56 監査人(公認会計士)によるEDP部門の業務の監査は,会計記録の正確性,完全性 の観点からみて,必要であると,EDP部門のスタッフは認めますか。該当する欄をチ ェックして下さい。
イエス ノ一 回答なし
l二至コ l二重二二二1 1二互コ
「ノー.」の場合,その理由を記入して下さい。
1会計記録の正確性,完全性は−・定水準以上にあるので必要なし。 l二互コ
ヱ97β
l二三ニコ
l二三コ l=互コ
〉 !i】
香川大学経済学部 研究年報12
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2 内部監査人,ユ−・ザ部門の照合で十分である。
3 インプノト,アウトプットの監査で十分である。
4 内部統制組識が確立している。
5 その他。
57 内部監査人によるEDP部門内の業務監査は,会計記録の正確性,完全性の観点から みて必要であると,EDP部門のスタッフは認めますか。該当する欄をチェックして下 さい。
イエス ノ ー 回答なし
【=亘コ 】二重コ !=互コ
「ノー.」の場合,その理由を記入して下さい。
1会計記録の正確性,完全性は一定水準以上にあるので必要なし。
2 ユーーザ一部門の照合で十分である。
3 インプット,アウトプットの監査で十分である。
4 内部統制組織が確立している。
5 その他 6 理由の記載なし。
58 EDPの今後のあり方について,御意見があれば御教示下さい。
代表的見解は,以下の通りである。
1監査,コントロ−ルのあり方がEDPによって変革しなければならぬことの認識,
理解が−・般に欠如している。概念的には認識があるとしても理解というレベルではな い。監査人,EDP,会計の三者がそれぞれに異なる理解,知識,能力の欠如がある ので,それぞれに異なる啓蒙,教育が必要である。
2 一都の先進的な人を除いて,多くの外部監査人はEDP監査にあまり関心がない−
あるいは避けているように思われる。EDP監査の必要性の評価と現状のギャップ が,このようなアンケ−ト調査において各項目間の回答の矛盾となってあらわれるよ
うな気がする。協会の熱心な研究が望まれる。
3 情報処理は,ますます専門的知識,要素を高めていくので,今後監査の立場から,
EDPに対処していくためにも,監査側のEDPに対する知識のアップ,あるいは専 用の汎用ソフトの開発が必要である。また,オ・ンライン化の時代を迎えている今日,
その立入り監査も,従来と異なり,オペレーティング・システムで処理されることが 必須条件である。
4 EDP監査の必要性を周知徹底させる啓蒙活動が必要である。
5 法的規準(監査実施基準・準則など)を確立すべきである。
EDP環境における監査技術の現状と将来
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6 監査人ほ最終的な段階で調査するにとどまらず,システム設封の当初よりEDP部 門などと連携を密にし,必要とあらば監査手順を組入んでおくのが望ましい。
7 監査人のプログラム監査,テスト・デ巾タに.よる監査は手数ばかりかかり,何の結 果も得られないであろう。正確性をチェックするには,インプットとアウトプットの つながりを追っていく以外にない。途中ほ全部CPUのなかであるから,プログラム の監査以外にはないと考えるのほ考えすぎである。途中結果は必ずといっていいほど プリントされたものがあろう。ただ監査人に見せないことがあるにすぎない。プログ ラム上監査に不適確なことをすることはまずない。インプソト・データを変えて内容 を変化させることが普通であるので,データのチェックこそ重要と考える。
8 監査人ほ,会計処理の監査を目的とするもので,EDP処理の菓務監査をするもの ではない。したがって,予めEDP会計処理フローーの内に,監査上必要とするアウト プットを組み込むことを企業に要請し,継続的にアウトプットにより引数監査を実施
するのが望■ましい。
9 システムを監査人に登録するようにし,改訂があれば,その都度承認を得るように すればEDPの監査としては十分と思われる。自己検査がシステムの中に含まれてい るかどうか等をチ.ェックすればよい。マイクロフィルムの使用を認めるよう法の改制 を申し入れるべきである。
10 EDP業務の監査は過渡的に必要と認めますが,処理の実体がよく分かれば必要な くなると思います。あまり詳細に,あまり制約を設定されると企業の発展を阻害する こともあることに留意され,不正誤謬は絶対にゆるさないが煩雑さは極力さり■る方向 で監査すべきである
11企業に負担を及ぼすEDP監査方法とか,経済利益巷無視したプログラマ,オ・ペレ 一夕の分離などは問題である。
12 内部監査制度を義務づけ,その足りないところを外部監査で行なう方向で検討する のが良いと思う。
13 EDP部門はアウトプット提出先の各部門からクレ−ムが来ないように如何に正確 な資料を作成するかに日夜苦労しているので,誤りの大部分は処理過程よりもインプ
ット(原始伝票)に起因することが多い。インプットの作成は人的作業である。
14 数年前から問題が発生し,経団連も熱心でありますが,未だ法律のような規範とは ならないのは,調査側(税務,公認会計士など)と受ける側との間に不信感があるた めである。あまりにきびしき提案であり,会社側には,もっと信じてはしいという気
持が多分にあるようである。
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】− 5写・−
15 公認会計士が,かなりの程度のコンビュ・一夕に関する知識をもつとともに企業の経
理担当者もコンピュータの知識をもっと高める必要がある。監査プログラムなどを実 行に移すためには,会計士協会が少なくとも被監査会社と同レベルのEDPセンタ」−・
をもち,そこで会計士を十分訓練させるなり,あるいは会計士協会が専門のシステム
・エンジニア,プログラマ,オペレータ−などを養成するように努力すべきである。
単なる通信教育や,講習会程度の知識ではなく,本格的にコンビュ」一夕に関する知 識,技術を備えないと,本格的なEDP監査の実施に踏みきれないと思う。
EDP環境におけ る監査技術の現状と将来 −55−
監査人に対する質問書とその回答の集計結果
EDP監査実態調査質問書記入のお願いについて
ここ数年来,コンピュータが広く導入され,わが国の企業経営に定着しつつあります。
これに対応して,公認会計士による証取監査(証券取引法第193条の2にもとづく監査)
もEDP業務をとりあげなければならなくなってき■ました。しかるに,わが国では,その 実態ほまだ十分に把握されておりません。諸外国においては,たとえば,アメリカ公認会 計士協会,カナダ勅許会計士協会,イングランドおよびウェールズ勅許会計士協会など が,EDP監査の実態調査を行なっています。
しかるに,わが国では,学会においても諸外国の文献紹介に終始せざるを得ない状況に あり■ます。そこで,EDP監査の実態および将来の動向を把握するため,この実態調査を 企画いたしました。わが国証取監査における,公認会計士のEDP監査の現状を監査人
(公認会計士)の眼から客観的に把握することがねらいであります。EDP監査の理論と 実務を確立するために何分の御協力を御願い申しあげます。なお,統計上の管理のため負 問蕃に一題番号を付してありますが,会計事務所名などの機密保持には万全の注意を払い ます。また御協力いただいた事務所には,調査結果を差しあげます。
昭和47月7月30日 調査担当者:香川大学教授 森 実 滋賀大学助教授 大矢知 浩 司 後 援:関西監査研究会 久保田 音二郎
(神戸大学名誉教授)
近 沢 弘 治
(甲南大学教授)
桜 井 弘 蔵
(和歌山大学教授)
その他 記
1 記入者 会計事務所の代表者
2 匝Ⅰ答期日 15日以内
3 返送方法 同封の封筒による
4 記入上の注意(イ)該当する欄[ニコには,チェック[妄コして下さい。
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(ロ)○を付する場合には,該当する番号を○で囲んで下さい。
M その他の記入ほ,できるかぎり詳しく記入して下さい。
(⇒ 該当質問に余白がなければ,適当な用紙を添付して下さい。
糾 記入を求めた質問にて該当しない質問には「該当なし.」と明記 して下さい。
金融・保険業を除く,東京証券取引所第1部局場上場会社718社
(昭和46年10月30日現在)より無作為抽出した200社の証取監 査を実施している監査法人(22)および監査人(61)を対象とする。
5 抽出方法
EDP監査実態調査質問書
Ⅰ −・般的質問
1貴会討事務所の組織は,次のいずれに属しますか。該当する番号に○印を付して下さ
い。 調査対象 回答監査人
1監 査 法 人 l二軍コ l二丈コ
2 個 人 組 織 1=亘コ I二亘コ
2 貴会計事務所の事務所数(支店数)を記入して下さい。
監査法人平均 j二要互ニー 個人組織l=堕=低所
3 員会計事務所の仝スタッフの資格構成を記入して下さい(個人組織の場合本人を含 む)。また,()内に女子のスタッフ数を付記して下さい。但し,税理士,計浄土など で,公認会計士,会計士補の資格を同時にもつものは,代表社員,公認会計士,会計士 補という上位のランクに記入して,いずれの場合にも重凝記入をさけて下さい。
1代表社員(監査法人の場合のみ)
2 公認会計士(代表社員を含めない)
3 会計士補 4 計理士 5 税ヨ認士 6 無資格者
7 その他(特にEDP専門家など詳細に記入して下さい)
平均3.1名6.7%(0.1)名 9.7 45.1( ) 5.113.8(0.
0.2 1.8(
5.132.6(2.1)
( ) 合計23.2100.0(2.3)