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GFPドキシサイクリン TetR

ドキュメント内 Ç ÆÌÌ (ページ 81-86)

培地中に欠乏した栄養素を合成

図2 候補遺伝子選定のための発現制御系ゲノム 上にある候補遺伝子()を欠損させた変異株 に 外来性プロモーターおよびを組み 込む 誘導剤であるドキシサイクリンを加えると レポーターであるおよびの発現が誘 導される

「アトラクター摂動」の原理の検証のためには 生命ネットワークのある成分の揺らぎを測定する ことが必要であるその上で 環境を変化させたと きの揺らぎの変化を捉える実験系が必要となるこ れまでの生物学では 主に多数の細胞の平均値しか 扱ってこなかった近年になり 生命システムのノ イズに着目した研究例もいくつか報告されている が 非常に少数の細胞についての測定しか行われて おらず 本研究で必要とされるような高精度 かつ 膨大な数の細胞の分布データを得ることができて いないそこで本研究では まず多数の細胞の分布 を精度よく測定可能なシステムの構築を行った方 法としては ネットワーク中のある遺伝子の発現量 を 蛍光タンパク質をレポーターとして可視化し 遺伝子ネットワークの状態を判断したさらに 非 常に多数の蛍光測定を短時間で行うことのできる 方法としてフローサイトメーターを用いた

測定対象としては 1:大腸菌の栄養遺伝子群 お よび 2:より単純化された人工細胞モデルを用い た大腸菌は 最もよく研究されたモデル生物であ り そのネットワークはかなり詳細に明らかになっ ているそして遺伝子操作により 人工的な遺伝子 ネットワークを導入することが可能である また 大腸菌よりもさらに単純化したシステムとして 人 工細胞モデルがある人工細胞モデルでは 全ての 構成成分が既知であるため ブラックボックスのな い解析が可能であるこれらの測定対象を用いて 遺伝子ネットワークの揺らぎの大きさと最適化速 度の関係を解析するその結果に基づいて 揺らぎ の大きさとアトラクターに外部から力を加えた際

の変動の大きさの関係から表される「アトラクター 摂動」の原理の提唱を行う

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大腸菌の栄養遺伝子群

大腸菌は およそ個の遺伝子を持つが 増殖 に必須な栄養の欠乏などの特定の環境変化におい て特異的に発現誘導され その発現誘導により増殖 速度が有意に増加する遺伝子に着目するこのよう な遺伝子は 一般的に 型の制御を 受けているすなわち 特定の栄養物質の濃度を感 知し ある濃度以下になるとその栄養物質の産生 あるいは取り込みを促進するタンパク質の発現が 上昇する制御機構であるしかし このような

型の制御がなかったとしても 生物は 適応的な遺伝子ネットワークの変化ができること を 我々は「アトラクター選択」の概念を用いて示 してきたこのような 型の制御系 によらない 生命システム本来の性質を観察するた め 我々は 大腸菌内に人工的な遺伝子ネットワー クを組み込むことを試みている

本年度は 栄養物質の欠乏の際に特異的に発現誘 導を受ける数十種類の遺伝子を候補遺伝子として 図2に示すような発現制御系に組み込んだ変異株 の構築を行ったさらに それぞれの遺伝子に対応 する栄養物質を欠乏させた培地において 誘導剤が 添加されないと つまり 対象の遺伝子が発現され ないと増殖できないこと また レポーターである 緑色蛍光タンパク質の蛍光シグナルが検出 可能なレベルになる発現量になって初めて大腸菌 が生存可能となるといった条件を満たす遺伝子群の 選定を行ったその結果

などの遺伝子が上記の条件を満 たす遺伝子候補として得られた フローサイト メーターを用いて それら候補遺伝子変異株の遺伝 子発現量の分布 つまり揺らぎをの蛍光を指 標として測定することが可能となり その各々の変 異株に対し 各栄養物質の欠乏という摂動を与えた ときの発現量の分布変化も捉えることができ るようになった(図3)この時の分布は 欠乏して いる栄養物質を補完する方向に変化していたすな わち 型の制御がないにもかかわ らず 大腸菌はより生育に有利な方に遺伝子ネット ワークを変化させたことを意味するこの結果は この実験系においても「アトラクター摂動」の原 理が働いていることを示唆している今後 本研究

hisC expression

Frequency

0 h 2.5 h 4 h 9 h 3.5

3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0

3.2 3.7 4.2 4.7

図3 環境変化に対するアミノ酸合成遺伝子の発現 量分布の変化の一例候補遺伝子としてヒスチジン 合成遺伝子 を用いた場合の発現量分布! と 培地中のヒスチジンを減少させた後 各培養時 間における の発現量分布変化を示す!"

!培地中のヒスチジンが欠乏すると ヒスチジン 合成が亢進するように発現量分布が変化する ではさらに 本年度で確立した測定システムを用い てアトラクター遷移の過程を詳細に観測していく 摂動を加える前の分布と 変化の大きさを多数の遺 伝子について比較することにより それらに相関が みられるか すなわち 「アトラクター摂動」の原理 が働いているのかを明らかにしていく

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人工細胞モデル

大腸菌はよく研究されたモデル生物であるが 未 だ機能未知の遺伝子も多く ブラックボックスが含 まれるシステムであるブラックボックスの存在は

「アトラクター摂動」の原理 さらにはそれをもた らす原因を明らかにするうえでの障害となるそこ で 「アトラクター摂動」の一般性 およびその起源 を調べるために 全ての要素が既知である人工細胞 モデルを使って そのアトラクターの遷移を捉える ことを試みた人工細胞モデルとして 細胞と同じ 脂質二重膜で包まれた小胞(リポソーム)と それ に内封された全て個別に分離精製された成分から なる無細胞翻訳システムを用いた# $ もし リ ポソーム内の遺伝子発現分布についても 「アトラ クター摂動」の原理がなりたち 分布の大きさと変 化のしやすさに相関があるならば 「アトラクター 摂動」をもたらす要因は 人工細胞モデル内に既に 含有されていることを意味するその場合 このモ デルの成分は全て既知であるため 起源を同定する

Log (Synthesized GFP)

Relative frequency

1.8 2.2 2.8 3.5 4.5 5.6 7.1 8.9

11 14

18 22

28 35

45 56

内部体積 (fl) 0.06

0.04 0.02 0

3 4 5

図4 人工細胞モデルにおける合成反応内 部体積の大きさにより生成物の量の分布がきっち りとわかれている

ことが可能である一方でもし リポソーム内の遺 伝子発現分布には「アトラクター摂動」の原理が当 てはまらない場合 すなわち 分布の大きさと変化 のしやすさに相関がない場合には 「アトラクター 摂動」の原理は より高次の生命システムに特有の 性質だということが分かるその場合は 人工細胞 モデルをさらに複雑化して大腸菌に近づけていき どの段階で発生するのかを調べることにより 「ア トラクター摂動」の起源に迫ることができる

本研究で用いる人工細胞モデルは リポソームの 中に 遺伝子発現にかかわる約140種類のタンパ ク質 低分子化合物を封入したシステムである本 年度は このシステム内部の遺伝子発現量の分布を

をリポーターとしてフローサイトメーターを 用いて測定することを試み 正確に発現量の 分布を測定することに成功した(図4)"さらに これらの人工細胞モデルの分布には 2つの由来が あることも明らかとなったすなわち 総体積 の分布と リポソーム内部構造に由来する内部体積 の分布である分布の由来は 「アトラクター摂動」

の原理の起源に直接影響を与えるため 詳細な解析 が必要であるそこで我々は リポソームの体積分 布の測定系の立ち上げを行った

これまでの我々の研究から リポソームが単純な 脂質二重膜ではなく複雑な内部構造を持っている ために 遺伝子発現の起こる体積はリポソームの総 体積とは異なることがわかっていたこれらを区別 して観測するために 総体積の指標としては既知濃 度の蛍光タンパク質を封入し また内部反応体積の 指標としては ガラクトシダーゼ酵素と基質を封入

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000

0.1 1 10 100 1000

Fr eq u enc y

Volum e (fl)

総体積

内部体積

図5 人工細胞モデルに用いているリポソームの体 積分布リポソームは複雑な内部構造を有しており 総体積と酵素反応が進行しうる内部体積が異なる ことがわかってきた総体積は既知濃度の蛍光タン パク質を封入することにより測定した内部体積は ガラクトシダーゼと蛍光基質を封入し 全ての基質 を分解した後の蛍光強度を測定することにより算 出した

し すべての基質を分解した後の分解産物の蛍光を 用いたこれらの指標を導入し それぞれ異なる波 長の蛍光を測定することにより リポソームの総体 積 内部の反応体積分布を区別して検出することが 可能となった本年度は フローサイトメーターに よる リポソームの体積分布を観測する系の立ち上 げに成功した(図5)

以上の結果から 人工細胞モデルについて 内部 の遺伝子発現量の分布 そして器であるリポソーム 体積分布の測定ができるようになった今後 「ア トラクター摂動」の原理がこの人工細胞モデルで もなりたっているかを検証するために 環境変化を あたえ そのときの分布がどのように どのくらい 変化するのかを観測するその結果を解析すること で 「アトラクター摂動」の原理が 生命システムの どこに由来しているかがわかると期待される

高次元ネットワーク解析システ ムの最適化

生物は様々な環境の変化に応答する際に その細 胞内の多数の遺伝子の働きを柔軟に調整している と考えられているそのような調整の機構を詳細に

㑇ఏᏊ䠍

㑇ఏᏊ䠍 㑇ఏᏊ䠎 㑇ఏᏊ䠎

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䠖䝥䝻䞊䝤 図タイリングアレイのプローブ設計それぞれ の遺伝子について 通常のマイクロアレイでは から種のプローブが遺伝子領域に設計されてい るタイリングアレイでは一定の間隔でプローブが 全領域に設計されている

理解するためには 数千種類にのぼる細胞内の遺伝 子それぞれの発現が 環境に応じてどのように変化 するかを定量的に解析することが不可欠である近 年普及してきたマイクロアレイを用いた遺伝子発 現の解析技術は 細胞内の数千の遺伝子の発現量を 一回の測定で同時に定量することが可能であり 細 胞のゲノム全体にわたる網羅的な遺伝子発現の分 析技術として有望視されているしかし より高精 度 高感度な遺伝子発現の解析にはいくつかの技術 的な課題が残されていた

そこで本研究では 既存のマイクロアレイ技術を 基盤にしつつ 実験条件の最適化とそれに基づく新 たなマイクロアレイデバイスの開発 核酸が配列に よって特異的に二重螺旋を形成する特性(ハイブ リダイゼーション)の物理素過程に基づいたアル ゴリズムの開発というハードとソフトの両面から の改良を行い 本プログラムが目指す研究に資する 高精度・高感度遺伝子ネットワーク解析システム の構築を行う

具体的には 基盤にスポットされるプローブの 不均一性が低く 最も信頼性が高いと考えられる

%&'()*+,社の!+-システムを採用 し この ハイブリダイゼーション特性を解析することで高感 度・高精度解析法を確立することとした !+-システムには 数百万種の25残基からなるオリゴ

.%がプローブとして搭載されているが プロー ブ塩基長のハイブリダイゼーションへの影響を網 羅的に検証するため 塩基長を14残基から25 残基まで1残基ずつ変更したプローブ群を搭載し

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