第 4 章 継ぎ手などの情報なしで広範囲な高架橋の道路線形を自動
4.1 手法の概要
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図 4.1 本章の位置づけ
本章では,システムの実用性を向上させるため,線形の生成精度と実用性の向上の目標を 実現するため,以下の7つの方法で第3章で提案した各手法を改良する.
1つ目は,横断面の取得にラインスキャンの方向に依存しない手法を使用することである.
第3章で述べた点群分割処理は,点群データのラインスキャンの方向を利用している.ライ 点群解析手法
3章の提案手法
線形解析手法 基本的な手法
MMS(A)
点群データ MMS(B)
点群データ
改良した 点群解析手法 4章の提案手法
改良した 線形解析手法 精度と実用性を向上 させるための手法
道路線形A 道路線形B
MMS(A) 点群データ
3章 4章
改良した 点群解析手法 4章の提案手法
改良した 線形解析手法 精度と実用性を向上 させるための手法
手法改良
5章
MMS(B) 点群データ
精度検証 精度検証
改良した 点群解析手法 4章の提案手法
改良した 線形解析手法 精度と実用性を向上 させるための手法
道路線形C 道路線形D
比較検証
ンスキャンの方向は,レーザスキャナの設置方向に依存している. しかし,レーザスキャ ナの設置方向は,図 4.2に示すようにMMSの製造会社や型番により異なっている.そのた め,図 4.3に示すようにそれぞれのMMSで取得した点群データのラインスキャンの方向も 異なる.
図 4.2 レーザスキャナの設置角度が異なる2種類のMMS 上面
側面 前方
180°
上面
後方 前方
360°
360° 45°
MMS Type-S StreetMapper360
90
図 4.3 ラインスキャンの方向が異なる2種類の点群データ
この特性の違いにより,横断面の取得ができない場合がある.そこで,本研究では,GPS 履歴ポイントを使用した手法を提案する.
2つ目は,横断点列の密度に依存しない特徴点の抽出手法を使用することである.特徴点 抽出処理は,横断面における点数の統計により特徴点を特定している.しかし,レーザス キャナが複数台設置された場合,図 4.4 に示すように横断面における点列の密度には大き なばらつきが発生する.
MMS進行方向 ラインスキャン
方向
45° 連続する点列 実際の点群例 MMS進行方向
ラインスキャン 方向
90° 連続する点列 実際の点群例 分割位置
MMS Type-S
StreetMapper360
0 450 900
0 5 10 15
2点間距離(mm)
走行線からの距離(m)
走行線
1横断
MMS Type-Sの横断点列
0 200 400
0 5 10 15
2点間距離(mm)
走行線からの距離(m)
走行線
1横断 間隔が大きい
間隔が小さい
StreetMapperの横断点列
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継ぎ手なしでの線形解析手法が必要である.そこで,本研究では,第3章の線形解析部を修 正する.具体的には,全体の形状を認識して,線形を構成する可能な幾何情報を抽出し,そ れぞれの起終点を調整する.
4つ目は,線形の補正により生成した点列を使用しないことである.補正処理により生成 した点列は,本来の線形の特徴から離れる場合があり,補正点が多くなると,線形の生成精 度が低下すると考えられる.そのため,本研究では,補正処理により生成した点列を点群解 析部の入力データから除去する.
5 つ目は,特徴点から,精度の良いものを抽出することである.MMSは,レーザスキャ ナの種類により性能が異なり,また,計測車両からの距離に応じて点群密度が低下する.そ の場合,対向車線を含めた高架橋の横断形状の把握が困難となり,特徴点の抽出精度が低下 する.そのため,本研究では,特徴点の抽出後に位置誤差を考慮して,さらに高精度な特徴 点のみを抽出する.
6 つ目は,線形を用いた適切な補間を行うことである.道路の線形を生成する時,直線,
クロソイド曲線,円弧のパターンで対応できず,線形の種別が認識できずに途切れる場合が ある.線形を接続させるには,適切な補間手法が必要である.そこで,本研究では,道路構 造令の解説と運用14)に記載された次の3つの要件を考慮し,線形を補間する手法を考案す る.道路構造令の解説と運用では,次に示す要件が定義されている.
1) 急ハンドルを避けるため,直線と円弧との間にクロソイド曲線を挿入する.
2) クロソイド曲線を使うことにより生じた移程量 S が十分に小さい場合,直線と円弧 とを直接接続させることが可能である.移程量Sの計算式を式(4.1)に示す.
𝑆 = 1 24𝐿2
𝑅 式(4.1)
ここで,Lはクロソイド曲線長,Rは曲率半径である.
3) クロソイド曲線の定数パラメータAは,式(4.2)を満たすことが望ましい.
𝑅
3≦ 𝐴 ≦ 𝑅 式(4.2)
7つ目は,分岐部などの場所において,適切な点列の分割処理を追加することである.高 架橋の分岐部において,正確な線形を生成できない課題である.高架橋全体の図面を生成す る場合,分岐部の正確な線形の生成手法が必要となる.そこで,本研究では,各特徴点がど の路線に属するかを認識して特徴点列を分割することで,正確な分岐部の線形を生成する.
これらの7つの方法のうち,3つ目から6つ目の方法は,線形の生成精度を向上させ,1
つ目,2つ目,7つ目の方法はシステムの実用性を向上させる.