第 4 章 中国農村金融貸付における DEA 分析
4.1 DEA モデルの概要
4.1.2 Malmquist 指数方法
最後に、DEA モデルに基づいて、生産概念にもとづく効率性を測定する。すなわち、技 術的効率(Technical Efficiency)56、技術・スケール効率(Technical and Scale Efficiency)57や規模の効率(Production-based Scale Efficiency)58を測る。
Malmquist 效率指数
Malmquist 指数と比べ、Caves、Christensen と Diewert(1982)はそれぞれに産出角度
(Output-oriented )と投入角度( Input-oriented )の Malmquist 指数(Malmquist productivity index)を構築した。式 4-7 から式 4-16 までによって示される。データから 見れば、この方法は投入と産出物の数量値だけが必要であるので、各種類の基礎施設の投 入要素データが不完備の中国実状に応用するのに適する。
(Xs,Ys)と(Xt,Yt)で時期 s、t の投入産ベクトルを表示し、Dos(Xs, Ys)でs時期の技 術を参照としてs時期の投入産出ベクトルの産出距離関数を表示する。Dos(Xt, Yt)でt時期 の技術を参照としてt時期の投入産出ベクトルの産出距離関数を表示する。従って、s時 期の技術、インプット指向型の Malmquist 指数は:
Mos(Xs, Ys, Xt, Yt) = Dos(Xt, Yt) Dos(Xs, Ys)
(4-7)
となっている。
Tt、Tsで、時期 s、t の生産技術条件での、生産可能集合を表示する。時期sから時期t まで技術進歩が発生したと仮定すると、Ts(Xs,Ys)が含まれる Ttは、Ts技術条件での生産 可能点である。したがって、Dos(Xs, Ys) ≤1。だが、(Xt,Yt)は Ts技術条件での生産可能点 ではないので、Dos(Xs, Ys) >1。時期 s から時期 t まで技術進歩が発生した場合、
Mos(Xs, Ys, Xt, Yt) >1。図 4-1 の各点と比べ、s時期の技術、インプット指向型 Malmquist 指 数は、これを反映することになり、具体的には以下のようになる。
Mos(Xs, Ys, Xt, Yt) =
od oe oa
ob
⁄
図 4-1 産出角度の Malmquist 生産指数
出所: 筆者作成
上述の通りにt時期の技術 Ttを参照として、t時期の技術、インプット指向型の Malmquist 指数はMot(Xs, Ys, Xt, Yt):
Mot(Xs, Ys, Xt, Yt) = Dot(Xt, Yt) Dot(Xs, Ys)=
odof oa oc
⁄
(4-8)
となっている。
時期s、tの生産技術の差異は計算結果の違いをもたらすことになる。即ち:
Mos(Xs, Ys, Xt, Yt) ≠ Mot(Xs, Ys, Xt, Yt)
(4-9)
の影響である。時期選択がもたらす差異を避ける為に、Fisher 理想指数の構築方法を真 似て、Fare 等は二つ時期の技術の Malmquist 指数の幾何平均値 Malmquist 指数とする。
Mo(Xs, Ys, Xt, Yt):Mo(Xs, Ys, Xt, Yt) = (DDos(Xt,Yt)
os(Xs,Ys)×DDot(Xt,Yt)
ot(Xs,Ys))
1
2= (odde×oboa×ocoa×odof)
1 2
(4-10)
Malmquist 效率指数の分解
生産関数法で、Nishimizu と Page は 1982 年に全要素生産率の変化を技術進歩と技術効
率の向上の二つ異なる部分に分解した。1994 年、Fare 等は、Malmquist 生産率指数も同様 に技術的効率性(technical efficiency) の変化59と技術的変化(technology frontier shift)60の二つの部分に分解できることを示した。そして、効率変化をさらに純技術効率 変化と規模効率変化に分解した。又、技術変化の部分もさらに解析することができる。実 際に、インプット指向型 Malmquist 指数の変換形式は :
Mo(Xs, Ys, Xt, Yt) = (Dos(Xt, Yt)
Dos(Xs, Ys)×Dot(Xt, Yt) Dot(Xs, Ys))
12
= TEC × FS
(4-11)
となっている。
ここで、
TEC =DDot(Xt,Yt)
os(Xs,Ys) 、FS = (DDos(Xt,Yt)
ot(Xt,Yt)×DDos(Xs,Ys)
ot(Xs,Ys))
1
2
(4-12)
である、上記の式は、それぞれに時期sと時期tに発生した効率向上と技術進歩を表す。
Malmquist 效率指数の計算
いずれの連続( s = t −1)する二年の Malmquist 指数を計算しようとするにしても、t 年の投入産出ベクトル(Xt, Yt)に対して、四つの異なる距離関数を計算する必要がある
。従って、計算が要る距離関数の総量は、M ×(4T − 2)個である。M と T はそれぞれに計 算が要る生産単位と時期数である。そして、分析対象になる事業体 DUM に関する Malmquist 生産性指数 M を計算するためには、四つの異なる距離関数:
Dot−1(xt−1, yt−1)、 Dot(xt, yt)、 Dot−1(xt, yt)、Dot(xt−1, yt−1).
を必要とする。それらは、以下の 4 種類のインプット指向型ラディアル CCR モデル(Ⅰ)、
(Ⅱ)、(Ⅲ)および(Ⅳ) を用いることにより与えられる61。
(Ⅰ) t-1 期における技術的効率性
59 TECは、技術的効率性(technical efficiency) の変化の大きさ(キャッチ・アップ効果)を表しており、TEC>1の時 に技術的効率性は減退しており、TEC=1の時にそれは無変化で、TEC<1の時にそれは改善していることがわかる。
60 FSは効率的フロンティアのシフト(shift) 効果、すなわち技術的変化(technology frontier shift) を表しており、
FS>1ならばフロンティア技術は後退し、FS=1ならばそれは無変化で、FS<1ならばそれは向上していることになる。
61 末吉俊幸(2001)
Dot−1(xt−1, yt−1)=Minθ
s. t. ∑nj=1λjxijt−1≤θxit−1 i=1、……m
∑n λjyrjt−1 ≥ yrt−1 j=1
λj≥ 0
(4-13)
(Ⅱ)t 期における技術的効率性
Dot(xt, yt)=Minθ
s. t. ∑nj=1λjxijt ≤θxit i=1、……m
∑n λjyrjt ≥ yrt
j=1
λj≥ 0
(4-14)
(Ⅲ) t-1 期の生産技術(フロンティア) に対する t 期のデータの効率性
Dot−1(xt, yt)=Minθ
s. t. ∑nj=1λjxijt−1≤θxit i=1、……m
∑n λjyrjt−1≥ yrt
j=1
λj≥ 0
(4-15)
(Ⅳ)t 期の生産技術に対する t-1 期のデータの効率性
Dot(xt−1, yt−1)=Minθ
s. t. ∑nj=1λjxijt ≤θxit−1 i=1、……m
∑n λjyrjt ≥ yrt−1
j=1
λj≥ 0
(4-16)
以上、インプット指向型 Malmquist・モデルそのものについて記述して、考察した。