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患者環境に二つの機器を置いた場合(表I.1の状況No.1参照)について記載する。

この状況では,次に示す1a~1fの幾つかの組合せがある。

1a:機器A及び機器Bは,両方ともIEC 60601(IEC 60601シリーズ)に適合している。16.6に適合して いる。

1b:機器A及び機器Bは,IEC 60601-1に適合し,マルチタップを経由して給電されている。マルチタッ

プの接地導線が中断した場合は,漏れ電流は,大き過ぎる可能性がある。

1c: 機器Aは,IEC 60601に適合し,機器Bは,IEC XXXXXに適合している。機器の1本の保護接地線 又は同等の導線が中断した場合の対策として,必要な場合,機器Bに追加の保護接地又は分離変圧器 を適用することによって機器Bの接触電流だけを制限する必要がある。

1d:1c と同じであるが,二つの機器は,マルチタップを経由して給電されている。漏れ電流は,1b 及び

1cで説明したように増加し過ぎる可能性がある。

1e: 機器Aは,機器Bから給電され,IEC 60601-1に適合した機器Aは,IEC XXXXXに適合した機器B に組み込まれている。機器Bには,製造業者が指定した電源に対する対策が必要であり,かつ,16.3 に適合する必要がある。必要な場合は,追加保護接地又は分離変圧器を機器Bに適用する。

1f: 1eと同じであるが,機器Aは,機器Bに組み込まれていない(1e参照)。 表I.1の状況2及び状況3は,状況1から派生したものである。

注記 表I.1の中で示した適合させるための手段は,全てを網羅したものではない。

I.1-MEシステムの図解の例 状況No. 診療用に使う部屋 診療用以外

の部屋

漏れ電流の許容値 を超える可能性が ある原因の例

適合させるための 患者環境 患者環境外 手段

1 1a

A及びBは,ME 機器である

同一形の複数の装

着部によって合計 患者漏れ電流の許 容値を超える 注記1参照

- 合 計患 者 漏れ 電 流が許 容値 を 超 えな いこ とを検証する

1b

A及びBはME 機器で,共にマ ルチタップを介 して給電される

マルチタップの接

地導線の断線 1A参照

- A又はB:追加 の保 護 接 地接 続,

又は

- 分離変圧器 1c

AはME機器,B は非ME機器で ある

B の大きい接触電

- B:追加の保護 接地接続,

又は

- B:分離変圧器 1d

AはME機器,B は 非 ME 機 器 で,同じマルチ タップを介して 給電される

マルチタップの接

地線の断線,

又は,

B の大きい接触電 流

- A又はB:追加 の保 護 接 地接 続,

又は

- 分離変圧器 1e

AはME機器で,

ME機器Bの 中の指定した電 源から給電され る

B の大きい接触電

流によって

- B:追加の保護 接 地 接続,又 は

- B:分離変圧器

1f

AはME機器で,

Bの非ME機器 の電源から給電 される

電源 プラグ A

IEC 60601 B IEC XXXXX

DC/AC B IEC XXXXX A

IEC 60601 電源

プラグ A

IEC 60601 B IEC XXXXX

マルチタップ 電源プラグ 電源プラグ

A IEC 60601

B IEC XXXXX A

IEC 60601 B IEC 60601

マルチタップ 電源プラグ 電源プラグ

A IEC 60601

B IEC 60601

I.1-MEシステムの図解の例(続き)

状況No. 診療用に使う部屋 診療用以外 の部屋

漏れ電流の許容値 を超える可能性が ある原因の例

適合させるための 患者環境 患者環境外 手段

2 2a

A及びBは,ME 機器である

許容漏れ電流を超 える原因はない

- こ れ 以上 の手 段は不要 2b

A及びBはME 機器で,同じマ ルチタップを介 して給電される

マルチタップの接 地導線の断線

- A又はB:追加 の保 護 接 地接 続,

又は

- 分離変圧器 2c

AはME機器,B は非ME機器で ある

B の大きい接触電 流

附属書 A16.5 参照

- 金 属 ケー スの コ ネ クタ を使 用しない,

又は

- 分離装置 2d

AはME機器,B は 非 ME 機 器 で,同じマルチ タップを介して 給電される

マルチタップの接 地線の断線

- A又はB:追加 の保 護 接 地接 続,

又は

- 分離変圧器 3 3a

A及びBはME 機器である

許容漏れ電流を超 える原因はない。

- こ れ 以上 の手 段は不要

3b

AはME機器,B は非ME機器で ある

B の大きい接触電 流

附属書 A16.5 参照

- 金 属 ケー スの コ ネ クタ を使 用 し ない ,又 は

- 分離装置 3c

AはME機器,B はME機器か又 は非ME機器で ある

a) A及びBの保 護 接地接 続間 の電位差

b) B の大きい接

触 電流によっ て

附属書 A16.5 参照

- A:追加の保護 接地接続,

- 分離装置,

又は

- 患 者 環境で金 属 ケ ース のコ ネ ク タを 使用 しない。

注記1 許容値を超える接触電流又は接地漏れ電流の原因は,存在しない。

注記2 IEC 60601:IEC 60601規格群又はJIS T 0601規格群に適合するME機器。

注記3 IEC XXXXX:該当するIECの安全規格に適合する非医用電気機器。該当する非医用電気機器のJISの安全規

格,電気用品安全法の技術基準か,又はそれらと同等の安全性をもつ非医用電気機器も含める。

注記4 分離変圧器:16.9.2.1参照。

注記5 例えば,機器Bは患者環境外にあり,かつ,機器AはクラスIIの機器であり,その接触可能導電性部分が機 器Bの保護接地接続手段に接続されている場合は,追加の安全手段として,例えば,機器Bに追加の保護接 地か,分離変圧器か又は分離装置が必要な場合がある。

A IEC 60601

B IEC 60601

マルチタップ 電源プラグ

A IEC 60601

B IEC 60601

電源プラグ

電源プラグ

A IEC 60601

B IEC XXXXX

電源プラグ

A IEC 60601

B IEC XXXXX

マルチタップ

電源プラグ

A IEC 60601

B IEC 60601

電源プラグ

共通保護接地線

A IEC 60601

B IEC XXXXX

共通保護接地線

電源プラグ

A IEC 60601

B IEC 60601

又は IEC XXXXX

電源プラグ

電位差をもつ 保護接地 共通保護接地線

I.2 マルチタップ(MSO)とその使用例

I.1は,マルチタップの構造の例を示す。図I.2は,マルチタップの幾つかの使用例を示す。

I.1-マルチタップ(MSO)の構造の例

(工具を使わなければ,機器の電源プラグが着脱できない。)

I.2-マルチタップ(MSO)の使用例

附属書 J

(参考)

絶縁経路の調査

(8.5.1参照)

J.1-絶縁の例1

J.2-絶縁の例2

J.3-絶縁の例3

J.4-絶縁の例4

J.5-絶縁の例5

J.6-絶縁の例6

注記 動作電圧は,最高電源電圧である。

J.7-絶縁の例7

附属書 K

(参考)

簡略化した患者漏れ電流回路図

K.2,図K.4及び図K.5は,表4の特別の試験条件を示す。これらの条件は,正常状態でも単一故障

状態でもない。

単位 μA 装着部の形 正常状態 単一故障状態

CF 10 50

BF 100 500

B 100 500

測定用電源回路(図F.1)に接続して測定する例

K.1-絶縁材料製の外装をもつME機器

(図15の簡略化)

[8.7.4.7 a) 参照]

単位 μA 装着部の形 特別試験条件

CF 50

BF 5 000

B

測定用電源回路(図F.1)に接続して測定する例

K.2-F形装着部をもつME機器

(図16の簡略化)

[8.7.4.7 b) 参照]

単位 μA 装着部の形 正常状態 単一故障状態

CF 10 50

BF 100 500

B 100 500

測定用電源回路(図F.1)に接続して測定する例

K.3-装着部及び信号入出力部をもつME機器

(図17の簡略化)

[8.7.4.7 c) 参照]

単位 μA 装着部の形 特別の試験条件

CF

BF

B 500

測定用電源回路(図F.1)に接続して測定する例

K.4-保護接地していないB形装着部が患者接続部をもち,かつ,

保護接地していない接触可能部分をもつME機器

(図18の簡略化)

[8.7.4.7 d) 参照]

単位 μA 装着部の形 特別の試験条件

CF

BF 500

B

測定用電源回路(図F.1)に接続して測定する例

K.5-BF形装着部が患者接続部をもち,かつ,保護接地

していない接触可能部分をもつME機器

(図18の簡略化)

[8.7.4.7 d) 参照]

附属書 L

(規定)

介在物絶縁なしで用いる絶縁巻線ワイヤ

(8.8.2参照)

L.1 一般

この附属書は,介在物絶縁のない巻線部品(変圧器,モータなど)に使用する基礎絶縁,補強絶縁,二 重絶縁又は強化絶縁を備えた巻線ワイヤについて規定する。

この附属書は,直径が0.05 mm~5.00 mmの丸形の巻線ワイヤを対象としている。

L.2 ワイヤの構造

ワイヤを二層以上のテープでら旋状に巻き付けて絶縁する場合,各層の重合せは,その絶縁巻線の製造 中に連続して確実に重ね合わせる。ら旋状に巻き付けたワイヤの絶縁層は,重合せの量を維持するために しっかりと固定する。

L.3 形式試験

ワイヤは,他に規定がない限り,温度15 ℃~35 ℃で,かつ,相対湿度45 %~75 %で実施するL.3.1~

L.3.4の試験に合格するものとする。

L.3.1 耐電圧

試験サンプルは,IEC 60851-5:2008の4.4.1(一組のツイストペア)に従って準備する。その後,サンプ ルは,該当するMOP(保護手段)の数(1MOP又は2MOP)及びその種類(MOOP又はMOPP)に対し

8.8.3の試験を行う。試験電圧は,表6及び表7(8.8.3参照)の該当する電圧の2 倍以上とし,少なく

とも次の電圧とする。

- 基礎絶縁又は補強絶縁の場合は,3 000 V

- 強化絶縁の場合は,6 000 V L.3.2 可とう性及び密着性

サンプルは,IEC 60851-3:20095.1.1のテスト)を表L.1のマンドレルの直径を使用して行う。その後,

試験サンプルは,IEC 60851-3:20095.1.1.4に従って該当するMOP(保護手段)の数(1MOP又は2MOP)

及びその種類(MOOP又はMOPP)に対して8.8.3の試験を行う。ただし,試験電圧は,ワイヤとマンド レルとの間に印加する。試験電圧は,表6及び表7(8.8.3参照)の該当する電圧以上とし,少なくとも次 の電圧とする。

- 基礎絶縁又は補強絶縁の場合は,1 500 V

- 強化絶縁の場合は,3 000 V

L.1-マンドレルの直径 ワイヤの公称直径

mm

マンドレルの直径 mm±0.2 mm 0.05~0.34

0.35~0.49 0.50~0.74 0.75~2.49 2.50~5.00

4.0 6.0 8.0 10.0

ワイヤ直径の4倍とする†)。 注†) IEC 60317-43 [9]に従う。

マンドレルに巻くワイヤに加える張力は,ワイヤ直径から(断面積を)計算して118 MPa±11.8 MPa(118 N/mm2±11.8 N/mm2)に等しくなるようにする。

L.3.3 熱衝撃

サンプルは,IEC 60851-6:1996のテスト9で試験し,引き続き,該当するMOP(保護手段)の数(1MOP

又は2MOP)及びその種類(MOOP又はMOPP)に対して8.8.3による試験を行う。ただし,試験電圧は,

ワイヤとマンドレルの間に印加する。試験電圧は,表 6 及び表 7(8.8.3 参照)の該当する電圧以上とし,

少なくとも,次の電圧とする。

- 基礎絶縁又は補強絶縁の場合は,1 500 V

- 強化絶縁の場合は,3 000 V

加熱槽の温度は,表L.2の絶縁の種類の温度とする。

マンドレルの直径及びマンドレルに巻き付けるときにワイヤに加える張力は,L.3.2による。

耐電圧試験は,加熱槽から取り出した後に室温で行う。

L.2-加熱槽の温度 絶縁の種類 A

(105)

E

(120)

B

(130)

F

(155)

H

(180)

加熱槽の温度

℃±5 ℃

200 215 225 240 260

L.3.4 屈曲後の耐電圧の保持

5個のサンプルを上記L.3.2に従って準備し,次のように試験をする。各サンプルをマンドレルから外し て容器内に置き,金属球で厚さ5 mm以上で囲むように配置する。サンプルの導線の両端は,フラッシュ オーバを回避するために十分に長くする。金属球は,直径2 mm以下の球形のステンレス鋼,ニッケル又 はニッケルめっきした鉄とする。サンプルが金属球で5 mm以上の長さにわたって覆われるまで,容器の 中に注ぎ入れる。金属球は,適切な溶剤(例えば,1,1,1-トリクロロエタン)で定期的に洗浄する。

注記 上記の試験手順は,現在は廃止されたIEC 60851-5:1988(追補1を含む第2版)の4.6.1 c)から 引用した。この手順は,IEC 60851-5の第4版には含まれていない。

試験電圧は,該当するMOP(保護手段)の数(1MOP又は2MOP)及びその種類(MOOP又はMOPP)

に対して表6及び表7(8.8.3参照)の該当する試験電圧以上とし,少なくとも次の電圧とする。

- 基礎絶縁又は補強絶縁の場合は,1 500 V

- 強化絶縁の場合は,3 000 V

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