188 Å
20 30 40 50 60 70 80 90 100 100
150 200 250 300
G ra in si ze /Å
Process temp. /
°C
Hall plot
y = 0.0228x + 0.0057 R2 = 0.974
-0.010 -0.005 0.000 0.005 0.010 0.015 0.020 0.025 0.030 0.035 0.040
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
sinθ
βcosθ
1 pass
270 Å
Hall ploty = 0.0228x + 0.0057 R2 = 0.974
-0.010 -0.005 0.000 0.005 0.010 0.015 0.020 0.025 0.030 0.035 0.040
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
sinθ
βcosθ
1 pass
270 Å
Hall plot
y = 0.019x + 0.0075 R2 = 0.9985
0.000 0.005 0.010 0.015 0.020 0.025 0.030 0.035
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
sinθ
βcosθ
2 pass
205 Å
Hall ploty = 0.019x + 0.0075 R2 = 0.9985
0.000 0.005 0.010 0.015 0.020 0.025 0.030 0.035
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
sinθ
βcosθ
2 pass
205 Å
Hall plot y = 0.0175x + 0.0082 R2 = 0.995
0.000 0.005 0.010 0.015 0.020 0.025 0.030
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
sinθ
βcosθ
3 pass
188 Å
Hall plot y = 0.0175x + 0.0082 R2 = 0.995
0.000 0.005 0.010 0.015 0.020 0.025 0.030
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
sinθ
βcosθ
3 pass
188 Å
図3. 13 GZO薄膜の成膜回数とグレインサイズの関係
第3章
65
またlaに着目すると、ガラス基板およびPEN基板ともに緩やかに大きくなること、基板 違いによる影響は小さいことを確認した。図3.13にin-Plane測定の回折パターン結果か らWillason-Hall plotによるグレインサイズの結果を示した。1 pass、2 pass、3 passで成膜 したサンプルのグレインサイズはそれぞれ約27、20.5、18.8 nmと成膜回数が増えるにつ れて(基板表面の温度負荷が小さい、=1回の成膜厚みが薄い)、小さくなる傾向を見出 した。3サンプルのGZO薄膜総厚は約100 nmであるが、1 passで成膜した場合と比較 して成膜回数を分割することで結晶成長が一旦止まるために総厚100 nmの平均情報と した考えた場合、グレインサイズとしては小さくなったと推察している。
(B)ポリエチレンテレフタレート(PET)基板を用いた場合
実用化を考えた場合、プラスチック基板と GZO 薄膜の層間には、光学特性を調整す る、付着力(密着性)を高めるような目的でバッファー層を設ける場合がある。GZOの 屈折率は約2.0であり、一般的なPETの屈折率は1.5 ~ 1.6程度である。そのため光学的 に可視光波長領域の透過率を高めるために、GZOとPETの屈折率の中間程度の値を持 つ層を表面改質層として用いている。ヘイズや青色や黄色の指標としてa*、b*値を調整 する役割等にも表面改質層を活用することができる。本研究論文では表3.2に示すよう な表面改質層を設けて表面改質層上に GZO 薄膜を成膜した。PET 基板の表面形状と GZO薄膜の特性を考察した。PET基板の表面状態が異なる表面改質層上にGZOを成膜 した場合のGZO表面粗さを、走査型プローブ顕微鏡(SPM)を使用して観察を行った。
結果を図3.14に示した。表3.2のサンプルGは無アルカリガラス基板を示し、サンプル A、B、Cは表面改質種類を変化させ、サンプルD は表面改質層を設けなかった。表面 自由エネルギーは蒸留水、ジヨードメタン、1-ブロモナフタレン溶液の各々の接触角か
らKitazaki-hata法にて算出を行った。表面硬度は貯蔵弾性率にて評価を行い、定圧荷重
5 mNの押し込み荷重にて測定を行った。
第3章
66
表3. 2 表面改質層の種類と表面形状と化学結合情報のまとめ
図3. 14 表面改質層の表面形状画像とGZO成膜後のGZO表面形状画像
第3章
67
また表面改質層の化学結合情報は、XPSにて取り出し角度45°の条件で測定を行った。
表面改質層の表面粗さは、走査式プローブ顕微鏡(SPM )にて測定を行いRa(算術平 均粗さ)、RMS(自乗平均平方根粗さ)を算出した。光学特性は可視光領域である400 ~
800 nm領域の全光線透過率およびヘイズ値にて評価した。 図3.14にSPM測定の画像
を示した。GZO成膜前のPET基板表面粗さとGZO120 nm成膜後のGZO表面粗さはほ ぼ同じ値を示すことがわかった。今回表面粗さの粗いサンプルは、RMS値で21.0 nm程 度であったが、その形状を反映するようにGZO薄膜が成膜されていると考えられる。
これら表面粗さの異なる4種類の表面改質層上にGZO薄膜を30~120 nmの厚みで成膜 した(30, 60, 90, 120 nm)。1回の成膜は30 nmと定め、成膜回数とGZO薄膜厚みは比例 している。すなわち成膜プロセス時の最大負荷温度を44 ºC程度とした。図3.15、図3.16
にOut of plane、in-planeのX線回折パターン例を各々示している。PEN基板同様にPET
基板においても c 軸配向の(002)回折ピーク、(100)、(110)、(200)、(210)、(300)回 折ピークが確認できた。図中のシンボルのGはガラス基板を示し、ガラス基板の表面粗
さRMSは0.26 nmであり、A、B、C、Dは各々PET基板の表面粗さRMS値を示してい
る。図3.17にc軸の格子定数、図3.18にa軸の格子定数、図3.19に単位ユニットあた りの体積結果、図3.20にグレインサイズをそれぞれ示した。図中のキャプションの数値 は表面粗さRMS値、Gはガラス基板でA,B,C,DはPET基板上の表面改質層を示してい る。GZOの膜厚が厚くなるにつれて、c軸の格子定数は小さく一方で、a軸の格子定数 は大きくなる傾向を示した。グレインサイズはGZOの膜厚が30~90 nmの範囲ではGZO の膜厚が厚くなるにつれて、大きくなる傾向を示し、GZO膜厚が90、120 nmではほぼ 同じようなグレインサイズを示すことを見出した。基板の表面粗さに着目すると、GZO
膜厚が30 nmの場合において、a軸の格子定数に違いが見られる結果となった。表面粗
さが小さいほどガラス基板と同じような数値を示していることがわかる。このことは、
結晶の成長初期過程において、基板の表面粗さはGZO の膜厚方向よりも平面方向に影 響を与えることを示唆していると考えられる。
第3章
68
図3. 15 PET基板上に成膜したGZO薄膜の(002)回折ピーク
図3. 16 PET基板上に成膜したGZO薄膜のIn plane回折パターン
第3章
69
図3. 17 PET基板表面粗さとGZO薄膜の格子定数lcの関係
0 30 60 90 120 150
3.225 3.230 3.235 3.240 3.245
G : 0.26 nm A : 0.78 nm B : 10.0 nm C : 21.0 nm D : 12.0 nm
a-axis lattice parameter /Å