第 5 章 道路線形の自動生成に関する実用性の評価検証の実験
5.3 MMS と点群データの比較
本節では,実験に使用する2種類のMMS点群データを解析し,それらの特性の違いを解 明する.
本実験に使用する 2種類のMMSは,第3章の三菱電機社製のMMS Type-Sと第4章の
3D Laser Mapping社製のStreetMapper360となっている.2つのMMSの仕様を表 5.1に示
す.
表 5.1 実験に使用する2種類のMMSの比較
MMSタイプ MMS Type-S StreetMapper360
レーザスキャナ SICK社LMS291-S5(2台) RIEGL社VQ-250(2台)
絶対精度 10cm 1cm
相対精度 1cm 0.5cm
最大取得点数 約13,575点/秒(1台) 約300,000点/秒(1台)
最大到達距離 80m 500m
ラインスキャンの方向 車両の進行方向と約90度 車両の進行方向と約45度
表 5.1 から,本実験に使用する 2 種類の MMS 点群データは,計測精度,秒間の取得点 数,最大計測可能な距離,ラインスキャンの方向などの特性が大きく異なることがわかった.
また,本節では,表 5.1で示した仕様以外には,点群データの横断点列の密度と位置精度の 比較を行う.
5.3.1 横断点列の密度の比較
MMS Type-SとStreetMapper360の点群データを図 5.3と図 5.4に示す.
図 5.3 MMS Type-Sの横断点列の密度
図 5.4 StreetMapper360の横断点列の密度 走行線に近い場所
2点間の距離約0.08m
走行線から約6mの場所 2点間の距離約0.23m 走行線から約14mの場所
2点間の距離約0.8m
走行線に近い場所 2点間の距離約0.02m
走行線から約6mの場所 2点間の距離約0.02m 走行線から約14mの場所
2点間の距離約0.22m~0.48m
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図 5.5 MMS Type-Sで計測できない箇所
5.3.2 点群データの位置精度の比較
MMSは,GPSで取得した位置情報に基づいて,点群データを生成している.しかし,GPS の位置精度は,機材や,天候などの状況により大きく変化する.そこで,本項では,点群デー タから手動で道路の付属物(図 5.6)のある4箇所(図 5.7)で標定点を指定し,それらの 位置精度を比較する.
図 5.6 道路の付属物と標定点 計測ができない箇所
位置誤差 の標定点 道路の付属物
北 500m
標定点 1
標定点 2
標定点 3
標定点 4
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表 5.2 2種類のMMS点群データの位置精度の比較結果
標定点箇所 座標X値 座標Y値 標高(m)
標定点1
MMS Type-S -46003.61 -146215.38 16.05
StreetMapper360 -46005.20 -146216.44 14.66
正解データ -46003.67 -146216.37
標定点2
MMS Type-S -44971.68 -144918.33 17.80
StreetMapper360 -44971.82 -144918.13 17.77
正解データ -44973.00 -144919.72
標定点3
MMS Type-S -44820.21 -146894.70 18.96
StreetMapper360 -44820.65 -146894.63 18.47
正解データ -44820.31 -146894.72
標定点4
MMS Type-S -45760.17 -148861.48 19.467
StreetMapper360 -45760.24 -148861.66 19.408
正解データ -45760.47 -148860.03
表 5.2から,両方の標定点は,最小約0.19m(標定点4),最大約1.91m(標定点1),平均
約0.70mのずれがあることがわかった.また,両方の標高誤差も約1mの誤差があることが
わかった.一方,両方の標定点は,正解データから0.4m~2m(MMS Type-Sの平均が約1.12m,
StreetMapper360の平均が約1.38m)ほどずれている.
5.3.3 情報種類の比較
本実験での計測対象の高架橋は,阪神高速1号環状線である.また,使用するMMS
Type-SとStreetMapper360の点群データの情報を表 5.3に示す.
表 5.3 実験に使用する2種類のMMSの比較
MMSタイプ 持っている情報
MMS Type-S 点群データの直角座標系のX,Y値と標高値
点群データのRGBの色情報
StreetMapper360
点群データの直角座標系のX,Y値と標高値 点群データの反射強度
点群データの各点の取得時間
GPS履歴ポイントの直角座標系のX,Y値と標高値 GPS履歴ポイントの各点の取得時間
表 5.3のStreetMapper360の点群データでは,点群データ以外に,GPS履歴ポイントが入っ ている.GPS履歴ポイントは,MMSが走行時に記録したGPSの位置で,IMUにより補正 されたものである.一般的には,GPSを使用しているMMSでは,GPS履歴ポイントが記録 されるが,今回使用するMMS Type-Sのデータには入っていない.そのため,本章では,手 動で仮のGPS履歴ポイントを生成し,両方の入力データとする.