ESIPLISTとはFlashROMにコマンドを書き込み、起動時に書き込んだコマンドを自動的に発行する機能です。以
下に設定手順を記載します。
7.10.1 ESIPLISTの新規設定
ESIPLISTを新規作成する場合、以下の手順で行います。
① PERDAPI,STOPコマンドまたはPERDAPI,STOPNOFPRコマンドで測位停止ステートにします。
② ”$PERDCFG,ESIPLIST,NEW*10”を入力し、ESIPLISTの書き込みを開始します。
③ 起動時に自動的に発行したいコマンドを入力します。(20個同時に入力可)
④ ”$PERDCFG,ESIPLIST,CLOSE*1A”を入力し、ESIPLISTの書き込みを終了します。
ESIPLIST新規設定例
以下の設定をESIPLISTに新規に書き込む手順を記載します。
- CREセンテンスを出力
- ボーレートを115200 bpsに設定
受信機 ホスト
$PERDCFG,ESIPLIST,NEW*10
:ESIPLIST作成開始
$PERDAPI,STOP または
$PERDAPI,STOPNOFPR:停止要求
$PERDACK,PERDAPI
:入力受理 (STOP)
$PERDSYS,FIXSESSION,OFF
:停止通知
$PERDACK,PERDCFG
:入力受理 (ESIPLIST,NEW)
$PERDAPI,CROUT,E*41
:ESIPLISTにコマンドを記録
$PERDACK,PERDAPI
:入力受理 (CROUT)
$PERDAPI,UART1,115200*65
:ESIPLISTにコマンドを記録
$PERDACK,PERDAPI
:入力受理 (UART1)
$PERDCFG,ESIPLIST,CLOSE*1A
:ESIPLIST作成クローズ
$PERDACK,PERDCFG
:入力受理 (ESIPLIST,CLOSE)
① $PERDAPI,STOP*6Fまたは
$PERDAPI,STOPNOFPR*2A 測位停止要求コマンドを入力
② $PERDCFG,ESIPLIST,NEW*10 ESIPLISTの新規作成を開始
③ ESIPLISTに登録するコマンドを入力
$PERDAPI,CROUT,E*41
「CREセンテンスを出力」を登録
$PERDCFG,UART1,115200*65
「ボーレートを115200 bpsに設定」を登録
④ $PERDCFG,ESIPLIST,CLOSE*1A ESIPLISTの作成をクローズ
図 7.15 ESIPLIST作成シーケンス
7.10.2 ESIPLISTの追加設定
すでにESIPLISTにコマンドが書き込まれた状態からコマンドを追加する場合、以下の手順で行います。
① PERDAPI,STOPコマンドまたはPERDAPI,STOPNOFPRコマンドで測位停止ステートにします。
② ”$PERDCFG,ESIPLIST,APPEND*42”を入力し、ESIPLISTへのコマンドの追加を開始します。
③ 起動時に自動的に発行するためのコマンドを追加します。
④ ”$PERDCFG,ESIPLIST,CLOSE*1A”を入力し、ESIPLISTの書き込みを終了します。
ESIPLIST追加設定例
7.10.1項で作成したESIPLISTに以下の設定を追加する手順を記載します。
- 日本測地系(Tokyo Datum)に設定
受信機 ホスト
$PERDCFG,ESIPLIST,APPEND*42
:ESIPLIST追加要求
$PERDAPI,STOP または
$PERDAPI,STOPNOFPR:停止要求
$PERDACK,PERDAPI
:入力受理 (STOP)
$PERDSYS,FIXSESSION,OFF
:停止通知
$PERDACK,PERDCFG
:入力受理 (ESIPLIST,APPEND)
$PERDAPI,DATUM,172*26
:ESIPLISTにコマンドを記録
$PERDACK,PERDAPI
:入力受理 (DATUM)
$PERDCFG,ESIPLIST,CLOSE*1A
:ESIPLIST作成クローズ
$PERDACK,PERDCFG
:入力受理 (ESIPLIST,CLOSE)
① $PERDAPI,STOP*6Fまたは
$PERDAPI,STOPNOFPR*2A 測位停止要求コマンドを入力
② $PERDCFG,ESIPLIST,APPEND*42 ESIPLISTの追加書き込みを開始
③ $PERDAPI,DATUM,172*26
「日本測地系(Tokyo Datum)に設定」を登録
④ $PERDCFG,ESIPLIST,CLOSE*1A ESIPLISTの作成をクローズ
図 7.16 ESIPLISTの追加設定シーケンス
7.10.3 ESIPLISTの内容確認方法
ESIPLISTの内容は、”$PERDCFG,ESIPLIST,QUERY*06”を入力することで確認できます。
図 7.17に測位停止ステートで、7.10.1項、7.10.2項で設定したESIPLISTの内容を確認したときのシーケンスを 示します。
受信機 ホスト
$PERDCFG,ESIPLIST,QUERY*06
:ESIPLISTの内容出力要求
$PERDCFG,ESIPLIST,BEGIN*0B ESIPLISTの内容出力開始
$PERDAPI,CROUT,E*41
$PERDAPI,UART1,115200*65
$PERDAPI,DATUM,172*26
$PERDCFG,ESIPLIST,END*03 ESIPLISTの内容出力終了
$PERDACK,PERDCFG
:入力受理 (ESIPLIST,QUERY)
① $PERDCFG,ESIPLIST,QUERY*06 ESIPLISTの内容出力要求
② ESIPLISTの内容出力要求を受信すると、以下の通り出力します。
$PERDCFG,ESIPLIST,BEGIN*0B
$PERDAPI,CROUT,E*41
$PERDCFG,UART1,115200*65
$PERDAPI,DATUM,172*26
$PERDCFG,ESIPLIST,END*03
:内容出力開始
:書き込まれた内容
:内容出力終了
③ ESIPLISTの内容出力要求の入力受理(ACK)は、ESIPLISTの内 容出力後に出力されます。
図 7.17 ESIPLISTの内容確認シーケンス
7.10.4 ESIPLIST消去手順
図 7.18にESIPLISTの消去シーケンスを示します。
受信機 ホスト
$PERDCFG,ESIPLIST,DELETE*55
:ESIPLIST消去
$PERDAPI,STOP または
$PERDAPI,STOPNOFPR:停止要求
$PERDACK,PERDAPI
:入力受理 (STOP)
$PERDSYS,FIXSESION,OFF
:停止通知
$PERDACK,PERDCFG
:入力受理 (ESIPLIST,DELETE)
$PERDCFG,ESIPLIST,QUERY*06
:ESIPLISTの内容出力要求
$PERDCFG,ESIPLIST,BEGIN*0B
$PERDCFG,ESIPLIST,END*03
$PERDACK,PERDCFG
:入力受理 (ESIPLIST,QUERY)
① $PERDAPI,STOP*6Fまたは
$PERDAPI,STOPNOFPR*2A 測位停止要求コマンドを入力
② $PERDCFG,ESIPLIST,DELETE*55 ESIPLISTを消去
③ $PERDCFG,ESIPLIST,QUERY*06 ESIPLISTの内容出力要求
④ $PERDCFG,ESIPLIST,BEGIN*0B
$PERDCFG,ESIPLIST,END*03
ESIPLISTに何も登録されていない場合は、BEGINと ENDのみ出力されます。
図 7.18 ESIPLISTの消去シーケンス
7.10.5 ESIPLISTで設定可能なコマンド
表 7.4 NMEAコマンドのESIPLIST設定可否
コマンド名 設定内容 設定可否
API
ANTIJAM アンチジャミング機能 ●
CROUT オリジナルセンテンス出力 ●
DATUM 測地系 ●
DEFLS デフォルトうるう秒 ●
EXTENDGSA GSAセンテンス拡張 ●
FIRSTFIXFILTER ファーストフィックスフィルタ ●
FIXMASK 衛星マスク ●
FIXPERSEC 測位更新周期 ●
GNSS 測位衛星システム ●
LATPROP プロパゲーション ●
OUTPROP GNSS未測位時に推測測位する秒数 ●
PIN ピンニング ●
POS 位置 N/A
PPS Pulse per second ●
RAIM RAIM ●
RESTART/
RESTARTNOFPR 再起動要求 N/A
SBASBLS 優先的にサーチするSBAS衛星の設定 ●
SELFEPH Self-EphemerisTMモードのON/OFF ●
START 起動要求とスタートモードの設定 N/A
STATIC Staticモードの遷移条件 ●
STOP/STOPNOFPR 停止要求 N/A
TIME 時刻 N/A
CFG
ESIPLIST ESIPLIST作成 N/A
FACTORYRESET バックアップRAM、FlashROMのバックアップ情報全消去 N/A
FORMAT プロトコルフォーマットの変更 ●
NMEAOUT 標準NMEA出力 ●
SILENTSTART SILENTSTARTモード移行の設定 ●
UART1 シリアル通信ポート1 ●
UART2 シリアル通信ポート2 ●
SYS
ANTSEL アンテナ入力 ●
BBRAM バックアップRAM Query N/A
ERRACT 異常発生時の受信機の振る舞い設定 ●
FIXSESSION GNSS session出力要求 N/A
GPIO GPIO出力要求 N/A
RECPLAY 診断データ出力ON/OFF N/A
SELFEPH Self-EphemerisTM計算時間 ●
SELFTEST セルフテスト出力要求 ●
VERSION ソフトウェアバージョン出力要求 N/A
ESIPLISTに複数の設定内容の違う、同じ種類のコマンドを書き込むことは、避けてください。もし書き込んだ場合
は、後に設定したコマンドの内容が反映されます。例えば、”$PERDCFG,NMEAOUT,GGA,1*54”(GGAセンテンス
7.10.6 ESIPLISTで設定したコマンドが実行されるタイミング
7.10.5項に示したコマンドが実行されるタイミングは、コマンドの種類により異なり、表 7.5の通りです。
表 7.5 コマンドの実行されるタイミング
APIクラス CFGクラス SYSクラス
電源ONにより測位動作ステートへ遷移 ● ● ●
PERDAPI,STARTコマンドにより測位動作ステートへ遷移 ● N/A N/A
PERDCFG,ESIPLIST,EXECUTEの送信 N/A ● ●
1. ESIPLISTにAPIクラスのコマンドを含まない場合
PERDCFG,ESIPLIST,EXECUTEコマンドを実行できます。
2. ESIPLISTにAPIクラスのコマンドのみを含む場合
"EXECUTE"コマンドは使用しないようにしてください。PERDCFG,ESIPLIST,EXECUTEコマンドを実行すると、
NACKが返る場合があります。
3. ESIPLISTにAPIクラスとCFG,SYSクラスのコマンドが混在する場合
ESIPLIST設定後、次回電源ON、または以下の手順A)B)いずれかを実施することで、ESIPLIST設定内容を受 信機へ反映できます。
A) EXECUTEコマンドを使用しない方法
① 7.10.1項の手順に従って、ESIPLISTを新規設定する。
② ESIPLISTに登録するコマンドのうち、CFGクラス、SYSクラスのみ送信する。
③ 測位動作ステートへ遷移するコマンドを送信する。
B) EXECUTEコマンドを使用する方法
① ESIPLISTに登録するCFGクラス、SYSクラスのコマンドを7.10.1項の手順に従い新規設定する。
② ESIPLIST,EXECUTEを実行する。
③ ESIPLISTに登録するAPIクラスのコマンドを7.10.2項の手順に従い追加する。
④ 測位動作ステートへ遷移するコマンドを送信する。