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図 状態に依存した税を課したときの振る舞い

より研究を行なった.特に本年度は下記の取り組 みを行なった.

ネットワークの動的変化に強靭な分 散システム

本研究では大規模なネットワークにおける小規 模障害への有効な対策,即ち,頻繁に発生する小 規模の障害がネットワーク全体へ波及しない手法 を検討した

まず既存の故障封じ込めプロトコルを階層的に 合成する手法を提案し,プロトコルの設計の容易 化を図った.故障封じ込めの概念とは,障害の悪 影響の波及を制限する通信プロトコルの性質のひ とつである.しかし故障封じ込めの性質を有する プロトコルの設計は容易ではなく,既存のプロト コル合成手法には故障封じ込めの性質を保証する ものは存在せず,本研究の意義は大きい.

また,本研究では出力安定性と呼ぶ概念を新た に提唱し,動的な分散システムの安定性を考える 理論的な基礎概念を構築した.ネットワーク中の ノードが動的に参加離脱を行なっても,システム は過敏には反応せず,各ノードの状態出力を可 能な限り平静安定に保つ下位層の実現は,上位 層のアプリケーションの安定動作のために重要で ある.

自己安定性を有するセンサーネット ワークの研究

本研究ではセンサーネットワークの自己組織化 の理論的基礎として,自己安定の概念の有効性を 実験的・理論的の両面より示した

まず,理論モデルで提案されている自己安定性 を有するノードクラスタリングプロトコルを,実 際のセンサーネットワークに対して5レベルか ら実装し,性能測定を行なった.その結果,実装 の容易性と十分なパフォーマンスが得られること を知見として得た.

次に,自己組織化に要する時間に関する確率的 な解析を行ない,自己組織化の性能の保証を理論 的に与えた.これまで同様な解析は行なわれてお らず,その意義は大きい.

生物に学ぶ分散ネットワークシステ ムの構築

本研究では,生物の持つ適応性に学ぶことで環 境の変動やシステム障害に強い通信プロトコルの 設計を行ない,実験的評価でその有効性を示した

まずアドホックネットワークにおけるノードク ラスタリングの実現に,アトラクタ選択を用いた 手法を提案し,ノードの移動や環境変動に優れた 性質を有することをシミュレーションで示した.

また 6,5 6$ ,%% 5#$37$% と呼ば れる,アリの集団の行動に基づくアドホックネッ トワーク向けのルーティングアルゴリズムを提案 し,その有効性をシミュレーションで示した.

ディペンダブル情報ネットワー クの構築に関する研究

ネットワーク上のサービスに対する 機能競合検出

ネットワーク上の複数のサービスが,矛盾や衝 突を引き起こすのを防止するための検証技術の開 発を行った.まず,アンビエントネットワークの 一形態であるホームネットワークを対象に研究を 行った.ホームネットワークでは,互いに接続され

た家電機器を協調させ,能動的にユーザにサービ スを提供することが可能である.しかし,このよ うな複数のサービスが同時に実行される場合,相 互作用により予期せぬ動作をしてしまう可能性が 知られている.研究では,このような可能性を自 動的に検出することが可能なことを,開発手法を,

ホームネットワークの実際の規格である8&%$

に適用することで示すことができた . 次に,音声通信サービスに対象を限定し,-$!)

#%$%と呼ばれる最新のハードウェア検証技術 が,ネットワーク上のサービス間の矛盾・衝突と いったインタラクションの検出に有用か否かにつ いて検討した.研究では,ネットワークの非同期性 を考慮して既存の-$!#%$%手法を改変し,検 証の大幅な効率化を達成することができた.その 結果,充分に実用的であるとの結論に至った

アルゴリズムの耐故障性の自動検証

ネットワーク上でミッションクリティカルなサー ビスを実現する場合,環境変動に対する適応性に 加えて,故障を含むどのような環境変動において も,最低限の安全性が保障されなければならない.

設計がそのような耐故障性に関する性質を正しく 満たすかどうかを検証するため,分散合意アルゴ リズムを対象に,アルゴリズムの記述を行うため の言語と,その検証を行うためのツールを開発し た.提案言語で記述されたアルゴリズムは,まず,

ツールによって,故障や通信遅延などの可能性の ある環境とともに数学的なモデルに自動変換され る.このモデルにバックエンドの検証器を適用す ることで,耐故障性の検証が実現できる.実際に,

いくつかの既存のアルゴリズムの検証に提案手法 を適用するとともに,意図的に混入した設計誤り を正しく検出することを示すことで,有用性を確 認できた

おわりに

本研究領域では,アンビエント情報環境の基盤 となる情報ネットワーク技術を確立することを目 的に,生物のダイナミクスに関する知見を基に,適 応的なネットワーク制御について研究を行ってい る.本年度は,各サブテーマに関して様々な基幹技

術の研究開発を行い,一部の技術に関しては,実 機による実証実験のレベルにまで到達することが できた.年度以降も引続き,本報告で述べた 主要ないくつかの研究軸に沿う形で研究開発を進 め,アンビエントネットワーク環境の構築技術の 創出を推進する.

参考文献

村田正幸 アンビエントネットワーク研究領域 アンビエント情報社会基盤創成拠点−生物に学ぶ 情報環境技術の確立−創設シンポジウム資料

小泉佑揮 宮村崇荒川伸一大木英司 塩本公平 村田正幸トラヒック変動に対する適応性を備えた アトラクター選択に基づく仮想網制御手法電子 情報通信学会技術研究報告

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文責:

村田 正幸

大阪大学大学院情報科学研究科

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アンビエントインタフェース領域

はじめに

アンビエント情報環境では,人は必ずしもコマ ンドのような形で明示的に指示を与えずとも,環 境側が場の状況を察知することによって,そこに いる人に適切な情報を適切に与えることが期待さ れる.

そのためには,まず,人がなんらかの活動をして いる場の状況をリアルタイムに察知するためのセ ンサが必要となる.人の明示的ではない行動など から場の状況をリアルタイムに正確に察知するた めには,さまざまな種類のセンサを多数環境に配 置し,それらから得られる情報を総合的に判断す る必要がある.しかし,これら多数のセンサから 得られる情報は,必ずしもいつも一貫していると は言えず,時には競合または矛盾する場合も少な からず生じることが予想される.しかも,場の状 況変化や故障などの不具合,新しいセンサの導入 などによって,使用するセンサの種類や数は頻繁 に変動する可能性もある.そこで,アンビエント 情報環境におけるインタフェースでは,このよう な曖昧性を含んだセンサ情報に柔軟に適応し,適 応的に情報提示を行う必要がある.

次に,環境中の人の活動に応じて,適切な情報 を人に適切に与えることができる情報提示の仕組 みを考える必要がある.そのためには,環境中に 複数配置された情報提示装置を状況に応じて的確 に組み合わせて利用することが必要となる.また,

このように構築された情報空間で複数の人が作業 や議論をする際に,場の状況を察知して場合によっ ては適切に活性化することも求められる.そこで,

アンビエント情報環境におけるインタフェースで は,場の状況変化や故障などの不具合,新しい情 報提示装置の導入などによって,使用する情報提 示装置の種類や数が変動する場合でも,柔軟かつ 的確に適応して情報を人に提示する必要がある.

また,アンビエントインタフェースの目指す「人 に対する当意即妙の支援」を実現するためには,人 間自身の意図や行動の様式を知り,インタフェー スがその様式に合った支援活動を行うことが求め

られる.例えば,人の行動をある種のアトラクター モデルとして記述し,インタフェースがこのアト ラクターに干渉して任意の摂動を生じさせること ができれば,強制された違和感の少ない,自然な 行動の誘導を実現できることになる.アンビエン ト情報環境におけるアンビエントインタフェース では,このように生物に学ぶ人−機械系を構築し,

人に寄り添い人と協調して行動することが求めら れる.

本研究領域では,以上のような考えに基づき,ア ンビエント情報環境におけるインタフェースを実 現する要素技術を確立するため,今年度は次の研 究課題に取り組んだ.

¯ センシングに基づく適応的な情報提示に関す る研究

¯ 情報空間の構築と複数の人間の相互作用に関 する研究

¯ 生物に学ぶ人間−機械系の構築 協調型行動支 援インタフェース

次章以降では,各項目ごとに本年度の検討内容を 記す.

センシングに基づく適応的な情 報提示に関する研究

概要

アンビエントインタフェースは人の多種多様な 活動を支援することを想定している.今年度は,ソ フトウェア開発,閲覧,屋外ナビゲーション,

および,音楽コンテンツ生成のそれぞれの作業に ついて,作業の状況をセンシングし適切な情報提 示を行う以下のアンビエントインタフェースにつ いて検討した.

¯ 書きかけのソフトウェアの断片を手がかりに 有用なソフトウェア部品を自動的に提供する ソフトウェア開発支援インタフェース

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