第4章
135
第4章
136
520 525 530 535 540
200 400 600 800 1000 1200 1400
GZO:In5 film 100 nm O 1s
Count
Binding energy / eV 0nm 2.5nm 5.0nm 7.5nm
1010 1020 1030
0 500 1000 1500
GZO:In5 film 100 nm Zn 2p3
Count
Binding energy / eV 0nm 2.5nm 5.0nm 7.5nm
1105 1110 1115 1120 1125 1130 700
800 900 1000 1100 1200 1300 1400 1500
Count
Binding energy / eV 0nm 2.5nm 5.0nm 7.5nm GZO:In 5 film 100 nm
Ga 2p3
435 440 445 450 455
0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500
GZO:In5 film 100 nm In 3d5
Count
Binding energy / eV 0nm 2.5nm 5.0nm 7.5nm
435 440 445 450 455
500 100150 200250 300350 400450 500550 600650 700
GZO:In10 film 100 nm In 3d5
Count
Binding energy / eV 0nm 2.5nm 5.0nm 7.5nm
(a) GZO:In10 In (b) GZO:In5 In
(c) GZO:In5 Zn (d) GZO:In5 Ga (e) GZO:In5 O
図4. 40 In、Ga、Zn、O元素の表面近傍のスペクトル
図4. 39から表面近傍ではIn元素の存在比率がIn含有サンプルでは高く、その偏析深
さは表面から2.5 nm程度と見積もることができる。深さ方向でのエッチングは、Ar+イ オンを用いたが、ワンショットで約2.5 nmの深さに相当する(熱SiO2膜換算)。Inは最 表面から膜内部(図4.40では最表層から7.5 nmの深さ情報を表示)まで一定の濃度を示 した。一方GaおよびZnは、最表層では図4. 40に示すように膜内部と比較して検出カ ウントが小さいことを判明した。XPSの結果から、Inは表面近傍に偏析していると判断 した。但しXPSでは、表層からの情報が約2.5 nmに留まったためにより高感度で分解 能の高いSIMS測定を実施した。
第4章
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4.4.4 SIMSを用いた深さ方向の元素分析
SIMSを用いた深さ方向の元素分析結果を図4.41および図4.42に示した。横軸は表面 からの深さ、縦軸は各元素のカウントを示している。縦軸のカウントは生データであり、
絶対濃度を議論する場合には検量線から絶対濃度を算出する必要がある。本研究論文で は、深さ方向での偏析状況を調べるために、絶対濃度の議論は不問とした。図 4.41 は GZO、GZO:In1、GZO:In5、GZO:In10サンプルにおけるZn、Ga、In、O、Cの濃度結果 を示している。XPS 同様に表面近傍は炭素のコンタミネーションが観測されているが、
いずれのサンプルも表層から3 nm程度内部に入るとほぼ観測できないことを確認した。
In 元素はXPS 同様に、最表層近傍で多く存在していることをあきらかにした。図4.42 に最表層近傍を拡大した結果を示しているが、以下2つの結果を得た。
・最表層から約0.3 nmの位置までにInは膜内部よりも存在すること
・In添加量が多いほど、最表層からの距離が浅い位置に存在する確率が高くなる
注意しなければいけないことは、サンプルの表面粗さが同じではないことを指摘して おく。表面粗さがGZO、GZO:In1、GZO:In5、GZO:In10でRzの値がそれぞれ4.8、3.3、
1.8、1.3 nm(図4.24参照)であることから厳密な議論ではエッチングレートが異なると
予想される(1次イオンとしてO2+を使用)。
4.4節でGZO:Inに関する結晶構造および元素存在比率に関して詳細を説明した。ドー
パント成分のGaは5.7 wt.%(約2.5 at. %)で固定してIn濃度を0 ~20 wt.% (0.1 ~ 7.4 at. %) まで変化させた。Ga は最表層から膜内部までほぼ一定の濃度であることに対して、In は最表層近傍(約0.3 nm)に多く偏析した。イオン半径を考慮するとZnとInはほぼ同 じ値であるが、共有結合半径およびマーデルングエネルギーからInはZnOに対して溶 解性がGaと比較して低いために最表層近傍に偏析したと予想される。
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0 1 2 3 4
100 101 102 103 104
105 GZO
OC Zn Ga In
Count per second
Depth / nm
0 1 2 3 4
100 101 102 103 104
105 GZO:In1
Count per second
Depth / nm
OC Zn Ga In
0 1 2 3 4
100 101 102 103 104 105
Count per second
Depth / nm
OC Zn Ga In GZO:In5
0 1 2 3 4
100 101 102 103 104
105 GZO:In10
OC Zn Ga In
Count per second
Depth / nm
図4. 41 SIMSを用いたGZO、GZO:In薄膜の元素分布結果
0 1 2 3 4 5
100 101 102 103 104 105
Count per second
Depth /nm
GZO:In1GZO GZO:In5 GZO:In10
0 1 2
0 5 10 15 20 25 30 35 40
Count per seond / 10-3
Depth /nm
GZO:In1 GZO:In5 GZO:In10
図4. 42 SIMS測定からの最表層近傍の元素濃度分布
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4.4.5 XAFSを用いたGZOおよびGZO:In5薄膜の局所構造解析
これまでにMakinoやYamaguchi らから、Gaをドーパントとして用いたGZO薄膜で の Ga の局所構造解析結果が報告されている。ドーパント成分が存在するサイトとして は2つのモデルに分けることができる。ドーパント成分のGa がZnサイトもしくはO サイトを置換したモデルあるいは、格子間に侵入したモデルの2つである。今回 GZO
とGZO:In5薄膜をSpring-8のビームラインBL14B2にて蛍光XAFS法によりZn K端、
Ga K端、In K端をそれぞれ測定して、XANES (X-ray absorpution near edge structure) から 価数の考察、EXAFS (extended X-ray absorpution fine structure) から注目原子周囲の局頌構 造(原子種、価数、結合距離)を考察した。