(第 1 章)
5.2.3. Hep38.7-Tet 細胞の細胞内 HBV 複製能
Hep38.7-Tet細胞のcore DNA産生能を検討するため,5.2.2.と同様な方法で回収した細胞
から精製したcore DNAを測定した。培養開始時,3,6,9及び12日目のcore DNAをreal time
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PCR法及びsouthern blot法で測定した結果を図16に示した。Hep38.7-Tet細胞のcore DNA はHBV誘導開始から12日目まで経時的に増加し,HepAD38細胞のcore DNA量と比べて,
いずれの測定時点でも2~4倍高い産生量であった(A)。またsouthern blot法でのHep38.7-Tet 細胞のcore DNAの経時変化はreal time PCR法と同様な結果を示した(B)。
A Core DNA(Real time PCR)
B Core DNA(Southern blot)
図 16 Hep38.7-Tet 細胞の core DNA 量の経時変化
*培養開始時,3,6,9及び12日目のHepAD38細胞及びHep38.7-Tet細胞から精製したcore DNAをreal time PCR法及びsouthern blot法で測定した。HBV DNAであるrelaxed circular DNA(RC),double stranded linear DNA (DSL),single stranded DNA(SS)の泳動位置を示した。
次にHep38.7-Tet細胞のHBV RNA転写能を検討するため,5.2.2.と同様な方法で回収した 細胞から精製したtotal RNA中のHBV RNAを測定した。培養開始時,3,6,9及び12日目 のHBV RNAをRT-real time PCR法及びnorthern blot法で測定した結果を図17に示した。
Hep38.7-Tet細胞のHBV RNAはHBV誘導開始から6日目まで経時的に増加し,HBV誘導 停止した6日目以降は低下した。またHep38.7-Tet細胞のHBV RNA量はHepAD38細胞の
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HBV RNA量と比べて,いずれの測定時点でも2~3倍高い産生量であった(A)。またnorthern blot法でのHep38.7-Tet細胞のHBV RNAの経時変化はRT-real time PCR法と同様な結果を示 した(B)。さらに精製したtotal RNA中のpre-core mRNAを測定した。培養開始時,3,6,
9及び12日目のpre-core mRNAをRT-PCR法で測定した結果を図18に示した。Hep38.7-Tet
細胞のpre-core mRNA量はHBV誘導開始から6日目まで経時的に増加し,HBV誘導停止し
た6日目以降も分解されず,細胞内に安定に存在していた。
A HBV RNA(RT-real time PCR)
B HBV RNA(Northern blot)
図 17 Hep38.7-Tet 細胞の HBV RNA 量の経時変化
*培養開始時,3,6,9及び12日目のHepAD38細胞及びHep38.7-Tet細胞から精製したHBV RNAをRT-real time PCR法及びnorthern blot法で測定した。HBV RNAであるHBV pgRNA(3.5 kb),surface mRNAs(2.4 kb, 2.1 kb)の泳動位置を示した。
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図 18 Hep38.7-Tet 細胞の pre-core mRNA 量の経時変化
*培養開始時,3,6,9及び12日目のHep38.7-Tet細胞から精製したHBV pre-core mRNAをRT-PCR法で測 定した。
さらにHep38.7-Tet細胞のHBVタンパクの発現能を検討するため,5.2.2.と同様な方法で
HBV誘導した細胞内HBc タンパクを測定した。培養12日目のHep38.7-Tet細胞とHepG2 細胞のHBcタンパクを免疫染色した結果を図19に示した。Hep38.7-Tet細胞はHBcタンパ クが検出されたが,HepG2細胞ではHBcタンパクは検出されなかった。
これらの結果より,Hep38.7-Tet細胞の細胞内ではcccDNA産生,HBV mRNA転写,core DNA産生のウイルス複製が起こっていることが確認された。
図 19 Hep38.7-Tet 細胞の HBc タンパクの検出
*培養12日目のHepG2細胞及びHep38.7-Tet細胞のHBcタンパクを免疫染色した。