H
H
N OH O
DLAM-2P
NH N
O H2N
10
NH N
O H2N
11
Table 2-3-5
で確認された、LXXLL
ペプチド等価体であるベンゾジアゼピン化合物のVDR
阻害活性は、その想定される作用機序から、既存のVDR
アンタゴニストとは異なる 挙動を示すことが予想された。即ち既存のアンタゴニストはアゴニストと競合的な作用機 序でVDR
阻害活性を示すため、アゴニスト濃度の増加によりVDR
阻害が減弱するのに対し、
LXXLL
ペプチド等価体はアゴニストと非競合的な作用機序、即ちアゴニストがVDR
と結合した後の
VDR
—コアクチベーター相互作用を阻害することでVDR
阻害活性を示すと 考えられるため、VDR
阻害活性がアゴニスト濃度に依存せずに一定になるものと予想され た(Figure 2-3-10)
。Figure 2-3-10.
想定される作用機序VDR $
LXXLL $
VDR $
LXXLL
LXXLL
No$transcrip1on VDRE$ TATA$box$
RXR VDR
coac1vator LXXLL
No$transcrip1on VDRE$ TATA$box$
RXR VDR
coac1vator LXXLL
agonist antagonist
VDRE$ TATA$box$
RXR VDR
coac1vator LXXLL
transcrip1on
LXXLL
No$transcrip1on VDRE$ TATA$box$
RXR VDR
coac1vator LXXLL
pep1de$mime1cs
39
そこで、前述の仮説を確かめるべく、アゴニストとして用いた
1,25(OH)
2D
3の濃度を通 常濃度条件(3 nM)
と100
倍の高濃度条件(300 nM)
で実験を行った結果、LXXLL
ペプ チド等価体10
および11
によるVDR
阻害は、アゴニスト濃度(3 ~ 300 nM)
の影響をほ とんど受けなかった(Table 2-3-6)
。一方、セコステロイド骨格を持つVDR
アンタゴニストである
DLAM-2P
のVDR
阻害活性は、高濃度のアゴニスト共存によって大きく減弱した(Table 2-3-6)
。本実験で観察されたLXXLL
ペプチド等価体とDLAM-2P
のアゴニスト濃 度依存的なVDR
阻害の挙動の違いは、両者のVDR
阻害に関する作用機序の違いを示唆す るものと考察している。Table 2-3-6. VDR
阻害活性に対するアゴニスト濃度依存性評価compound agonist
IC
50(µM) IC
50(µM) 1,25(OH)
2D
31,25(OH)
2D
3(3 nM) (300 nM) 10 17 (68%)
a23 (59%)
a11 >30 (47%)
a30 (53%)
aDLAM-2P
b0.22 (98%)
c3.3 (66%)
ca
inhibition ratio at 30 µM,
bVDR antagonist,
c
inhibiton ratio at 10 µM
OH HO
H
H
N OH O
DLAM-2P
NH N
O H2N
10
NH N
O H2N
11
2-3-7. VDR
以 外 の 核 内 受 容 体 に 対 す る 阻 害 活 性 評 価
LXXLL
配列を介したコアクチベーターによる核内受容体の転写活性化は、核内受容体全般に共通するメカニズムである。それゆえ創製した
LXXLL
ペプチド等価体の他の核内受容 体に対する選択性を評価するため、ER
に対するレポータージーンアッセイを行った(Table 2-3-7)
。その結果、化合物10
はERα
に対してほとんど阻害活性を示さなかったが、ERβ
に対しては弱いながらも阻害活性を示した。また化合物11
はERα
、ERβ
の両者に対 してほとんど阻害活性を示さなかった。Table 2-3-7. ER
に対する選択性評価
LXXLL
ペプチド等価体の各核内受容体に対する選択性の違いは、核内受容体のLXXLL
配列認識部位の構造差異、および核内受容体と結合したコアクチベーターの活性コンフォ メーションの違いによるものだと考察している。以下に具体的な差異について記述する。
まず核内受容体の
LXXLL
配列認識部位の構造差異(Figure 2-3-11)
について記す。compound agonist
ERα ERβ IC 50 ( µ M) IC 50 ( µ M)
estradiol estradiol
10 >30 (8%) a 22
11 >30 (8%) a >30 (18%) a
a inhibition ratio at 30 µM
41
Figure 2-3-11.
各核内受容体におけるLXXLL
配列認識部位の構造差異a):VDR (PDB ID: 1RK3) 、b):ERα (PDB ID: 3ERD) 、c):ERβ (PDB ID: 1ZAF) より作成した。各核 内受容体におけるH12対応部位をピンクで示した。d):VDR(PDB ID: 1RK3)の拡大図。VDRに特徴的な 部位を黄色で表示した。
a)
b) c)
d)
ドキュメント内
タンパク質間相互作用に着目したVDR阻害薬ならびにPlk1阻害薬の創製研究
(ページ 45-49)