第 5 章 状態制御取得方法
5.2 受動的状態取得
優先的に考え,他センサからの情報はリカバリ目的として利用する.例えば,リモコン によって機器に状態遷移が生じた場合,IRセンサからの状態情報を元に状態遷移を行い,
もし他センサが存在した場合,現在の部分状態機械の状態と,他センサから取得した部分 状態機械の状態を比較し,両者が異なる場合は何らかの障害が発生したと考え,他センサ の情報を元に状態遷移を行う.
5.2.2 赤外線センサを用いた方法
赤外線センサを用いた方法は,赤外線リモコンから出力される赤外線信号を赤外線受光 部で受信して,機器の内部状態を取得する.赤外線リモコンから出力された命令は,赤外 線受光部で受信され,処理ユニットに入力される.処理ユニットでは,赤外線信号のデジ タルデータに含まれるカスタム・コードやデータ・コードを元に,赤外線データベースを 参照して状態機械に対する入力に変換する.そして入力と部分状態機械の状態の組み合わ せで状態遷移表に基づく遷移関数を呼び出して次の遷移先に状態遷移を行う.以上のシー ケンスによって,実際の機器の状態と,処理ユニット内での機器の状態は一致する.
赤外線信号は直進性が強く,送受光部の間の障害物を通過したり透過したりできないの で,装置は常に向かい合うことのできる位置に設置されなければならない.赤外線センサ は,機器それぞれに設置したり,複数の機器で共有することもできる.機器単体にセンサ を設置する場合は,センサを機器付属の受信部の近くに設置すれば,センサと機器付属の 受信部のどちらかでしか信号を受信できず,実機と状態機械の状態が異なるといった問題 が生じる可能性は低い.また,TVとVTRのように,機器同士が近い位置に設置されて いる場合,1つの受光部で複数の機器の信号を検知することができるが,機器複数の付属 センサと設置したセンサの両方で等しく信号を受信する必要があり,センサの配置に注意 する必要がある.また,赤外線受光器の特性上,同時に複数の命令は受信できないので,
そのような可能性のある場合は,複数のセンサを用いて,機器個別に信号を受信する必要 がある.
5.2.3 他センサを用いた方法
他センサを用いた方法は,温度,湿度,電流,カメラなど様々なセンサ情報を取得し,
機器の内部状態を取得する.センサ情報は,センサでアナログデータを取得しA/D変換 器で変換を行い,処理ユニットにデータを送り,そのデータを処理ユニットで適切な形式 に変換を行った上で,人が読めるテキストデータとして表現している.
センサから得られるセンサ情報は,機器の状態を直接表すわけではなく,機器が動作す
に,センサ情報と機器の持つ状態を対応させる.表5.1にセンサ情報(湿度)と機器の状態 の対応関係を示す.他センサから得た状態情報は,IRセンサで取得した部分状態機械に 対する制御命令とは異なり,現在の部分状態機械の状態を表す.
センサ情報(%) 状態情報 0〜20 STATE HUMID1 20〜40 STATE HUMID2 40〜60 STATE HUMID3 60〜80 STATE HUMID4 80〜100 STATE HUMID5
表 5.1: センサ情報と状態情報の対応関係例
センサ センサ情報
camera チャネル番号など映像関連LDの情報を示す.
current 電流計測値を示す.
humid 湿度計測値を示す.
illumination 照度計測値を示す.
ir 受信赤外線信号を示す.
noise 電源状態,映像関連LDの情報を示す.
open close デバイスの開閉を示す.
temp 温度計測値を示す.
wind 風量計測値を示す.
表 5.2: センサの種類とセンサから得られるセンサ情報
以上のような手法を用いて取得した他センサの状態情報と,IRセンサから取得した状 態情報により遷移した後の,遷移後の部分状態機械の状態を比較することで,制御が正し く行われたかどうかの確認を行うことができる.例えば,赤外線センサで「エアコンを設 定温度28℃で動作」という命令を受信したにも関わらず,室温が上昇しない場合,実際 には機器は動作していないことが予想される.このようにして,他センサと赤外線センサ を両方利用することで,状態取得が確実に行えるようになり,結果として制御の確実性を 高めることができる.