第 5 章 状態制御取得方法
5.1 LegacyDevice の制御方法
そこで,始めに機器の制御に用いられる赤外線信号の特徴と赤外線リモコンの信号波形 フォーマットの調査を行った.その結果,赤外線信号データベースには,
• 赤外線信号のフォーマット
• カスタム・コード部及びデータ・コード部のbitデータ が必要なことがわかった.
5.1.1 赤外線信号の特徴
赤外線信号の特徴としてつぎの6点が挙げられる.
• 電波法などの法規制の対象とならない範囲で十分実用できる
• 人体に対して影響がない
• 受信部・送信部を低コストで小型化できる
• コードが不要なため,部屋を広く使える
• 離れた場所から装置を操ることができる
• 複数台の装置の操作が可能
このような特徴により我々は違和感なく赤外線リモコンを使用しており,TVやVTR,エ アコンなどの家電製品の操作にリモコンを行うことは当たり前になっている.
5.1.2 赤外線リモコンの動作原理
赤外線を出力するには,リモコン用の赤外線LEDを用いる.使用する赤外線LEDの 仕様に応じて,LEDに流す電流値を決め,簡単なトランジスタ駆動回路を用いて発光さ せる.赤外線信号の受信には,リモコン用のPINフォトダイオードを用いる.遠方から の赤外線信号を確実に受信するために,リモコン用に専用設計されたプリアンプを用い る.プリアンプでは,リモコンから出力されたキャリアを検出し,波形整形した信号を出 力する.
家電製品協会フォーマット
家電製品協会フォーマットは,財団法人 家電製品協会に家電メーカ各社の代表者が集 まり,赤外線リモコンの誤動作対策について討議し,その結果「機器用赤外線リモコンの 推奨方式」として提案された.
家電製品協会(略称:家電協)フォーマットは,リーダ部,カスタム・コード部,カスタム・
コードのパリティ部,データ部,トレイラ部から構成される.家電協フォーマットの信号を 図5.1〜図に各部のフォーマットを示す.変調方式には,PPM(Pulse Position Modulation) を用いており,これは,赤外線信号が存在する時間及び存在しない時間により,bitデー タを表すものである.家電協フォーマットでは,高周波数点灯の蛍光灯などからの干渉に よる誤動作を考慮し,33〜40kHzのキャリア周波数内で使用するように推奨している.図
5.2で示すHIGH,LOWは,赤外線信号の有無を表し,Tは時間間隔を示す.時間間隔T
は,0.35ms ¡ T ¡ 0.50ms と規定されている.
• リーダ部
赤外線リモコンにより出力された信号であることを示し,リモコン信号を読み取る ときに必要な信号である.リーダ部は図に示す.
• カスタム・コード部
カスタム・コード部は,16bitで構成され,赤外線信号がどのメーカの家電製品のも のかを表す.
• カスタム・コードのパリティ部
カスタム・コードのパリティ部は,4bitで構成され,パリティチェックに用いられる.
• データ部
データ部は,任意のbyte長データにより構成される.実際の機器操作命令を表すた めに用いられる.
• トレイラ部
赤外線リモコンによって出力された赤外線信号の終端を示す.
図 5.1: PPM変調(家電協フォーマット)
図 5.2: 家電協フォーマット
図 5.3: トレイラ部
図 5.4: リーダ部
日本電気フォーマット
日本電気フォーマットは,リーダ部,カスタム・コード部,データ・コード部から構成さ れる.日本電気フォーマットの信号を図5.1〜図に各部のフォーマットを示す.変調方式に は,家電協フォーマットと同様,PPM(Pulse Position Modulation)を用いているが,キャ リア周波数は38kHzに固定しており,信号の時間間隔Tも,0.56msと固定されている.
• リーダ部
家電協フォーマットと同様,赤外線リモコンにより出力された信号であることを示 し,リモコン信号を読み取るときに必要な信号である.
• カスタム・コード部
16bitの固定長データで構成され,各家電製造業者ごとにカスタム・コードがふられ
ている.
• データ・コード部
16bitの固定長データで構成される.カスタム・コード部とは,前半の8bitと後半の
8bitが1の補数の関係にある点が異なる.データ・コードの受信処理の際は,16bit 取り込んだ後で,前半8bitと後半8bitを比較する必要がある.データ・コード部の 信号の長さは,1.125(ms)×8 + 2.25(ms) = 27(ms)となる.
• リピートコード部
図 5.5: PPM変調(日本電気フォーマット)
図 5.6: リピートコード部