましいので,独立性は必要である。独立性のレベルとして,例えば,次を含める。

- 独立した要員

- 独立した管理

- 独立した組織 14.12 変更管理

一般的にPEMSの設計は,完全に新しいものではなく,ごく一部又は大部分でさえも過去の設計から引 用されている。それにもかかわらず,あたかも完全に新しいかのごとくに設計を取り扱うことができ,更 に,以前の文書類を引用することなく,リスクマネジメントの報告書を作成し,また,この規格の要求事 項への適合性を実証することもできる。しかし,リスクマネジメントの報告書に,以前の設計の文書類か らのある情報を包含させる必要がない場合,新しい設計を取り入れた変更であっても,そのような全ての 情報が有効性を保っていることを確認する必要がある。

14.13 ITネットワークに組み込むことを意図するPEMS

今日では,多くの病院がME機器をITネットワークの環境の中で使用している。もともと,これらの ITネットワークは,商業経済性及び技術分野を最適にするために設置したものであった。このため,高速 な電子データの交換を必要としている。今日では,これらの IT ネットワークは,病院内,病院間,及び 家庭からの医療のアプリケーションでも使用されている。

当初,その使用は,検査データの交換だけに限定していた。今では,ITネットワークを通して転送する 医療画像のような膨大なデータ量がある。さらに,利用者からリアルタイム技法(例えば,ITネットワー クを介した操作ロボットの制御)を求める要求もある。

PEMSITネットワークへ組み入れる場合の追加の指針は,附属書Hにある。

15.1 ME機器の制御器及び表示器の配置

ME 機器の特殊な機能に関連する制御器,測定装置,表示灯などは,一緒にまとめて配置することが望 ましい。

15.2 サービス性

そのような部分の交換は,特殊な工具なしで容易にできることが望ましい。さらに,消耗した部分又は 予防的に交換する部分の取外し及び予備品組立によって,危険状態を生じないことが望ましい。これを確 実にするため,そのような活動を実施するための指示は,混乱することなく,容易に理解でき,かつ,実 施できることが必要である。

15.3.2 押付け試験

内部の生きた部分からの保護の程度を維持するため,外装は十分な剛性をもつ必要がある。この要求事

項は,JIS C 6950-1の力の試験に整合している。力はME機器の重量ではなく,ME機器を取り扱う人に 依存する。多くの場合,250 Nの力の作用は,合理的に予見できるものとみなす。しかし,リスクアセス メントによって,IEC 60601-1の第2版で要求している625 mm2の部分に45 Nの力を加える試験でも,受 容できるリスクのレベルを決定するための検証方法として妥当であると判断できる場合もある。例えば,

堅ろうさの必要性が,効果及び生体適合性に関連する必要性と均衡している超音波探触子及び類似の小さ な手持形装着部は,安全性及び有効性の実績を長年にわたり確立しているので,従来の検証試験を継続す ることができる。

内部の部品は,その堅ろうさを15.3.4及び15.3.5の試験で検証するので,JIS C 6950-1の力の試験の対 象としない。

15.3.3 衝撃試験

衝撃に対する外装の耐性は,予見できる誤使用による受容できないリスクを防止するために必要である。

試験の衝撃のエネルギーは,傍らを通り過ぎる人が持っているもの又は清掃中のほうき若しくはモップの 柄が,偶然ME機器にぶつかることを想定している。試験装置を簡略化し,外装の衝撃に対する要求事項 を包含するJIS C 6950-1を含めた他の規格に整合させた。

製造業者が受容できないリスクを軽減するのに,この細分箇条の要求事項は必要ないと感じた場合は,

4.5 によって適合する代替の要求事項の識別とともに,正当化の根拠をリスクマネジメントファイルに文 書化する。例えば,固定形ME機器は,外装の一つの側面を床,壁又は天井によって保護することができ る。この場合,製造業者はME機器が移動されたり又は正しく据付けがされない確率を評価して文書化す る。製造業者は,リスクマネジメントプロセスをとおして,この保護されている外装の側面ガードのよう な耐衝撃性をもつ必要があるかを評価及び特定する。それは,この要求事項に適合しないことによって受 容できないリスクが発生しないことを保証するためである。

15.3.4 落下試験

手持形ME機器又は手で持つことができる部分に対する試験は,実際の適用における差異によって,携 帯形及び移動形ME機器の試験とは異なる。

密度が 600 kg/m3を超える木材は,最も一般的な堅い木から選択できる。カシ,ブナ,カバ,トネリコ

及びカエデがこれに該当する。似通った堅さをもっている密度が 600 kg/m3未満の堅い木(例えば,マホ ガニ,ニレ,モミジバフウ,サクラ)及び軟らかい木は,密度が 600 kg/m3を超える木材と比較すると非 常に堅さが劣っている。

15.3.4.2 携帯形ME機器

この試験は,15.3.5 の根拠にあるように,正常な使用を想定したものである。この試験は,予見できる 誤使用を想定するものではない。現在,予見できる誤使用による自由落下を直接的に扱う試験はないが,

15.3.3 の鋼球落下による衝撃試験は,たとえ間接的であっても,予見できる誤使用を想定しているとみな

している。4.2 に規定したように,リスクマネジメントプロセスが,更に過酷な試験が適切であると結論 付けている場合は,それを実施するのが望ましい。

15.3.5 手荒な取扱い試験

しばしば,想定に反して,ME 機器は,不利な環境でも使用される。緊急時には,ME 機器は,トロリ に載せて運搬又は移動され,扉の段差を越えてエレベータに入り,衝突及び振動にさらされる。そのよう な状態は,一部のME機器においては,事実上正常な使用を代表することができる。障害物に遭遇するこ とは,普通であり,極めて合理的に予見できる誤使用である。全ての障害物が明瞭に表示されているわけ ではなく,操作者は,障害物を認識した後で必ずしも適時にME機器を停止できるものでもない。

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